2010/07/26(月)22:24
遠水は近火を救わず 韓非子
遠水は近火を救わず 韓非子
「遠水は近火を救わず」とは、遠くにある水では近くの火事を消せない。遠くのものは、急場の役に立たないこと。
略して「遠水近火」ともいう。
魯(ろ)の穆(ぼく)公はその息子達を晉(しん)と荊(けい)とに仕えさせることにした。
その頃の魯の国は、隣国の斉の脅威にさらされていた。
そこで晉や荊という強国とよしみを通じておいて、自分の国が危うくなったときに、それらの国々から助けてもらおうという思惑があった。
穆(ぼく)公のそんな安易な考えを、犁(り)ショが諫めて言った。
「人を越より借りて溺死を救わんとせば、越人良く泳ぐと言えども子は必ず生きざらん。
失火して水を海より取らんとせば、海水多しといえども火は必ず滅せじ。
遠水は近火を救わず。
今、晉と荊とは強しといえども、しかも斉は近し、魯、おそらくはそれ救われざらん」
越の人は泳ぎが巧いからといって、溺れている者を助けるために越の人を呼びに行っても、間に合う筈はない。
越は遠国だからである。
海に水がいっぱいあるからといって、火事を消すために海の水を引こうとしたところで、その間に家は燃え尽きてしまう。
晉と荊は強国であるが、魯と遠く隔たっている。
魯が隣国の斉に攻められたときには、恐らく魯の助けには為るまい。
遠水は近火を救う事は出来ない。
「遠くの親戚より、近くの他人」という言葉も同じ意味です。
MOOSEの思いつきでは、「案ずるより生むが安し」かな?
あれこれ悩むより行動を起こせということでしょうか。
すこし違いますね。
「話せばわかる」って有名な言葉がありますね。
話して分かってもらえる方が相手なら、そんな話にもならないでしょう。
とりあえず自分の身に危険が迫ったら、愚だ愚だ能書きをたれていないで三十六計逃げるにしかず。
これが上策でしょう。