2015/01/11(日)20:49
『略奪の海 カリブ』
『略奪の海 カリブ -もうひとつのラテン・アメリカ史-』
●増田 義郎 著 ●岩波新書 ●1989年6月 第一刷発行
16世紀から17世紀にかけてカリブ海で大暴れした海賊たちとは、スペインから中南米の覇権を奪おうとしたイギリスの先兵であった。以後イギリスは各国の独立を支援しつつ、19世紀へ向けて、中南米全域に経済的従属を強いていく。砂糖産業、奴隷貿易の話を交えながら、イギリスによる世界市場支配成功の謎を探る。 (本書紹介文より)
スペイン・ポルトガルの新大陸支配とその覇権を覆したイギリスとの対立というと、どうしてもヨーロッパを軸とした歴史理解になりがちですが、本書ではあくまで新大陸という立場から(アメリカ大陸で実際に起こっている事象に光を当てながら)解き明かしていくという手法です。
たいへん新鮮に感じました。また、奴隷貿易やそれに絡む砂糖、綿花といったプランテーション農業の実態も詳しく描かれており、初期の新大陸の様子がよく分かります。とても参考になりました。
ムーチャス・グラシアス!