『ブリッジ』
『ブリッジ』オフィシャルサイト■この映画は■どんな映画なのか調べようとしたらば、ドキュメンタリーなのであらすじのところにほぼ全てが書いてあるのだけれど、何にも見ざる聞かざる読まざる予備知識なしで見に行った方が面白いだろう、と他のサイトで書いてあるのを読みました。確かに私もそう思います。私はどんな映画なのかわかってて行ったので、結構漫然と見てしまいました。何にも知らない方が食いついて見られると思う。ですのでちょっとでも興味のある方は、以下は読まない方が良し。公式サイトも見ないですぐに出かけましょう。恵比寿ガーデンプレイス(略してエビガ)でやってます。■ネタバレするあらすじ■サンフランシスコにあるゴールデンゲイトブリッジ。1937年に開通した全長2,790mの橋だ。海峡をまたぐ堂々とした橋の姿に、誰もが魅了され毎年多くの観光客が訪れる。映画はこの橋の全景をまんべんなく映し、橋の上を行き交う車を映し、記念撮影を楽しむ観光客を映す。橋の下でウォータースポーツを楽しむ人々を映し、カモメの群を映す。ふと、カメラに太めの中年の男性が映り込む。少しの間欄干に肘をついて下を眺めたかと思うと、男性はそのまま欄干を乗り越え、橋桁から飛び降りる。カメラは落ちていく姿を追おうとするが、スピードについていけず男性はカメラから消える。そう、ゴールデンゲイトブリッジは、世界一その数の多い自殺の名所なのだ。来る日も来る日も、望遠レンズで橋を記録する。行き交う人々、思い悩む人々、飛び込む人々、それに居合せた人々。この映画はカメラが(偶然ではなく)撮影した自殺者の最期と、その遺族や友人からインタビューを聞くことで構成されている。■う~ん■オフィシャルサイトのトップには「橋桁に足をかけた人をみかけたらすぐに通報することをルールとして撮影した」という監督の言葉がある。だけど、でも、この映画のコンセプト自体が「橋から飛び降りる人の記録を撮る」ことなんだから、あんまり説得力がないなあ。橋桁に足をかけてから通報したんじゃ遅い場合は多々あるわけで。思いつめた顔で欄干に肘をつく人々を、ず~~っとカメラは「待っている」ように映し続けているわけで。自殺防止を呼びかけるための映画、どうして人は自殺してしまうかを考えてもらうための映画だとしても、それならこの飛び降りてしまった人たちはそのための犠牲として見過ごされたの? チラリとそんなことを思う。けれど、インタビューに答える遺族たちは、自殺者の生い立ちを語りはしても「カメラで撮っていたならどうして止めてくれなかったの?」とは言わない。すぐに裁判を起こす国だというアメーーーーリカ。「肥満体質になったのはマクドナルドのせいだ!」って言う前に、こっちじゃないのか? わからん。アメリカのことはわからん。■実はちょっと衝撃的な話 R15■4年くらい前に、飛び降り自殺の現場に居合せてしまったことがある。奥多摩の河原で、ものすごい音がして振り返ったら20mくらい離れたところに人が倒れていた。何が怖かったって、振り返った時のシンと静まりかえった感じがすごく怖かった。近くには高校生が7,8人でキャンプしていたりして何人か人がいたのだけれど、その瞬間だけ時が止まったみたいに静かだった。10秒くらい何が起ったのかわからなくて、だけど多分すごく怖いことが起ったということだけがわかって、その何だかわからない感じがすごく怖かった。3時間かけて車で奥多摩まで行ったけれど、30分で帰ってきました。あれはほんとに。怖かったなあ。