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イスタンブールを中心としたトルコの情報やってます!
現地メディア・公的機関のホームページと、個人的体験に基づいた、全く勝手な「耳寄り情報」をお知らせします。 余りにも「前衛」過ぎて、付いて来られないかもしれませんが、お付き合い頂けば嬉しいです。 始めは、「経済情報」と「観光情報」を中心に書く予定です。 最近では、VISTAといってBRICsに次ぐ新興成長国として注目を集めているトルコの経済、そして何よりもイスタンブール証券取引所について書いてみようと思っています。 そして、イスタンブールのブルーモスク、アヤソフィア、ボズポラス海峡といった超有名どころから、アンカラのアタテュルク廟、アナトリア文明博物館といった少し地味ですが、まじめな施設についても書く予定です。 ![]() ![]() ![]() ![]()
カテゴリ:社会問題
今日(3月30日)は、前回、1日で怒涛(?)の3回投稿から1週間が経過しました。今回は、19日の状況から今日までの状況を紹介します。
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前回は、結論として、「イマムオール大イスタンブル市長は経済犯罪の容疑で逮捕・収監され、テロ容疑では不起訴となった」ことと、「YSK(高等選挙員会)(中略)は『CHP臨時党大会の開催を不許可にしたという事実はない』と発表しました。これにより、予定どおり4月6日(日)にCHPの臨時党大会が行われ、新党首が選出されることにな」ったことを紹介しました。今回はその背景とその後の状況について紹介します。 トルコ経済に関心のある方、特にトルコリラに投資をしている方はもう十分ご存じと思いますが、3月19日にイマムオール大イスタンブル市長(当時)のイスタンブル大学の卒業証書が無効とされ、翌20日早朝に自宅で同市長が拘束されました。そこらからトルコ・リラとイスタンブル証券取引所の株価が暴落しました。その後、イスタンブル大学の学生たちが、イマムオール市長の卒業資格はく奪に抗議するために大学内外でデモ行進を開始しました。これを受けた(?)オゼルCHP党首は、イマムオール市長を応援するためにイスタンブル市役所前(地名はサラチハーネ)に集まるようにトルコ国民、特にイスタンブル市民に呼びかけました。そして、この日から1週間、毎晩、イスタンブル市役所前の広場に何万人もの人が集まって抗議を行うようになりました。1日目は、アンカラからヤヴァシュ大アンカラ市長も駆けつけ、大統領候補選挙でイマムオール市長を応援することを明らかにするなど、CHPの中も、そして、他の野党も一致して、イマムオール市長拘束にこぞって反対する状態になりました。さらに21日には、アンカラで最も有力と言っても良い中東工科大学(ODTU)でも学生デモが始まりました。この辺りは以前説明しましたのでこれ以上は説明しませんが、今回、強調したいのは、イスタンブルとアンカラというトルコの政治で最も重要な2大都市で、学生たち、とりわけZ世代と言われる若い世代が中心になってイマムオール市長を支援するための抗議行動が始まった点です。経済に戻りますと、管理者は以前から「トルコリラに投資をしてはいけないとは言わないが、いつでも(瞬間に)脱出できる準備だけはしておくべきだ」と指摘してきましたが、(選挙でエルドーアン大統領が敗北することを含め、)いつかこういう日が起こることを想定していたからです。リラ防衛のために、200億ドルとも300億ドルともいわれるドル売りリラ買い介入が行われたとのことです。元中央銀行エコノミストの計算では、3月20日、21日の2日で142億ドル、逮捕・収監があった23日(日)の翌日と翌々日の2日間にも136億ドル、1週間で合計296億ドルのドル売りリラ買い介入が行われたとのことです。 「エルドーアン大統領は経済の結果も、抗議行動の状況も当初から予想していた」という専門家もいますが、「経済界の反応の大きさも、トルコ国民の反発の強さも予想外だった」という分析をする専門家の方が多いと思います。管理者も、「イマムオール市長をテロ支援容疑で逮捕・収監しなかった(=管理人(代理市長)を任命しなかった)」という事実は、国内外からの予想外の厳しい反応があったために急遽予定を変更した結果であると考えます。さらに突っ込んだ見方をする人は、「イスタンブル大学学生の抗議行動開始を見たオゼル党首が、20日の夜から市役所前に集まるように国民(イスタンブル市民)に呼びかけたこと」がターニングポイントになり、抗議行動が拡大した。学生の抗議行動とオゼル党首の集会の呼びかけ(と臨時党大会の決定)があったため、エルドーアン大統領の『イマムオール大イスタンブル市長をテロ支援容疑で逮捕・収監し、イスタンブル市長として管理人(代理市長)を任命する、同時にCHP党首にも管理人を任命し、CHPを完全に抑え込む。そして、アンカラ、イズミル、アダナなど、大都市の市長に順々に管理人を指名する)』という陰謀がとん挫した」と指摘しています。先程も紹介しましたが、「ここまでやって、イスタンブル市長に管理人を任命しない」というのは全く論理的ではないので、管理者としては、「市場と国民の反応は、エルドーアン大統領の想定外だった」のではないかと考えます。 なお、3月23日に行われた「CHP党員による大統領候補予備選挙」と「一般国民によるイマムオール大イスタンブル市長を大統領候補として支持する」という投票で、CHPの発表では1,550万人が投票したそうです。この数字が本当だとすれば、トルコの全有権者の4分の1以上、3分の1以下の人が投票したことになります、また、3月26日には、解任されたイマムオール大イスタンブル市長の代わりを務める代理市長が、イスタンブル市議会によって選出されました。あまり話題(ニュース)にならなかったのですが、イマムオール前市長が務めていたベイリクテュズ区長が代理市長に選出されたそうです。そして、いったん終了したサラチハーネ(イスタンブル市役所前)での抗議集会の拡大版として29日に行われたイスタンブル市のアジア側にあるマルテペというところで行われた「イマムオール前市長の釈放を求める集会」には、CHP発表によれば220万人が集まりました。220万人は大げさと思われていますが、最低でも100万人は集まったことが確実視されています。そして、CHPの臨時党大会も、現時点では予定どおり4月6日に行われる予定です。20日のイスタンブル大学における抗議行動とイスタンブル市役所前の抗議集会開催から29日のマルテペにおける大抗議集会までの動きは、「エルドーアン大統領を恐れて抗議を行わなかった人々が、ついにその恐怖心を乗り越えて行動に移った状態」とも指摘されています。 なお、今日から砂糖祭(サマザン・バイラム)で、3日間続き火曜日に終了しますが、エルドーアン大統領は水、木、金の3日間を公休として、国家公務員、学校などを休みとし、前後の土日を含めて9日間の休暇としました(これまで砂糖祭では、月曜日が前日で午後休、金曜日平日になった場合に、月曜日の午前と金曜日の1.5日を休みとして9日の連続休暇とすることが普通でした(なお、約1ヶ月後に来る犠牲祭(クルバン・バイラム)はもともと4日間の休みです))。経済の活性化という意味もあるはずですが、それ以上に「学生たちを筆頭に、多くの人が故郷に帰るように促したり、休暇に行ったりするように仕向けるため」と考えられています。上で紹介した9日連続休暇により、銀行も証券取引所も来週は締まりますので、市場は一旦冷却化期間ができることになりますが、再来週に市場が再開した時、どのような反応となるかは、現時点では不明です。エルドーアン大統領が選挙に強い政治家であることは確実ですが、23年間の政権継続の結果、「裸の王様」になっている可能性も否定できません。トルコ経済がもともと非常に厳しい状態であった上に、上で紹介しましたように「リラ暴落、株式指数の暴落」が発生し、「インフレ高進、金利急上昇」などを通じてトルコ経済が一層厳しい状況になることはほぼ確実であり、エルドーアン大統領が一層厳しい状況に陥るものと思われますが、ここから2023年の大統領選挙の時のような大どんでん返しが起こるのか、多くの人が関心を持ってみているところです。 トルコリラ等の外貨建ても含めた債券投資に関する情報を発信しています。外債投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。 社債投資まとめ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.03.31 07:04:39
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