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カテゴリ:社会問題
この3日間ブログが更新できず、楽しみにしていただいている読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。残念ながら、少なくともこの後も2週間程度は、更新頻度が下がることが予想されます。できる限り頻度を回復したいと思いますので、少し気長にお待ちいただければ幸いです。
今日(8日)は、経済面ではあまり重要と思われる記事は出ていませんでした。強いてあげれば、「株式市場の好調さ」に関する記事が2つほど出ていました。一方、社会面では重要と思われる記事がいくつか出ていました。一つは、エルドーアン大統領の政策転換を思わせる事件?に関する記事が出ていました。今日行われた閣議で良く言えば「国民のことを考えた政策」を取り入れる決定を行ったことで、もう一つは「善良党(IYI Parti)を分裂させようという策略?」が1つ成功したことに関する記事です。 「(AAでは)記事にならない情報」としては、今日は何と言っても、「善良党(IYI Parti)を分裂させようという陰謀?」に関するものが重要と思われます。「野党の失態」なので、AAにも記事は3つも、4つも出ている状態ですが、この事件が起こった裏には、「善良党(IYI Parti)を分裂させようという与党による陰謀?」があるというのが野党側の指摘です。一言で言えば、「テュルクカン善良党副党首が、戦死者遺族の関係者に対して暴言を吐いた」という事件です。この部分は事実であり、アクシャネル善良党党首も「テュルクカン副党首の発言は許されない」と、正式な決定を待つことなく非難し、同副党首を解任して、別の副党首を指名しました。一方で、先ほど紹介した「善良党を分裂させよう、善良党の評判を落とそうという陰謀」である可能性はかなりあるのではないかと思われます。が、「作為の有無」は別として、外形上、「戦死者遺族の関係者に対して暴言を吐いた」という許されない状況があったことは事実で、本人もソーシャル・メディアなどで謝罪しています。野党攻撃の格好の材料ですので、エルドーアンAKP総裁兼大統領は、早速、攻撃を行い、「党からの除名だけではなく、国会議員の除名も必要」と攻め込んでいます。アクシャネル善良党党首を始め、同党幹部も「党員の引き締め=挑発には絶対に乗らないように=攻撃材料を与えるような言動をしないように」との警告を党員に発信しています。 もう一つは、今日の閣議の決定にも大きく関係しますが、これまでの失敗を取り返すために、良く言えば「国民のことを考えた政策」を取り入れる決定を行ったことですが、悪く言えば「弥縫策、あるいはばらまき政治」が始まった一方で、はやり、「心からの改心ではない?」ことを示すかのうに、今度は「大統領の暴言」に関する問題が指摘されています。こちらは何度か紹介している「BOTの(通行量、患者数などの)保証を行ったことにより、保証金支払いのための国庫からの多額の支出が生じている」という問題に関するものです。エルドーアン大統領の「5クシュル(約6円)も国民負担となることはない(税金を投入しない)」といううたい文句とは裏腹に「何百億リラもの国庫支出が毎年行われている」ことを指摘した野党の非難に対して、「お前には何の関係(発言権)もない」いう切り返しをしたが問題になっています。国会で議論されるのは当然で、大統領、与党に説明する義務があるのも当然と思われますが、あっさり「お前には何の関係もない」の一言で否定していることからも、「エルドーアン大統領は真剣な経済政策を実施するというよりも、弥縫策で一時しのぎをしているだけ」と考えられるとの指摘が出ています。 いずれにしても、「エルドーアン大統領の健康不安説」にも関係し、総選挙をいつ行うのかも、今後更に関心が高まっていくものと思われます。 なお、数年前にはトルコ東部のヴァン県で発生した地震の救援にボランティアで参加した日本の方が余震で崩れたホテルの下敷きとなり、一人亡くなり、一人は救助された事件があり、その追悼記事も出ている一方で、今日(トルコ時間20:43)、コンヤ県でマグニチュード5.0の地震が発生し、建物が一部崩壊したという記事も出ていました(現時点まででは、「死傷者なし」とのことです)。
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今日、アナトリア通信(AA)には、次の記事が出ていました。今日はそのうちの1の記事を紹介します。 1 エルドーアン大統領は、『保健省が新たに4万人を雇用する』と発言 2 AKP大イスタンブル市議会女性議員からリュトフュ・テュルクカン(善良党副党首)に対する批判 3 BIST-100指数は、史上初めて1,600ポイントを超えた 4 外国人投資家は、株式市場で3ヶ月間連続して純買い越しを行った 5 トルコで今年1~10月に241万件の不動産販売手続きが行われた 11月8日(最初の患者確認から608日目)付けの新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します。 今日の検査件数: 35万7,832件 今日の感染者数: 2万7,824人 今日の死者数: 187人 今日の完治者数: 2万8,255人
今日、紹介するAAの記事の見出しは「エルドーアン大統領は、『保健省が新たに4万人を雇用する』と発言」です。今日(8日)付の記事です。抜粋して紹介します。 レジェップ・タイイップ・エルドーアン大統領は、大統領府で行われた閣議後に国民向けの演説を行い、閣議で健康問題から外交問題まで、エネルギーから公平性まで、トルコと国民に関わる多くの問題について詳しく議論したと述べました。 エルドーアン大統領は、「保健省に4万人の新しい職員を採用するという奇跡もトルコ国民と共有したいと思う」と述べました。また、エルドーアン大統領は、電気料金表に記載されている(含まれている)TRT(トルコ国営放送)貢献分とエネルギー基金の徴収を廃止する決定を行ったことを明らかにしました。 トルコは感染症との戦いで世界の先進国に注目し、早期対策を実施するという考え方を成功裏に成功させていることを指摘したエルドーアン大統領は、2年目の終わりに近づいている流行の新しい波と新しい変異株が初期の予測を超えて人々の脅威となり続けていることを明らかにしました。エルドーアン大統領は、この感染症流行は長期にわたる戦いを必要とする健康機器であるという事実を指摘して、否定することのできない感染者数に直面していると述べました。 エルドーアン大統領は、リュトフュ・テュルクカン善良党副党首がビンギョルで戦死した兵士の親族に向けて発した言葉に関する分析を行い、「ビンギョルで起こった事件を、犯人が過去にやった過ちについて、犯人が誰かから始めて、その発言に関して手短に思いだそう」との表現を使いつつ、同副党首の言動に関するビデオを上映しました。エルドーアン大統領は、ビデオの上映が終わった後、次のように述べました。「ご覧のように、どこから見ても恥ずかしく、どこから見ても不作法で、どこから見ても侮辱であり、どこから見ても卑劣なスキャンダルであることは明白である。戦死者の意味を理解しないどころか、人間性のかけらもないこの政治家に対して『国会議員』の肩書きを使わせることは、神聖な国会の下ではもはや1分たりとも認められない。同等の副党首を解任されたことは、この問題の出口ではない。もはや自称国会議員は国会の中では居る場所はない。女性の党首を頂くこの政党では、(党の幹部が)戦死者の親族に暴言を吐いたことに対して、女性党首はこの問題を黙認すべきではなく、絶対にこの輩を党から除名することが必要である。」 ここからは一言解説です。経済政策の失敗は、「外国からの攻撃」や「エネルギー価格の高騰、世界的なインフレ率上昇、世界的な供給不足」を指摘して、「自分のせいではない、トルコだけが特別に悪いわけではない」という説明を繰り返しています。野党を始め、研究者も、「(金利引下げによる)リラ暴落」、「ヨーロッパ・アメリカとは一桁違うインフレ率」を指摘して、「世界と同じ」ではなく、「トルコだけが特別に悪い」と指摘しています。COVID-19対策もトルコは失敗していることを示す証拠として、反政府系テレビは日本の情報を紹介し、「全人口に対するワクチン接種率は日本の74%に対してトルコは50%強、死者数は日本のゼロに対してトルコは200人前後」と比較していました。 これまでにも何度もアクシャネル善良党党首をはじめとする善良党幹部、その他の野党幹部に対する暴言、罵詈雑言攻撃?が行われています。以前には、反政府系テレビでも、ダヴトゥオール未来党党首が「ディヤルバクルの母たち」というPKKに拉致・騙されて、テロリストとして活動させられている子供の母親がHDPの県支部の前で座り込み抗議を何ヶ月も続けているところに出かけていった時に起こった「口げんか」の様子も流れていました。政党関係者を侮辱して、口げんかや本当の殴り合いなどに巻き込もうとすることは、しばしば行われており、一部では今回のように映像が流れることになります。 大統領が国民にこのような場面を見せること自体が、国家元首という立場ではなく、明らかに政党党首としての行動です。オズトラックCHP広報担当兼副党首が指摘しているとおり、「戦死者の親族が侮辱した相手がエルドーアン大統領であったならば、その人はどうなっていたか」という質問の答えは明らかだと思われます。しかしながら、このような与党の攻撃材料になるのは明らかであるため、野党は引き締めをはかっています。エルドーアン大統領のように、「会う人をあらかじめ選んでおく」という対応をしない限り、与党支持者、とりわけファナティックなAKP及びMHP支持者からの侮辱・挑発が続くことは当然予測されます。これで野党関係者が国民の間に行くことを躊躇すれば、与党関係者の「野党と国民の結託・融合を阻止する」という作戦が成功したことになるものと思われます。
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Last updated
2021.11.09 21:46:35
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