トルコとイスタンブール、ちょっと投資

　今日(2日)は日曜日であったためか、重要と思われる記事はほとんど出ていませんでした。

　今日の「(AAでは)記事ならない情報」としては、昨日と同様に「電気料金、ガス料金及びガソリン(軽油、LPG)といった生活必需エネルギーから始まり、通行料やタクシー代まで、ありとあらゆる公共料金の値上げ」に対する反発でした。一方、2021年12月のインフレ率についてはイスタンブル商業会議所(ITO)からは1日に発表になっています(値上がり品目などに関する記事は、今日、出ています)。イスタンブル給与所得者生活指数(管理者注：消費者物価指数に相当)は月間で9.65%、対前年同月比で34.18%でした。また、卸売物価指数は月間で11.96%、対前年同月比で47.10%でした。TUIK(トルコ統計庁)が発表する消費者物価指数及び生産者物価指数とは対象品目などが違うようですので、同じにはなりません(TUIKの11月の年間上昇率は、消費者物価指数は21.31%で、生産者物価指数は54.62%)が、ある程度は想像がつきます。国家公務員給与と年金の改定については、全て税金で賄われることが原因と思われますが、「最低賃金引上げ(約30％と約50％)のような大盤振る舞い」はできないものと思われ、特別な手当てが発表になっていません(今年の予算もすでに成立し、大幅な引き上げは想定されていません)。したがって、過去半年間のインフレ率(消費者物価指数)に基づいた改定だけとなるものと思われます。昨日から適用になっている「電気料金、ガス料金及びガソリン(軽油、LPG)といった生活必需エネルギーから始まり、通行料やタクシー代まで、ありとあらゆる公共料金の値上げ」によって、「匙で与えたものを、お玉で奪う」という状態になっていますので、特に年金生活者からは強い反発が出てくるものと予測されます。

　海峡・湾の横断橋や高速道路、海峡横断トンネルの通行料だけの政府や民間企業(BOT)とではなく、市内バスや水道料金などの市役所が担当している公共料金も、CHPなど野党が市長を務めている自治体でも値上げが行われています。一方、昨日記事を紹介しましたが、イスタンブルでアジア側とイスタンブル側をつないでいるTCDD(トルコ国鉄)のマルマライでは、運輸インフラ省と大イスタンブル市役所の間で責任の押し付け合いになっています(市役所側は、「料金を下げたいなら、どうぞ(勝手に)下げてください」という立場のようです)。電気料金は最低で50％以上の値上げで、また、127%の値上げが適用になる150キロワット時という電力消費量は、世界共通で、通常の家庭、特に小さなか子供を抱えている家庭では、あっという間に超えてしまう電力消費用となっています。また、天然ガスの25％の引上げというのは、税金や通行料の値上げ幅36.2％よりも低いように見えますが、昨年前半は毎月1％ずつ料金が引き上げられていましたので、結局、36.2％相当の値上げにはなっていると思われます。公共料金の値上げは、「値上げ幅」事態で生活に対して非常に深刻な影響を与えることが想定されますが、エルドーアン大統領及びAKPに対する支持率にも非常に深刻な影響を与えることが予想されています。AKPの形式上の最高意思決定機関である中央高等委員会(MYK)の委員の中でも、「国民はすぐになれるから問題はない」という(不遜、かつ、あまり驚かない)意見だけではなく、「生活に深刻な影響を与え、AKPの支持率にも深刻な影響を与える」という(真っ当な)意見もあります。いずれにせよ、「最低賃金を引上げ、リラ高演出のためにドル/TL相場への大規模介入を行うなど、早期選挙実施のための人気取りを実施した直後に、人気を一気に落とすこのような大幅値上げを行わざるを得ないところまで、財政的、金融的に追い込まれている」との指摘がありました。そう考えれば、国家公務員給与と年金に対して「追加引上げ」が行われる可能性はかなり低いと思わざるを得ません。所得引上げが最も分かりやすい人気取りですら実施できないところまで追いつめられているとすると、早期選挙の実施は極めて厳しいのではないかという解説もありました。唯一？の例外は、「任期ギリギリでの選挙実施では、憲法上の3選禁止規定に引っかかるというYSK(高等選挙委員会)が判断する可能性が高い」と判断される場合だとも解説されていました。今後数ヶ月間でインフレ率はさらに急上昇してハイパーインフレ状態になり、さらにリラ安も進み、(中小・零細企業を)失業率も上がらざるを得ないと考えられる状態となっています。そして、12月時点でのアンケート結果から「今の状態ではとてもでもないが、早期選挙を実施することはできないだろう」という調査会社社長の分析も紹介されていましたが、そもそも「『法の支配、民主主義』に復帰することができないエルドーアン大統領には、この経済苦境を脱出するための手段はない」という解説が相当前からありましたが、「カナル・イスタンブル計画への投資・融資」の問題で明らかになりましたが、「現在のエルドーアン大統領が指導するトルコ政府への融資はもちろんのこと、現時点でのトルコに対する投資は、『普通の国・国際機関・投資家』には極めて困難な状態にある」という解説されていました。

　このような状況下では、どんなに早くても今年の秋まで、遅ければ来年春まで、選挙が行われる可能性は低いことになります。一方で、このような破滅的な経済状況が続ければ、「AKPの分裂やMHPの連立離脱・分裂の可能性も無きにしも非ず」で、そうなった場合には、早期選挙がより早い時期に行われる可能性が出てきます。AKPとMHPの党内状況は不明ですが、AKPとMHPの支持者の動向は、各種アンケート調査結果からある程度明らかになっています。現時点の調査結果では、「AKPとMHPから離れた有権者の多くは、投票先未定の状態でとどまっている」という分析があります(一方では、「既に善良党、DEVA、未来党などの「中道右派政党」から「ややイスラム系政党」への支持を鮮明にしている。」との指摘もあります)。エルドーアン大統領がカタールやアラブ首長国連邦(BAE、UAE)から多額の資金(資本)を持ってくることに成功しても、トルコ経済を立て直すことは困難と思われますので、「保身に走る国会議員・党員」がAKPとMHPから多数出てくる可能性も十分ありそうです。

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　1月2日(最初の患者確認から663日目)付けの新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します。

今日の検査件数：　　36万2,836件

今日の感染者数：　　3万3,520人

今日の死者数：　　　129人

今日の完治者数：　　2万2,161人

　今日、アナトリア通信(AA)には次の記事が出ていました。今日は１の記事を紹介します。

１　12月にはきゅうりの価格が最も上昇した

２　TCMB(トルコ中央銀行)は、支払遅延金利を17.25%と発表した

３　クルトゥルムシュAKP総裁代理は、『(CHPの“和解”発言を)CHP広報担当たちはCHPが変わっていないことを国民に対してこれでもかと説明している』と発言

　今日は、少し古くなりましたが、トルコの状況を説明する日本語記事を紹介します。管理者ほど厳しい表現は使っていませんが、「傾向」は同じと思います。

エルドアン長期政権に黄信号　インフレ激化で支持離れ　トルコ　　2021/12/30(木) 13:34配信

　【イスタンブール時事】トルコで2003年以降、長期にわたって政権を率いるエルドアン大統領が、強い逆風にさらされている。

　投資促進を重視してインフレ加速につながる経済政策を取ったことを背景に生活必需品の物価が高騰し、市民の支持離れを招いているためだ。仮に野党勢力が23年6月までに行われる大統領選で有力な候補者を擁立すれば、エルドアン氏の3選に黄信号がともる。

　トルコの年間インフレ率は公式統計上では20％超だが、実際はこれより高く「60％近い」（一部エコノミスト）という見方もある。特に食料品価格の上昇が著しく、イスタンブールのスーパーマーケットで働く女性（32）は「毎日のように値札を貼り替えている」と苦笑する。(中略)

　こうした中、エルドアン氏は最低賃金引き上げなど市民受けを狙った政策を相次いで発表し、支持離れ阻止に躍起になっている。インフレについては「数カ月以内で落ち着く」とあくまで強気だが、実際に好転するか予断を許さない状況だ。　

　今日、最紹介するAAの記事の見出しは「12月にはきゅうりの価格が最も上昇した」です。今日(2日)付の記事です。抜粋して紹介します。

　ITO(イスタンブル商業会議所)は、市場の透明性を確保するため、また、世論への情報提供の目的で、先月、イスタンブルにおける小売価格が最も上昇したものと最も低下したものを、価格及び変化率と共に発表しました。それによれば、ITOのイスタンブル給与所得者生活指数の計算に含まれる242品目のうちの139品目の小売価格が上昇し、15品目の価格が低下し、88品目の価格は変化しませんでした。

社債投資まとめ

　いろいろな投資情報が出ています。投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
株初心者向けＩＰＯ初値予想


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