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堀古英司の「米国株式の魅力」

2006.07.31
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カテゴリ:ウォール街から
株式はよく「成長株」「割安株」などという分類がなされます。一般に「成長株」というのは利益成長率が高い半面、株価収益率(PER)が割高な株、「割安株」というのは株価収益率(PER)が割安であるものの、高い利益成長を期待できない株を指す事が多いようです。但しここで気を付けなければならないのは、成長というのは利益成長の予想、又は期待を指すのであって、その後の株価上昇率の高低を指すものではない、という事です。

7月の楽天証券講演会でもご紹介しましたが、米ペンシルベニア大ビジネススクールのシーゲル教授が興味深い例を挙げています。

「貴方は今1950年にいます。IBMとエクソン・モービル(当時はスタンダード石油という会社名)、どちらの株を買いますか?」

コンピューターやハイテク技術が殆ど存在していなかった1950年、IBMは成長株の代表であったでしょう。一方で石油会社は1950年でも既にオールド・エコノミーの代表でした。会社名からくるイメージだけでなく実際その後の55年間、利益成長率はIBMが10.75%に対してエクソン・モービルが7.75%と上回っています。どちらが成長株かというと、間違いなくIBMが成長株と言える状況でした。

しかしその後の55年間の株価の上昇率はどうだったでしょうか?IBMが年平均13.09%の上昇率となる中、エクソン・モービルは年平均14.46%の上昇率を記録しました(配当の再投資を前提)。前号でお示しした通り、たかが1.37%の違いですが、1950年にそれぞれ投資していた10万円は55年後に8149万円もの違いとなって表れてきます。何故、ピカピカの成長株であるIBMがオールドエコノミー株であるエクソン・モービルに負けてしまったのでしょうか?

それはIBMの株価が常に割高であったからです。その55年間、IBMの株価収益率(PER)の平均はエクソンモービルの2倍以上で取引されていました。エクソン・モービルから分配される配当で、割安なエクソン・モービルに再投資できる事によって複利効果が生まれ、それがどんどんパフォーマンスを上昇させてきたのです。ちょうど株式版「兎と亀物語」とも呼ぶ事ができるでしょう。

1999年11月、ダウ30種平均にマイクロソフトとインテルという2つのハイテク株が採用されました。当時、マイクロソフトやインテルの株価収益率(PER)は50-60倍で、いわゆる成長株と言われるものでした。それから今日まで、ダウは3%上昇しただけですが、マイクロソフトは41%下落、インテルは52%の下落となりました。最近、あれだけ破綻の危機が騒がれているGMでさえ同期間41%の下落ですから、いかにハイテク株=成長株というイメージから来る罠が怖いものかお分かりいただけると思います。

株式投資において成長率というのは重要な要素です。しかし一般に言われる成長株というのが、単にハイテク株であるとか、期待が大きい、といったイメージから来るようなものであれば非常に危険です。これらは単に、繰り返し申し上げている「期待が不安を上回っている」株に過ぎないのです。中長期的に優れたリターンを上げるには、イメージに基づく「成長」の概念を完全に取り払い、上記のような成長の罠にはまらないようにする事が大切です。






最終更新日  2006.08.01 17:38:02

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