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堀古英司の「米国株式の魅力」

2009.01.05
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新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 2009年の米国株式相場は約3%の上昇で始まりました。米国では12月31日までに株式などのキャピタルロス(譲渡損失)を確定させれば年間 3000ドルまでは通常所得と相殺できます。所得税率が35%の人は3000ドルの損失のうち、1050ドルは国が面倒を見てくれるという事なので、これを生かさない手はありません。という訳で年末にかけて売り圧力が強まり、年が明けた途端に売りがなくなって株式相場が上昇する、というのはよく見られるパターンです。これは「1月効果」と呼ばれ、このような税制がもらたらす需給の変化が大きな要因です。逆に言えば、ファンダメンタルズによるものではないという事に注意が必要です。

 ダウは10月初め以降、概ね8000ドル前半から9000ドル半ばのレンジを行き来しています。一時はどこまで下がるか分からないという恐怖感が市場を覆っていましたが、シカゴで取引されている変動率指数(VIX)が9月以来の低水準に戻ってきている事から見ても、どうやら市場は当面、このレンジが相場の中心になると判断しているように見えます。実際、相場を取り巻く環境も現時点では上昇・下落材料が均衡していると考えられます。そこで相場が均衡している要因となっていると見られる上昇・下落材料を今一度整理しておきたいと思います。

■上昇材料
1. 連銀による積極的な流動性供給
2. オバマ新大統領による公共投資を中心とした財政刺激策
日本も経験したこのような金融危機、そして景気低迷に対しては第一に迅速なスピードで金融システムを立て直す事、第二に需要を創出する事が不可欠です。実際 第229回 センス欠く米財務・金融当局の「対策」(2008年10月10日) で記させていただいた通り、当初米財務・金融当局の「対策」には首をかしげるものが目立ちました。しかし10月半ば以降は徐々に問題の本質を捉えた政策を打ち出してきているように見えます。
3. CDS統一市場の形成
リーマン破綻以降、「余計な」リスクとなったのが取引相手リスク、いわゆるカウンターパーティ・リスクと言われるものです。今年CDSに関しては統一市場が稼動し始めます。これによって余計なリスクは徐々に緩和される事が期待できます。
4. 1月効果
上述の通り、需給の歪みによるものである事を忘れてはなりません。

■下落材料
1. TARP(不良資産救済プログラム)資金の枯渇
金融安定化法案で承認された7000億ドルのうち、議会の承認なしに使える3500億ドルは12月末をもって早くも使い切ってしまいました。当面、議会が承認するまで大手金融機関破綻などの「もしも」に備えた資金はゼロという状態に直面します。
2. 1月9日、政府系住宅金融機関が一時凍結していた住宅差し押さえが再開
住宅市場の更なる悪化を防ぐために政府系住宅金融機関が一時凍結していた住宅差し押さえが再開されます。
3. 大手金融機関決算
12月、JPモルガンの会長は業績が「とてもひどい」状況にあると発言しています。1月半ばに控えた大手金融の決算は市場の波乱要因になる可能性があります。
4. メイドフ氏投資詐欺事件を受けたファンドの解約
前号でご紹介した投資詐欺事件です。日本ではあまり報道されていないようですが、投資家心理に与える影響は小さくないと考えています。

 このような材料がぶつかり合う形で市場は現状、8000ドル前半から9000ドル半ばという、大まかな均衡を保っているように見えます。しかしよく見てみると下落材料が比較的早く表れてくる材料であるのに対し、上昇材料は1月効果以外は中期的に効果が表れてくるものです。相場がその通りの動きになるとすれば、今年の「1月効果」には要注意です。






最終更新日  2009.01.06 17:37:54


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