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数日後に直属の上司である次長と二人で、謝罪に行くことになった。当然、俺が悪かったことと、相手が普通の人じゃないってことで、念入りに作戦を立てて行くことになった。
次長からの指示は、「お前は黙ってうつむいて、申し訳なさそうにしておけ」ということだった。次長が主導権を握って謝罪を進め、30分ほどしてから、うつむいたままの俺が肩を震わせ、土下座をして、涙を流して大きな声で謝るというシナリオだった。 何回かのロープレを行い、現場に向かった。練習をしていたお陰で、それほどの緊張もなく土下座をし、肩を震わせながら床に頭をこすり付けた。我ながら迫真の演技だ。(よしっ、これで許してもらえるだろう・・・)そう思った。ところが甘かった。 何度も何度も本気で謝ったが、「次長じゃ話にならない」ということで、結局、社長が直々に訪問することになった。その後は、あまり詳しくは聞いていないが、社長が何度か訪問し、結局はその事務所が資金稼ぎのために販売していた商品を、会社が購入させられたとのことだった。 いち社員が引き起こした一連の出来事に対し、社長までもが身体を張って守ろうとしてくれる会社に、俺は心が熱くなった。「俺もこの人たちのようになりたい。いっぱい会社に貢献して、恩返ししたい。」本心からそう思えた。 だから、自分の「時間とエネルギー」を全部、仕事に捧げようと思えたし、頑張れたんだと思う。実力も経験もない若造が、人より抜きに出るには、やっぱ何かを差し出さなきゃいけない。能力や経験のない俺に差し出せるものは「時間とエネルギー」しかなかった。この経験を経て、「自分の時間とエネルギーを仕事に使い切る」ということを学べたことに感謝している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.06 09:33:20
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