発表

 　この日、Kはドキドキしていました。あの院入試の合格発表の日だからです。 インターネット上での発表は午後5時、時間に合わせて開いたKはにっこりやった～～～　あった！！ ようやく私もまた設計に専念できる～～～この1年間、建築史を専攻にしていて歯がゆかったのでしょう。おかげで自分のやりたいことをはっきりと知ることができたKです。 この教室から設計の大学院に合格する人はほとんどいず去年も一人だけだったのに、どうやら今年は二人のメンバーが設計に合格したみたいです。良く頑張りました。友人たちからもどうだった？ってメールの問い合わせが続き、Kは嬉しい報告をみんなにお返事していました。そうそう、4年前の大学入試の時も同じようにインターネットで合格を知った彼女です。あのときは慌てて高校に行き職員室に飛び込んで担任の先生に報告したものでした。職員室にいた先生方がみんな非常に驚いて祝福して下さった。それぐらいKの合格を予想することは難しかったということですね。 でも彼女は合否はともかく自分で望み、全力を尽くした入試だったので、とても満足していました。そのことを良く知っていた私は彼女の合格を耳にした時も、さほど驚きませんでした。そういうことは有り得るなぁと心に留めていたからです。学校ではあんなに先生方がよろこんでくださったのに、なんで家のみんなはそんな安心しきった態度やの、ちょっと冷たいんと違うか～～と彼女の愚痴を誘ってしまったぐらいです。　あれからもう4年、Kの大学院もあっという間に終わってしまうことでしょう。