こちらブータン気象台・完

ブータンにいた２年間のカレンダーを見てみました。
その時、その時のことがきのうのことのように思い出されます。

来て３ヶ月ほどで、もう帰りたいと思ったこともありました。
口だけの職員たちに腹が立ったこともありました。
計画や約束をことごとく破り平然としていることに唖然とし、
投げ出したくなったこともありました。

でも、なぜか良いタイミングで、ラッキーなことが起きました。
どのように考えても幸運の連続だったと思います。

結果的には、経済省の気象部門で通常の天気予報業務が開始され、
分散していた気象組織がまもなく経済省に統合されます。
世界気象機関WMOとの協議も始まりました。
職員への教育訓練もふさわしい内容が実施されています。


それに、１年が経過したころから、
何気ないタイミングで友人ができてきました。
ブータンの自然にもふれ、あちらこちらに旅行もしました。
多くの人たちとおしゃべりをし、
レストランのメニューにはないようなおいしい料理もごちそうになりました。
友人の家を訪問し、家族構成を聞いては驚き、
和やかな雰囲気にひたっていました。
人生相談や悩みを打ち明けられたこともありました。
表向きの交際や体裁重視の面と
開けっぴろげで自己主張をする日常の側面とに驚きも感じました。

こう考えて、ふと思うと、
自分が変わったのだと、思えてなりません。
肩の力が抜けたのか、運を捉えられるようになったのか、
ブータンに慣れただけなのか、はっきりとはわかりませんが、
でも、やっぱり自分が変わったのでしょう。
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