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犬神家の一族　コレクターズ・エディション

DVD発売日: 2006/12/8

新作公開に際しシリーズ４作を続けて最鑑賞、最後に本作をコレクターズエディションで改めて鑑賞しました。

後に市川監督×石坂金田一で５本のシリーズとなる、その第１弾です。
大野氏によるテーマ曲「愛のバラード」が突出して強烈な印象を与えており、本作を語る上で最も重要なファクターのひとつです。
これにくわえて、助清のマスクや、湖の逆さ死体、菊人形、"よきこときく"など、実に明確で象徴的なアイテムが
そろっており、作品の内容の素晴らしさだけではない、強い意匠を作りだしています。

作品としては、石坂氏の金田一のキャラクター造詣だけではなく、多彩な俳優陣の厚みのある演技を楽しめる点も良いです。
なかでも、島田陽子、坂口良子の若さと美しさ、そして出演時間は一瞬なのに、まさに犬神左兵衛のごとく
物語に強烈な印象を残す三国連太郎も圧巻です。
また、時代背景、旧家の広いセット、時に挿入される自然の風景なども重要な要素です。

終盤、事件は、おどろおどろしかったはずなのに、最後は登場人物の皆が金田一との別れを名残惜しそうにしており、
見ている自分も、坂口良子と同じ立場で、映画の雰囲気に浸っていたくなるような感じになるのは、
石坂浩二氏のひょうひょうととしたキャラクター、人なつこさと、共演者の人たちの作った作品空間の
温かさのせいでしょう。

従来盤DVDも持っていますが、今回の『デジタルリマスター』の威力はすごい。
非常にクリアで微妙な発色がわかり、従来盤とは明らかに違います。

それだけでも購入の価値がありますが、加えて、それには予告編しかついてませんでしたが、
本盤では、インタビュー等、旧作、新作情報に加え、昔のLDの特典映像を再収録しており、
それには他の作品から引用した映像も含まれていて、非常に興味深く面白いです。
買って(買い直しても)損なし！！