旅行業務取扱管理者の現状――その3
これまで、この旅行業務取扱管理者という資格は、学生さんなど一般の人には「就職・転職」用として、旅行業界の人には「必須資格」として、その現状をお話ししました。今回はこの資格のその他の利用価値についてお話しましょう。この旅行業務取扱管理者の資格は、旅行業界にしか通用しない資格でしょうか?そんなことはありません。国家試験の受験者の職業別統計でも、運輸業、宿泊業、観光業などの人達の受験者数を合わせると全体の3割前後にも達します。運輸関係では、航空会社、鉄道、バスなど、そして、ホテル、旅館などの宿泊関係や、レジャー施設や土産店などの観光関係、その他、地方自治体の観光関係の担当職員、通訳ガイドなど旅行・観光関連の人達が多く受験しています。私の社会人クラスの受講生のなかにもこういった業界の人達がかなり多くいます。このことからも、旅行業務取扱管理者は、旅行・観光関係のあらゆる業界で、非常に「有用な資格」であると言えるでしょう。また、この旅行業務取扱管理者の資格は、「趣味・実益」を兼ねて、という側面もあります。試験科目のなかには、地理や運賃計算があり、実際に旅行するのにも非常に役に立ちます。地理の勉強をすることにより、新たな発見や興味深い所など旅行への意欲をかき立てられますし、運賃計算法を学ぶにつけ、より安く旅行できたりします。たとえば、皆さんは、JRの「乗継割引」というのをご存知ですか?その1つに、新幹線と他の特急列車を乗り継ぐと特急列車の特急料金が半額になるというかなりおいしい割引があるんですが、それを知らないで別々に特急券を買ってしまうと、割引を受けられません。このような、おいしい話や耳寄りな情報なども受験勉強のなかに入ってますので、「趣味と実益」を兼ねて受験するというのも肯けますね?しかも勉強がかなり楽しそうでしょう?その試験内容については、次回以降にお話ししましょう。