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2009/10/05(月)23:24

日本株式市場 3日続落、輸出や資源など景気敏感中心に売り-回復遅さ警戒

株式投資(2597)

10月5日(ブルームバーグ):東京株式相場は3日続落。米国の雇用統計で非農業部門雇用者数の減少幅が予想より大きかった影響を受け、輸出関連、資源や素材といった景気敏感業種中心に下げた。東証1部の業種別下落率の1、2位は精密機器と機械指数だった。   中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長は、「米非農業部門雇用者数の減少幅が改善するトレンドに変化はないと思うが、市場の期待に比べると時間がかかりそうだ」と指摘。3月以降の株価の戻りは急激だったとし、「いったんは景況感の様子見ステージに入りそう」と見ている。   日経平均株価の終値は前週末比57円38銭(0.6%)安の9674円49銭、TOPIXは7.39ポイント(0.8%)安の867.28。   株価指数の方向感が出にくかった午前から一転、午後はじりじりと安くなった。投資家の心理状況を表す東証1部の騰落レシオは先週末に69.5%まで低下、昨年10月末以来の70%割れと短期売られ過ぎを示す状況にあったものの、内需の低迷、政策に対する不透明感の根強さが相場の上値を抑えている。   米労働省が2日に発表した9月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比で26万3000人減少した。ブルームバーグ・ニュース集計のエコノミスト予想中央値は17万5000人減。内訳では小売業や教育・医療をはじめとするサービス業の悪化が目立ち、家計向けセクターの雇用の弱さが確認された。   また、8月の製造業受注額は前月比0.8%減少し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値である横ばいを下回った。「自律的に生産・雇用・設備が増える状況にはなっていない」と中央三井アセットの寺岡氏は話している。         ST倍率からは日本売りの状況   大和証券の多田羅信投資情報部長によると、「米雇用統計を受けて世界景気が不透明感を引きずる中で、買い材料に乏しい景気敏感株は株価が悪い方にはじき出されやすい」という。輸出関連や素材株が総じて安く、大和証券SMBCが「足元の業績動向はやや分が悪い」と指摘した三菱重工業が急反落するなど、機械株も下げ幅を広げた。   米S&P500種株価指数とTOPIXとの相対位置関係を示すST倍率は、先週末2日に1.17倍を記録。BNPパリバ証券によると、過去の同レンジはおおむね0.85-1.15倍で推移するケースが多かった。「将来の成長性に対するリスクや国内消費の足腰の弱さから、1998年や2003年と同様に日本株が売りになっている状況」と同証券株式・派生商品営業部の平塚基巳部長は危惧していた。   東証1部業種別33指数では、証券・商品先物取引やその他金融、食料品、小売が上昇。これに対し精密機器、機械、鉱業、ゴム製品、非鉄金属、鉄鋼、卸売などが下げた。値上がり銘柄は518、値下がりは1053。売買高は概算19億4698万株、売買代金は同1兆2593億円。           長谷工や図研が急落   個別では、転換社債型新株予約権付社債(CB)の転換価格修正の可能性や、それに伴う需給悪化に警戒が広がった長谷工コーポレーションが3日続落し、5月来の安値。10年3月期の連結純利益予想を減額した図研も急落。企業努力でアパートの入居率を改善させる可能性は低いとし、クレディ・スイス証券が投資判断を引き下げたレオパレス21は4日続落した。東証1部値下がり率上位には、ステラケミファ、ニコン、IHIなどが入った。       金融株は高い、Fリテイリは一時ストップ高   半面、テクニカル指標から見た株価の短期的な売られ過ぎ感や、政府の金融政策に対する過度な悲観論が後退し、大手銀行やその他金融、証券株などは上昇した。9月以降の業種別騰落率では証券・商品先物取引、その他金融、銀行が下落率上位3業種となっていた。また、亀井静香金融・郵政担当相は5日、返済猶予などを含む貸し渋り・貸し剥がし対策について、対象となる中小企業は「事業継続に見通しがあって、意欲のある企業が対象」との見解を示した。   このほか、既存店売上高の好調やアナリストの格上げが支援材料となったファーストリテイリングが、一時値幅制限いっぱいのストップ高まで買われるなど急伸。7-9月期の連結営業損益は1億円程度の黒字になったもよう、と3日付の日本経済新聞朝刊が報じたクラリオンは急反発。2016年夏季五輪の開催地がブラジルのリオデジャネイロに決定し、同国の鉄道インフラ整備への期待から日本車両製造など鉄道関連も高い。             新興市場も安い   新興市場も安い。ジャスダック指数の終値は前週末比0.27ポイント(0.6%)安の48.34、東証マザーズ指数は11.75ポイント(2.8%)安の411.19とそれぞれ3日続落。大証ヘラクレス指数は10.69ポイント(1.9%)安の562.64と4日連続安。   個別では、売り上げ低迷と特別損失計上から09年8月期の最終損失が拡大したもようのコネクトテクノロジーズ、10年3月期業績予想の下方修正と期末の無配予想を発表した図研エルミックがともに急落。第2四半期(4-9月)の最終赤字幅が拡大したもようのセガトイズも売られた。売買代金上位ではデジタルガレージ、日本通信、サイバーエージェントが下げた。   半面、7-9月期の連結営業赤字幅が4-6月期に比べて縮小したようだ、と3日付の日本経済新聞朝刊が報じた日本マイクロニクスが大幅高。売買代金上位ではダイヤモンドダイニング、セブン銀行、アドウェイズが上げた。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa thasegawa6@bloomberg.net 更新日時: 2009/10/05 16:10 JST Bloomberg http://www.bloomberg.co.jp

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