カテゴリ:映画エーが
アルバイトを終えて晩酌をしながらテレビを見ていたらケーブルチャンネルで二十四の瞳をやっていた。高峰秀子主演の白黒版。
この映画を最初に見たのは、小学生の時だったはずだ。他の映画と違って滑稽な場面も痛快なアクション場面もなく、終始陰鬱な画面が連続する内容で、全くおもしろさを感じなかったと思う。 その後幾度か見る機械があったが、フィルムがすり切れて画像は雨降り状態だし、雑音と音質劣化で関心を引かれなかった。 ディジタル版は凄い。コンピュータを駆使して画質を大幅に回復している。当時の画面を見ているようだ。 昭和29年頃の映画のようだが、昭和初期の時代を写し取っている点はリメーク版とは比較にならない。欧米列強の経済封鎖もあって国全体が困窮を極めていた時代。その閉塞感から戦争へまっしぐら駆けていた社会。瀬戸内海の小島小豆島の子供達もそんな時代・社会とは無縁ではいられなかった。純真な島の子供達が社会の理不尽に翻弄され耐えるしかない日々。長い暗い時代が終わり、平和が戻ったとき、教え子達の心には幼い頃の思い出だった。 ヒーローもロマンスもない、当時の日本ならどこにでも見られた光景。一コマ一コマが過去の記憶を呼び起こす。 それにしてもどうして日本人はかくもネガティブ思考なんだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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