カテゴリ:今日の出来事
中国新幹線の列車衝突事故。死者35人、負傷者192人と大きな犠牲を出している。落雷によってシステムに障害が発生し、停車しているところに後続の列車が追突したという。場所が高架起動部分だっただけに車両は脱線して墜落し、大きな被害の一因となった。
中国共産党創立90周年の7月1日に営業運転を開始すべく日独仏などから技術を導入し、突貫工事で建設した国威発揚を意識したプロジェクト。以前からその安全性が懸念されていた。 第一に、安全のためのマージンを削って営業運転速度を世界一にしようとしたこと。自動車でも飛行機でも同じだと思うが、設計上出しうる最大速度での運航はリスクが大きい。出せる速度を出さない運用が安全の第一歩だろう。 第二に、諸外国の先進技術を貪欲に取り込み、国内技術水準を一気に向上させようとした際、全く異なるシステムから車両・通信・運行管理などサブシステムを導入して繋ぎ合わせようとした。銀行が合併する際、それぞれのコンピュータシステムを連接することでさえうまくいかないことがある。別個のシステムを連接することの困難さは想像以上なのだろう。 第三に、急速な経済発展の中で新幹線建設に携わる人たちのモラルの低下だ。監督官庁は収賄を重ね、建設業者は利益を増やすために手抜き、資材の間引きなどが懸念されている。 いずれも今回の事故に直結しているのかどうか不明ながら少なからぬ影響があるのではと思われる。 それにしても、ニュースでは事故車両を高架から地上に落とし、埋設処理させたとある。事故調査を行い、再発防止に努めるという指導部の発表は形式的なものであり、本気度が感じられない。都合が悪い事柄は隠すという体質は今後の中国発展に大きな障害となるのではと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年07月25日 10時05分36秒
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