職場に笑いを!
最近お腹の底から笑っていますか?「はい」と答えた方、職場でお腹を抱えて笑ってますか?「はい」と答えた方はぐっと減ってしまったのではないでしょうか。小さな子どもはなんにもなくてもケラケラとよく笑います。けれど、私たちは大人になればなるほど笑う回数が減ってきて、笑っていると、むしろふざけている、と受け止められるし、職場でジョークを飛ばし合っていると、仕事をサボっている、と判断されるでしょう。そういった常識を打ち破るかのように、今、世界中で笑いを積極的に職場に取り入れようという動きが見られるようになってきました。インドではITなどハイテク産業が盛んですが、そういった高いストレスにさらされている職場に「笑いクラブ」なるものができて、社員たちはこのクラブに集まっては大声で笑い続けるのだそうです。「笑いクラブ」とはインドの医師マダン・カタリアさんが考案した笑いとヨガを合わせたエクセサイズで、現在世界中に約5000のクラブが発足しており、うち、インドでは3000もあるといいます。ここでは決して誰かがジョークを言ったり芸をしたりして笑わせることはしません。何もないところから、体の内側から湧き上がる笑いを誘い出すのです。最初参加者はヨガの呼吸法とともに、大声で笑うふりを始めます。「ハッ、ハッ、ハッ」そのうち本当におかしくなって本物の笑いに変わるそうです。「ガッハハハハアアアア」しかも周りの人が笑っていると自分もつられて笑いだすし、それを見た人がまたつられて笑って・・・、こうして笑いの輪がどんどん広がっていくのです。この「笑いヨガ」、妙に興味をそそります。東京でも「笑いクラブ」があると思うので、一度行ってみようかな。お腹の底から笑うと、ストレス発散・病気の早期治癒・免疫力の向上など、健康を促進する効果があるといわれています。しかも笑いのある職場では、創造性や生産性も高く、社員のモチベーションも高く保たれているというのです。つまり、右脳が活性化されて自由な発想、アイデアがひらめきやすく、人と人との関係も良くなっていくので、チームワークなどでは大きな団結力を生み出す素地ができるというわけです。シアトルの市場にすごく楽しい魚屋さんがあります。ここではただ魚を売るのではなく、魚をお店の端から端までダイナミックに投げ合います。その時はジョーク交じりの掛け声もかけるんです。そんなパフォーマンスをやっている魚屋さんだから、楽しくて人々は常に黒山の人だかりをつくっています。この魚屋さんから学べるのが、どんな退屈な仕事でも、遊び心を持って望めば状況はいくらでも変えられるということです。ユーモアや遊び心こそ、職場に上手く取り入れて、いつも明るく笑いの絶えない職場づくりを目指してみてはいかがでしょうか。参考図書:『ハイ・コンセプト』ダニエル・ピンク著(三笠書房) 『fish!』Stephen C. Lundin, Ph.D., Harry Paul, John Christensen著(HYPERION)