いわぴいのドラマ日記

2006/03/09(木)21:51

ドラマ・神はサイコロを振らない ~第8回~

ドラマ(776)

 「あなたにとっても奇跡だったんじゃないですか?」とヤス子に優しく語り掛ける本部長に驚きつつも、今まで見ることができなかった人間らしさを垣間見ることが出来てなんだか幸せな気分になってしまいました。見ている僕ですらそう思ったくらいですから、当のヤス子はそれ以上にうれしかったでしょうね。あまりの変身振りにあっけに取られて「勝手なことばかりやっているからクビということではなくて、ですか?」と聞き返してしまうところなんかはやっぱりヤス子らしかった気がしますが・・・。奇跡がさらに奇跡を呼び起こした瞬間とでも言っておけばかっこいいかもしれませんね(笑)  10年後の世界で引き戻される時間と10年前の戻る時間が特定されたのは帰還した人たちにとってはとても大きな前進のように思えました。加藤教授がそれを割り出してくれたと聞いたときには、乗員・乗客が助かる可能性があるんじゃないかと僕も思ってしまいました。ただ、世の中そううまくは行かないんですよね・・・。ヤス子のいうとおり、もし思惑通りに言っているならば、10年後の世界で生きているはずの哲也と亜紀がいるはずなんですから・・・。信じてみたいことがあったとしても、現実という壁に阻まれる悲しさを感じてしまいました。  だからこそ、不確実な夢物語を信じるよりも確実にある今を大切にしなければいけないんでしょうね。「残された時間、自分のために使ったらどうですか?」という本部長の言葉にはそういった含みもあったような気がします。もちろん、ヤス子がこの一週間ほどめまぐるしく一生懸命働いたからこそ生まれた言葉だったことは間違いないでしょうけど・・・。そして、何もなくても毎日を生きている僕らに対するドラマからのメッセージだったのかもしれませんね。  そして、この物語の中にも今を生きようとしている人たちがたくさんいましたよね。中武さんが10年前に引き戻される話を聞いて放心状態になったあと、今を必死で生きるために柚子たちのためにお笑いライブを開こうとして必死で頑張っている姿は本当に感動的でした。柚子も中武さんのことを思って大きな会場を用意してほしいとヤス子に頼み込む様子にも心を打たれました。何よりもすぐに訪れる別れにひるむことなく、お互いを思いやる優しさがあることに人の素晴らしさを感じることが出来たような気がします。  普段どおりの生活で言いと言い切る亜紀も今を生きている一人でしたよね。そして、陰ながら彼女を見守ってきた菊介の温かさもこのドラマを包み込むやわらかさの一つだったことを改めて感じました。残された時間は本当に少なくなってしまいましたが、それが現実味を帯びてきたからこそ登場人物一人ひとりの良心が伝わってくるような気がしました。  哲也の「乗客を守る」という使命もそんな良心が生み出したものだったんでしょうね。記憶も証拠も何も残らないと言われている中であえてそれに挑もうとする哲也のまっすぐな気持ちも、見ている僕にはぐさりと突き刺さるような感じがしました。何気なく過ごしていると見過ごしてしまいがちなことも、少ない時間を前にするとしっかりと見えてくるのかもしれませんね。  そして、その時間を大事にするためにやっとヤス子が素直に哲也に向き合ったラストシーンは見ているこちらがにやけてしまうくらい幸せな感じがしましたね。「引き戻される最後のときを一緒に過ごしてください」という、ストレートな気持ちが哲也にとっては何よりもうれしかったのではないでしょうか?加藤教授の子供じみたいたずらも、なんだかかわいらしくてよかったですよね。あと一日、みんなが幸せな時間を過ごしてくれるように祈るばかりです・・・。最終回はどうなるんでしょうか?最後の最後も奇跡が起きることを期待したいですね。 人気blogランキングへ 週刊ブログランキング TV Drama★Ranking 週刊ブログ王 ブログランキングに登録してみました。よかったらクリックしてください。宜しくお願いします。 ドラマ日記トップへ

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