2008/08/24(日)15:56
判決
今日、大野病院事件の判決日とあって、一日そわそわしてしまった。
被告と原告のどちらの立場を支持するか、この無罪判決に対しての意見はここでは避けようと思うけれど、出産を経験した者として言わせてもらうと。
この告訴により無くしてしまったものは、被害者の命だけではなく、たくさんのこれからの若い産科医の芽とこれから誕生する尊い新生児の命だったように思う。
出産は命をかけて臨む尊い行為。
そこに立ち会う医師には絶対の信頼をおいている。
でも、医師は神様ではない。
どんなに優秀な医師でも、非常事態を免れないこともあるだろうし、患者の生命力にかけるしかない場合もある。
全力を尽くしてもダメだったとき心に傷を負うのは医師も一緒のはず。
医療ミスがあったのならともかく、通常の医療行為をしているのに(専門的な術語はわからないけれど、妊婦として把握していないといけない胎盤癒着とその処置の仕方くらいは理解できる)、医師の裁量にまで踏み込んで刑事責任を問われると、これからの医療は萎縮してしまうだろう。
かと言って、亡くなった方、ご遺族、その時に生まれた成長していく子供の事を考えると深い悲しみが襲ってくる。
今回の事件は、複雑に色々な問題が絡み合っているので、今後の課題がたくさん残されている。
今、私が望むのは、医師と患者の十分なコミュニケーション。
病院側はインフォームドコンセントを徹底し、妊婦の側は、健全な状態でも妊娠・出産時に起こり得る異常ケースを勉強しておくことが必要なのではないかということ。
そして医療ミスという概念に振り回されないように、一般人がちょっとしたことで医療に不安を感じないように、医療ミス自体をなくすこと。
私が次に出産するときは、何年後か・・・。
その時、明るい産科業界になっていたらいいなと願う。