2008/11/11(火)23:14
ジャーナリスト
ジャーナリズムの時代を作った人、筑紫哲也さんが逝った。
死去のニュースは、私にとってもショックだった。
肺ガンで闘病中であることは知っていたけれど、筑紫さんなら、復活できるんじゃないか、あの熱い記者魂は病魔に打ち勝つことができるんじゃないかと思ってきた。
亡くなられたのは嘘で、また明日にはどこかの地で独自のネタを語ってくれるような気がして。
学生の頃から、「多事争論」のコーナーが好きだった。
静かな語り口なのに、真意を鋭くつく言葉。
鋭い洞察力と、ポリシーのある報道の姿勢。
たんたんとしゃべっているのに、いつも彼の報道に対する情熱が感じられる。
彼が与えた影響はメディアの世界で大きい。
そして彼を亡くした、報道の世界は、これからどう変っていくのか?
真のジャーナリストを超える壁は高いようだ。
先日読んだ「クライマーズハイ」も日航機墜落事件が題材でありながら、舞台は新聞社だった。
大きなネタをとってきてなんぼの新聞記者の世界で、人間臭さや報道の難しさが描かれていた。
筑紫さんも、朝日新聞社時代、特ダネを追いかけたライターの一人だったのかもしれないけれど、それは名声やまわりの評価のためではなく、そこにある真実を伝えたい思いの方が強い人だったような印象を与える。
それくらい、いつの時代も、彼の言葉が、まっすぐに伝わってきたから。
考えさせられることがたくさんあったから。
一般人の私は大きなことなんてできないけれど、筑紫さんが投げかけてくれた問いに真摯に向きあえるような生き方をすることが私の目標になった。