私の問題解決の考え方 第13章1

第13章 なんとか「新しいわが家」ができた
     -ここでも想定外のことが-

13.1 はじめに

去年(2012年)の夏、私は突然家を建てる決心をし、中堅の木造プレファブの住宅会社 S(その後Y に変更)からの勧誘を受け、たった2週間あまりでこの会社と、約6ケ月で私の希望する家を建てる、という契約してしまいました。

理由は、Y社の営業のTさんの熱意とやる気に感心したからです。

ですから、「私の希望する家を建てたい」という課題の達成はそう難しくないと思いました。特注の家が欲しいわけでもなく、一般的に使われている仕様の組み合わせで十分なので、Tさんにこちらの希望をきちんと理解してもらえば、後は完成を待つだけだと思いました。

ところが、契約後、Tさんのやる気が急に落ちてしまったのです!

これから、かなり急いで、最終の設計図を完成させ、予定通り工事を進めてもらわなければならないのに。

Tさんの急変にはびっくりしました。契約時に、「良い家を建てる」ことが一番大事なことなので、これからも契約前以上に頑張ってくれるように念を押したのに、この有様です。

さて、どうしましょうか。

  Tさんは他の人に代わってもらう?
  Y社は止める?
  Tさんになんとしてでも頑張ってもらう?

一番簡単なのは、Y社は止めることです。

でも、私は Tさんを信じて契約したのです。他の会社を探すのも面倒です。そして、私は割と約束を守る方なのです。ですから、Tさんにも、約束通り、なんとか頑張ってもらいたかったのです。無理矢理にでも。

Tさんに能力がないわけではありません。やる気がないだけです。やればできるはずです。

私は次のように考えました。

このままの状態でTさんに続けてもらうと、いつできるか分かりません。望む家が建たない心配もあります。

Tさんにやる気を出させようとしても無理でしょう。そう簡単に心を入れ替えさせるのは難しいでしょう。

でも、やりたいことは、 Tさんにやる気を出させることではなく、「私の欲しい家を建てること」です。 Tさんにやる能力がないわけではありません。そして、なにをしてもらいたいかは、私にはかなり分かっているのです。ですから、Tさんのやる気の有無にかかわらず、Tさんにやるべきことをやらせようと考えました。ある程度強制的に。

そのために、私がまず動いたのです。変わったのです。良い家を建てるために。設計の専門家でもないのにです。(これは、「私の問題解決の考え方」で一番大事な「まんずやってみれ!」です。素人でも大丈夫です。)

私は、とにかく、私の望む家を予定通りに建てるのだとはっきりと分かってもらうよう、直ちに行動に移りました。私の希望、どういう家を建てたいのか、をまず伝えるとともに、私の言うことを素早く設計図面に反映させてもらうように、口でも言い、メールでも知らせ、できるだけ頻繁にいろいろな希望や指示を出しました。出てきた図面をよく見て、あやしいところはどんどん指摘しました。質問も沢山しました。(これが「私の問題解決の考え方」の「チェック機能」です。チェックの基準は「私の良い家になるかどうか」です。)


この方針で、私は、希望の家を予定通り完成させるべく、彼の仕事に細かく口を出し、いちいちチェックし、気に入らないところは直させました。やる気を出すのを待てないので、無理やりやらせたのです。

そのためには、私も家作りに本気になり、設計のかなりの部分は私がやったとも言えます。

彼も、なんとか、私のシゴキに耐えてくれて、一日遅れで、私の家は完成しました(但し、外構工事は除いて、それについては後述)。


その後、外構(庭など外回り)工事もなんとか終わらせて、私が欲しかった良い家を建てるという目標を達成することができました。


以下、これらの過程を紹介するとともに、途中で明らかになった、いろいろな問題点についても説明しましょう。

最後に、この問題解決のうれしい副次効果について述べて、この章を締めくくります。



13.2 目的は、「良い家を建てること」だったのですが・・・


そのために、私は、Tさんに私の希望をきちんと伝えればいいと思っていました。しかし、それだけでなく、Tさんや設計の仕事にまで私が口を出すことになってしまいました。即ち、私の具体的な目標は、「彼をきちんと働かせること」になってしまいました。良い家を建ててもらうために。


契約してから1週間、どういう家を建てたいかを自分でもいろいろ考えて、大勢の人達にも相談しました。

そもそも、新しい家を建てることを考えたのは、栃木に住む長女夫婦の勧めによってでした。彼等の家のすぐそばに土地の売りが出て、ここに家を建てれば老後の面倒を見てくれると言うのです。

私達には狭山(埼玉)に家があり、そこにずっと住むつもりでした。しかし、考えてみたら、私達自身、私の母がずっと東京に住んでいて、母の一人暮らしを助けるのに、何年もの間、かなり大変でした。母が亡くなった今(2012)、栃木に移るのもいいなと思いました。そして、その土地をとにかく買うことにしました。

その頃(母の死後)、母のマンションを処分し、まとまったお金が入り、それを資金の一部に充てれば、前より住みやすい家を建てられると考えました。

そして、次のような家を建てたいと決心しました。


1.前より広く、快適な家を建てる

1)風通し、保温(冬暖かく(居間の床を暖かく)、夏涼しく(夜寝やすく))をよくする。

2)風呂の外に坪庭を作り、窓を大きく、低くしたい(開け放しで入りたい→露天風呂もどき)、ジェットバス、打たせ湯も作る。

2.明るい家にする(昼間の照明不要、特に、台所、居間、玄関を明るく)。

3.太陽電池を最大限に取り付ける。

4.できる限りLEDを照明に使用する。

5.私たち一族13名が一か所に集まり、泊まれるようにする(部屋をつなげて使えるようにする)。

以上が私の目標です(かなりはっきりした)。

契約の時点で、すでに土地は確保してあったので、後は、家を建てるだけでした。資金については、母のマンション売却のお金と、私たちの貯えもあるので、贅沢をしなければなんとかなりそうでした。


また、家も私自身が手を下して建てるわけではないし、世の中にないようなものを建てるのでもないので、経験のある住宅会社に頼めば、希望のものを十分作ってもらえると考えました。


ですから、Y社の営業のTさんの熱心な対応の早い仕事ぶり(勧誘)を見て、この人に任せれば大丈夫だと思い、契約しました。さらに、契約時に、念のため、契約を取ることより、良い家を建てることの方が大事なので、今後(契約後)も前以上に頑張ってもらいたいと頼んで、「はい」と言ってもらったのでした。



しかし、私の考えは甘かったのです。彼は、契約(2012/8/31)から約1週間後、こちらから設計への希望を連絡しても、すぐに来てくれませんでした。それどころか、5日も待たせて来たときに、私の希望がメールで知らせてあったのに、新しい図面すら持ってこないではありませんか。

また、契約時のもう一つの約束も果たしていないではありませんか。9月になったら、家を建てる土地に生えていた草を刈ってくれると言ったのです。

さらに、設計に取りかかると、Tさんは、設計の担当者(一度も会っていない)と一緒になって、私の希望することで彼らが普段やっていないことに対して消極的になるのです。

私の希望することができないとか、希望するものがないとか言い、設計がなかなか進みませんでした。

要するに、やる気がないのです。Tさん(会社としても?)は多分契約を取ったらもう一安心ということになってしまったようでした。


こういうことで、私としては、欲しい家ができると思って安心してはいられないことになりました。従って、私には、家のことのほかに、彼等を私の希望に沿うように動かすという新しい課題が出てきてしまいました。

具体的には、

「Tさんのやる気を出す」

ということです。


しかし、やる気のない人間のやる気を出すのはそう簡単ではありません。6ヶ月後に私の家ができていなければならないのです。彼のやる気が出るのを待っていたら、私の「良い家」はできないでしょう。


これではとても危ないと考えた私は、自分の考え方を変える決心をしました。それまでは、彼に任せて家を建ててもらおうと思っていたのですが、今後は、私が、私の家の設計に首を突っ込むことにしました。


つまり、彼にやる気がなくても、私の指示で設計をきちんとやり遂げさせることにしました。


課題をもっと具体的に言うと、

「この非常事態に、やむを得ず、私が手も口も出して、彼に期日通りに私の欲しい家を建ててもらう」

決心をしたのでした。

つまり、「私が」やる気を出さざるを得なくなったのです。

良い家を建てるという「私の問題」を解決するために。


このとき注意したのは、私が切れて、怒鳴り散らさないようにすることでした。そして、彼も自分が何(悪いこと)をしたかを知っているので、私が何を言っても、ミスや足りないところは多いものの、なんとか動くことは動いてくれました。

一方、私は彼のやったことを厳しくチェックし、辛抱強く、しつこく指示を出し続け、希望通りになるまで、働いてもらいました。



13.3 私の問題の解決・・・契約後の私の苦労

契約して1回目のTさんの訪問後、私の決心を実行すべく、俄然、彼に対し厳しくなりました。

最初の設計案を出してもらうまでに10日も費やされてしまい、頭にきた私は、自分の希望に対し設計案を出してもらうと、素早く質問したり、チェックし、訂正してもらったり、違う考え方を知らせたりしました。それも、彼に家に来てもらったときだけでなく、メールのやりとりも、電話も、最大限に利用しました。

このような作業を続けるとともに、私自身も私の家のことをいつも考えるようになっていました。彼が私の家のことを考えざるを得ないように仕向けていったのでした。

さらに、彼が、できないとか、ものがないと言っても、引き下がらず、もっと考えてくれとか、もっと探してくれとか、しつこく頼んだのです。私自身も、インターネットで、彼にないと言われたものを探したりもしました。


このようなことを必死で続けた結果、数日遅れぐらいで、なんとか、彼に最終設計図をまとめてもらいました。

さらに、その後も、最終的に家が完成するまで、油断せず、進行状況をチェックしていったのでした。

結局、1日遅れで家を完成させることができました。また、外構工事でも苦労が多く、3ヶ月あまり遅れましたが、私の希望の家がほぼできたのでした。(Tさんのやる気はなかったものの、私のいじめ(シゴキ)に耐え、よく頑張ってくれたお蔭で「私の良い家」ができたのです。)



その家が完成するまでの苦労の中で、二つの例を以下に紹介しましょう。


13.3.1 風通しのいい、明るく、使いやすい家を作る

家は長方形の2階建てで、東西方向6間で南北方向4間の24坪です。ですから、床面積で48坪になります。

ここでは、一番問題の多かった、1階の北半分を取り上げます。

勧められたプラン(浴室、洗面所、台所が続くという私の希望を入れた)の図面では、玄関が北側(道路)の真ん中いらにあり、玄関の西側に納戸とトイレがあったのです。そして、東側には、浴室、洗面所と台所がありました。


私は、まず台所をもっと明るくするよう頼みました。北側と東側に小さい窓があるだけでしたから。

そうしたら、東側に幅の狭い戸口(勝手口)をつけてきました。それでは不足だと考えた私は、戸でなく、幅の広い窓をつけてくれと主張しました。

それができない(やったことがない)と言うので、よく聞くと、調理台と重なる(調理台の直ぐ上に窓がくる)ような窓はつけられないと言われました。では、調理台をできるだけ北面の壁から離す(台所を広くする)ように指示し、幅の広い窓を入れてもらいました(こうなるまでに、かなり時間がかかりました)。

その結果、とても明るいだけでなく、動きやすい台所ができたのです。これは、妻や近くに住む娘にとても好評でした。


次に、洗面所が少し狭いのでもっと大きくしてもらおうと思ったら、玄関の位置は動かせないと言われました(勧められているプランでは、だったのですが)。

しかし、玄関の西側の納戸やトイレは玄関を暗くしていたし、どちらも、居住域(居間や台所)の近くにあった方がずっと便利だと強く言いました。そのためにも、玄関は西北の角しかないと主張したのです。

そして、両者(納戸とトイレ)を玄関の西側から、玄関から東上方向に上(のぼ)る階段と上ったところの平らな部分の下(家の真ん中に近いところ)に持ってくることを検討してもらいました。そうすると、納戸はいいとして、階段の下のトイレは無理だと言われました。しかし、立面図を私が作ってみると、十分な空間があるのです。

しかし、設計は、この会社では認めたくない作り方だとかなんとか言い、最後まで渋っていました。私はなんども説得し、最終的には、私の言うようにやってもらいました(そして、できました)。

それから、最初、Tさんは、私が玄関の位置が悪いと言っても、それは動かせないと言い張っていたのですが、こちらから何回も言った結果、違うプラン(より注文住宅に近い)にすれば、玄関を西北の角に持ってこられることをやっと認めたのです(このことをそれまで一度も教えてくれませんでした)。

これで、暗い玄関という問題も含めて、一挙に解決です。つまり、玄関でも、台所と同じ大きな窓を要求し、受け入れてもらいました。その結果、ほぼ6畳の大きさの玄関になり、ちょっとした社交の場(簡単な)にもなると思われました。

さらに、玄関を西に動かしたお蔭で、洗面所にもゆったりした空間を作れました。

また、この玄関の大きい窓は、家の風通しに寄与することも期待されました。

これらの変更により、どの部屋も明るい家にすることができました(ただし、1階のトイレと納戸は明かりが必要)。

なお、このままでは、階段の2階に近い部分が暗くなるので、上に天窓を作ってもらいました(これはTさんの発案で、風通しにも寄与)。


家の他の部分については省略します。



13.3.2 私の理想の浴室を作る


第1案を見て、まず、浴槽を、今多い、中が浅く、段があり、中で横になるようなものではなく、深いものにしてくれと言いました。そうしたら、そういう型のものはないと彼(Tさん)は答えたのです。

そんなはずはないと言い、わが家の、中で座るような、より深い浴槽を見せたのですが、今はないと言うのです。

信じられなかったのですが、世の中は変わってしまったものだと嘆いたのでした。

しかし、彼が帰った後、どうしても納得できず、インターネットで調べると、沢山あるではないですか。これは和洋折衷型というもので、もっとも一般的なものであると書いてありました。

至急、彼にメールで知らせました。次回、そのような浴槽にしてきて、不勉強であったと謝りましたが、ちょっと呆れてしまいました。このことで彼を責めて、進行を遅らせてはいられないので、一件落着ということで次の案件に移りました。

次は窓の大きさと位置でした。窓が小さくて、上の方にあるのです。私の欲しいのは、窓の幅が浴室の端から端まであり、窓の下端が浴槽の上の縁とほぼ同じ高さになるようなものです。

まず、彼は幅を少し広くした案を持ってきましたが、窓は下へは動かせないと言うのです。そんなはずはないと言い、どうしてかと聞くと、つかまり棒が窓の下にあるからでした。

では、つかまり棒は不要だと言うと、しぶしぶこれをなくしてもいいということになりました。

しかし、私には窓の幅についてはまだ不満でした。テレビのコマーシャルなどで幅の広い窓の浴室を見ているからです。それを言い、絶対に広くしてくれとほぼ命令しました。

そういうことで、やっと私の望みが叶いました(探せばあったのです。そして、窓の大きさは面積で最初より倍近く大きくなりました。さらに、浴槽のすぐ上まで窓を下げることができたのです。)

これで、浴室の外(そと)に、目隠しの塀で囲った1.5坪の「坪庭」を作れば希望通りになるのです。すなわち、窓を開け広げて、外の空気を取り入れ、庭や空を眺めながら風呂に入れるのです。このとき、塀があれば、外から見られることはないのです。これが私の案でした。

(因みに、最初に私が窓を開け放しで入れる風呂は2階でないと無理かと聞いたら、彼はそうだと言ったのです。それで、風呂を1階と2階に作ることを考えていたのですが、妻に、もったいないと強く反対されてしまいました。そこで私が知恵を絞った結果が上の私の案です。)

私は、目隠しの塀には、雑誌で見た、建仁寺(けんにんじ)垣という竹塀(実際は竹のように見えるプラスチック製のもの)があることを彼に知らせました。

この庭の工事(外構工事)は、家が完成してからでいいので、後は、彼(Tさん)に、私の希望を、工事する業者にきちんと伝えてもらえばいいのだ(時間的に余裕あり)、と少し安心してしまいました。

家の建築が始まり、後2ヶ月足らずで家は完成という頃、外構工事担当の業者さんに会ったとき、唖然としてしまいました。彼(Tさん)が業者さんに指示していたのは、高さ1.8mの塀を浴室の外側の地面に作ることでした!

この通りに作ると、家の壁から約2m離れたところに高さ1.8mしかない塀ができてしまいます。でも、風呂場は地面よりかなり高いところにあるのです。窓の下端が、地面から約1mもあります。

ということは、窓からほぼ2m離れたところに窓の下端から高さ80cmしかない塀を作ることになり、これでは、前の道の向こう側の家の2階からわが家の浴室の中が丸見えになってしまうではありませんか。

つまり、私の希望が業者のMさんには全く伝わっていないのです。

がっくりきた私は、Tさんに連絡し、指示をきちんとしてもらうように言いました。

しかし、次に来た図面の指示を見ると、庭をまずブロック塀で囲い、その中に土を入れ、庭の地面を高くするところまではよかったのですが、その高さがなんと1.4mになっているのです。

これでは、窓の下端から40cmも上まで土を盛ることになってしまいます。また、彼に連絡すると、ちゃんと浴室の窓の下端まで庭の地面が来るように指示したと言い張ったのです。

自分の指示したことをきちんとチェックしていないのです。窓の下端は高さ1mしかないので、自分で立面図を書いて、チェックし直しなさいと言ったら、やっと間違いに気づいてくれました。窓の高さが1.4m(他の窓の高さ)だと思い込んでいたのです。(浴室の窓だけは窓が低いのに。彼が、私の指示でそうなるように努力してくれたのです。)

さらに、この庭の広さも間違っていました。1.5坪の庭を頼んだのに、2坪の庭になっていました。

これらを訂正してもらい、やっと寸法が正しいものになったのですが、一番ひどい間違いが塀完成時に発覚してしまいました。

完成する日に、私が現場へ行き、塀を見ると、なんと、隙間のある塀ができているではありませんか。隙間から覗くと中が少し見えるだけでなく、少し離れたところからも、中の様子が分かるのです。

彼の指示を確認すると、塀として「御簾(みす)垣」を指定していました。これは、細い竹棒(実際にはプラスチック)を並べたもので、当然隙間があるものでした。

私がインターネットで調べると、御簾垣は少し透けて見えるもので、目隠しには建仁寺垣(私の指示)のようなものを使うと明記してあるではありませんか。

これらのことを彼に知らせ、直してくれるように頼むと、直すとは言ったのですが、修復後の強度が心配なので確認しているなどと言い、なかなか工事が始まりません。

どうも手をこまねいているようだと思ったとき、たまたま、さくら市(栃木県)の温泉へ行ったら、正(まさ)に建仁寺垣を露天風呂の目隠しに使っているではありませんか。

すぐにその写真を彼に送り、この塀がちゃんとあることを教えるとともに、もう20年も使っていて強度の問題はないと知らせました。

そのお蔭かどうか分かりませんが、やっと建仁寺垣を注文してくれました。但し、私が言ったように、全てを作りかえるのではなく、既に作った塀に建仁寺垣の材料を貼り付けるという形で、目隠しの塀が完成しました(結果的にはこの方がしっかりしていてよかったです)。


(以下は、事務処理の問題で、ちょっと脱線しますが。)

しかし、彼は、完成した塀を見に来ないで、2週間あまりそのままに放置していたのでした。私から、そろそろ工事をまとめてくれと頼んだら、終わった確認に来るのではなく、総務の方へ工事が終わったとだけ伝えてしまったのです。その結果、2ヶ月以上も工事が遅れたのに、その釈明もせず、すぐお金を払えという請求書と精算書を送られてきたのでした。精算書には、契約日は書いてありましたが、引き渡し日は書いてないのです。また、引き渡しが遅れたことにも触れていないのです。

怒った私は、これらの書類を送ってきた北関東支店(支店長と担当者)に、手紙で、引き渡しもしていないのに、自分が遅れたことは棚に上げて、早く払えと言ってくるなと書き、ついでに、正当な理由で遅れたのかどうかきちんと判定してから請求書を送り直してくれと書きました。

これは、この工事の契約書(住宅会社Yと私との)に、代金をきちんと払わないと延滞金を請求されることと、一方、Y社も、正当な理由なしに工事を遅れさせたら遅延損害金を支払うことと書いてあったからです。

今回の工事の場合、この時点でもう3ヶ月(1ヶ月の工事に)も遅れ、まだ引き渡しも正式に行なっていないのです。これを理由にもし私がケンカをしたいなら、十分戦えると思われました。

この手紙に驚いたTさんは急いでわが家に来て、自分の指示ミスやチェック不足(欠落)を認めました。

私としては、ほぼ満足できる家ができたので、気が大きくなり、正式な引き渡し日はTさんが来た日(3ヶ月と10日ほど遅れ)とし、Y社が過ちを認め、謝れば、許すことにしました。この塀の工事には、やり直したことにより、多分倍以上お金がかかっているし、担当の業者がとてもきちんとした工事をやってくれたからです。

工事の責任者である副支店長から説明と謝罪の手紙が来たところで、わが家は、やっと、めでたく正式に完成となりました。


なお、私が欲しかったジェットバスについては、Tさんに探してもらいましたが、適当なもの(強い流れを出せるもの)は見つかりませんでした。そこで、私がインターネットで、風呂に入れる別装置として、水流のかなり強いものを見つけました。また、打たせ湯は、私の工夫で、シャワーヘッドを取り外した状態のシャワーで2mの高さからお湯を落とせるようにして、水流が足りませんが、なんとか作りました。


このような、とても手間のかかる(真面目にやればそんなに難しくないはずなのに)作業を通じ、やるべきことをはっきりさせ、図面化したものを私がチェックし、工事を行なってもらった結果、ほぼこちらの希望する家ができました。

3582字(計10231字)2014.07.16


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