2017/06/12(月)10:24
『学校へ行けない僕と9人の先生』棚園正一
小学生の頃から登校拒否という、筋金入りのエリートヒッキーが自分の半生を描いた実録もの。
申し訳ないが、絵が古くさいです。今まで連載を取れなかったのも、頷けてしまう。
作者の人生で出会った9人の先生との関わりとともに少年時代が語られるんですが、最後の「先生」はなんとあの鳥山明先生です。作者のお母さんと鳥山明先生が昔同級生だったのを口実に、不登校児専門の塾の先生が少年時代の作者を連れて鳥山先生の仕事場に乗り込むんです。とんでもないわ…。
見ず知らずの小学生の相手をしてくれる鳥山先生、マジ良い人。超神対応ですがあとがきで「くれぐれもマネしないでください。僕、対応しきれません」的な文を鳥山先生が書いていてそりゃあそうだと思いました。
不登校のきっかけになった先生の態度もずいぶん酷いんですが、ぶっちゃけ“自分の子どもがこんなんなったら困っちゃうなあ”というのが本音です。
内田春菊さんとこの末っ子と同じタイプですよねこの人。自分の中でイメージしてる自分と現実の自分とのギャップに自家中毒起こして不登校になるんでしょ?
ダメな自分が受け入れられなくて現実から目を背けて。たまに学校行くとリア充ぶって「つかれた~」と翌日からまた休むのも一緒。
は っ き り 言 っ て め ん ど く さ い 。
いじめとかそれ以前に学校来なくなる層。
悪いけど作者に全然共感できなくて、それより親御さんの苦労が忍ばれて読んでて胃が痛くなりました。特にお母さん。自習はしない家庭教師つけても成績上がらない、不登校児専門の塾に息子入れたら先生から呼び出し受けて「息子さんが学校行かないのはあなたのせいです」ってお説教受けるとかホント無理ゲー。
家庭教師つけるのも塾行かせるのもそれもこれも親御さんが頑張って働いてくれたおかげじゃないですか。いやまあわかりますよ?自分が頑張って大検受けて受かって大学生活は充実して今は専門学校の先生になって。立派ですよ。
んでもそれをひたすら支えていたのは間違いなくご両親でしょうが!と言いたくなってしまう。もうダメだ、マンガ読んでも子どもの気持ちに寄り添えなくなってしまったわ私。いつかルフィが海賊王になっても親戚のおばちゃんみたいな気持ちになって泣くんだわ。
“特別扱いされるのが嫌だった、普通に扱ってほしかった”“普通の生徒のように扱われるのが嬉しかった”と何度も出てくるんですが、それってかなり無茶な要求を周りにしてること、わかってますか?
普通に毎日学校来る生徒じゃないんだから特別扱いするの当たり前でしょうが。
かといって“普通”の側に立って「ほらわかった?学校来てないと自分が困るのよ」的に一切寄り添って貰えないと、傷付いて被害者ぶるんですよこの作者。
たまにしか店に来ないくせに“常連客の仲間に入れない”“常連客と同じ扱いされない”と文句言う人って、一種のクレーマーじゃないですか?
常連客は常連客で居続けるために日々努力してるんですよ?毎日来てくれるから店だっておまけつけたり特別メニュー提供したりするのに「それ俺にも食わせろ」とか言ういちげんさんて、野暮で恥ずかしいと思わないですか?
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