いつか全て捨てようと思って暮らしてます

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  『新天皇論』小林よしのり

  女系天皇、いや、はっきり言おう、愛子天皇容認の道筋をつけるための、もはやなりふり構わない一冊。『天皇論』の横にちっちゃく「新」を入れた装丁は、自著の『天皇論』に間違わせて買わせる作戦か？「これがわしの天皇論の決定版」とか言ってんだから、もっとどかーんと“新”を強調してみせるが良い、……と思うが、そんなことしたら売れないってわかってるから、やらないんだろなー。卑怯だなー。自分の絵が武器であると言うこと、醜い似顔絵は意識的なものである事を自ら暴露。昔からの読者としては、うん知ってた、で終了だが、これ、ずっと本人は否定してたよね。「わしを批判する勢力の言い掛かりだ」って。宮中茶会で、どうぞ陛下とお話ください、と進められ、逃げて帰って来たのが最後の良心か。御前になんか、出られないよね。恥ずかしくて。愛子天皇の誕生を、皇祖天照大神の再来とか言ってて気持ち悪い。男系優先論者をカルトと批判してるが、自分の方がよっぽどカルトじみてる。天照大神の背後には、女性天皇である持統天皇の面影が見え隠れしている。古事記・日本書紀を編纂させた女帝の真意は、天孫降臨と、孫の軽皇子への政権委譲をリンクさせて、その正当性を補完するためだったろう。持統天皇と、彼女を支えた古代最大のフィクサー藤原不比等が発明した“歴史というフィクション”が、天照大神だ。側室がいなきゃ男系は維持出来ない！って言うけどさぁ、じゃあ、逆に、愛子様が天皇になったら、それ、解決するわけ？って話よね。男系女系関係無いよね。それとも何？“男生まなきゃ”なプレッシャーよりは、“とにかく一人は生んでおかなきゃ”なプレッシャーの方が、まだましでしょって事かい？馬鹿なの？死ぬの？男だろうが女だろうが、子供産むのは大仕事。そもそも、子供が出来ない可能性だってある。だから女系天皇！って話にゃこれっぽっちもならんわね。聖域で育てられた正統のお姫様ＶＳ６００年も血統の離れた俗にまみれた一般人、って対立項もそもそもおかしい。並べて論ずるべきは、秋篠宮殿下と、愛子様だ。陛下の名代として既にあらゆる公務を担当し、美智子皇后陛下の再来と呼ばれる美しくて働き者の妻を持ち、皇族中唯一の未成年親王の父である、身長１８０センチのダンディＶＳ自閉症と海外で報じられてる小学校もまともに通えないお嬢ちゃんですよ。どちらが天皇陛下に相応しいかって。比べものにならんでしょう。６００年６００年ってうっさいけど、今の陛下だって、宮家の皇統ですからね。明治天皇の三代前、光格天皇は、四世襲親王家のひとつ、閑院宮家の方。先代の後桃園天皇に内親王しかいなかったため、あえて宮家から迎えられた。臣下に下った皇族に皇位継承権は無いのが大原則。だから、万が一の皇統のスペアとして、宮家は代替わりする度にその時代の天皇陛下と養子関係を結んだ。そうして、その皇統の正当性を確保していたんだから、文句言われる筋合いが無い。皇室典範変えるのは今しかない！今しかないんだー！！って、気がふれたみたいに騒ぐのは、ものすごく不敬だけど、平成の御代がいつ終わるかもしれないと思ってるからだろう？今のままで行ったら、皇太子殿下の後継は秋篠宮家になる。それが許せないから、急がないと女性皇族は皆嫁に行って最終的にいなくなってしまうぞ！おどしてるけど、じゃあ、愛子様が天皇になったらその状況変わるわけ？解決するわけ？関係無いよね。今女性宮家の話が浮上してるけど、これって、女性皇族と結婚した男性にも皇族身分与えてその流れに国民慣らしてから、だったら愛子様の旦那が天皇でも良いじゃん別に、ってもってきたい気見え見えだっちゅーの。外国人参政権の入口として、まず地方参政権から、ってのと一緒よね？古代の女性天皇持ち出して、母から娘に皇位が移った！女系だー！！ってこじつけてるけど、まぁものすっごく近視眼的に見ればね。確かにそう言えなくも無い。だがちょっと引いて見れば、それは、まだちっちゃい孫や息子に皇位継がせるためだってのは、どう見たって、明白。血で血を洗う陰謀世界の中心でなら、どんな横車も押し放題。ＮＯと言ったら次の日には殺されるとなれば、女帝だろうが女系だろうがモウマンタイ。ただ、その横車のエンジンに必要だったのは、血統。お祖父さんも父親も旦那も息子も天皇ってくらい、皇統のど真ん中にいたから押せた横車。今の時代、愛子様を天皇にして、どこの馬の骨とも知れぬチャラ男が旦那になって天皇面したら、それで国民は納得するの？皇統は守れるの？それが心配だから、保守層は反対する。皇室批判をするのはいつも保守だっていうけど、美智子皇后陛下のお輿入れの反対も、意味のある事だった。判例と同じで、一度でも特例を認めれば、次からはそれがスタンダードになる。皇后陛下や、秋篠宮妃殿下は、奇跡の存在。たゆまない努力と、自己規律の賜物。もしも、東宮妃が最後まで候補に上がってた旧宮家の姫君だったら、適応障害なんて起こり得なかった。その後のバッシングも。学習院には今でも平民の血など一滴も混じってませんてのが自慢の旧華族の子弟がごろごろいる。うまくいってるうちは良いが、歯車がひとつ狂ったり、問題が出た時に、だから平民の血を引く皇族はと言われる。今上陛下が皇太子時代、アメリカ人の家庭教師に教えられた家族主義は、乳母廃止、ナルちゃん憲法となって実現するが、おかげで愛子様と雅子妃の密着っぷりに一定の認可を与えてしまった。陛下のお見舞いには行かないが、愛子様の学習院発表会には夫婦で行く事を、誰も批判出来ない。親子の情が、皇太子の不行跡を黙認させているのなら、もはやそれは害悪。伝統にはちゃんと意味と価値があったことを、私たちは壊れた時に思い知らされる。女系天皇は、今上陛下のご意思だと言うとりますが。６年前から、お二方が“敬宮”の称号を全く使わなくなったのは、じゃあ、何で？未来の皇后陛下でありながら仮病を理由に全く公務につかない雅子様を、もう式典から外しても良いのではと皇后陛下がおっしゃったのは、何で？小林よしのりが、“陛下のご意思を反映させる”と女系天皇を推すなら、私は、同じ理由で廃太子を検討すべきだと思ってる。 話題騒然！筆者が説く「皇位継承問題」とは？！【BOOK】ゴーマニズム宣言SPECIAL 新天皇論/小林...

  2012年03月14日

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  『皇族』小田部雄次

  戦後離脱された、いわゆる“旧皇族”に焦点を当てた一冊。その流れで現在の直宮家まで紹介している。どちらの陣営にも与しない書き方をしているのが大変好ましい（笑）皇族、神の裔と言っても生身の人間である以上、数いる中には素行不良な奴もいれば俺って所詮「平皇族」だしー、とグレる奴もいる。天皇陛下より年上だったり実戦経験が豊富なのを笠にきて、政治的な奏上をする者、血が近いのを良いことに陛下を批判する者も。少なくとも、戦後、皇籍離脱が行われた背景には、そのような問題アリな皇族飼ってる余裕は無いという家庭（←国家）の事情と、何より、直宮家がわんさいた。大正天皇には四人の親王がいたし、昭和天皇には二人。今上天皇にも二人の親王。これだけいれば、１１宮家くらいいなくても大丈夫と思うのは人情。まさか４１年間も男子が生まれないとは、その時点で、誰も思わない。驚いたのは、当時それだけ男子がいた状況下でも、昭和天皇に親王が生まれるまではピリピリした空気が流れて、今みたいな皇統どうするどうなる談議が起こっていたこと。出来れば直系で繋いで行きたいって欲望が、無意識にあるんだねぇ。なんだろ、様式美？みたいな？戦前までは、皇族男子は軍人になることが奨励された。まさに、ノブレスオブリージュ（高貴なる者の義務）。その関係もあって、靖国神社への皇族の行啓参拝は多く、靖国の宮司を勤めた皇族もいる。皇族と深い縁のある靖国神社に、今、天皇陛下が参拝出来ない状況にあるのはほんに情けないこと。 【送料無料】皇族

  2012年03月07日

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  『完全版　天皇・皇室ＦＩＬＥ』不二龍彦

  意外と知らない皇室の基礎知識。公務に、祭祀、資産や財務、健康管理にファッション、日常生活。発行日が二年前の昨日になってて、わざわざ皇太子のお誕生日に合わせてるのがニクイ。明治天皇は「天皇に私（わたくし）なし」をモットーに、人生を送った。自分は「全国民の父」であるのだから、一般人のように親子が一緒に暮らすと、どうしても親子の情が強まり「私」というエゴが生まれてしまうと、子供は全て里子元で養育させた。嫁に行く娘の顔見ても誰だかわからなかったとか、父親に抱っこされた記憶が無いとかずっと母だと信じてた人が実は違っててショック受けたとかきくとうーん可哀相と思うが、かといって被災地見舞って「うちの娘と同い年ですね」とか、公式の挨拶で「うちの娘も今年で○歳になりました。家族団欒してます。」とか、歌会始めに娘の歌ばかり詠むとか、学習院行って「愛子のパパですよー」とか言うのも、激しく違うと思うの。バランスって、難しいやね。てか皇室に生まれた以上、結婚も離婚も基本自分の意思だけじゃどうにもならん存在なんだから、ある程度その辺の節度持って行動するのがノブレス・オブリージュ（高貴な者の勤め）だと思うんですがね。国民はね、自分とこの王を、尊敬し、自慢したいと思うものです。国家元首が立派なら、立派なほど嬉しい。普通の人では無いのだから、そこんとこ自覚持って欲しいと思うのは、望み過ぎなんでしょうか。 【送料無料】天皇・皇室file

  2012年02月24日

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  『完全版　歴代天皇ＦＩＬＥ』不二龍彦

  いわゆるコンビニ本ですが、コンパクトにまとまっていて大変わかりやすい。歴代の天皇陛下の生涯、治世、政治、后、諡、両親、御陵、などなどが紹介されています。万世一系と言いつつ、２６代の継体天皇で一度皇統途切れてるっぽいし、天武天皇って実は天智の弟じゃないって話もあったりして興味深いですね。１２５代の皇統は、果てしない抗争の歴史でもある。陛下本人のご意向、兄弟喧嘩、外戚の圧力、女同士の争い、権力闘争。直系長子が皇位を受け継ぐ決まりなんか無いし、皇位の兄弟相続も頻繁に行われてる、三男、四男、十四男が継承した場合だってある。女帝は抗争の最たるもので、全員が、なんらかの政治的思惑によって擁立されている。これ見て、最近の女系天皇容認説が皇位継承戦争のバリエーションでしかないことがはっきりわかった。女系推進派は直系直系うるさいけど、直系の血筋がそんなに大事なら、今の東宮に新しい妃をあてがえば、それですむのに、だれも言わないもんね（笑）だいたい、秋篠宮家だって完全直系なんですから文句言われる筋合い無いんですけれどね。今なんて宮家も少ないし、敵になる男性皇族もほとんどいない、どころか皇室典範は直系男子優先継承を薦めてて、男の子で有りさえすれば文句無しに天皇の地位が約束されてるはっきり言って勝ち戦ベリーイージーモードなくせに、それでも「天皇陛下の外戚」になれないとかｗｗｗワロすｗｗｗ蘇我氏や藤原氏、平氏になりたかったんだろうが。残念だったな。 【送料無料】歴代天皇file

  2012年02月22日

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  『本家ゴーマニズム宣言』小林よしのり

  今まで『ＳＡＰＩＯ』で描いていたのが“元祖”で『Ｗｉｌｌ』に描く分は“本家”と冒頭で言い訳してますが、『ＳＡＰＩＯ』連載分の単行本には“元祖”とかつけてない以上、パッと見“本家”の方に正統性を感じてしまうのが人情というもので、ずっと看板でやってきた自分よりも佐藤優を大事にする『ＳＡＰＩＯ』への意趣返しなのがあからさま過ぎてやれやれです。外国人参政権の回と、李登輝氏との対談がこの本の見るべき部分。あとは、自書の宣伝と、小林よしのり批判派へのバッシングに終始していて見苦しい事この上なし。「「外国人参政権」という売国法案を許すな！」の出来はさすがで、たった７ページにこの法案の持つ問題と危険性が完璧に語られている。李登輝氏の熱気につられてさも自分が一番台湾を心配してるみたいな事言って金美齢さんが日本に帰化したことを批判したりしてますが、自分なんか『台湾論』でブラックリスト入り・入国拒否されて以来、９年ぶりの入台、万が一の保険代わりに政治家を同行させる用意周到さというかヘタレっぷりを誰も突っ込まなかったのか。命を懸けて何十年も夫婦で独立活動してきて、自分たちが命を落とした時の子供たちの身の振り方まで考えてそれでも独立を諦めなかった金美齢さんを、どの口が批判出来るのか。 【送料無料選択可！】本家 ゴーマニズム宣言 (単行本・ムック) / 小林よしのり

  2012年02月21日

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  『希望の国　日本』小林よしのり

  開いてまず、字が大きいことにびっくりする。なんじゃこりゃ？！絵本か？！『ぐりとぐら』か？！それとも老眼対策か？何目指してるんだ何処に向かってるんだ大体副題「九人の政治家と真剣勝負」って何様だ小林よしのり？！保守好きするタイトルつけて、保守系の政治家並べて、最終的に原口大臣（当時）マンセーして民主党アゲなつくりにしてるのがあざとすぎる。保守の星、稲田朋美議員に向かって“あんた元々小泉チルドレンだけどその辺反省してないの？”とか上から目線だし失礼過ぎ。元々百人切り訴訟の弁護士とかで保守な活動してた彼女に安倍元首相が声かけた事で立候補決めたんだから、何処かのタイゾーみたいなのと同じようなレベルで語るのは頭おかしい。平沼赳夫さん、石破茂さん、高市早苗さん、安倍晋三元首相と、保守系議員の皆さんは、今まで通りの主張でさすがの安定感。逆に言うと、今回の対談で特に目新しい主張があったわけでもサービストークがあるわけでもないのよね。平沼さんが、保守新党立ち上げるかも、って話してるくらいかな。この対談の直後に「立ち上がれ日本」作ってるから別に新しくないな。高市早苗議員が小選挙区制の弊害を言ってるのがわかりやすかった。中選挙区制の頃は、有権者の５人にひとりの票が取れれば当選出来たから、思い切った主張も出来た、小選挙区制では５１パーセントの人に受け入れて貰わなければならないから、敵を作るような事は言えない、地元の冠婚葬祭には必ず顔出して電報打って個別訪問する候補者が勝つ、たとえそいつが国会休んでそれをしていたとしても。理念や政策よりもドブ板至上。まさに小沢の得意とする選挙体制やね。今ちょうど一票の格差が問題になってんだから、中選挙区制に戻すと良いと思う。どれも面白いんだけど、一インタビュアーの質問に普通に答えました、って、なんてかな、別にこれ、小林よしのりじゃなくてもよくなくない？みたいな。だいたいお前アノミーアノミーうっせぇんだよ。アノミーなんて少し前に流行った左翼好きするキーワード持ってきて、さも知識人受けするような体裁整えてるけど、自分とこの漫画じゃ「砂粒の個」ってわかりやすく訳語使ってそれで「ゴー宣は偏差値高くないと読めませんから」って、やかましいわ。民主議員、田村健治は“小林先生、『天皇論』にサインしてください”とか言ってて気持ち悪いし。正直誰だよお前？だし、“僕、選挙弱いんで、応援してくれるならイデオロギー問いません”とか、いっぺん死んで来いや、ってレベルのクズ。小林よしのりも、「タムケン」とか呼んじゃってるし。それは黒メガネがトレードマークの裸芸人だろうが。静岡４区の皆さんは、二度とこいつを国政に出しちゃなんねぇ。最後の原口との対談だけノリノリで、明らかにテンションがおかしい。民主党の政策の中でも一番ごまかしが利きそうな“地域主権”をネタに、“いやぁ、お話聞いて安心しました、民主党は実は保守なんですね！”“応援します！民主党にやらせてみようと思いましたよわし”って、何なんだお前官房機密費いくら貰ったらそんなセリフが吐けるんだ？！【送料無料】希望の国・日本

  2012年02月20日

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  『国家と戦争』 小林よしのり 福田和也 佐伯啓思 西部邁

  『戦争論』は小林よしのりの作品の中でも大売れし、同時にかなりの批判にもさらされた。この『戦争論』について、知識人を集めて語り合ってみた一冊。ひらべったく言うと、便乗本。人名や事物のほとんどに振り仮名と注がついてて、親切てか、なんか、大学のテキストっぽいつくり。ちくま学芸文庫とかね。んでも内容は、……読むんじゃなかった、ってシロモノ。知識人の言葉は空疎だ。どれだけ言葉を尽くしても、国家にも戦争にも、届いてない。特に、大東亜戦争当時の常識や、戦地の状況の知識が皆無なのがお話にならない。南京にいた便衣兵は、捕虜になる資格すら無かったのだから、処刑は国際法上も完全合法なのに“なぜもっとうまく出来なかったか”とか、もうね。ナニイッテンダオマエラとバカジャネーノが交互に口をついて出て困った。この対談に参加してる知識人の言葉は、あの戦争で散った英霊たちに、全く届かない。義が無いのだ。「あの戦争に行って日本のために戦ってくれたじぃちゃんたちのために」と『戦争論』を描いた小林よしのりの、足元にも及ばない。駄目な本には、駄目なりの価値というか、“この本は駄目だという事がわかりました”程度の意味はある。と、思わないと自分の読書行為が空しくなる。あえて言うなら、佐伯啓思がこの中では比較的まとも。福田和也は戦略的ナショナリストだから信用ならんし言葉に実が無い。西部邁はもはや老害。この時点では、小林よしのりがやはり一番勉強してる。ほとんどしゃべってないけど（笑）女系天皇推進に向かわなきゃ、良い書き手だったのに。 　【中古】政治・経済・社会 ≪政治・経済・社会≫ 国家と戦争【b_2sp1102】【画】

  2012年02月17日

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  『憲法の常識　常識の憲法』百地章

  まともな憲法学者による、現憲法が抱える諸問題の解説本。９条問題、靖国参拝、外国人参政権、女性天皇、行き過ぎた人権主義、そして、そもそも現憲法に正当性はあるのか？著者は、日本憲法の根本にある問題は、「国家観なき戦後憲法学」だと言います。“国家”というと、「権力機構としての国家」、つまり正確にいうと政府と、国民・領土・伝統文化・歴史まで引っくるめた「国民共同体としての国家」がある。なのに戦後の教育では国家といえば権力機構としての国家としか教えて来なかったから、常識で考えればわかることが、今は通じなくなっている。「共同体としての国家」は独立国として当然、自衛権を持つのだから、自衛権の発動としての武力行使が出来ないはずはない。「共同体としての国家」がなければ、国民だって存在しないのだから、「国家の存立を維持」することは最大の「公共の福祉」に他ならず、そのために一時的に人権が制約を受けることはやむを得ない。国が滅ぶとも個人が最高の価値だなどというのはナンセンスだ。政教分離も同様に、「共同体としての国家」には伝統的な宗教行事も含むのだから、ある程度のかかわりは認めざるを得ない。だいたい、欧米の政教分離は、ある特定の宗教団体が政治とつながりを持つことの禁止だ。だから、米大統領の任命式が宣誓から始まるのは、普通のこと。宗教的なものを政治ときっぱりぱっきり分けようとするのは“宗教は毒だ”と言ってはばからなかった共産主義国の思想。憲法・法律の専門家ってどうも木を見て森を見ずというか実相にそってないなぁと思ってたけど、いるとこにはちゃんといるもんですね。まともな憲法学者が。ほっとしました。 【送料無料】 憲法の常識常識の憲法 文春新書 / 百地章 【新書】

  2012年02月04日

• 『世界が裁く東京裁判』佐藤和雄編

  戦後五十周年に当たって、極東国際軍事裁判→いわゆる東京裁判史観の克服のために刊行された良書。「法律なければ犯罪なし」が法治国家の大原則だってのに、「戦争後までは存在しなかった「平和に対する罪」を過去にさかのぼって適用する」無法っぷり、「裁判と呼べるシロモノではなかった」、「国際法に違反する政治的茶番劇」とまで言われるその実態を、精緻に解説・批判しています。「つまり、アメリカ政府は「ポツダム宣言」に伴い「無条件降伏」政策が変更を余儀なくされていることを承知しながら、日本政府が休戦に応じた途端、「日本は無条件降伏をした」と悪質なデマを流し、なおかつ検閲によって日本側の「発言権」を奪って反論できないように追い込んだ上で、「ポツダム宣言」を大きく逸脱して実質的な「無条件降伏」政策を日本に強要したのである。連合国、特にＧＨＱの政策を主導したアメリカという国が、自国の政治目的を達成するためには、国際条約さえいとも簡単に反故にした歴史的事実を、私たちは後々まで忘れてはならないであろう。」戦後の日本人はアメリカのフィルターのかかった情報ばかり与えられてきたため、他の国が東京裁判を否定している事実を、ほとんど知らない。戦後すぐは、戦犯は被害者なのだから戦死者として扱い、恩給も靖国合祀もしてあげなければ可哀相と社会党の代議士が率先して演説していたものだったのに（そして全会一致で国会を通過していたというのに）、この戦後五十年には、社会党出身の総理大臣が謝罪・不戦の国会決議を行い、完全に論破されているはずの東京裁判史観は今なお、大手を振って闊歩している。私たちの常識は明らかに、退歩している。どういう事なんだ。

  2012年01月31日

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  『大声で歌え「君が代」を』ケヴィン・Ｍ・ドーク

  久しぶりに失敗した…。原題は『Ａ Ｈｉｓｔｏｒｙ ｏｆ Ｎａｔｉｏｎａｌｉｓｍ ｉｎ Ｍｏｄｅｒｎ Ｊａｐａｎ』→近代日本のナショナリズムの歴史。アメリカ人に向けた、近代日本の思想家の紹介というか思想の流れというか、カタログみたいなもの。しかもそれが微妙に間違ってたりなんだったり。ナショナリズムとネーションの用語解説とか意味の確定を棚上げしたままずんずん論に入っていくから非常にわかりにくい。日本人が普通に使ういわゆるナショナリズムってよりは、“国民主義”的な意味合いで使ってるのが多いかな？と思う。確かに最後に「民主主義はナショナリズムなしでは有り得ない」「国旗を振らず国歌を歌わない国がはたしてあるだろうか」とは書いてありますが、別に日本の保守思想アゲな本でもなんでもありません。本人の思想としては、フランス革命時に唱えられた市民中心主義が、“僕の愛する素敵なナショナリズム”なんでしょう、多分。それは、“それまでの身分制度から解放された新しい平等の理念の実現形であるところの市民が社会変革の主要メンバーになるんだ”っちう一見悪くない風を装った思想ではあるんですが、だがしかしその実態は、武器を持った一般大衆による混乱と泥沼な内戦と大虐殺がデフォルトだったわけで。うーん、そう考えると、ナショナリズムをそのままにしてあえて訳さなかった訳者とタイトル売りしようとした出版社の作戦勝ちだね。まんまとひっかかったよ。考えてみれば、アメリカの日本研究なんて、戦時中から戦後にかけて国挙げてやられたものが基礎で、そのほとんどが日本人から見ると“なんじゃこりゃ”レベルのモノばっかりだったもんね。アメリカ人に日本の思想界の事教えて貰おうと考える事自体間違ってたわ。どれくらい“なんじゃこりゃ”だったかというと、有名な逸話↓アメリカ人「日本人はテンノーを神の末裔だと考えてるらしいぜ！！アンビリーバボー！！！」アメリカ人「ヘイジャップ！教えてやるぜ、人間の祖先はみんな猿なんだぜ、びっくりしたか？！」日本人「進化論なら、小学生の時学校で習いましたが、それが何か？」アメリカ人「………。」【送料無料】大声で歌え「君が代」を

  2012年01月21日

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  『日本を蝕む人々』渡部昇一 屋山太郎 八木秀次

  副題は、“平成の国賊を名指しで糾す”。高い社会的地位にありながら反日言説を平気で吐くあんな人やこんな人をゴシック体で強調して紹介してます。わかりやすくて良いですね。保守のふりしたサヨクとか、経済優先の売国奴とか、今も表舞台で活躍してる人の名前を見つけてがっかりするやら情けないやら。特にマスコミ・出版・教育界に巣くう“進歩的知識人”の罪は、万死に値する。一般ピープルは、お偉い先生の言う事なら正しいんだろと素直に信じる傾向がある。てか、今の発言何か変じゃなかった？と思っても、いちいちソース調べて糾弾するほどねちこくない。かくして、東京裁判史観とコミンテルン・テーゼそのまんまの主張が、無批判に流通していく。言葉で勝負する人間が、確信犯的に嘘を撒き散らすんだからタチが悪い。そんなことして、恥ずかしくないんかね？「国としての品格は、その国民が自分は偉大なる民族に属するのだという感情によって支えられ、そこから力を得るものである。先祖の偉大さを受け継ぎ、先祖の栄光を永続させるべきだ、という風土がその国に出来上がったときに、国家としての品格が高まる」（サミュエル・スマイルズ）日本を蝕む人々

  2012年01月16日

• 『封印の昭和史』小室直樹渡部昇一

  副題が「戦後五十年自虐の終焉」、そう、今から１７年も前に出版された本ですが、読んでびっくりまだまだ知らなかったことってたくさんある。だいたい私たちは、近代の戦争について、ほとんど知らない。無知は罪だ。正しい知識を持てば、中国のいう南京大虐殺がありえないってことも、東京裁判がいかに不当なことかも、見えてくる。そうすれば、戦後流布された自虐史観に流される事もない。小室直樹さんの国際法の説明がわかりやすくて素晴らしい。日本はもっと大東亜戦争について研究すべきという提言に賛成。日本人は、今も昔も変わってない。基本平和主義で、自分が悪者になって事がおさまるならそれで良いと思ってる。先の大戦も不拡大方針を貫いて出来る限り穏便に済ませようとして泥沼にはまり、大正時代には戦時下なのに軍縮までして、結果として国益を損なった。何がいけなかったか、どこがまずかったか、私たちはもっとあの戦争について知るべきだ。過ちを繰り返しませんと言うなら、二度と負けないような準備を整えるべきだ。戦うのはもちろん最後の手段、でも、戦になったら絶対に勝つ。国内だけじゃない、世界にそう認められれば、わざわざ喧嘩を売ってくる馬鹿なんか、いない。世界は、私たちが思っているよりはるかに、凶悪で腹黒い。

  2012年01月09日

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  『田母神国軍』田母神俊雄

  田母神閣下の提言はいつも、とても実際的だから好きだ。このままじゃだめだ、じゃあ、どうする？こうしよう、そのために必要な時間と予算はこれだけ、って言われると、とても納得するし、そこから議論も広がっていくよね。副題は、「たったこれだけで日本は普通の国になる」普通って何か？自分の国を、自分で守るという事。それが、本当の意味での、独立国ってもんだ。実は日本の自衛隊の装備には今、攻めの武器がない。ＰＡＣ-３なんかは、あくまで守りの武器。もうすぐ中国が空母を完成させる、そうしたら、国家レベルでの恫喝準備が、整ってしまう。その前に、日本にも空母を、原潜を。真面目に計算して、その予算、年間１兆５０００億円。日本の技術力をもってすれば、アメリカ製の兵器よりもはるかに低コストで良いものが作れる。今のままならアメリカから買い続けるしかないから、トータルで見れば安くあがる。今の国防予算のほんの３０パーセント増額。子ども手当初年度予算の３分の２、消費税なら、０.７８パーセント。たったそれだけで、日本は普通の国になれる。日本が自分で自分の国を守れるようになれば、アメリカ軍基地で揉める必要もない。沖縄県民も万々歳だ。閣下のシミュレーションですが、中国の日本侵略方法が村上龍の『半島を出よ』と良く似ていて驚きました。まず離島に少人数特殊部隊を上陸させ、そこから様子を見つつ、大部隊を送り込む。『半島を出よ』は小説（フィクション）ですが、舞台設定を限りなくリアルにする作家さんなので、独自に研究したんでしょうね。こないだの国会でもどっかの野党議員が、離島の住人は国防上とても大切な存在なのだから、もっと優先的に予算が割り振られるような“離島特別枠”的なものを作りましょうと提言してましたよね。（地方自治体の予算の使い道に基本的に国は口出しできないため、住人が少ない離島には予算が使われにくい現状があるため）全くもって賛成ですわ。どうせなら気前良く国税の減税・免税措置とかとってやれよ。それこそ人数少ないんだから元々たいした実入りじゃあるまいに。オバマ政権になってから、前のめりに親中密度を増しているアメリカ。まぁ、共和党に戻ったところで大量のアメリカ国債を握られてる以上、あからさまに中国と敵対する事が出来るかどうか。アメリカが、日本よりも中国と緊密な関係を望んだ時、日本は一人で闘わなければならない。人生何が起こるかわからないのだから、常にリスクヘッジは考えておかねばならない。国だって同じ事。ソーテーガイとかあんまり言ってんじゃないっての。【送料無料】田母神国軍

  2012年01月03日

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  『異形の大国中国』櫻井よしこ

  副題は、“彼らに心を許してはならない”。中国の微笑外交なんぞに騙されてる場合じゃない。パンダなんかいらない。２００５年から２００８年までの週刊新潮に発表した連載をまとめたもの。２００６年の北朝鮮への対応を巡る国連安保理で、日本ＶＳ中国の戦いに、日本は勝利した。当時の外相麻生太郎氏は、中国になびこうとする外務官僚を「あんたらは喧嘩の仕方をしらない」と叱り、官房長官だった安倍晋三氏は、中国案に乗った方が良いと説得する国連次席大使に「不快感を示し」、小泉純一郎首相は「最後まで突っ張れ」と強い姿勢を崩さなかった。日本が意見を変えなかった事で、中国寄りだった米ロの流れが変わった。これぞ脱官僚の政治主導。この布陣は、今思うと神でしたね。東シナ海のガス田開発も、中国案にノーを言い日本の会社にゴーサインを出したのは故中川昭一経産大臣だけだった。中国が、理屈や道義の通じないならずもの国家なのは今更言うまでもないんですが、戦略的に全世界に力を伸ばしている現状北朝鮮の裏にいる中国、ロシアと領土問題を痛み分けて、大規模な合同軍事演習をしてみせる中国、日本からの莫大なＯＤＡを横流しした支援金と、中国製の武器を餌にアフリカ各国を取り込む中国、アメリカの下院で全く事実と反する主張で慰安婦決議を行う、中国共産党のヒモ付き議員、マイク・ホンダ、反日情報戦において完全に中国にやられている日本。じわじわとせまる台湾包囲網。まとめて読むと本気でヤバいと思います。日本がするべきことはまず、集団的自衛権の行使を可能にする事、南京事件、慰安婦問題等の真実を、世界に発信し続ける事、一人前の独立国家となること。 そして国民が、祖国の歴史や伝統を育んできたその価値観を学び、まともな日本人になること。 【送料無料】 異形の大国中国 彼らに心を許してはならない / 櫻井よしこ サクライヨシコ 【単行...

  2011年12月30日

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  『日中友好のまぼろし』古森義久

  著者は、産経新聞の記者さん。二年間中国の総局長を勤めた経験を元に、内側から見た中国の対日施策を各保守系雑誌に発表、改題・加筆してまとめたのがこの本。日本側は“友好”“友好”って、なんとかの一つ覚えみたいに繰り返してるけど、中国は国を挙げての反日教育、反日言説の捏造に余念がない。中国のご招待で大接待を受けた後、日本に戻って中国に有利な政策を推し進める政治家たち。一体どの国の政治家なんだか。李登輝元大統領の訪日に反対したのは、ひとりの外務省のチャイナスクールだった。役人のくせに国の決定に逆らい、中国様の意向を優先させる歪んだメンタリティ。チャイナスクールを増長させる媚中政治家たち。アメリカの対中政策の変遷。クリントン政権における経済関与による懐柔路線は、何ひとつ成果を生まなかったという現実。九年前の本ですが、日本の対中政策が変わってない、どころか民主党政権で卑屈さに拍車がかかってるので、全く古くないです。大丈夫（何が笑）。 【送料無料】「日中友好」のまぼろし

  2011年12月28日

• 『日中戦争知られざる真実』黄文雄

  自国の近現代史を、日本はあまり学校で教えない。多分それは意図的に。ために受ける損害は、計り知れない。偏った思想教育にまんまとはまってしまったり、他国人と討論する際、捏造プロパガンダに押し切られてしまう可能性がある。青年の主張時代ならともかく、国を背負う立場の人間に誤った歴史観を持たれると、国益に関わる。やはり、国を保つ上で一番大事なのは教育だ。日中戦争と言いつつ、中国は１００年にわたる内戦の真っ最中、一枚岩のいわゆる中国軍など存在せず、米・ソ・日を後ろ盾にした泥沼の内ゲバ。誇りも教育も食料もない中国軍は、正面きっての戦闘に逃げ惑い、行く先々で民間人を虐殺・略奪、対して日本軍はギリギリまで非戦を貫き、ためにナメられ、いよいよ戦えば連戦連勝、実質の戦闘期間は一年半、中国全土の８０％以上を支配下に治め、日本軍指導のもと統治された都市は王道楽土とまで言われる治安の良さ。それが国同士の戦争ならば、日本はどう見ても勝利していた。問題は、山奥に逃げ込んだ共産党軍が闘いもせずに力を蓄えて戦後ものすごい勢いで巻き返しを計ったことと、日本がアメリカに負けたこと。現在言われている“日本軍の残虐”なるものは全て、戦前から共産党が触れ回っていた反日言説そのまま。概して、他人に対する誹謗中傷は、言ってる本人の自己紹介乙だったりすることが多いのだが、まさか国にも当てはまるとは。中国人を大量殺害するのは、いつも中国人。

  2011年12月09日

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  『中国・韓国反日歴史教育の暴走』黄文雄

  中国・韓国が国家ぐるみで行っている歴史捏造と反日言説のオンパレード。脆弱な国家を維持するための、反日という戦略。しかし、毅然と反論しない日本にも責任はある。アジアの平和と発展を維持するために、日本は「普通の国」ではなく「強い国」を目指すべき。焦眉の課題は、国内の「反日日本人」→進歩的文化人だ。彼らは、日本の教育界、言論界、法曹界を牛耳り、政府の施策を誘導して、国民をマインドコントロールして今日に至っている。彼らの最終目標は、「国家死滅」。彼らの主張する平和主義と市民主義が、日本人の愛国心を奪ってしまった。一番大切なのは、やはり教育ですよね。自虐史観からの脱却、正しい歴史認識、教育勅語の復活、その上でアメリカみたいに“愛国者法”→国益を損ねる者を取り締まる法律 も合わせて整備すべき。【送料無料】中国・韓国反日歴史教育の暴走

  2011年11月29日

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  『親日派のための弁明２』

  何故２なの？…って、古本屋で１にまだ巡り会ってないから。副題が、「英雄の虚像、日帝の真実」。韓国が国をあげて行ってる歴史の捏造を告発糾弾修正。日本を朝鮮の母国と呼び、日帝時代がいかに素晴らしい時代であったかを語り、そして、同胞から命を狙われている。真実を語ると命を狙われる国、韓国。言論の自由の無い国。伊藤博文がいかに優秀な政治家であったか、民族独立運動と言われている三一運動とは実は少数のキリスト教信者による暴動で、その裏には米国による日本牽制の意図があったという陰謀論？独立派と自称して強盗を働いた山賊集団。いつも、朝鮮人の敵は朝鮮人。戦後、北朝鮮を「人民の楽園」にしたのは、日帝が遺した東洋最大の発電所他多くの産業施設があったから、韓国の「漢江の奇跡」は、親日派が日帝から受け継いだ行政システム、慣行、学術成果などのソフト面を活かしたおかげ。ものすごく日本を評価してくれてありがたいんだが、“朝鮮人は日本人と違って処女を大切にする気持ちが激しいから、慰安婦問題がこじれるんだよね”とか“日本人と朝鮮人は同じルーツ、かつて中国全土を支配してた満州族のルーツは朝鮮→愛新覚羅とは、新羅を愛するの意味、だから朝鮮人が一番偉い”とか何 言 っ て ん だ お 前的発言もあって、おかげで全体に信憑性が揺らぐ。左派の知識人に有りがちな、“人と違って自国もあえておとしめられる俺カッケー”なタイプなんだろう。せいぜい頑張ってくれ。【送料無料】親日派のための弁明（2）

  2011年11月15日

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  『韓国は日本人がつくった』黄文雄

  知れば知るほど嫌いになる国、韓国（笑）日韓併合から敗戦までのいわゆる“日帝３６年”、現代の韓国で言われている“日帝による七奪“は全て嘘っぱちで、それどころか、戦後韓国の繁栄の基礎をつくったのは日本であった。保守系の人間には常識の事実ですが、隣の国の人は認めないし、日本人もまともに反論しない。日帝がウリたちの独立を邪魔したニダー！→日本が初めて韓国を独立国にしたんですけど？あんたら中国の千年属国だったじゃん。日帝がウリたちからハングルを奪ったニダー！→ハングルを韓国に広めたのは日本ですが、何か？日帝がウリたちから名前を奪ったニダー！→創氏改名は許可制です。あんたらが改名したくてしたんでしょ？日帝がウリたちの先祖を強制連行ー！！→あんたらが密入国までして日本に来るから、取り締まるの大変だったんですが？真実はいつもひとつ（キリッ）と言っても、話の通じない・認めない・アタマおかしい人の相手するのは本当に疲れる。作者も、最初は冷静に理詰めで説いていくんですが、段々我慢ならなくなってきたのかもうホントに馬鹿なの？アタマおかしいの？いいかげんにしろよ？みたいな論調に（笑）こっちも最初は、諦め半分うんざり半分でだらだら読んでたんですが、段々作者のテンションに当てられて、楽しくなってくる（笑）笑い事じゃないんだが、笑うしかない時ってのも、ある。なにもかも日本のせいか？そう言ってりゃ満足か？人のせいにするのがデフォルトで恥ずかしくないか？キ○ガイを説得する言葉は持っていませんが、ひとりでも多くの日本人が歴史の真実を知り伝えていく事が、未来の日本のためになると、信じています。韓国は日本人がつくった 改訂版 ワックBUNKO B-132 (新書) / 黄 文雄 著

  2011年11月09日

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  『白洲次郎占領を背負った男』北康利

  読みやすくて、読みごたえのある良書。戦後の大活躍期を中心に、次郎の生い立ちから死までを紹介してます。ＧＨＱと繰り広げた数々の折衝が白眉。大変面白いし、勉強になります。戦後すぐの東久爾→幣原→吉田→片山→芦田→吉田→鳩山の各内閣の流れと内情が詳しく書かれてる。ＧＨＱが占領日本でどれだけ好き勝手していたか、戦後の政治家がどれだけ必死で独立を果たしたか。公用語は英語、米軍の軍票を公用通貨に認定しろと捩込まれ、辛くも撤回した重光、ハーグ条約違反を承知で憲法を押し付けるＧＨＱ、翻弄されて死んだ近衛、ＧＨＱ内の権力争い、ＧＨＱの言いなり政治家でないからとほとんどいいがかりの罪で公職追放の憂き目にあった鳩山一郎、平野力三に至っては最高裁で追放に該当せずと判決が出たにもかかわらずＧＨＱは司法を曲げて追放、そのさなか進められる極東裁判、アメリカの意趣返しのためだけに処刑される日本人たち、その全てをすぐ近くで見、関わり、生き残って日本のために働いた吉田茂の強運っぷりに感心、その吉田の懐刀として働いた次郎の活躍もすごい。吉田が溺愛した三女和子の結婚相手、麻生太賀吉を見つけてきたのが次郎だった事は、初めて知った。時代に名を残す人ってのは、あちこちで繋がってて面白いねぇ。 【送料無料】白洲次郎占領を背負った男

  2011年11月02日

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  『プリンシプルのない日本』白洲次郎

  占領終結後、文藝春秋なんかの総合雑誌に発表した文章をまとめたもの。プリンシプルとあえて横文字を使っているのは、見合う日本語を本人が見つけられなかったから。寝言も英語だったと伝わるくらい頭に染み付いた人だったから、英語のまま。辞書的に言うなら規範だけど、“よって立つ考え方の基本・大原則”てな意味合いで使ってる感じ。今の日本人にはそれが無い、と。“武士道”に代表される戦前の教育が否定されたのが原因だろうと思うんですが、次郎はそこは言わない。ただ、“教育でちゃんとしないとね”と言うだけ。教育勅語復活は、必要だと思うんだけどなぁ。全体に、すごいリベラルな人で、驚いた。現憲法は、アメリカから押し付けられたものだ、ＧＨＱの戦略は「革命」で、「実験」だったと言う一方で、９条ナイスとか言っちゃうんですが、これは、日本が独自に軍備をするとお金（→税金）がかかりすぎるから。“今日本にそんなお金無いでしょう？国民にこれ以上税負担させちゃいけないでしょう？だから、これで良いんだよ！”と。一見大変シンプルで正しいんだが、いや主権国家として、それじゃ問題あるだろう。自分の国は自分で護る、これは、国家としての第一要件。たとえどれだけ、人的・金銭的にコストがかかろうとも。だいたい、国家あっての国民なわけで。コストうんぬんじゃないでしょう。“政府が立ち上がったばかりの自動車業界を保護しようとするのは間違っている、なぜならその分国民は高い自動車に乗らなきゃいけないから。自由化すれば、もっと安いクルマに乗れるんだよ、その方が国民はハッピーじゃん？”いやそりゃそこだけ見ればそうかもしらんが、ちょっと待て。国民がクルマ買えるくらい、まず国内産業を充実させなきゃならんわけで。この人今生きてたら絶対ＴＰＰに賛成すんだろな…。女性宮家つくれば良いじゃん、女帝の即位も出来るようにすれば良いじゃんなんてことも、さらっと言っちゃっててひょおおおとなる。なぜなら、“男女同権っていうなら、当たり前の事でしょ？”と。すごくシンプルで、ある意味正しいよ。ただ、日本人の考えじゃないよねそれ、って感じ。皇室の伝統とか、日本という国を大切に思うなら、少なくともそうした背景の事情を慮るなら、どんなに正しくても言えないよね、悪気がないというか、思慮が足りないというか、どこまでも商人としてのそろばん勘定から発言が出ているんだなと思わされる。いいか、そういうレベルの問題じゃねーんだよ、わかるか？って胸倉掴みたくなる。戦争が始まる前から、この戦争は負ける、東京は焼け野原になると思ってた、だから田舎で百姓して食料難に備えた、って何その非国民（笑）そして、二言目には、“だって仕方ないよ、日本は戦争で周りの国に酷い事したんだからさ”その償いは、もうすんでるでしょうに。極東裁判（東京裁判）で、東條英機閣下始めいわゆるＡ級戦犯の皆さんが処刑された事で、日本のいわゆる戦争責任は清算された。いつまでも戦時中のあったかどうかもわからない国家の罪を言うなら、東條閣下の死は無駄だった事になるだろうが。なるほどなぁ、平成になっても問題なく刊行された理由がわかった。戦後民主主義教育で育ったなんとなくサヨクインテリの意見とばっちり重なるんだ。ひょっとして、再評価ブームの起因はここにあるのか？あんたにはプリンシプルはあるかもしれんが、国家観がないねと言ってやりたい。政治家吉田茂をサポートした大変有能な秘書としての麻生和子さん（茂の娘、麻生太郎の母）の言及が何箇所もあって興味深い。茂の長男健一（作家）が政治家としての才能が皆無だった分、妹の和子→麻生太郎に受け継がれたようだ。「…嫌なことはもっともっとふえる。もっともっと深刻な嫌なことが始まるだろう。生意気なことを言いやがってと方々でおこられるのを覚悟して言うが、この国をこんな破産状態に陥れたのも我々の時代だ。死ぬまでに我々の愛する子孫の負担がいくらかでも軽くなっている様に、ここでほんとに腰をいれてやろうではないか、現実を直視して。勇気と信念をもって。」まるで、今現在の日本の事を言ってるみたいでしょう？これ、昭和２８年の発言なの。日本は何度沈んで、何回立ち上がっているのか？【送料無料】プリンシプルのない日本

  2011年10月25日

• 『夕顔』白洲正子

  良い本を読むと、次に読みたい本がたくさん出てきて、困る（笑）紹介されている人や本をアマゾンでチェックしながら、買えそうなものはポチっとクリックしつつ読み進めた。楽しい時間だった。平成になって書かれた文章をまとめた一冊。短文が多くて読みやすい。「どんな小さなものでも、自分で発見することの悦びにまさるものはない。これからの雑誌やテレビは、出来合いのものを頭から押し付けるのではなしに、そういうことのたのしみを教えるべきではなかろうか。」ベルリンフィルがコンサートの冒頭で、突如君が代を演奏した。多分、皇族のどなたかがいらしてたのだろう、その演奏は、「起立なんて声がかからなくても、とても座ってはいられぬような厳粛な雰囲気であった。「これこそ君が代だ」と私ははじめて知った。そこらでときたま聞くような、あんな気のぬけた曲とは雲泥の差がある。おおかたそれは演奏者たちの心構えによるもので、どこの国の国歌でも、「国歌」とはかくあるべきものという理解が行き渡っているからに違いない。」「何事につけその結果より過程の方が大事であり面白みもある」 「他人に共感するという事は、また自分自身をすることでもあり、そういう経験を積み重ねることによって人間は成長していくのではなかろうか。」

  2011年10月19日

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  『遊鬼　わが師わが友』白洲正子

  タイトル通り、お友達やら知り合いやらについて書かれたものをまとめた一冊。なんといっても最終章の白洲次郎のエピソードが最高。アメリカ人は、潜在的にキングスイングリッシュへのコンプレックスを持っている。ケンブリッジ仕込みの完璧なキングスイングリッシュを話す次郎に、ある時ＧＨＱの高官が「実に英語がお上手ですな」と声をかけた。次郎は一言「あなたの英語ももう少し勉強なされば一流になれますよ」と。ちょ、白洲次郎、かっこいいー。あと、お公家さんの話が面白かった。白洲正子は、同じ華族と言っても武家の出。遠戚にも学習院のお友達にも何人か公家の子がいて、彼らは、武家出身の子供とはまるで違ったと。学校の勉強にはたいして身をいれず、かといって世に出れば武家の者にはないしたたかさを持ち、もれなく字がめちゃくちゃ上手かったと。何百年経とうと、時代がどれだけ変わろうと意に介さず「地位を失い権力をなくし貧困のどん底にあって、なお祖先の誇りだけに執着して、雑草の如く生きている」美術史家の洲之内徹は、若い頃左翼であったが、小林秀雄を読んで転向したとか。小林って、そんな人だったっけ…？ 【送料無料】遊鬼

  2011年10月14日

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  『いまなぜ青山二郎なのか』白洲正子

  誰だよ青山二郎って？と思ったあなたは、私とお友達（笑）白洲正子の、骨董のお師匠さんです。書画骨董、あらゆる美に精通し、“俺は日本の美を生きている”とうそぶいた「伝説の奇人」。若い頃から人並み外れた鑑識眼、審美眼を持ち、幅広く活躍、そのため逆に、これといった専門が無く、後世の私たちから見ると、なんだかわからない人になっている。今はこういう、オールマイティな趣味人というのが育たない環境になっているということか。骨董収集家として名高い“細川のトノサマ”（細川護熙元首相の父君）との一度だけの邂逅の様子が語られているが、お互い相手に感心しなかったもよう。「あんな奴に美がわかってたまるか」とそれぞれが言っていたというのが後日談。ある日、青山二郎がものすごく気にいった壺を見つけたが、高すぎて手が出ない。知らない人間の手に渡るのは悔しいので、「当時流行作家で一番実入りの良かった横光利一に電話したところ、二つ返事で引き受けたという。」横光利一はその壺を大東亜戦争の開戦の記念として購入し、日記に以下のように書いている。「戦はつひに始まった。そして大勝した。先祖を神だと信じた民族が勝ったのだ。」横光、良い奴だな（笑）てか、これは多分、当時の人間にとって当たり前の事を普通に書いただけだろうが。戦後完全に忘れられて、一部の文学マニアにしか読まれなくなる理由はこの辺にあったのかも。戦後の教育を握った連中は、こういう言説を抹殺する事に命かけてたからなー。【送料無料】いまなぜ青山二郎なのか

  2011年10月12日

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  『名人は危うきに遊ぶ』白洲正子

  そういえば、ソフトバンクのＣＭ“白戸家の人々”のモデルって、この白洲正子とその家族だよね。お父さん（ワンコ）の名前がＣＭ内で“ジロウ”でしょ？その奥さんが“マサコ”だよね？んで、“白戸家”ったら、あぁ、白洲家ね、ってわかる人にはわかるじゃない？マッカーサーが認めた“唯一降伏せざる日本人”白洲次郎と、元華族のお姫様で日本文化の体現者として絶大な人気のあったその妻正子、戦後の日本にとって数少ない宝物のようなこの二人を、わざわざ犬にして陰で笑い者にしてる（“犬の子”ってのは、隣の国にとって最低の悪口）とは、さすがブレない反日企業。仏像・能・骨董・本いろいろな事物について語られた一冊。佐藤紅緑（こうろく）が昭和初期に書いた小説『ああ玉杯に花うけて』のモデルが、柳宗悦だったとか、“小説の神様”志賀直哉が、人間国宝の浜田庄司に骨壺を作って貰ったが、墓に入ってから盗まれたとか、魯山人について、加藤唐九郎は「婆ア芸者が長襦袢をちらつかせるようで嫌いだ」と言っていたが「婆ア芸者でもこのくらい芸があれば見事なものである」「とにかく無知無教養なくせに、抜群に趣味がよく、胸のすくような作品を遺したのは、稀にみる珍品」「陶器にそそいだほどの心遣いと、繊細な神経を、世間の人々との付き合いの上に用いたら、あれ程嫌われることもなかったろうし、生前に名を得ていたであろうに」などと言えるのは、この人ならでは。「日本の陶器は鑑賞陶器とは違って、人間が使うところに意味がある。いや、使わなければ死んでしまう。」 使う骨董のススメ。【送料無料】名人は危うきに遊ぶ

  2011年10月04日

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  『おとこ友達との会話』白洲正子

  白洲正子と各文化人との対談集。短歌革新運動が否定し、取り落とした、花鳥風月→伝統的・保守的なものは、果して本当に価値の無いものだったのか？細川護熙の坊ちゃんモダニズム、発見というのは自分の中に既にあるから発見できる。発見がないのは、自分がないという事。日本の文化は、素晴らしいものほど説明できない。西洋文明は、言葉で言い表せないことは嘘なんだという思想だから、英語で講演などする時たいへん苦労する。聖徳太子は多言語の使い手だったのではないか？比叡山と三井寺の戦争はだいたいホモの取り合い（稚児争い）だ。神道と相撲の深いつながり、神事としての「ひとり相撲」→神主は神と相撲を取る。飛躍する人間のイマジネーションの独特さ。ひとつの道を極めた人というのは、分野の違う専門家であっても、共通の言語で話が出来るものなんですね。 【送料無料】おとこ友達との会話

  2011年09月30日

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  『白洲家の流儀　祖父母から学んだ「人生のプリンシプル」』白洲信哉

  白洲次郎・正子夫妻の孫であると同時に、戦後最大の文芸評論家と言われる小林秀雄の初孫、祖父にならってイギリス留学後は、細川護熙首相の公設秘書。血統だけでも充分すごいのに、経歴も華麗。いるんだなぁ、こういう人。ちなみに、白洲夫妻の次男がパパで、小林秀雄の一人娘がママです。夫妻と小林秀雄は親しくしてたから、こういう婚姻はみんなが幸せって感じで良いねぇ。夫妻の娘（牧山桂子）と違って、この孫はそれぞれの祖父母と大変相性が良かったらしく（笑）思い出話も、面白い・興味深いものが多い。祖母正子と何度も行った旅行の話、それぞれの祖父に連れられて行った寿司屋、蕎麦屋、受け継いだ骨董。子供を、一人前の大人として扱う流儀、自分の価値観を持ち、それを大事に生活する流儀、口で教えるのでなく、背中で見せる流儀。“趣味・性質は隔世遺伝する”という話をたまに聞くが、あれは本当かもしれん。「子どもに何を伝えたいのかということを考えるだけでいい。そして、その「何か」を日頃の振る舞いの中で子どもに「見せる」ことが親の役目だと信じている。」【送料無料】白洲家の流儀

  2011年09月24日

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  『次郎と正子　娘が語る素顔の白洲家』牧山桂子

  著者は、白洲夫妻の末っ子の長女。個性的な両親のもとに生まれながら、娘があまりにも普通の人であったのが、不幸といえば最大の不幸なんでしょう。こればっかりはお互い選べないからご愁傷様としか言いようがない。家族ならではのエピソードを望まれて、いざ披瀝するネタが入学式も卒業式も来て貰えなかったとか、原稿書くよりおにぎり作って欲しかったとか、熱出して寝込んでる時も母（正子）は出掛けてたとか、正子が食パン切ろうとして潰して台なしにしたとか、次郎が夕食時に突然やってきて若夫婦のおかずひとりで全部食べていきやがったとかことごとく幻滅させるものばかり。もう良い大人なんだから落ち着けよ、と言いたくなるくらいささいなエピソードがちまちまちまちま続く。編集者にどう持ち上げられたんだか知らないけど、家族しか知らない素の両親の姿をうつす名目で、可哀相な私の私憤を晴らしているようにしか見えない。そのくせ、白洲家の娘ということで何冊も本出したり、親の旧宅を記念館にしてそこの館長になってみたりと、いつまでも、親の娘という立ち位置から一歩も動けていない。立派な人物が、立派な親とは限らない…と言って貰いたいんだろう、親に恨みつらみ持つ気持ちはわからんでもない、しかし、今現在乳幼児育ててる者として言わせて貰えるなら、物心つく頃まで五体満足で健康に育ってるなら、もう充分手ぇかけてくれてるはずだぞ、あんたの親は。 【送料無料】次郎と正子

  2011年09月23日

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  『白洲正子自伝』白洲正子

  最近にわかにはまってます、白洲正子。亡くなったのが１０年くらい前だから最近の人で、銀座で超個性的な着物の店を開いていた格好良いおばあちゃんてイメージだったんですが、なんのなんの。超上流階級のお嬢様じゃないですか。元は薩摩の武家の出で、祖父・父は軍人・幕僚として活躍、母方の祖父は昭和天皇と秩父宮の養育係、昭和天皇と同い年だった兄は、昭和天皇に遠慮して長男だけど丑二（ちゅうじ）と名付けられる。細川の殿様とも家ぐるみで古くからのお付き合い、学習院での親友は秩父宮妃、東京のお屋敷の設計者は鹿鳴館を建てたコンドルで、後に吉田茂が譲り受け、軽井沢の別荘には摂政時代の昭和天皇がよく泊まっていかれたとか。白洲正子本人は麻生太賀吉さん（麻生元首相のお父さん）や与謝野秀さん（与謝野馨元大臣のお父さん）と同世代ということで親交があったらしく、普通の様子で名前が出てくるから読んでるこっちが引く。なんかもう、ごめんなさいって感じである。戦後、白洲次郎（正子の旦那）が吉田茂に起用されたのも、彼女の家の元からの付き合いがあったおかげなんだと納得。上流階級の人間が政治に関わるのは、ノブレスオブリージュ（高貴な者の義務）なのですなぁ。面白いエピソードが二つあったから、書いておく。明治の元勲、井上馨は熱心な骨董収集家だったが、たちが悪かった。茶会に招待されて、気に入った茶碗や掛け物を見ると、「これは貰っておく」と言って勝手に持って行ってしまう。当代一の権力者が勢力をかさにきてそんな事をしてると耳にされた明治天皇はある日、井上家の茶会に行幸になった時、床の間の掛け物に「これは朕が貰っておく」と仰せになり、井上馨を大層慌てさせたそうな。正子が、社会主義国家時代のハンガリーに旅行に行った時の話。手工芸の仕事が見たいと現地のコーディネーターに頼んだところ、返事が芳しくない。曰く、社会主義国家では、名人も初心者も十把一からげで職人として“平等”に扱うため、名人は意欲を失い、下手は下手なりで通用するため昔のような美しいものは作れないという。平等という、差別。 【送料無料】白洲正子自伝

  2011年09月13日

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  『女は賢くつよくあれ！』金美齢 櫻井よしこ

  保守女性二人の対談本。夫婦論、子育て論、女性論、日本論、などなど。ちゃんとした家庭料理を毎食食べる事の大切さ、弱者が強者になる、現代の不健全さ、家庭内での約束をきちんと守らせることの大切さ、その積み重ねが教育となる、無条件の愛と母性の違い、漢民族という、政治的フィクション、弱さを優しさと勘違いしている現代日本・日本人、いちいち真っ当な事を言われるので、うんうんと読んでいるうちにあっという間に読み終わります。１２年前に出版された『自立できない国　日本』の改題・改訂本ですが、この二人好きだから良いや別に（笑） 【送料無料】女は賢く勁くあれ！

  2011年09月08日

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  『凜とした生き方』金美齢

  １３年前に出版した『自分の人生自分で決める』に加筆・改題したもの。なんかこういう看板換えて売り出してみただけ、ふふ、って売り方ははっきり言って好きじゃないが、元の本持ってないので、まあ良しとしよう。結婚観から子育て論にまっすぐ繋がっているので、今特にそのあたりが響いた。金先生は、台湾人の旦那さんの間に一男一女をもうけてるんですが、子育ての最終目標に、「子供が自分で生きる力をつけるためには、どうするべきか」を考えて躾をしたと。そのために必要なのは、「自分の行動に責任を持つということ」、「自分が何かをした、あるいはしなかったことによって、何が起こるかということを考えながら行動する」、それを教えるという事。なるほどねー。そして、子育てにあたって一番大切だったのは夫婦の価値観が一緒だった事、だからこそ一枚岩でブレない対応が出来たと言う。そうよねー。ワンコのしつけでもデブ猫のダイエットでも、家族に一人でも裏切り者がいたら絶対失敗するものねー。夫婦の価値観かー。幸い政治的な立ち位置は一緒だと思ってるけどー（笑）。 【送料無料】凛とした生き方

  2011年09月01日

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  『韓国のイメージ』鄭大均

  鄭大均の比較的初期の著作（１９９５年）。戦後すぐから２０世紀末くらいまでの、日本語で書かれた韓国像ってのを羅列して、分析してる。戦後すぐから日韓基本条約調印の１９６５年までを第一期→在日の行為を目の当たりにしてるためきわめて否定的６５年から８３年くらいまでを第二期→進歩派日本人（ド左翼）による北朝鮮礼賛、韓国批判が行われた時期８４年からこの本が書かれた９５年を第三期→ソウルオリンピックで盛り上がる韓国ブームと、進歩派による自作自演である教科書問題・従軍慰安婦問題・強制連行問題などが取り上げられ、歴代首相の土下座外交の始まり、と分けている。本人はもっと上品に、第一期→無関心・避関心の時期第二期→政治的関心の時期第三期→文化的関心の時期って分けてるけど、納得いかないから自分にわかりやすく書いてみた。日韓ハーフの在日コリアンにしてはまともなことを言う学者だと思ってたけど、この頃は全然たいしたことない。あくまで、韓国人のワタシから見た気にいらない日本人の意見たち、ってのが透けて見える。一つの理もないくせに日本人に甘えて謝罪と賠償をごねて要求するコリアン独特の精神性にうんざりする。そういう言説がまかり通る時代だったと言えばそうなのかもしれない。今も状況が良くなっているとはてんで思えないけれど。これに乗って言えば、今は第四期で、マスコミによるゴリ押し捏造韓流ブームと、ネットに代表される嫌韓論が完全に対立してせめぎあっている状態かと。ネット環境の無い情報弱者と、政治に無関心なアーアーキコエナイ状態の無党派層が今の衆愚政治を支えている。 韓国のイメージ 戦後日本人の隣国観 増補版 (中公新書) (新書) / 鄭大均/著

  2011年08月07日

• 『韓国へ、怒りと悲しみ』豊田有恒

  “韓国の人は、なんで嘘ばっかり言うんだろう、どうしてわかってくれないんだろう、ボクちゃん悲しい。日本人も悪かったし、韓国人も悪い、みんな、仲良く出来れば良いのに。”なんと言うか、２ちゃんねるの家庭板か育児板に迷い込んでフルボッコにされる馬鹿夫の言い分そっくりで、めまいがします。“ママンも嫁子もどちらも大切なんだよー、みんなで仲良く暮らそうよ、そのためには、多少嫁子に犠牲になって貰うのは仕方ないよね？ボクチン間違ってないよね？ね？ね？”……。日本が退かなきゃならん理由も、謝らなきゃならん事も一つもありませんが、何か？１９９６年の本ですが、こんな程度の日和見韓国半可通が、韓国の専門家顔して何冊も本出してたんだなぁ。悪い人じゃないのは、わかるんですよ。韓国語にも堪能だし、自身何度も渡韓して現地の空気もわかってるし、韓国人の友人もたくさんいるし。当時のいわゆる「進歩的知識人」、北朝鮮を賛美して、韓国を独裁政権だと批判し、原発反対と言っておけば立派みたいなイデオロギー優先の左翼作家とは自分は違うよ、というスタンスは一貫してる。しかし、弱い。歴史の捏造問題にも真っ当な意見が言えるのに、日本は悪い事も確かにした、でもでも、良い事だって、したでしょ？ね？ね？みたいな、擦り寄りをいくらしたところで、話が通じない人には、一生通じないんだから無駄なのに。誠意を持って説得すれば、いつか相手もわかってくれるかも、チラッて感じの書き方が、２１世紀の嫌韓者には鼻に付きます。デモデモダッテちゃんかよ、まぢうぜぇ。話し合いが成立しない時／平行線になる時は、さくっと弁護士召喚して、それでも駄目なら出るとこ出ましょ、ってのが家庭板の基本仕様ですが、国家間もこんな感じでいかないもんですかねぇ。ヤバい、家庭板脳乙って叩かれそうだ。

  2011年07月28日

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  『拉致被害者と日本人妻を返せ　北朝鮮問題と日本共産党の罪』稲 山三夫

  北朝鮮と仲良しというと、何と言っても社会党／社民党だと思ってた。元々は共産党との繋がりが強かったらしい。考えてみればそうだよね、同じマルキシズム。日本共産党と仲互いした後の北朝鮮とくっついたのが社民党／社民党なんだそうな。なるほどねぇ。反日左翼に歴史ありだなぁ。で、２００２年、小泉首相が北朝鮮を訪問して、拉致の事実を初めて認めさせた時、共産党はしたり顔で、「拉致問題を最初に国会で質問したの俺らですから」と大自慢を始めた。ふざけんな、お前ら拉致問題を調査してた党員（当時議員秘書）に妨害・吊るし上げした挙げ句クビにしただろ？拉致被害者家族連絡会の結成式、自分たちの肝煎りでセッティングしたくせに、土壇場で議員が逃げたよな？“地上の楽園”ならぬ地獄だったの知ってたくせに、在日コリアンの帰国事業推進し続けて謝罪も責任も取ってないよな？てな部分を、当時最前線で実際にやってた人にインタビューして、当時の赤旗や国会答弁・演説なんかの資料に当たって、ほら、共産党たら、こんなにろくでなし、ってのをまとめた、反共本。本の半分は資料で、実質一週間くらいでまとめたでしょな本だが、ちゃんと原典を引いて持ってきている以上、まとめてくれてありがとう、という程度の本。共産党がろくでもないのは元から知ってるし。てか、明らかに時流に乗って出したのが丸わかり（２００２年発行）で、タイトル詐欺と言われても言い訳出来ないレベル。出版した後に、共産党に訴えられて、ネットショップの一部では取り扱い中止扱いになってるのもほんのり笑える。さらに、著者が実は創価学会の信者だとすっぱ抜かれて、反日政党同士の内ゲバに発展したのには大笑い。帰国事業に関して個人的には、一人残らず北朝鮮に“帰国”させちまえば良かったのにとは思うが、実際は韓国人がほとんどだったのと、当時の情勢（冷戦真っ只中）鑑みて韓国の後ろにいたアメリカさんの事考えたら安易に薦める事は国としてはしづらいよねと複雑。戦後すぐの共産党を支えたのは、在日コリアンだったという証言に感心。そういえば、戦前のプロレタリア作家も、コリアンと仲良しだった。思想うんぬんじゃなく、反日の一点で繋がってるんだろうなぁ。気持ち悪い。 【送料無料】拉致被害者と日本人妻を返せ

  2011年07月25日

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  『韓国・北朝鮮の嘘を見破る』鄭大均 古田博司

  副題は、“近現代史の争点３０”「“日韓併合は無効だ”と言われたら」「“創始改名で民族名を奪われた”と言われたら」など、韓国側が根拠も無しに言ってくるあれやこれやの３０項目に、それぞれ３０人の日本の学者・ジャーナリスト・専門家・識者が答えてみせるという、なかなか楽しい企画本。韓国の言い掛かりにまともな主張・反論が出来る人ってこんなにいたんだー、というのが一番の驚き。日本の言論界、見直した。そもそも韓国の主張って、まるっと全部言いがかりってレベルだから、まともな話し合いになんかならないし、激しく消耗する。話の通じない人の話を聞き続ける苦行に似て、この手の本読むのも実は結構疲れる。それでも、沈黙することは、相手の言い分を認めた事になるから、ＮＯを、否を、言い続ける。それにしても、外交に関して国が弱腰なのは本当に困る。国益を損なう事が、国民にどれだけの不利益を与えるか、どうして思い至らないのか。政治家はピンキリだから言えないけど、官僚ってのはそこそこ知能指数高くないとなれないはずなんだからもう、確信犯でやってるだろお前らって言いたくなる。 【送料無料】韓国・北朝鮮の嘘を見破る

  2011年07月22日

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  『日本人の美徳　誇りある日本人になろう』櫻井よし子

  保守の女性は、美しい。最近の持論です。異論は聞きません。保守美女軍団の中でも最高峰の櫻井女史の一冊。講演録を読んでる感じ。さっくり読めます。世界でも全く独自な日本文明の寛大・寛容さ、国のための武力なき戦いである外交、日本人の歴史知らずを嘆き、親学の必要性を説く。それは、「生まれて、生きて、死ぬということはどういうことかを、まずは自分で認識し、日々の生活の中で、子供たちにもきちんとそれを教えていく、そんなことができる親になることを大きな目的としている勉強」だそうです。かっこいい。さらに、“言語能力とは、考える能力とほぼ同義”と言い、日本語力が落ちるということは、日本文明の衰えの兆しだと、警鐘を鳴らす。安易なカタカナ語の多用は、まさに日本語の言語能力の不足で、それがどういう意味なのか日本語で説明出来ないとしたら、理解していないのと同じである、と。私も気をつけよう。 【送料無料】日本人の美徳

  2011年07月13日

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  『古代から来た未来人　折口信夫』中沢新一

  ついに中沢新一が折口信夫で本出す時代になったのかー…、というのが第一印象。折口信夫って、誰？折口学って、何？という層も増えたようなので、こういう組み合わせも有りなんでしょう。折口信夫（おりくちしのぶ）というのは、戦前から戦後にかけて活躍した、学者さんです。多才な人で、万葉集研究や、民俗学、古代日本人の精神世界に関する論文なんかを発表し、生涯国学院大学と慶應義塾大学の教授様をやっておりました。その説があまりにも独創的で魅力的なものだったため、熱烈な弟子集団が形成され、新興宗教の教祖のごとく祭り上げられた時代もありました。彼の遺した学問は、今でも二つの大学で、折口学として伝えられております。まぁ、もう折口に直接教えを受けてた世代が引退＆鬼籍に入って、国学院や慶應の直系第二・第三世代にはめぼしいのが出て来ない現状で、一部のマニアにしか省みられなくなってる折口学へのとっかかりとして、多少とうが立ったとはいえ一般に名前が売れてる中沢新一を持ってくるのは、戦略として有りかなとは思います。折口信夫の専門家としては完全に外様ですけれど、由緒正しい専門家集団が、折口の劣化コピーや小型クローンしか生まなかった事を考えると、外様こそ折口学を進化・深化させられる人材を内蔵しているのかもしれません。中身は、メインがＮＨＫの公開口座用テキスト、それに全集の月報用に書いたものと書き下ろしを加えた、見事にばらっばらな構成。最後の書き下ろしで、折口のむすび神（むすびのかみ）の理論と、キリスト教の三位一体説に類似性を見出だし、それが西欧資本主義を支える経済学と共通構造を持つことから未来神道の原理の可能性にまで言及したのは、さすがの着眼点。だてに宗教学者じゃないやね、中沢新一。 【送料無料】古代から来た未来人折口信夫

  2011年07月12日

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  『浅草紅団』川端康成

  昭和五年。“浅草は東京の心臓”“浅草は人間の市場”と言われていた時代。文化も娯楽も犯罪も、浅草が一番輝いていた頃の物語。大正の大震災から、八年経ち、街はすっかり復興し、当時焼け出された被災者や、震災孤児たちが成長して街の主役になる。革命で国を追われたロシア人一家が、娘にコサックダンス踊らせて暮らしをたてる。ものすごく平べったく言うと、浅草版『不夜城』か？あんなにグロくも抗争もないけど。もうちょっと前なら『トパーズ』とか、『限りなく透明に近いブルー』かな？風俗小説が、時代そのものを描写する事が、たまにある。そんな、数少ない貴重な見本。なまじノーベル文学賞なんかとっちゃったお陰で、いわゆる川端せんせぇのイメージに合わないてんで隅っこに追いやられてる可哀相な作品でもある。ロリコン変態川端の好みがモロに出たわかりやすい小説なのになぁ（笑）浅草にしたたかに生きる小悪魔系美少女にたかられ鼻面つかんで引き回されて嬉しくってしょうがない変態男のにやけた口元が見え隠れするようだ。まだ女に成り切ってない、女に成りたくない十代の少女の期間限定のぎりぎりの魅力が作中にあふれていて、本当に、川端、ヘンタイと感心します。大学だか院の時だったか聞いた、川端のヘンタイエピソード。芸者遊びする時、一人前になってない半玉（大抵十代の女の子）を呼んで、話をするでもなくただじいっと眺めてひとりで酒呑んでる。段々間がもたなくなって気まずく思った半玉ちゃんが泣き出すんだけど、それでもフォローするでもなくじいいっと眺めて酒飲み続ける。どう見ても変態です。本当にありがとうございました。 【送料無料】浅草紅団／浅草祭

  2011年07月11日

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  『動物農園』ジョージ・オーウェル

  ソ連のスターリニズムを寓話化したと言われる小説。ある日突然、“俺達って、人間に搾取されてね？”と目覚めた農場の動物たちが、人間を追い出して自分たちで農場経営を始めます。動物たちは全員平等で、自分たちのために働くのは大変気分が良く、人間に支配されてた時より食料も多くて最初はみんなハッピーです。そのうち、頭脳労働者階級と肉体労働者階級に何となく役割が分担され、話し合いの場は失われ、当初の理念はカタチだけになり、気が付くと、農場は一部の支配者が独裁する場となってしまいました。ちゃんちゃん。今読むと、スターリニズムより北朝鮮の方がリアルに感じられるかな。民主党政権下の日本とか（笑）イデオロギーに基づいて書かれた小説って、大抵寿命が短くて読むに耐えないものなのに（日本のプロレタリア文学とかね）これは批判の小説とは言え、まだまだ面白く読ませます。すごいなぁ、オーウェル。戦後の冷戦潮流に乗って世界中で読まれ、何度かオーウェルブームと呼んで良い盛り上がりを博して、私も大学あたりで評論集何冊か読みました。全く覚えてませんけど。左翼な人だってイメージあったけど、違ったね。実は中道というか、社会主義よりな人ではあるけど間違いなく反共産主義だよね。戦後からどんどこ左傾化してきた日本の言論界で、何故ブームになったのか、不思議だ。『動物農園』の続編といえる『１９８４年』のパロディというかオマージュというか、何パクってんだよってのが村上春樹の『１Ｑ８４』ですが、あれはビッグブラザー（『１９８４年』における支配システムの可視化→『１Ｑ８４』でいえば失敗した革命家集団）の代わりにリトルピープルを描き出すことで新たな支配システムの誕生をほのめかしつつ、実は戦後民主主義そのもののような反日左翼言説の再生産に貢献しているという大変悪辣な確信犯。２１世紀にもなって恥ずかしくないのかねと思うが、最近の反原発スピーチもマジっぽいし、ああいう知識人ぶったデマゴーグにとっては、これからが本番なのかも。気をつけないと。 【送料無料選択可！】動物農園 おとなのおとぎばなし 対訳 (単行本・ムック) / ジョージ・オー...

  2011年07月06日

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  『史記列伝　二』

  何故いま史記…しかも二？と我ながら思うが、岩波文庫が叩き売られてるのを見るとどうにも素通りできない。最初は面白く読んでたけど、段々展開が見えてきて、最後は中国人のワンパターンさに嫌気が指してくる。平民が出世→王様生活ウマー→部下が反乱→下剋上→王様生活ウマー→…の無限ループ恩とか忠誠とか信義とかいう言葉を大事にしたい日本人としては、中国人裏切り過ぎ、殺し過ぎ、欲望に忠実過ぎ。何かあったら、一族じゃなくて、三族（父の一族母の一族妻の一族）皆殺しだし。範囲広げすぎだろうよ。どんだけ殺したいんだよ。野蛮過ぎんだよ。やらかした敵将とかすぐ塩漬けにするし。人肉喰いはホント中国人の伝統だな。なんかさー、こう自分の分をわきまえるって美学が全く無いんだよね。チャンスがあれば盗れ！みたいな無駄なアグレッシブさに引くわー。中国古典て、昔から日本人のご教養だけど、こういう戦国下剋上話から何を学ぼうとしたのだろ？てか、血生臭い殺戮話を大量に読んでも中国人メンタリティに迎合しなかった大和民族グッジョブ。 【中古】 史記列伝 1 (岩波文庫 青 214-1)

  2011年07月05日

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  『サハリン島』チェーホフ

  やっと読み終わった…。辛かった。村上春樹の『１Ｑ８４』で一部が引用されて以来、春樹人気に引っ張られる形でにわか復刊をなしとげ無駄に売れたこの本。唯一ちょっとだけ面白いギリヤーク人の描写は、春樹の引用してるのが全てです。あとはひたすら“流刑植民地”であるサハリンの悲惨な暮らしがたんたんと、鬱々と続きます。ドキュメントっつーか、誰にも頼まれて無いのに報告書風に書いてるから、そのつまらない事政府広報を読むが如し。しかも楽しい話題が一個も無い。ロシア人のいい加減さ、働らかなさ、サハリンの気候の厳しさ、住みにくさがこれでもかって勢いで語られてて、もうあんたたちホントに、サハリン向いてないよ、諦めた方が良いよって気分にさせる。チェーホフが「地獄」と呼んだサハリン（樺太）は、しかし、勤勉で真面目で器用で一生懸命な日本人にとっては、“宝島”となる。元々日本とロシア（北方少数民族）が共有てかなんとなく住み分けてた島が、ヤクザの地上げみたいな千島樺太交換条約で分捕られてオールロシア領になったのが１８７５年。手に入れた島をなんとか植民地として定着させたくて流刑地として第二のオーストラリアを目指すが、全然成功してないのが窺われる、チェーホフがこの記録を残す１８９０年。日露戦争の勝利で日本が南樺太を取り戻すのがそのわずか１５年後、１９０５年。ロシアが全島支配してた期間なんて、たったの３０年。その間、まともな開発も植民もほとんど進まなかったのに、日本人はあれよあれよという間に魚捕ったり昆布採ったり石炭掘ったり鉄道引いたり製紙工場建てたりして、南樺太を一大工業地帯・近代都市にしてしまうんですね。相変わらず貧しかったロシアが、敗戦のごたごたに乗じて、火事場泥棒的に島を掠奪しやがったのが、１９４５年。こないだメドベージェフが視察してたイクラ工場とかも、元々日本人の施設・技術があってこそのタマモノなわけで。てか、ロシア人がどれほど低脳で、怠惰で、掠奪や暴力しか能が無いか、この一冊を読むとよーくわかります。チェーホフはもちろん体制側の人間だから、やばいことは出来るだけオブラートに包んで書いてるけど、上から下までお話にならないレベルで腐ってる。そりゃあ、日露戦争勝つわ。こんな奴らに帝国陸軍が負けるわけないじゃんてレベル。え？でも１９４５年負けたじゃんて？だから、あれは火事場泥棒。戦争終わって、兵隊さんたちが武装解除した後に無差別殺戮やらかしてんだから、ただの山賊行為。戦争ですらないの。チェーホフに限らず、団塊の世代には大層人気だったロシア文学だけど、ちょっと下駄履かせすぎだよねー。最近の韓流ごり押し捏造ブームに通じるものを感じるわー。 【送料無料】サハリン島

  2011年06月24日

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  『民主主義とは何なのか』長谷川三千子

  久しぶりに良い本を読みました。常識を疑う事、って学問の出発地点だよね。自分の世界の端っこを崩すってか。常識だと思っていた事がひっくり返される体験って、なかなか無いけど、たまにハマルとすっごく気持ち良いです。現代日本において、自明の価値とされている“民主主義”や“人権”の、実は胡散臭い出自を、フランス革命、独立宣言、古代ギリシャ思想を駆使して説き明かし、それらが血生臭い左翼の革命思想を下敷きにした衆愚政治と暴力礼賛を内包している事を、鮮やかに示して見せてくれています。共産主義なんてのは所詮左翼思想のエキスを煮詰めた民主主義の亜種なんだとわかって、薄ら寒くなること必至。良い家族だと思ってた人が実は、裏で多額の債務背負って自分に内緒で受け取り人そいつの保険金掛けてた事を知った時みたいな気分を味わえます（笑）うっわやべ騙されてたみたいな（笑）どうもおかしいと思ってたんだよ民主主義って（笑）だって、本当に良いシステムなら、今日本の政治がこんなに停滞してるわけないじゃん？民主主義の胡散臭さと不完全さを論破した上で、著者は民主主義の超克を説きます。そして「本当の意味での人間の理性の復権を目指さなければならない」と。それは、「知的謙虚というものを身につけて」、「国家と、それが保ってきた文化、伝統、歴史というものを、ほかならぬわれわれ自身の財産として素直に受け取ること」であると。カッコイイ。東大出てても、ちゃんとアタマ良くて学問出来て、馬鹿にもわかる普通の言葉で本が書ける人ってのはいるんですね！！ホントすごいよ！感動したよ！！ 【送料無料】民主主義とは何なのか

  2011年06月22日

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  『リンゴの絆』『奇跡のリンゴ』木村秋則

  著者は、青森で、無農薬栽培のリンゴを作っている方。リンゴの無農薬栽培って、ものすごく難しいんですって。元々日本になかったリンゴという作物は、明治期に政府肝煎りで導入された時から、農薬＆農協のコンボで栽培収穫が見込めるものだった。奥さんが農薬アレルギーだったのがきっかけで、いっちょやってみるかと手を出した無農薬栽培が実を結んだのは、十年後の事で、借金まみれ、家庭不和、自殺未遂とろくでなしテンプレートをひととおりこなした後にたどり着いた成功だった。この奇跡のリンゴは、半年経っても腐らないなんて伝説もあって、ＮＨＫの番組や、漫画『美味しんぼ』なんかでも紹介されてる。本人普通の農家のおっちゃんっぽいんだけど、自分は昔宇宙人に誘拐されたとか普通にトンデモ発言してくれて、かなり面白い。“肥料をやるから、虫が来る。”“森の木立そのままの環境を与えてやれば、木本来の力で、虫も病気も撃退出来る。”“人間と一緒だよ。”と言われると、ふむ、と思わされる。関係図書は何冊も出てるけど、まぁ一冊読んでおけば概略はわかる、『奇跡のリンゴ』の方は、ＮＨＫの番組に取り上げられた内容に、プロのライターさんがさらに取材を重ねて書き上げたもの。気合いと筆力に感心する。『リンゴの絆』の方は同じ話をご本人が書いたもの。語り口のテンポが良くて、飄々と重い話を軽く語る。面白い。【送料無料】奇跡のリンゴ【送料無料】リンゴの絆

  2011年06月01日

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  『両性具有の美』白洲正子

  マッカーサーに「降伏しない唯一の日本人」と呼ばれた白洲次郎の、夫人にして、戦後知識人の一翼、旧華族出身のお姫様で、当代一の粋人、白洲正子。ずっとお能をやってた人なのね、今回初めて知った。この本は、晩年『新潮』で連載してた同名原稿をまとめたもの。両性具有→一定期の少年に現れる美→男性間の精神的つながり、愛の発露を、古典作品や熊楠、世阿弥まで駆使して語る。森茉莉か稲垣足穂かと思った（笑）白洲正子もこういうネタで一冊書ける人だったのか。腐女子って、やまと文化のある意味正しい継承者なのかもしれないねぇ。それにしても、戦前の人の教養って、やっぱハンパないわ。どうせ勉強するなら古典文学だねー、近代文学の知識なんて、全然意味無いね。大学の授業なんて、ただの思想教育だったもんなー。吹けば飛ぶレベルの薄っぺらい左翼洗脳。自分の子供に伝えられない教育なんて、００だ。【送料無料】両性具有の美

  2011年05月31日

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  『生き物を飼うという事』木村義志

  生き物を飼うという事、これって、ちょっぴり哲学的かつ気恥ずかしいテーマだと思う。だって、生きていく上で、実は必要の無い事だから。娯楽とか、趣味とか、キレイな言い方はいろいろ出来るけど、実は、性癖とか、そっちのがよっぽど近い。アニメ好きとか、幼女好きとかと、変わらない。もう、たまらないのだ。生き物を目の前にして、飼える環境とスペースと予算があったら、迷わず手を出してしまう。変態なのである。生き物だから、いつか死ぬ。どんなに愛しても大事にしても適切に飼ったとしても。思い入れがあるほど、飼った動物との別れは辛い。何度経験しても慣れない。傷つく。泣く。落ち込む。それでも、懲りない。また新しい命に巡り会うと、手元におかずにはいられない。変態なのである。だから、自覚のある生き物飼いは、いつもちょっぴり後ろめたい気分で、手持ちの生き物を大切にする。そんな、自分の変態性を自覚したライターさんの、生き物飼ってみよう本です。「なんでこんな本買ったの…？」とだーりんに聞かれたので、上記のような事を語ったら、途中でいなくなった挙げ句、戻ってきて「終わった？あれ？まだ続いてる？」と言いやがりました。自分から聞いたくせに。ふん。 【送料無料】生き物を飼うということ

  2011年05月30日

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  『バングラデシュで玉の輿』黒川あずさ

  黒川あずさ…国際結婚してたのか。知らんかった。絵の上手い漫画家さんだと遠巻きに見ていたが、単行本買ったのは今回が初めて。てか、著者紹介に思いっきり“『ＪＵＮＥ』で漫画家デビュー”って書かれてて、これなんて羞恥プレイ？！きっついわー、中央公論。国際結婚マンガというと、映画化もされた『ダーリンは外国人』が断トツで有名ですよね。流水りんこの『インド夫婦茶碗』とかも好き。国際結婚してる人の決まり文句は、「同じ国の人だって、気が合わなかったら、無理」そりゃ、そうだ。ひと昔前（戦前）の国際結婚って、旦那の国についてって、現地人に成り切って死ぬってパターンが多かったイメージあるけど（クーデンホーフ光子とか有名だよね）、この漫画家さんたちは、どれも「日本語話せる旦那と日本で暮らしてる女性」ってのがポイントだと思う。みんな、旦那の国の現地語話せないし。シーボルト型というか、小泉八雲型と言おうか。小泉八雲は、帰化して日本の土になった人だから、特別扱いするなと逆ギレされそうだけど、シーボルトなんかは、最終的にお国に帰っちまうじゃん？（強制送還だから仕方ないっちゃ仕方ないけど）もし政変とか天変地異とかで日本で暮らしにくい事情が起きたら、旦那の国で一生生きていく覚悟があるのだろうかとか、現地で旦那が先に亡くなっちまう事だってあるのにどうするんだろうとか、すぐ近くの遠い国みたいに、日本人だってだけで収容所入れられたりすることだって無いとは言えないのに危機感無さ過ぎじゃないかとか余計な事いろいろ考えてしまう私は、国際結婚なんか絶対できない＆しちゃいけないタイプ。ほら、『マディソン郡の橋』だって、国際結婚が下地にあるじゃないですか。死んだ後に、「そういえばうちのママアメリカ人じゃなかったから現地じゃそういう風習（散骨）なのかも」って娘に言われる情けなさ。ちげーよバカ。どんなに努力して嫁いだ先の土地に馴染んだつもりでいても、ひとつ不都合な事があると“外国人だから”の一言で片付けられる。あぁやっぱり、国際結婚って無理だー！！（錯乱）良く知らない国のガイド本と思って見れば、笑って見られる国際結婚マンガ。インドとバングラデシュって、言語も宗教も違うくせに、目上の人に対する挨拶の仕方が一緒なのね（ひざまずいてあんよさすさすってやつ）。食べ物もどっちもカレーが基本みたいだしー。やっぱお隣りだから？でも、民族自体違う？んだよね？なんかこういう事言ってると、“日本人と中国人とコリアンの区別がつかない”って言う白人みたいだな。んでも私たちだって、イギリス人とフランス人とドイツ人ぱっと見分けらんないしなー。（すぐわかる人いたらごめん）バングラデシュに一番資金援助してる国は、日本。バングラデシュでは１８金は無価値。独立してまだ４０年。バングラデシュのエロビデオは、顔と局部が映ってない。いろいろ勉強になるなぁ（笑） 【送料無料】バングラデシュで玉の輿（1）【送料無料】バングラデシュで玉の輿（2）【送料無料】バングラデシュで玉の輿（3）

  2011年05月27日

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  『女子の本懐』小池百合子

  防衛大臣時代の５５日間を日記風に綴った新書。在任期間が短かったのと、“防衛省の天皇”守屋解任騒動のごたごたのおかげで、あまり華々しい成果をあげた印象はありませんが、実は着任早々、新潟県中越沖地震が起こっている。本人が阪神淡路大震災を経験していたおかげで、被災地でまず必要になる物資の調達や輸送が実に迅速に行われた。災害対策本部の設置も早かったし、自民党政権下の安心感は今と比べると異常なほどだった。それにしても防衛大臣なのに、現役軍人との距離感がハンパない。各幕僚長との接触がほとんど全然全く無い事に驚く。この時の航空幕僚長はかの田母神閣下だが、書中名前も出てこない。仮にもこの時、制服組のナンバーツーですよ？そのくせ防衛大学の学長や、事務組トップの守屋とはしょっちゅう連絡とってるる。まあこれは小池百合子がどうってハナシじゃなく、日本の防衛大臣ってのがそういう位置にあるって事なんだけど、やっぱりこういうのって、異常だと思う。異常といえば、官僚としての定年を越えてなお、省内で絶対的な位置を保持しようとしていた守屋某は明らかに排除されるべきだし、それを指先ひとつで切れる地位にいたのに動けなかった安倍ちゃんのリーダーシップに物申したくなるのもわかる。小沢先生なら、間違いなくやってくれただろう、って思っちゃうんだよねきっと（笑）こういうとこが、元祖小沢ガールの甘さというか、保守じゃない頭の弱さというか、商人の限界を感じさせる。「一兵卒として」って言葉が最後に出てくるんだけど、これも小沢からの口うつしなのかなぁなんてちょっと思った。そして、この守屋の解任騒動ですったもんだした挙げ句に後任に決まった事務方トップが、後に田母神閣下更迭の黒幕とされる“守屋の小坊主”増田好平その人である。やれやれ。保守かどうかという観点で見ると、イマイチな政治家ではありますが、優秀であることは間違いない。芦屋育ちのごりょんさん（お嬢様）らしい目配り気配りと、６０過ぎてあの美貌はもはや妖怪の域。本人も自慢で書いてるんだから多少はさっぴかなきゃだけど、彼女の後援会のレベルの高さが羨ましい。“国のために働くのが国会議員の役目なのだから、選挙区がどこに変わろうとも、全力で応援する”と言って、伊丹から東京までボランティアで選挙協力。故中川昭一先生んとことは大違いだよ（泣）“一度お灸を据えるつもりだった、悪気はなかった。”なんて上から目線で落選させた挙げ句、本人亡くなった後に全国からきた弔問に驚いて“こんなに立派な政治家だったとは知らなかった”なんて、本当にこっ恥ずかしいわ。目から鼻に抜ける回転の速さは、さすが商家の娘だし、油屋さんのパパの影響でエジプト留学して、アラビア語話せてそちら系の知り合いも多いので、政治家もさることながら富豪夫人にでもなって政財界を裏で操る実力者にでも収まった方がむしろしっくりくる感じ。 【送料無料】女子の本懐

  2011年04月14日

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  『お葬式の日本史』新谷尚紀

  著者は、国立歴史民俗博物館教授。一度行ったら時間足りなくて悔しかったなぁ。そのうちリベンジしてやる。著者のコメントはともかく、まぁ、資料として読んでおこう、という一冊。知ってるハナシもあるし、知らないハナシもあるので、ところどころためになります。持統・元明・元正の女帝三人が、続けて火葬にされてたのは始めて知った。で、そこから天皇の火葬はしばらく途絶える。つなぎの天皇たちだったから、ってのが著者の意見。遺体を残しておきたくない事情があったんじゃないの？は、伝奇ネタが大好きな、あたしの妄想（笑）著者がバリバリ戦後民主主義（だか脱色した共産主義だか笑）を背負ってるので、身分制の発生！とか、虐げられる農民！とか、明治の民権思想！なんてネタには、知らずリキ入って筆が走るとこが、うざいです。明治の民権思想ってテロリズムと直結してんのに、隠蔽してんじゃねーぞ。こういう、“なんとなく反権力”みたいなものが、学問だと思われてるのは、ホント困る。 「お葬式」の日本史

  2010年12月19日

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  『くつろぎを知る大人の骨董生活入門』安河内眞美

  『なんでも鑑定団』でおなじみの安河内センセの本。気軽に骨董を楽しもうよ、洋室にも合う現代風な掛け軸企画したよ、普段使い出来る骨董の焼き物だってたくさんあるよ、てな感じで、軽く読める一冊。着物着るならアンティークが安いしお洒落だしオススメだよって紹介してるのが嬉しかった。普段着の着物なら、自分でちゃちゃっと着付けちゃいな、って（笑）使えないものをコレクションして喜ぶのが男、使えるものじゃないと買おうとしないのが女、って一節に笑った。すごく良くわかる（笑）古いものを長く伝え、大切にするという思想が、庶民にまで行き渡ってるのはやっぱり日本ならではなんだよね。平和な国土、穏やかな国民性が骨董という文化を育んだ。一番驚いたのは、安河内センセの白血病が、風土病だった事。「九州の人間しか持ってないウイルスがあって、それが発症しました」って、そんなん初めて聞いたわー。日本て奥深い（笑） くつろぎを知る大人の骨董生活入門

  2010年12月13日

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  『愛国対論』渡部昇一 小林よしのり

  渡部昇一の優秀さが際立つ一冊。８年前の対談だが、渡部昇一先生の発言には、現在に通用するものがたくさんある。逆に言えば、日本の問題は、この１０年でひとつも解決していないという事なのでしょう。共産主義的な税制（相続税・所得税）を廃して、ユダヤ人富裕層を国内に取り込む事、外交の目的は国益の保持なのだから、もっとしたたかに、諸外国と渡り合う事、このままではいかんと言うだけでなく、未来に向けた効果的な提言が出来る学者なんて、始めて見た。歴史に「もしも」は無いけれど、もし同盟国イギリスのために派兵していたら、日英同盟破棄はなかった、もし満州権益をアメリカとわけあっていたら、ソ連の侵攻はなかった、長期的に見ると、あの瞬間の判断は日本のためには、誤りであったとの指摘に感心。あの戦争を避けるためにどうすれば良かったのか、避けられない戦争ならば、最悪の結果を逃れるために、日本はどう行動すべきだったのか、ターニングポイントは多分いくつもあって、小さな選択の誤りを繰り返して今に至るんだが、ひとつ否定すると、すぐに“軍部の暴走がー”とか、“もっと早く止めておけばー”とか“何もかも日本が悪い”的な東京裁判丸写しの戦後民主主義左翼思想にからめとられそうで、逆に思考停止になっていたかも。日本にはまだちゃんとした学者がいるんですねぇ。賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ。正しい歴史認識と知識は、これから日本が世界の中でどう振る舞うべきかのヒントを与えてくれる。対する小林よしのりは、「新しい教科書」運動から手を引いた直後、イラク派兵に伴って親米発言しかしない保守論客にぶち切れて「ポチホシュ」発言を繰り返してる時期で、渡部昇一先生と比べると、もう、子供。“中国・韓国相手なら文句言えてもアメリカ様には言えない保守なんて、信用できん”ばかり。“アメリカに負けて悔しいという気概を持ち続ける”事は確かに大事だ。その上で、今は戦略的にアメリカにつこう、という渡部昇一先生の話が、まるで通じない。こないだＴＶで爆笑問題の太田が「なんで今さら尖閣諸島くらいでそんなに騒ぐんだ、沖縄は昔からアメリカに占領され続けているのに」と言ってたのと、同レベルのお子ちゃま。同盟国と、日本を仮想敵国にしてる国を同列に扱うのは、まさに小沢の正三角形論だか二等辺三角形論だかと同じで、味噌とク○を一緒にするってこういう事を言うんだなと。 愛国対論

  2010年12月12日

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