東京摩天楼
『東京摩天楼』の記念すべき第1回目は何と言ってもいま何かと話題の「東京タワー」なのです。 このタワーの正式名称は日本電波塔であります。つまりは、単なる鉄塔なのでございます。しかしながら、このフォルムは完成から50年近い歳月が過ぎようとしているにもかかわらず、ヤボったさを寸分もかんじさせる事なく、その均整のとれた勇姿を誇示するかのごとく、そびえているのでございます。 高さ332.6mはフランス・パリのエッフェル塔の324mより8.6m高く、自立式鉄塔としては2007年現在も世界最高なのであります。1957年6月29日に 起工して、翌年(昭和33)年10月14日に 竣工しているので、 着工からわずか1年3ヶ月で完成したのです。これはもう驚きです。 普段、遠目に何気なく見てはいますが、こうしてあらためて下から間近に見ると、やっぱり大きいの一言でございます。その威風堂々たる姿には 威圧感すら覚えるのです。使われた鋼材の総重量は 4,200トン。リベットだけでも、おびただしい本数でございます。当時は建設機械も重機もそれほど発達していなかったでありましょうから、これらはほとんど手作業によって築きあげられたと言っても過言ではないでしょう。しかしまぁ、コンピューターもCADもそれほど発達していない時代によくぞこれだけのものを造ったなぁといった感じでございます。自分の仕事にパッションとプライドとポリシーとプロフェッショナル精神を 持って仕事にあたった人々のなせる業なのであります。この先人達の叡智には、ただただ脱帽なのです。