トケイソウの花が咲き始めた。「カエルレア」という、最も一般的な品種である。花のつくりは少々おもしろい。
まず、めしべは3本ある。中央から3つに分かれているのがそうである。黄色いのがおしべのやくだが、上の3つは裏返しになっている。花が咲き始めたときは、やくはすべて外を向いている。しかし、途中でくるりと反転し、裏返しになってめしべにそっぽを向いてしまう。この、反転する途中でめしべの柱頭をかすめることがある。次の画像で、左端のめしべにやくがくっついているのがわかるだろうか。
トケイソウにとっては、これは失敗らしい。自家受粉を避けるため、おしべがめしべとは反対を向くようにできているとは昨日知った。実は、自家受粉のためにめしべをかすめるように反転するのだと思い、トケイソウのコーナーにもそう書いていたのである。慌てて書き直しておいた。
確かに、花は1日で咲き終わると、数日後には付け根から落ちてしまうのがほとんどである。しかし、こんなふうに偶然自家受粉してしまうと、ちゃんと結実する。自家受粉だからか、木が若いからか、完全に熟したと思っても中は白い繊維質があるばかりで、すかすかのふわふわである。いい香りがするので、しばらくくんくんした後、サヨナラする。
今年もこれから秋まで花が楽しめる。実は1つくらいは熟して欲しいのだが、どうだろう。
トケイソウに興味を持たれた方は以下をどうぞ。
トケイソウの栽培方法