TSさん31-38「白鷺 春へ」 飛び立とうとする 一瞬の ――羽、音 〈 シャッターを切る 〉 鮮烈な 白い飛翔へ ふつふつと生まれ湧く新しい命よ。 萌えいづる伸長。 のびろ、のびろ、のびろ、 凍りついた倫《みち》を超え まだ見ぬ途を縦横無尽に。 若芽の柔らかな息吹 雪融けのリズム弾む 流れてゆく雲形に 透きとおる青い深空 如月 か細い声の綺麗な百舌唄 哀しい秋陽こえ 鳥は詩人の恋をする 弥生 ひょろひゅるるりっ 幸せの青い鳥 “ルリビタキだよよよ~ん“ 卯月 花霞たなびき うぐいすの谷渡り ホーホケキョと春を告げ 「友だちS君のいる風景」 こんな日和に君は逝くのか。 慟哭すら、 消し去るあの温かさで。 ふと君が皆に宛てた文面を ほんわり、と想いだした午後。 あれが虫の知らせだったのだろうか。 春の陽射しが、今、 君のように笑い歌っていると 皆に話そう。 愛する者たちに君が咲かせた花が 陽だまりを明るく映しだし、 やわらかな風景に君を忘れさせない。 「桜、咲いたか。」
「梅雨きぶん」 そんな風に言葉にできたら、 すがすがしいイメージで 梅雨の心をぬけられるのに * 貴方のライトブルーが 私を捉えてスニーカーを ガラスの靴にかえる 人魚の涙をながすものは 噤む言葉でうちあける 海の泡が月のリボンにうかぶように そっと、、セレナーデ コールタールの汚れで 私の尾びれを辱しめないで 声は はかなく消えて、、波、波 パンドラの箱の music box (とんでもなくひどい60億分のノイズだわ せっかくフィルターで濾過したのに…) いろいろな曲が毎夜おとずれる 1本足で。案山子ね。2本足で。鳥ね。 4本足で。象ね。8本足で。蜘蛛ね。 16本足で。数列ね。(・・・あのね!) やっぱりラストはシュールな波乗り * 雨のあいま、花のチャットのぬすみ聞き アイスオーレな梅雨きぶん^^ 「ヒマワリ王国」 みるく色のカーテンの向こう、夏のクローズアップにでかけよう。 心からはみ出しそうな照色の葵 & 迷子のちいさな蜜蜂。 あざやかに切り撮って、二つの麦わら帽子をパクリ食べたら。 ハートの口ぶえ、夢のなかまでヒマワリ王国。 「夏の朝」 水の朝は、波音よんで路地の朝顔、 うつやうつ濡れた下駄に花爪緒。 紅の朝は、空に芙蓉咲きたる朝焼け、 指でべにさし花残照。 夏・・・ 朝風かなでの木苺に、うす紫ごころ湧きいでて、色香さやかに花絵筆。 「ろーず・だんす」 曲はろーず・だんす。 いないいばあ、の陽ざし。 あきらめない少女は ワン・ツウ・スリイ One to Wonderful ♪ まで ひらひらの指で。 泣かないこころで。 「まほろば」 くちにふくめみぬ、みぬや、恋がまほろば酒のごと。 ふれれば頬そめ花ゆ、紅きくちびる。 心うるる血、波たて波うちめぐる、めぐるる。 想ひは灘をも渡るぞ、ひとひらの船(ど、どどど波… 愛し人を津にみぬ、みぬや、恋がまほろば酒のごと。 いにしえ世り歌われし、あままかなる香り。 来、来よ、こよひも君をしとねにかさねみる夢。 写真:TS ジャンル別一覧
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