5、勇気の途へ5.勇気の途へのはらは花ざかり。 あなたがくれた花の栞 いつか書かれる詩集に挿みましょう それまでは、それまでは、 わたしの胸の春の風 わたしの瞳の春の原 若い物書きは花の中に踏み入れ戯れたくなりました。 けれど春の女神の忠告を思い出して踏みとどまりました。 てふてふふわり はなになり はるになり てふてふふわり うたになる 蝶がまい、蜂がとび、小鳥がさえずり、 (アリも、ミミズも、クモも 大忙し いろいろな花々が咲き乱れています。 たんぽぽ、伸びて。 たんぽぽ、咲いて。 たんぽぽ、の花は。黄色い帽子のこどもたち。 (私たち、いつか綿毛がとぶの待ってるの、ウフフ (僕たち、そして綿毛につかまって飛ぶよ、アハハ 野原の一本みちは少し小高い丘にのぼっていました。 そこは一面のツツジの花。 ◆ あか ◇ ぴんく ◆ おれんじ ◇ きいろ ◆ れもんいろ ◇ しろ ◆ みずいろ ◇ あお ◆ ふじいろ ◇ うすむらさき ◆ きみは花の妖精 だって ぼくはこんなにやさしくなれる きみは風の妖精 だって ぼくはこんなにかろやかになれる いえいえ、わたしは色の妖精 あなたの心をすてきな色にそめるの 色の妖精、ツツジの花から色あつめ。 (みどりの色は葉っぱから) すてきな色の、めるへんソーダ水つくります。 森の入り口_うさぎ屋さんで、めしあがれ。 花の中をゆく、みち。 若い物書きは、 キャンドルの妖精のかわいらしい寝顔を見ながら、 春の女神の忠告を思い出しているのでした。 その花々を決して踏み拉いてはいけない、と。 それは若い物書きの心そのものなのだ、と。 ツツジの丘をすぎると。 みちは森へと。 写真:TS ジャンル別一覧
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