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不思議の泉

不思議の泉

31.夏の道に

31.夏の道に



            雲がゆく、空がゆく。


            道は夏をつらぬき、蝉しぐれ。


            帽子忘れの、つくつくぼうし。


            つくつく、つくと、みみをつき。


            雲がゆく、空がゆく。




銀の毛は汗に光って、銀狼 「のどが渇いたな。」

汗をふきふき立ち止まる、若い物書き 「そこの木陰で一休みしよう。」

ブナの大木に、キャンドルの妖精 「お水を分けていただけないかしら?」 




            /// と、、ブナの大木。


            太い根をもちあげて、ぐいぐいぐい、のばして。

            はるか彼方に、不可能の巨岩の割れ目に、根をさしこみ。


            /// と、、ブナの大木。


            梢に繁った葉から。。。優しいシャワー。。。

            ここに存在するものに。。。優しいシャワー。。。




旅の者たちの“感謝”の雨がふりそそぐ、夏の道に。








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