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不思議の泉

不思議の泉

41.妖精の秘密

41.妖精の秘密



     ―――――お城の、お客間_お窓の、あかあか灯りは、


                夜のしじまに浮びくる…


       優美なレースのごと、儚いの模様

           「なにゆえに」

      キャンドルの妖精 。。。きらきら煌めいて


          こころは、ゆらゆら揺らめいて

           「かくも嘆きの」

              哀色ガラスの瞳 。。。ぽろぽろ涙めいて


                  ため息は、はらはら散らばりて、

            「歌をうたうとや」





「どうしたんだい、キャンドルの妖精? 薔薇園では元気だったのに。

盗掘にあった植物は此処で回復するのを待って、魔法の森に返すということだし。

政敵に魔法の秘薬を飲ませて、悪の力を消滅させるだけだ。」と若い物書き。



「…じつは、魔法の秘薬を飲ませるためには、

妖精が体の中に入らなくちゃいけないの。

でも、ほんの僅かでも戻るタイミングを間違えると、還れないの。

いままで生還できた妖精はいないの。

このことは、光の妖精族だけの秘密なの。」



若い物書きは思わずキャンドルの妖精を抱きしめました。








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