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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

オ意ロートレアモン4



  《やがて、彼は火ぶたを切った》

  どっと起こりひろがる・・覆水盆に返ることなく、

    ――尼院の庭に男性的象徴の彫刻あり!


      移動するときはおもおもしい鐘が鳴りひびき、

      静止すれば鼓面の震えを拾ってビリビリという音をたて、

      ああ・・ かすかにも遠く、動如雷霆!


  出現は雷のように突然に!――来る!

  幇間的態度よ・・! 小屋-ループ・・・●●●


      ・・・ことに賤しむべき、下劣な、偽善的な結婚。


    「 資本主義的無秩序経済体制 」

     激昂せる!激昂せる!


       否! 否! 否!


      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月光。

      ・・・・・・・・・・・・・・月汞。


 ――深刻な作品

さながら真鍮を主材料として水圧プレスで成型される基部を持った薬莢

停滞し、腐朽し、没落への一途水の流れが停滞する湿地

おろかしき湿地にインキの如く青き沼!

下水――胃へと絶えまなき!


   決定的優越性がもたらす主義戦争に消えつかれ!

   アカデミックの芸術は、遅滞である!

     ・・・おおハレルヤ!我等が煉獄の境いから来た霊魂たち道を蹴りて去れ

  おお! 騎士が逝く前、・・闇の中に取り残された蝋燭はさすらうか!

    ガスの濃度を測定する!ガスの濃度を測定する!

                        ――野生のペリカンは・・

                 ―――凹凸の皺・・・
 
 犠牲大!

 男性侮辱愛罪!



     ・・・作成せよ万人共通目撃必要項

      積極的宣伝!扇動!

       ・・その若者は食い入るように甘美な胸の薔薇を散らせる
 

  彼女の胸は恋だ!/彼女の胸は行為だ!/彼女の胸は解決だ!

  「・・この行為は理解できる。ひどく年をとった僧が、大きな銅盤を礼拝者の前に差し出

  し、金をせがむように!――」

  若者よ、吐きちらし吐きちらし・・行け荒れすたれ!

  そはテーパリングクラウド! 発達した積乱雲の叫喚か!

     
     ああ・・見る!見る!


    輸入品市場を開拓するように、血液!


   ・・・「若者が見たのは、ダイナモの如き彼の友人!」

    彼は人類の胸を打つ心臓の響きを体現した、革命家であった!

    しかしいまや見るも無残!

    憧れの女性の腕の中で、彼は葉巻を吸うように乳 房を吸い、

    いまでは家を一歩も出ず、そのまま、ずっと痛みを失って過ごしている。


        歴史的終焉――クロロホルムよ!


    痛みを持つ永続的な友情の絆は母性に滅び去った!

    さらば悌泣し硬直した学生寮よ!

    さらば――機械化よ!学生的精神よ!

      刹那ながらも心の全幅を掩うた感覚よプリズムなれ

   白紙一枚分の余白とてない淋しさよ!

    カタカタ カタカタカタ----かさ!


     ああ・・見る!見る!


  朝から晩まで、何世紀にも亙り、自由への鎖があった!

  年は続いたア! 続いたアア!・・PI定数の円周率である(3.1415927)

  闘争的意志は強められ、真理へと、前進は続いた!

  たとい文明から見捨てられ、圧搾せられたる版図にやられようとも!


     航空機のコックピットの透明な覆い・・・・・・

   我が脳は多年生憎悪に性急な水の動き!

   時に、刑務所に投げ込まれた栗鼠のすばしこさ!

   高熱性イエロオモンキイの顔に出てくる行進曲!
  

     ・・眉毛に近づいて! くぼんだ目!

     ・・さらに近づいて黒い虫! 真っ赤なウソ!

       ――答えられない・・答え・・・

       「道路地図は動かない地点である!」

    夜という静かな税!


  彼は寝ていない、だから夜、彼は考え!

  ガマ口につめこんである金のように自分は考え!

  考えながら一日が脱走し、爆発し! アクロバティックな跳躍し!

  彼の心は劣化する家の壁の上に聳え露出する我々ダア!


   この回廊は、永遠の、ハンセン病患者


   拒否! 拒否!


      ・・・この行為が含まれているピエローよ!

      しばしば自然の力を超えて――虚無!

      筋肉が不自然に突っ張って固くならない見知らぬ人よ

      非自然循環機能の維持増進にベッド・イン!

        ┌───A 
        B       《・・》  ⇒ 
        

        ・・・欲しいものなどひとつでもあったか。

      ・・・本当に欲しいものなどあったか。

    「 さあ、与えてくれ豪雪地帯に猛烈に吹く吹雪よ! 」


        ――快適なベッドを震える手は求めていない!

        ――痙攣する一日は彼の王国の古い生活感情の融和である!

        ――頬にこぼれる涙は十字架の上の問題と同じである!


     炎は文字で書かれ、夕方は人類の解決を遠ざける・・・▲escalator△



   解決していない人類を解決する!

   魂の死亡である不死が起こることを証明する!

   おお、宇宙は私の愛をどのように保護する!

   
      我々はもはや存在しない・・・ほとんど夜の空気である――

      墓は開かれているが・・それがどうした――

      静かな住民をよろこばせる新鮮な空気の呼吸は鉛の蓋を想起させる!


  *


 あなたの仕事に・・・自分自身を停止します。

 (パンドラの箱)にねむるは監獄的惰眠・・・・

 昔、石をかみくだいた新吉は超人哲学に魅せられた。

 その思想をさらう工場は、羅針盤となる。

 ダウジング・ウィジャボード・オートマティスム――
   、、、、、、
   影は水に映る。湖なら当たり前のことだ、町は深海の眺め。


  卑猥な街で「煩悶」――肥満、貧しい地区ではない。
  ムーンリヴァー
  月の川のかおりがするぞ・・


      、、
 感情はうまを合わせようとし、キャンヴァスを過ぎ

 る ――  馬は世界から出来るだけフリスビイしようとし、

   おびえていた 団栗が 割れる・・・蹄の形として!


    なつめ、なつめ、なつめ・・・・・・・・


 腹痛過度の侠客とばかりに、私はカエルの卵を産んでいる。

 オリーヴ色の秘密の地図 を・・

 すでにざわめきに満ち、はさめるものはスイトンで、

 浅黒い男と小柄な女の姿が鰭となり、人魚となり甦り、

   破裂する――“枯れ葉を踏んだ・・踏んだか?”

           スペース              
      そして空間の外へ・・虚空なる空間へ――   ボトルシップ


   アアク燈の裏町ポップ、馬は牡蠣養殖所に忍び込み!

     忍びながら、【砂】になり・・『GAME』になった――

   

 やがて海臭くなって櫂を水に落したら、ワキゲがむらむら生えて、

 棹はどこだっけと言い!――いつのまにやら薔薇色の花の街・・

 恋人達がパレードしている。エナメル皮、蜂の巣、

 がスキップし、内気な檸檬が愛の言葉を絞る。葦のような

   弱い・・? ――人形を抱いて踊る前後不覚の・・「墜落現場」


   私は強い!・・・私は あなたの場所を取る!

                  ひびき
 蝿が崩れかけた、オルフェウスの微韻で。

 角砂糖に。十の指を齧り尽くした小人が坐っている。

 小人は空を見、・・「暗くてひんやりした扇子のような空」と言った。

 階段を登るにつれてヒャシンスになった。

   ・・継続する偉大な愚行――巻き忘れた時計のゼンマイが停止する。


    「パンドラの箱は警告する――自分自身を離れてさえいれば・・

     一千の人生を生きる君にとっての“あなた”が助言を与える」



  *

        おとがいしんこう
 あなたの腕は頤唇溝であり、

 アインシュタインの相対性理論であり、

 あなたがそう簡単に“筋肉”と呼べるものではないが、

 地面を掘りさえすれば――

 睫毛と睫毛との間に小さな一匹の蜘蛛が巣をかけ、

 蠍の毒で死ぬよ。

 身軽で、静かで、伴う物音がない翼なら。


  *


 役立たずと言われる劣等人種の愛・・

 夫婦や恋人にとっての謎――

 あなたは“疑う”けれど・・ファーブルの自然科学を思えよ。

 もし君が平和な揺籃を想像しないなら、天使の喇叭や、・・

 ああ!――天井の柱、梁を想像しないなら、こう思いたまえ!
          かか
 草原は鼻だ! 嬶サの鼻だア!

 それが墓地散在のこれら汚瀆破壊神の仕業だが、如来は欠如、

 穏やかな哲学者は天体望遠鏡で観測!

 「必要ないことが人生じゃないか!」・・

 わたし達は比較する、真に平等な愛とは何だ、

 ――信じられるもの・・財力でなく、・・才能でなく。

  ・・(危険な抱腹絶倒の作物たちである。)

 幻覚の中で『Day』は来・・『Yes』は来る――夜に、

  血も混り、膚の色も混じり、瞳の色も混じって、

  一つのパレットになった。サラサラの皿さ・・

 見えない盲目の方も、幻想的なヴィジョンを

   天然自然の滑稽であり皮肉な神経の液に浸す、夜・・

 「驚かないで!・・ねえ、そのことが真実だと驚かないで――」

 日中のわたしは、絶えず生命の危険に迫られている。

 芸術とはかように、わたしの心を冒すものである。されど、

   ――『良心に疑問を』・・

 人びとが気温、天候を気にし、相手の顔を気にするのは、
 、、、、、、、、、、、、
 深淵の魅力を失ったからだ。

 だって――彼の顔は、彼女だし、彼女じゃなければ誰かだし、

 誰かに見えて両親だし、きっとそうだ、神なんだ――

 心よ!鎮まれ・・知性の一部に人類は神を想像する、本源的な、抵抗

  と、無限の善の名のもとに、確信を持って、

 「・・・あなたがいる」(その最たるもの!)

 ――あなたは、階級や種族の差異、女権と男権など、無視する!

  あなたは・・あなたのすべてでそれを答えてみせるから・・・

 “魂よ!”

 おそらく、この世の死にだけ彼は現われる。

 社会の通念を奇跡的な正常な展開の可能性に賭けて、

  ・・自他の条件にかけて、その真っ只中で、

 力の放擲もあからさまに!・・

 あなたは墓を掘り、墓を掘る。『歴史よ!』と言えば、

 何故あなたは泣いてるのか。

 苦しいと言えば、優しいその顔に皺が寄り、

 あらゆるものを放棄する――すぐ再生する。

 涙よ!・・女性たちのように弱い人びとが流した嘘に

  ・・まだ壊れていない真珠のような、人の純粋な涙よ――

 よく覚えておくがいい、――苦しまずにはいられない、
   ほばしら
 船が桅檣を失うことが、・・トナカイが角を失うことが、

 この地球上にはある――それは神のような彼の苦しみの一つだ。

 君は『克服』する・・常に習慣と!人間という因習と!

 意義と使命について理念などない――ただ!

  ・・幸福よ!――利点でなく、最愛の宇宙的回路を要請する。

 やがて話し、君は・・舌となり、その音そのものとなり、

 光の中でさまざまな色となったろう・・努力する理想よ――

 感動的な快さが、いっそ千秋を忘れさせてくれたらよいのにと言うな!

 苦しめ・・苦しめ――苦しむ限り本当の人となり・・

  苦しまないだろう・・・『均衡よ!』――「窮屈な考え方」または、

  その生き方よ!・・求める熱が、真ならば!


  *


 何処に居る。

 文字はまだ変わっていない。

  ・・・これから変わるか?

   ――変わらずにいる者は誰か?

 慰めがせなうち熱く息を止める

 そして涙の痕が手紙に残ってる“手触り”が私の額に昇り、

  つひのさだめを早うけて、菩提樹 ――

  「落ち着いた感じに・・なっただろうか」

 春のそよ風は親しみの色を帯びて、老人になった時でも、

 地上のあらゆるものが鳴をひそめ息を凝らして、

 『特別な言葉』・・その「崇高な言語」

  ――誰かに話すように、彼が言うように・・私は誰か?

 紺碧の空の幕からくり抜いたように鮮やかだった、

  鳥の声・・彼女の声の比類なきメロディーに興奮する!

 そんな気持を誘い出されたら、おどろくような多様さで

  いのちづけられていることに気付いてしまう“音楽!”

 ――音楽よ、誰かが歌っているのを聞くのを好みながら、

 それを見る、そこで私になる、そうだもっと!・・私という彼、

  彼にして彼女の――私の顔は記憶にとどまって困難なとき、

   ・・神の愛のように、響き、――やがて口笛となったろう。

 神の愛に感動できる人は、肉と骨と血にまみれたことのない人だ、

 だって、言葉は意識の中でもっとも鋭い・・私の感じ、受け容れる、

  特有のコントラストが、セピア色のトーンで終わるだろうか。

 何処で、物足りなさが感ぜられ、

 人物も事件も、一切私の想像のなかで、やはり額に昇る・・

 旅中にある寂しさをしみじみと自覚しながら、

 祈りが皺だった手の中で――“汚名”だったか?

 さきの世ですでに私は成長していた、白色はますます白く見え、

  美人の容色となったが、(ひとつの偏見が、あるいは名誉が、)

  彼女に黒子を与えた。・・悪名高い

   ――知らず識らず葬り去ってしまうもの。

 ここにいる、彼女の皺は、醜くて、一切は神秘の幕のかげ、

 それが『神聖』であるなら必要だが、・・時々はわからない、

 だって私は歳を取ることを、当然と思わず、

 念頭を離れぬうちに煩悶と化した。客観的に自己の死を感じるという、

  その・・・形態で、恐れ、忌み嫌う。

 そういうのを世の中がわかっていないという人もいるが、

 そういう意識は破壊されよう。煩悶を反芻し、煩悶を見、

  たとえば無数のほくろのような・・斑点のテントウムシとなり、

 ――たとえば慈善団体が偶然に発見したぼろぼろの遺跡の、

  『励起』といわれる部分・・つまり考古学的発見だ。

 いつまでも穏やかにならない、麻痺する愉快、不愉快な動乱や激動、

  ・・この動作がたった一つの電源に依存することが、

  こういう一杓の冷水を浴びせかけられたような心持ちにするのだ。

 まだ未知のうちに瞑想に没頭する私は、

 陋屋をおとづれる、まだ胸があって・・それがハードワークになって、

  ライフワークと言われる所の活動になってる。・・さらされてる、

  イメージを倍加させるゲーム・・

 でも汗なんかがこぼれてさ、涙なんかが皮膚にとって温かいか!

  ・・どうかな、――そうさまだ私は気付いていない。

 いつか拡張機器に、動画や音楽を楽しむようになった、

 そこに子の姿があれば、若さに触発され、感情はより悲しい・・
  ジェラシー
  嫉妬!と・・そう言ってしまえば暗くて悲しい!――

 そういう“あなた”はどこから来るのか、
 ストレンジャー
 異邦人よ、私はあなたに触れて、私の手は・・

 ほとんどの生活を悪だと見なすようになった・・

 仕事が人の顔を変えさせるが、多く人を嫌な気持ちにさせる。

  上司が必要ではあるけれど、神ではない、――

 あなたは心で貴族を気取っているけれど、肉体は所詮醜いタンパク質だ、

 だからこそ常に、・・起こることを待って立ち、

  知っていることに十分な理解を求めるため、仕事としての愛を語る。

 たとえば、――それは私が触れた中でもっとも美しい髪だった、

 多くの人はその髪の質を知らないが、

 この文字群は、気持ちがおさまる頃になれば、

 行き着くべき所に行き着いて、あなたの髪、

 髪という、憧憬、煩悶、反抗、懐疑、信仰となり、

 やがて『あなた』となり、不健全な社会が純粋さを求めるように、

 この彼女を優しく、思い遣り深くした、偶像にした、
 、、、、
 いつでも、わたしの心に触れるようにした――


  *


 私は、墓を掘   る

   その筋の命令――


アイム ア ストレンジャー イン ディス シティー
I'm a stranger in this city 

  ・・・煮え切らない in the City proper!


   ルーターが止まらない

  そびえ立つ、ビルの森で・・


    「墓を掘   る。」

     
      言葉が足りない ・・

        ぼやいていた君がうつるよ


   獅子の顔がノッカーとなり、

  僕自身を供給する・・


アイム ア ストレンジャー イン ディス シティー
I'm a stranger in this city 
 

  ・・悩ませてるものは何?

   うなされて目覚めた理想は脆く・・


 「 あ な た が わ か ら な い 」


   ・・・学ぶ。

 さあ 急いで、さあ、――

  the shine of street lights

   the shine of street lights


    想像も出来ないけど、ほらね、

   また “蛇”に邪魔されたよ・・


  *


 周到な規定を作れば、

 データベースにアクセスする・・

  そのための、私さ。

  ――連絡先に震えているのは、

   どんな糸だい?
 はこうてき
 跛行的にしか発展しない、

  「何番ですか?」

   ――交番さ!

 自分自身を震えさせているボディが、

 相互の間に有機的な連絡をつける、セクス!

 そうかも・・・間違いなく、ある目的を意図するなら、

  そういう言葉になるよね――
 、、、、、、、
 私は夢を見ない!

 そういう夢さ、――芸術がもしも他人のパンを食べるなら、

  「Back」のボタンをクリックしたい人になるさ。
 、、、、、、、、、、
 きっと私は何もしない。

 でも一方じゃ、墓を掘って、その穴に跼んでる。
 みおろ
 俯瞰してる・・「一体どんなものだろう」ってね。

  「眠るようにか?」・・

  科学が私の休息を犠牲にして――

   埋没し或いは崩壊し、とにかく・・・、

    当該派遣先との連絡調整!

 アプリケーションソフトみたいに、

 彼の家はわからない、泥棒に入られたみたいさ・・

 事務作業っていえばいいけど、

 ドアが開いたままにしておくように注意したかい?

  "電子名刺"――
             かげ
   これは古い暖炉の蔭影かい?
         きり
 でもこの部屋は際限がないんだよ・・

 暖かいと言えば、可能な限りの自分自身への施錠音さ。

  「あなたはきっと他人を好きじゃない!」

   ・・・個人や組織での取引における情報とはよく言ったものさ。

 そしてわたしはもちろんスーツなんか着ない、

 いくつかの民族衣装に身を包んで、・・モノマネ!

   ――「見世物パンダになるよ!」
 
    ・・だとしても、いいさ、代表なら!

 どんな国でも、世界でも、いささかオーバー気味に、

 語るさ。(ああ、皮肉ったりしないでね・・もちろん!)


  *


 疲れたりしない・・

 墓を掘っても、

 何かを欲しがっているわけじゃないから。

 そして服を脱げば、

 身づくろいを整えたのと同じ意味――
 
 あなたが、

 私の代わりに私を入れてくれる。


  *


 ――会話というものを僕等は持ってるよね。

 ――うん、両方。

 ――持ってる。

 ――あるいは、待ってる。

 ――最近、とても奇妙なことだけど・・。

 ――はい。

 ――中断された会話について考えてる。

 ――それで、そこから答えるべきかどうかがわからなくて・・。

 ――(と、笑う男、)それでいいんですよ。

 ――やっぱりそうか、・・議論じゃないもんな。でも白熱して、時には無様な泥試合っぽく

    お互いを責め立てる。会話をする気なんて起きないくらいまで!

 ――戯曲の会話なんかで、そういうシーンありますよね。

 ――うん。舞台の知的を装う、ある完成された言葉だからね。

 ――お互いにとって甘い会話。

 ――(また、笑いながら、)息が詰まるんですよ、きっと。


  *


 はい、はい、はい、

 こう言えば注意を払うだろう、

 イエスとノンを繰返すだけで――

 でも笑いたいだけ!

 崩壊したいだけ!

 戻ってゆかなかった。・・でも、

 しきりに考え続けた?

 はい、・・と言えば、笑う、

 墓を掘るように、矛盾があらわれて、

 こうしたかったのに、が消えて、

 その心変わりを今更責めることも、

 出来ないよね――。


  *

 
 何を意味しているかと言えば、賑わうだけ・・。


  *


 はい、はい、はい、

 と、僕はまた、嘘をついた。

  自分に重大な関係があるらしい暗示を残したまま、

  その実、会話モードはレモネードの味がした。

 “酸っぱさ”がつんと残る甘酸っぱい磁気テープ、

  ――いまじゃ、巻き取るうちに、玉になったと知る。

 ジュースをかけたとか、消耗品だったからとかいう、

 陳腐なものが胸を刺して、牡丹を散らせた。

 そういう疲れは、やっぱり僕自身の感覚なんだけど、

 ビデオデッキのリモコンを引き受けたよ、

 それで、やっぱり“壊れたもの”と“壊れていない”が・・

 案外おとなどうしの恋の会話に思えて、

 もっと注意を払っていればと述べたんだ・・。


 *


 もし意見が一貫性を求めるなら、

 相変わらずの毎日しかない、

 これはひどい悲しみを持ってる!

 そういう人だって――

 想われてしまう人いるよね、

 駄目なことにつきまとわれてる内に、

  本当に駄目になってしまう人・・

 宇宙なんかじゃ惑星の屑になっちまう。
 、、、、、、、、
 でも空は青いんだ、

 質問者の心を奪うさ!・・透きとおりながら、

 悲しくなる子供がくすんでゆく。

 いなくなることを・・「同情」と言うなら、

 鼓舞すことを、不確実性にとどまる、と言う・・

 誰の姿を探しても、

 そこにあるものを好む瞬間があるさ!

 ・・・きっと彼だって永遠を求め、母の愛に焦がれる、

 僕がそうなら、・・見果てぬ夢に答えることはしない、

 そうしてなんらの音もなく、風の過ぎ去るように、

 この異常な状態を「自由」と嘯いてみせただろう、

 僕を満たす喜びが眠る!

 心は伝えようとすれば次第にハッキリしなくなって、

 未来も、理想も・・虚しさの夢を見せるワードになっただろう。

 けれど、そうやって苦しむことが、

 今日もこぼれ落ちる汗となる。


  *


 この墓地から出ることが必要だ、

  大衆の声をあまねくこだまさせ、

   私は旅を続けている。


 
  *


 あなたが歩いている、

 そしてその足が過ぎ去った季節を求めている。

 ・・あなたは、道に迷って、

  ――ついに魂の名を求めることが、

 人の幸せだと知った。

 いかなる義務でもなく、私は私で、

  ――あなたは、あなただと・・。

 生活を持たない粗いベッドは共同椅子や草叢、

 確かに人らしい生活とは言えないが、

 ランボー、そういう人生もいい。

 この汚れた足を汚れさせておくことも、

 天上を歩くシューズだ。

  ・・人生を楽しむことだ、・・ステッキだ、

 風景だ、すべてひっくるめて、

 どんなものもあなたという秘密まで侵害しきれない、
 
 と知る!・・それを匿せば、人は尋ねるだろう、

  「それは何か?」と――

 どこをどう手繰ったって、孤独な夜の光、

 もし人生がそういうものだけなら、

 あなただって“嫌だ”と言う、

 どうせこんなもの!――

 無様に寝転がったっていい、傷跡が残るとしても、

 私は私の中のあなたを信頼して、

 儚いこの闇の中を泳ぐ、素足――。
 

  * 


 その身体が蛹たち、蕾たちのように、

 これから複数のものになると見なすのもよいが、

 ただ、単独の蕾・・と言うように、

 これは蛹である!

 ――と、個人の力に拠ったなら、

 あなたは私のことを知性を嫌うと非難するか?

 それとも私がまだそれについて感謝していない!と・・

 でも理由などない、

 読み取ることは必要ない、

 あなたは退屈な運命のノイズをガイドする・・

 目ざましがチリチリ鳴り出し、・・夜空を断ち切り、

 ひとりの男が目覚め、歩いてゆく、

 喧噪を離れた静かな裏通りにある“it's”

 あなたはわかれがたい小さな点を、

 宝石のように思う――三本足で歩くわけにはいかない、

 四本足でも(と、)・・歩く能力を失う(と、)

 心臓の鼓動が歩き始める、

 そっと囁く天使!(と、)

 永遠にパンセ・・!


 *


マイホームが呼び方にすぎない

しかし“持ち家”も、“貸家”も

何かたどたどしい気がする今日この頃

ひと握りの有益な話を聞かせてもらっても

「ものものしい堤防だこと!」

なんて叫ぶ権利あるでしょうか


   一晩で塗りまくった絵なんかと同じで

    まだ絵の具が乾いていない

    一夜城さながらだけど 


それは 昔の話

あなたはトレーラーハウスを知っていますか

150万から少しサバ読み1000万くらいまである

しかしレンタルだと5万から20万くらい

ああ夢がひろがる家を買わずに家を買う!

「まあ、少しおふざけがすぎますわ!」

いえいえ 昔はもっと高いところや低いところまで

とんちんかんなことをやらかしたものですよ!

でも たぐいまれなセンスのぼくちんに相応しい


   みんな僕の話に笑い転げたけれど

    移動する家って子供の頃からの夢なのさ!


マイホームという名のカプセルホテル

あるいはシティホテル

こうするといささか無心な発電所な流れだが

似たような鳥と思えば同じ空に飛行機

マイホームの流れである――

「はるか時空を飛び続ける新世紀!

  などと思えば 新しい時代の・・

   ノアの方舟らしいと思いませんか?」


  ・・・マイって接頭詞だよ。

   ・・・なに、窃盗師!


人間だもの と言えば

パリのイカした掏摸たちに盗まれそうな全財産!

『レ・プレーデュール』(訴訟きちがい)

マイとつけば大体こういう言葉が飛んでくる


  マイ・オベリスクと言えばSIMONETAだが

   考えてみるに――凍結と冷血の恐るべき別世界・・・


夜中まで『マイ』の檻の中

オリジナルのついたあまねく渇き

韃靼人ならぬ脱糞人の始末どうつけよう

熱っぽく語れば小さい流れがうまれて

水車がまわりはじめ

喫茶店でコーヒーを飲んでる僕も

いささか食傷の気味で現れたろう

でも財布を忘れた僕をご覧!
、、、、、、、、、
菖蒲の花が咲いてる


   財布忘れた僕はぺこぺこお辞儀し
       みなしご
   ちょっと孤児のような可哀想な顔をし

   それでも勘定を済ませたあとで

   濁りなき笑顔で応じた――怪盗!


はまっていってしまうに違いないのです

マイホーム!マイホーム!

やあやあ!――お命を頂戴!

覚悟・・(でもまだ、話は終わっていなくて、)

そうだ、ぼくら、マイホームについて話し合ってる

「でも、人を殺す場所となれば、

  どうしますか?・・」


  ・・・おい君、人を殺すなんて物騒だな、

   人をブスッと刺すと言え、ブスッと女を刺すッと言え!

    ついでにあの女店員を見て言え――!


男って馬鹿だ!

石鹸で手を洗いますかと聞かれれば

洗うだろう 返り血を浴びて服も処分する

汗を掻いたならシャワーを浴びてぐっすり眠りたい

ハードボイルドな男だったら女を腕を抱く

でしょうね と途切れる会話

横目で店員をちらり

目の前にいるミステリー作家のKさん「ふう」


  珍らしい東洋の花木を植えましょう

  ニイハオ!


今も遺伝子世界でいうところの

ガラス・ケイスの中にいる

生の種子を想うわけじゃないが

ああK氏――いきなり僕に

わけのわからないことを話してくる人で、

「手の親指を伸ばして反らした時、

 親指の付け根に出来る三角形の窪みがあるでしょ」

夜が明けるように 明るくなってゆく表情

ミステリー作家は夜のダイバー!

詩人なので蘊蓄に馴染むつもりはないのだが

やれやれ 一応言われたとおりのことをしてみるがもな

「これ、“解剖学的嗅ぎタバコ窩”と言うんです」


  巨大な氷が流れている

   もしそれがマンモスだとしたらズウオーンと

    僕ちんと目が合っちゃったかも知れないゾオウ


僕は途端ひらめいて、

「なるほど、シャーマニズム・アニミズムの呪術の煙から、

  このような名前がつけられているんですね!」


彼に言わせると

僕ほどややこしい人はなく

窓を一杯に開けている人はいない とのたまう

馬鹿言うなミステリ馬鹿

ミステるぞミステリ馬鹿!

そのままミスになれ女!


  ものうげな瞬きをしたりすればマイホーム加速する

  まいほうむまいほうむまいほうむ

   そんな職業があるの? 泥棒――


ホームラン! 

さあ!かっとばそうぜ

地主だってそうだし家とかだってそうだけどさ

そもそも国の所有物とか言ってるけどさ

大昔は誰の土地でもなかったんで御座いましょう

我々の祖先も頑張って土地競争に励んでおれば

毎日遊んで暮せたものを!

かつ毎日銀行にお金が振り込まれたものを!


  でもそんなの嘘だと知っている!

   ・・バブルや 土地トラブル

   お金が絡むと人相も悪くなる

   ケミカルな話なんて何処にもない


でもアニキと呼ばれる まだ日本でしか発見されていない

窃盗団の牡は ぼくのハーレム計画における姉妹をかどわかし

土地を巻き上げ君主となったかも知れない

彼の王国でカネのかわりにユビを納税する舎弟たち


  ハーレム!と言えばからい想いを噛みしめている明太子

   本当に素晴らしいハーレム!随分きままな博多弁たい!


でもいつかマイホームが宮殿と呼ばれたなら

派手な模様も装飾も――いつか海に着くだろう・・

はやりすたりは世の常!

無人島ぐらしのあの人みたいに疲れていたさ

そこに唯一の貧しい小屋がやっぱり見窄らしくあるだろう


  でもコテージならダイヤモンドに黒曜石 etc.

   夜のコテージは幾多の劇よりドラマティックだから!


ねえ喫茶店の彼女!こっち向いて!

あなたが何に驚いているか僕だけには教えて!

そうだよ笑って・・僕だけは君を驚かせて笑わせるよ

きっとたくさん・・身を乗り出しながら――

  
  でもクスリだなクスリと笑うと

   ああコトリだなコトリと笑うと――


きっと心のドアにもいつか「closed」

虫食われた木よりも キツツキにやられて

もしかしたら工事現場のhammerみたいにやられて

本当はマイホームって言葉にそんな骨があったんだなあ

いたるところに存在できる無名にして有名な存在感


  そして僕の前にあるのはビール!

  ビールによるシュビドゥバ葬儀!


かぞえきれないほどのトピックがあったけど

いまじゃ贈り物一杯持っていたマッチ売りの少女の気分さ

毎日増えてゆく悲しみ

きっと予定調和なんて誰も求めてはいないさ

マイホームに住んでいる天国へおいで!


  富に比例して税金を払ったけれど国は逆様なままで

  守銭奴が株の発行を拒否し――

  銀行は貸し渋りをやらかしてる


そして僕はそんなことを知りながら

マイホームという詩を注文する

すると次から次に手があがる無数の山犬たち

案内係はすぐに僕のもとへ禿鷹を発たせた!


  そして死の色はハンサムだった僕を見て

  革命の許可を得て王妃に会見を求める者があると

  そっとその彼女に囁いた

  むしろ望むところ!・・あなたが女であることも

  僕がそうして男であることも


大地主になれなかった息子はやっぱり幻想主義者

古い時代の価値観そのままの僕を生んだのかな

でも天才がいる!狂気がある!

怠惰も!その反対側にあるものも!


  でも僕自身 そんなに人生が本当でなくてもよいと思った

  謙虚なのよ!と誰も噂しなくていい

  慎み深さを誇り、マスクさえも偽なのだから


それでも・・もう一度・・・

日本の新聞の数行にも飾られていない

花で飾らねば

無罪がマイホームを裏切る前に――

たどたどしい日本語が

うまく恋に似た感情を抱くように





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