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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

ひろやすさん詩文控2

【91】


君を待つ間
ー空をあげたいって
永遠。――魅せられてしまえばいい



会いたいって魔法みたいだとおもう
かなしみが続いている間は
解けない呪い

みんな壊れたように、鳴いてた
散ることが摂理だと知ってたって


( 桜の咲いていた丘で
  僕は思っていた、こわれそうな身体に
  もっとはちきれそうな心に

    ――空をあげたいって

すべて忘れて惚けたい、そして真っ白な
紙になって、風にすべてひきちぎられたい

  会いたいね
  とおくはなれてしまった時間も
  いまでは見つからない写真のようだよ
  僕を呼んだ四月の蝉・・

永遠。――魅せられてしまえばいい
きっと見つからないまま、死ぬから



【92】



 心もちトーンを上げて、「そう思って?」と問い返した。
 問い返して、すぐに後悔した。
 綻びが見え始めたからだ。
 「そう思われるだけでも幸福ね・・」
 二人の間には沈黙が来た。
 そして窓から、幻想的な光の効果は謎の感覚を提供し、
 「・・でも、お優しくはなくって?」
 ――やがてわたしは小さな声で、恐る恐る、
 「泣かなくったっていいのよ・・」
 ――そう慰められても、
 容易に泣き止もうとはしない。・・

 全体の断片化自分が感じたときに、瞬間
 これらの弱い砂のような私は、指というものを介して
 転倒し。離れて私から。希望を開く情熱
 (かもしれない、)故障を神経質に。・・



【93 最後の晩餐 ~この中に私を裏切る者がいる】



  フリーダイヤルでボディ
 くだらない話に下車
      悲鳴が
 トリガーを引くための
 大きなヒューズ、時限爆弾
、感情の範囲からの逸脱
変形知覚からの似顔絵
      悲鳴が
 本能と社交的に許容される
 パターンのコンベア(「で」)
宇宙の飛躍
ビッグタイム神経故障
天然有機プロセス



【94】



またあの夏の日がやってくる
もう一度会う勇気があるかい
あの日の君に



【95】



たいらかな布、
ラップの葉、
陽のあざ
色の花びらが
カットする宇宙で
蓄積=時計、
体、意識(「は」)
竹!竹!
バラの古い戴冠
竹!



【96 カンバスの白い闇】



鯉と林
鯉と波紋
鯉とランス

・・・はじめて息を止めて、眺めていたよ、
ふるえながら、罪を犯して
産湯の盥 を



【97】



・・・わたしのまわりでは

時が止まる。

時がおそい


わたしを待ってる、その人は

  罌粟の、もの狂い、墜落の恐怖さえ
  (羽根、)みずからもいだSlow

    蜘蛛は輪廻の糸を通りへとやり
    ガソリンを浴びて[飛ぶ夢]
    剥製の孔雀ー。


透明な旋回、透明な花嫁
透明な皮膚、透明な時計




【98】



世界はすこし歪んでいる
(を
トランクのなかの青い羽根
     いっしゅんで

釣り針に虫をさすように
  ウィスキーの服役
口のガーゼは青い
柩に釘をうつと日溜りにひたすら堪えた(を
死の解毒剤がながれる

世界はすこし歪んでいる

(を 侮りにも似たかなしみ
嗚咽のような海
星のかけら、

口紅を塗った天使のよう

(を 鳥たちはもう歌わない、
   きれいな声でうたわない
雨だけが知っている
雨の点灯



【99】



あのお、車はしらないにゃいで。・で
そこにイメージの駒があります。それ飛車!
ああ、あなぐま

=猫、こうみえてオスです

猫の将棋。あ、それは猫の将棋だ
にゃお、その一手待ってくれにゃいか
又ない、ちがう待たないまたたび、なに言ってる
ほのほのパンダ、それでも黒か、ブラックか



【100】



人生ってなんなんだろう
と考える人(は)

・・愛しちゃったんだろう?
それで、裸になりたくなったんだ、
よくはわからないけど、詩を書きたくなった

あーん
」その日彼は死んだ

それはたとえるなら
それはどうしようもなく 
たぶんどうしようもない
アップしていこう



【101】



もしもぼくらの言葉が



【102】



print☆
pickup version1


ここにはあなたの傘があります。



【103 日々】



そんな風に思うもんじゃないよ
でも、そんな風にしかなれないんだよ
そんな風というものに吹かれ
いま、風に吹かれているんだよ



【104 寝息】



気象庁の津波警報が波の高さを
猫の髭がゆれることで風の高さを
僕の疲労が音の高さにかわるとき

ひとしく結びつけることが
ほんとうに、ほんとうに
むずかしい花のことだから

ボールペンの尖が潰れたこと
寺の鐘が蜜柑を木から落としたこと
蜘蛛の巣で翅音がひびいていたこと

ひとしく調律され
ぼくらのハンマーは
スチームをふきあげ
澄んでいる時間にひびわれてゆく
――ありとあらゆる吐息よ 物音となれ



【105】



いらいらと燃えさかる石炭でいるつもりか
いつまで心電図をいびつにしているつもりか
いつまで固い薔薇の莟でいるつもりか
いまも胸の穴があいているようにそれを見るのか
いびきや歯ぎしりのように傷を見つけるのか
一頭の動物なら何処まで行けるだろう
一匹の犬ならそれで誰かに飼われるのだろう
いじめや迫害そして公害に戦争に
いとけないぼくなら秘密を明かす
いままで子供たちが鋼鉄の枠を壊してきたように
君はこの患者たちを救えるか
君はこの狂った街のリズムに何を見つけるのだ
君よ ぼくの血管は拡張して洪水となり氾濫する
しみわたってゆく砂時計の音が
イメージされ 噛みつく荒廃した森林よ
きっとゆるやかに舞う花びらとなるまで
酔い心地におまえは
次第に霧が晴れないこの国を嫌う
君は言葉の統制をうしないながら
死んでゆく時代のあだ花を黙って見つめ
君はささやかな営みを浮き雲とする



【106】



散った面影、堪え性もない
友達なんかにはもう会えないでいる
だよねと蛇足、もしかしたらジャンボの旋回
それなりにわかりあった情緒ともお別れ
訛りのきいた土地柄の箱庭細工ッ!
ひょいと眼配せ、そんでお茶なんぞ啜って
昔ながらの団子なんかに舌づつみを打ちゃあ
鯨つうより恐竜の声におびェてる
テケテケ! パン
・・・氷売りに紙芝居、夏の日の往来、
デパートの気球、新幹線、高速道路
もう隣ン町もこの町もじゃ塩まいて
それでもサーカスのイキな姿だと!
いなせは大工のそれも死語、法律の言葉も更新
文語と口語のためすがめつ、
まわりくどくなるのが世の習ィ
盆踊り、観音詣り、それなりに急かし気味、
デテケ! マタコイ
パンパカパン



【107】



そこまで行き着くのに長い時間が
かかった
   
    どんなにそれを
    欲しがっていたの?

sign
低い声で
     呼ばれた


マグネシュームを燃やして
水分を一滴残らず蒸発させ
ただ、この場所で水の落ちる音を聞いていた



【108】



昆虫の世界ではスコットランドが月の国のことだよと言って
そんなジョーク! けだものの遠吠えくらいの意味しかない

いいかい?
たった一度しか
言わない ー糞喰らえ

草原の愁訴、荷車のほどき
草の車、草のklaxonさ、ベイビー



【109】



未整理の霧っていうのかな、一寸先が見えない
熟れて落ちたら木の実っていうのかな
池の波紋がそれで広がったら
この道は一直線!

  方向性
 ・選択

それなりにはハウツー本を読んだり
まじめな趣意書を書いたり、
山にのぼって自分を高めたり、
隠された真実の扉を求めて
UFOさがしたり・・・

  曲がり角
・まやかし



【110】



弾力の渦巻、背中と服の接着
根強い発熱でメモリーチップ
雲を踏むような熱狂は
みるみる潮のように引いて
浮き雲となるだろう

○月○日 ?
目的がなくても、それでたとえ終わるとしても
キラキラ

少しの間、チリチリ
脳が痺れる fortissimo



【111】



貴重品はフロントにて、
全責任を持って
お預かり致します。



【112】



もう幽霊は
どこへか
消え失せ
――それはおそらく
そこを見渡したときの
私の眼

どうして、暗いトンネルの
入り口を
あなたは愛するの
本当にその人を
愛していたからかい・・

25時
チェロが流れた
捻転する音がひびいた
不自然な方向へ
ねじまげられた

夜更け前
女が男を連れていく



【113】



馬人というのを
ガリバー旅行記で読んだ
ミノタウロスは
ラスコー洞窟の壁画にも
もっとも原始的な戦車にも
ある一つの姿が描かれている。

頑丈だ。
髪の毛を
つかんで
引っこ抜ける

草とは
違う。



【114】



雑多なざわめき
眠った空気
雷光のようにすさまじい色彩
一瞬でCOMEBACKtoME
輪切りにしようこの足首



【115】



おもいだしました

心臓が落雷のように響きかえって法螺の貝を鳴らす

音を見ていたよ
池の中でぼうと燃える音を聴いたみたいに

とにかく黒い花に
涙のような白い雨粒のラインが 心を掠める時

          硝子の破片がその色には昇らないで

淡く 耳の奥 蓋をし続けていたこと



【116】



この夏に捲れ上がった街は遠い雷で浮かび上がっていた
次第に鈍いGOLDになりながら
馴れ馴れしい色に心底嘔気がする俺がいた
音よ! 空へと昇る前に
俺の胸にとめどもなく湧きかえれ
嵐の底の冷えた空気にまみれている
不安な女の身体を洗え
騒がない人間の関節よ! ・・・電流がなくてどうする
遠い昔、映写機でも見るように別の世界を見ていた
あの俺達が細い金属線を感じなくてどうする



【117】



さあ、もっと葡萄酒を飲もう

肉体の疲労が、
こんな工合に色彩に不安と再建を促す。
われわれが頭で知っている(髭を剃る音、)
濃艶淡彩...

   数里離れた街で
   天を掩う蝗の翅音を聴いた

  ゆるく甘い気持ちを

     呼び醒ましたろう


二、三百ヤードの遠い方角を指し示して、
ほとんど電流のような沈んだ鋭い音を、
思い出してた! 空気が亀裂する、それで
何かが通ってく

さがしてみる!
  さがしてみる――
            うまく見付け

       られるかわからないけど


今では精彩もなく、
スパンコールがあちこちこぼれ落ちた
                      
       ウイスキーに

               まみれ



【118】



いつか森の中であなたに飲み水をさしあげた
灯のついていた蝋燭も流れては消え、
長い睫毛が両方の頬にまで長い影をうつしていた
これが死だとでも言うように
濁って、どろんとした、眼球が
くりぬかれた池のほとりで

湿った紙の匂い、それから何か分からない
、何か同じ思いのために、
動かずにここに集まってきた

排泄 そうだったのかも知れない
ある時は愉しそうに、またある時は悲しそうに
心に明るい印象を残さず、深い感じも起こさせず
ただ漫画のように時間を止めていた

湿った藁の匂い、それからどれくらいか時が経ったか
、知れない、知れなかった
忙がしかったから、教科書は鞄の中へ放り込んだ



【119】



私が生ま
れてからの
響きは
路に
ころがっている
石にも
一つ一つ
はっきりと見える
嵐の中の
草木のザワメキ。



【120】



            ーおうい雪花化石


     きみのなまえをよんでもいいかい?

        呼んでも?

     ・・・すこし


    あの頃とは違って、
    美しい旋律さえ冷えていたりする


      生身だっていうこと
      剥き身なんだってこと

    
        プレパラートの世界で

        甘い気持ち

          呼び醒ましたい


     眠れないくらい
     いまも透明な振動で

 胸が震えるよ



【121】



さあ地を揺すって・・
神話が幕を開ける
重い海では
高音部の見えない
津波

その襤褸をつんだ
船の曲線が
ひきむかれる
いたいたしい歴史に
わたし達は声をあげる

月だけが出た
サイコロのように
ゾロ目が出た
数えられない
波のうねりの内に



【122】



b&d
Question

aaaaaaaaa
aaaaaaaaaaa
a
aaaa
aaaaaa
aaaaaaa
aaaaaa
a



aaa

aaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
aaaaaa

aaaaaaaaa



eeeeee
eee
eeeeeeeeeeee
eeeeee
ee
e

eeeeee




eeeeee
e



【123 spend the winter】



まつ白にこほりついている
鼻をほら、かくさないか
澄んだ海の色を絹の襞に見せてやらないか
あわれに薄く暗く
したたる赤と黒で
その牙を染めないか


【124 地図】


どうしてだい、と僕は言った
粉々に砕け散った
金魚蜂を僕は見た
どうしてだい、
金魚は砂に変わった
骨になって
スコーピオンの尾のようになって
僕は悲しかった
写真を撮ると
それが地図のように見えた
そして僕はある夜に
地図は知るためのものではない
死ぬためのものだ
とはっきり思った


【125】


あらすじ


彼女は仕事や恋に少し変わった運、あるいはジンクスというのを持っていた。薬品と薬品を
混ぜあわせて化学変化させるように、仕事と恋が重なって、どちらかを選ぶたびに、人の流
れが変わるという幸運の掴み方をしてきたからだ。たとえば仕事を選べば大きなプロジェク
トに大抜擢される。昇進する。恋を選べば、そこで仕事を辞めざるをえない人生の重大な発
見をした。恋はたとえ長続きしなくても、人生は続く。趣味も、宗教も、たとえば、四度目
の恋で仕事を辞めて、恋人一緒に旅をして、客船に乗った。恋人とは別れたが、彼女は初め
て、海に対する興味というのが芽生えたことを知った。つり合いがそこにあった。やがて彼
女は海沿いでレストランを開きたいと思うようになった。そして、彼女にとうとうその両方
がいっぺんにやって来た。彼女はどちらを選ぶのか? ――彼女はブラウスのボタンの一
二個をはずして胸をひろげて、自己の履歴を語るように、自分の気持ちに正直になりたいと
思った。暗い内部には、青苔のようにぬらぬらした心臓がある。わたしは見付けたかった。
人生はいつも特別なものを求めている。それは一般の要求とは違う。天然石をパネルへ嵌め
込むように確信した。隣には、過去とも未来とも知れぬ男がいる。しかしそれはわたしの仕
事にも言えるのではないか。洗いたてのシャツの前に、解剖、組織、生理学を知りたい。何
故だろうホィットマンが読みたい。ステアケイス。ステアケイス・・階段、踏板、――ぎしぎ
しとわたしは進んでゆく――せっぱ詰まった事情もあり、彼女は仕事を選んだ。そして彼女
は、人生に間違いが起こったことを激しく認めた。そしてそれより激しく自分を責め立てた。


  × × ×


彼女は彼の葬式に出席した。出会ってから、半年後のことだ。どうしても来てほしいと言わ
れた。もしそれが生前のものであったらと後悔したが、・・それが彼の最後の望みなら行かね
ばなるまい。わたしは船に乗った。飛行機に。彼はタイプライタアーの音の絶えないニュー
ヨークにいた。わたしは彼と出会った、ベルが鳴った、プロットが壊れた・・図形が浮かび上
がりわたしは人生のスケイティング・リングにいたことに気付いた。彼はもちろん、生きて
いた。・・切符を送ったのも、遺言を送ったのもそのためだと説明した。最初はもちろん怒っ
た。いくらなんでも酷過ぎる、と思った。でもわたしは・・・

  × × ×

 ふと足を止めて、硬質の乾いた風に、時計を想う。
 すっかり取り乱している自分。いまさら、麻酔するつもりか。
 やぶれた窓のような視界に、ポプラ、
 そして金と銀の刺繍をする陽射し。・・

  ●教会

  入口で、わたしは眩暈した。不意に、時間が戻ったような気がした。
  彼は見透かすように、わたしを覗きこむ。


「どうして、・・・あなたがいるの」
「甦ったんだ」
わたしは、気が動転してしまい、ゾンビ映画を思い出した。
「・・腐ってる」
「――大丈夫、アルコールは飲んでる」
たぶん、アルコール漬けの蛙や蛇のことを言っているのだろう。
「そうね、あなたは生きてる」
と、わたしは、ニコッと微笑んで、――次の瞬間、
男の股間を思い切り蹴り上げた。
先程までのにこやかな談笑が、突如パニック映画になる。
ひゃあっと飛びあがる。びよーん、とジャンプする。走り幅跳びする。
コサックダンスをする。キラキラ光る高い枝でバナナを食べる。
  ***五分ほど、お待ちください***
「――君って、奴は・・」
たましいごと眼が吊りあがってる。
そして、わたしは、悟った・・・これがわたしだ、わたしはここにいる・・
その時、鐘が鳴る。鳩が飛ぶ。
夕暮れの街なみが頬のように色づく。


【126 フィナーレ】


枝のように
幹があった

汗を流すように
湖が遠ざかっていった

陽射しは
花の数をかぞえない

それでも
日ごとに黒ずんで

膿のように
蛙が腹を出して浮かんでいた

青年と重なる昼は
夜の天使にとらえられ

狭い虫籠の昆虫
展翅板に君はいない


【127】


13:03 その景色が空に浮かんでいた

13:04 その現象は消えた

13:04 (わずか数秒の内に)
      再度、その現象が始まった

13:03 時計が逆回りを始めた

13:07 ふたたび時計を見ると、時間が進む

13:03 僕は旅を見た、と思った

12:51 恐竜は何処へ消えたのか?

12:33 古代人は何処へ消えたのか?

14:02 その景色は声のように消えた


【128】


たしかにくらいひかりをみた
ゼロ距離の標識が反射する


【129】


虫。ガマの奇岩 検挙された虫。合法なのかー詩のことばで書かれていない、 虫。 
解け得ぬ暗号、――きまりが悪い・・さら、でも、皿に虫。狭い家 落下する虫。海に
沈められるのか、軌道修正されるのか虫。あやしていたのだかすかに、身じろぎ。も
いでいたのだ虫。風が呼ぶ、とりとめもない寝言のようのように虫。最小音 右手左
右交互に虫。手にしたボールにかなしみは花のようにもつれる、虫。――セルフポー
トレート 凸凹の収縮、虫。微笑 無視! ・・虫。すきま風のような弱い奴は死ねば
いい、と虫。――おまえなのだ、父親そっくりだ、虫。男性ホルモンは減少するか、
母親みたいだ女みたいだ、虫。・・日めくりカレンダーにとまる、蝶が蟻のからだの上
にとまる 、虫。うごめく かすかな /蟲


【130 akogare】


見覚えのない夜更けが象牙のように
われわれの名を小さく突き刺す時
水も人も蝕まれ
民衆の嘲笑も白い切り口を見せる
消えては結ぶ夢想は、歯槽膿漏
マスクでは怺えきれぬ       
ウィルスの名を内に       
ためこんでゆく
世界と訣別する
ー語った、洪水は
そしてそのまま海
の姿を結んだ
印象は現在の記憶の
なかに、鳴るベルの音
は身覚えない夜更けが象牙のように
われわれの名を小さく突き刺す時
――朝は曖昧に変容する
われわれは訪れを咽喉に流し込む


【131】


その日、最悪の事件が起きた
「・・・お、やっとつながったよ
う○とらまんが、酒飲んで
暴れてる。」
ーまあ、正義の味方
だからな・・(の)は
政治家と一緒の建前


【132】


    秋だ


         街路樹を歩いて

いると、気持ちがやすらぎ、
リラックスする・・・

      どんなに水や空気や光線が必要か
彼らよりよく知っている

静かなピアノのようなやわらかい風
の、鼓動

   したたり集って来る

小鳥たちがさえずる、初夏

   時間の方向が分からなくなる

ただ。息を止めて・・・
           頼りなく落ちた
 光の行き先、


【133 過ごした】


迷宮って
わりと
傍に
 あるかも
  知れないぜ

砥石のように美しかったから
黒曜石のように珍しかったから
・・言い表せなかった
あんな夜もふしぎと
ジリジリさ!
銅板画に焼きつけられ
僕は河鹿のような膚を思った


【134】


育ってゆく
ゆく、この植物は
目も開かぬ雛よ
明るいところで
タマゴを
産み続ける

ごむ!
まり!

いまぼくは
まり!

いまぼくは
ごむ!

   生きてる
僕は 生きて
君も
生きてる


【135】


君はここへ来た


液 化した街、
ループ
拡大してゆく
ああ、唐の幻術


【136】


Dear Ms. Moon,

DEAD!!
DEAD!!

D!海







sea
SEA
She
LSD!

・・・そう思うのです。
幾重もの光の層、
泥、闇を、
僕は浚うのです

・・・悲しみのために
おちつかない心を
詠んでいるのです

月も落ちて
夜明けも知らずに
過ごしてしまった

太陽よ、体温よ


【137】


 脱がせるべき?
よがらせたい

女の尻
尻たい尻
知りta i


【138】


いる
(原形がまったく残っていない素晴らしい変態の図^^)


【139】


走れ毛細血管
躓け毛細血管

 ・・・神のなすがまま


【140】


嫌ン! どうするのあなた
ぼったくりバーよ

チミい、そう言ったって、
あのグラサンの男見ろ、こわいぞ

まぁーちりあえず
逃げよう

*普通のバーです


【141 SFのサウンド・トラックの心理効果】


目が醒めると夢の中で摂った美食を忘れた
でもその代わり
無聊な僕は夜遊びを覚えた

  ー名前が彫りつけてあったー
  でもそれさえも浮かれたように忘れた
    でもあたたかい気持ちになれたよ
        だから齢をとったんだ
        Baby 恋するように
         眠るんだよ


【142】


いまでも変わらないものがある
変わらないものが僕の胸にある
絶えず感じ続けることが
大切なんだよ、生きていても、
死んでいても、残っても、
残らなくても“見つける”・・
誰のためでもなく自分のために
ボイラー室があるのさ


【143 白日】


太陽は
不毛にして豊麗だ
地下室の入口か
あるいは地底湖へと
流れる雨水だ
プリミティヴ
な衝動が
終わりと
始まりをつくる
・・・雲よ


【144 転校】


ぶらりと昼に学校を出る
転校・・
もう何千万もの足で踏まれた校門や下駄箱
通路、ー窓ガラスが
刃物のように光ってる

友達や恋人
風のそよぎ小鳥のつぶやき
・・・サアッ、と風が止まった

「好きです」

ハァハァと息を切らして
彼女はやって来る、風が薫る五月

シャンプーとかリンスなのかな
うすい香水なのかな
それとも女性だけの甘いかおりなのかな

クラスメート
ううん・・・元クラスメートに
僕は初めて他愛なく忘れられることが
こわい、と思った


He is gone.
The sun is set.
I'm done with it.

クスクス・・。


【145 入り乱れ】


カアと言ってみ
言ってみた
・・・言ってみたけれど
けど・・あの・・
あの、どうしてーー
で、すか。


その時、僕等のテレビが      消えた。地上デ
ジタル放送になった。       さようなら、さ
ようなら・・            ぷ・・ぷつ・・ん


【146 あの日の詩を聴かせて】


あ・・
そんな風に言葉が詰まって
頭の中にガス室ができる
妄想が、「よお!」と手をあげてやってきて
握手したりもする

時には後ろからそーっと近づいてくる
厄介な、“思い出”ってやつもいる

あ・・

ちょ、ちょっとSTOP
あんまりマジになんないでよ
からかい半分というか気まぐれ

「ごめん、」
なんて――何年も遅れて
人であった遺体を蝋燭や石鹸にするなんて

あ・・でも
うつくしい塔身と化したあの日の僕が
重く重く漾うとしても
それはまつわりながら消えてゆくことへの
やさしい握手だ

「素直じゃなかった・・」


【147】


こ わかったんだ
キリキリと音立てて捲き上げられて
自分自身が鳥の形にひしゃげた
卵の黄身だったってことに
あのとうめいな粘っこい
白身だったってことに
気付くのが・・
翼がなかった僕は
山奥の誰もいなくなったような場所で
餌を求めている
水を求めている


【148】


システムの操作/スプリンクラー/防火シャッター、
囁かれる天使の響き。
絡みつくスクリュー。風の波を蹴立てる。
怯えるーー電子ロックの解除。仄白い夜明けの訪れ。
データ転送。ドアの隙間
から」光 」

まだ俺は暗い部屋

から 」光 」

燃える車・・


【149】


    tiri・・ちり・・
   りり・・riri・・ 
さ・・さ・・・sawa・・

    「いい音色だ」
  音楽室から瑞々しい感性を
垣間見せる、

――いまさら
・・・だよ・・なあ・・
   ・・・だよ

それはどんな風に君の所へ来た?
  ――ことさら永遠のように僕は繰返した
         ・・・近づけば 崩れると知りながら・・・

「ああ・・」
  もう一度恐れずに心の眼を開こう
       通い合う道は花ふぶきのように

色が変わる


【150】



静かな場所で 沈黙と 祈り
the winter years
a cruelly bitter winter


祈り
祈り
しずかな

祈り

――あなたの疼きがしろい貝のように思える
名前もない命が語らずに
見えるものによって忘れられてゆく

  ・・・この気持ちは 川霧のようにもやいで
  ・・・水草のように しろい花を咲かせ


【151】


dark eyes

筋肉が虹彩を外側に引っ張る時の、反射的な瞳孔の拡張
      どうして――
          どうして瞳は――
強い光なの
  じっと見つめると委縮する、吸い込まれる、
印象的なほど、
  じっと見つめると委縮する、吸い込まれる、
印象的なほど、
sparkling eyes

夕暮れ
お願いだよ、僕の頑なで依怙地な心を助けて
言えないんだ、「好き」っていう、たった一言・・
  この気持ちが、ずっと続くって――
  続けたいから、いまのこの恥ずかしさ、

消して
(全部、消去して)
君が好き、君が好き、君が好き
どうかお願い 笑わないで


【152】


杳かなる海のあなたを眺め、嫋々たる鬱せきこころの歌を眺めれば
わが陋しき旅情に、哀音を、魂に搖るゝ漂浪ひびとのわれは
沼の睡蓮、逝く日ぞと思ふ――寂けくあらね、しづけくあらね、、――
(その、)かみの粧へる女は、ふか緑の島かげを見ゆ。離れ小島の、
月影は、檳榔樹の葉を漁火の見え見ゆる渚に放つた
ビラヴィド・ワイフに歌ふ風。天使の翼の韻はあるか
黒き眸の女に搖籃の歌を聽け、かそけき清泉の湧く星座には竪琴の調べあるかも

  × × ×

暗い晩で風が吹いてゐました。青葉は燃えるやうに光つてゐました。
薄青い色をした蛙は、呆んやりした眼をきよとんとしてゐました。
硝子戸を丁寧に閉めて雨の中へ出て行きました。
いつか雨が降り出してゐて、湿つた世界に霧のやうな水しぶきがしてゐました。
びいどろがハーモニカのやうに見えました。

  × × ×

あなたに拒絶されたとき、二枚写真を焼いてもらいました。
それで毎日夜になると私の部屋に悪魔が忍び込んで意地悪言うのです。
口内ではじけるイクラのような口笛で少し頭がグラグラしました。
お通夜のように淋しい晩に書く手紙は電報のように短くて、
モールス信号のようにひそやかなのです。

(海の底にもガラスのようなまっさおい光りが透けて、
水泡がぷつぷつと舞いあがっています。)

  × × ×

落ちた花びらがユラユラ漂う水面、夜空に輝く星になった。


【153】


言葉は羽根のはえた
心のやうなもの
真っ赤にのぼせあがつている蒸気
鳥が翼をもがれる
、すべてのひとが幸福をもとめてゐる瞬間のすがたわれは吐息す
、嗟嘆す
かの時 匂ふては蒸されたる毒素
果敢ない肉に包まれ ほどけたる心の花

 (裂いてい る )

   裂いている(も、)ひとつの花の咲き

 銀河のやうな青い光芒が、遠くの方で交叉される時、
 天使と悪魔。前者は翼、後者は鉤爪とくろいつばさ。

 (裂いてい る )

   裂いている(も、)ひとつの夢の終わり


     ――我まゝな子供の横顏を見て・・


【154】


いいえ、また近いうちに来てね。いいえ、その必要はありません。
いいえ、あなたは間違っている。いいえ、今すぐに行く必要はありません。
いいえ、でもテニスはやりますよ。いいえ、それはあなたのおごりです。
いいえ、とんでもない。いいえ、わたしはそんなことを言ってない。
いいえ、残念ですが違います。「いいえ」、と彼はぶっきらぼうに答える。
いいえ、けっこうです。おなかが一杯ですから。いいえ、おごりです。
いいえ、明日ピアノをひくつもりですか? いいえ、君の時計は正確ですか?
いいえ、わたしは時計を持っていません。いいえ、あなたの体内にあるはずです。
いいえ、砂糖は結構です。いいえ、珈琲中毒はいけません。
いいえ、二十世紀の香りの救世主。いいえ、救世主はあなたを束縛しないはずです。
「いいえ、」と言ってみたが特に返事が見つからない。いいえ、そうなのです。
いいえ、おもちゃにだって鍵が必要です。いいえ、鍵はあなたの眼の中にある。
いいえ、鍵穴がないのに滑稽です。いいえ、鍵穴は人と人とのつながりの中にある。
いいえ、葉巻はいかが? いいえ、いつもはジーンズをはいている。
いいえ、あなたはスーツが好きなはずよ。いいえ、目を閉じてはいけない。
いいえ、夜更かしはいけない。いいえ、問題はいつ始めるかだ。
いいえ、電源がはいっていません。いいえ、クリックするだけです。
「いいえ、」が何か言いづらくなっている。いいえ、銀のように鮮やかなヴェール。
いいえ、いつも迷子になる。いいえ、男たちがいつも忙しくて本当によかった。
「いいえ、」を言わなくなったらどうなるだろう。いいえ、が「はい、」になるだけです。


【155】


さわがしいわたしのこころの眞中に深い闇のなかで味わう冬の蠅がいる

何をなすべきかとたづねたところで

誰の眼からも隠れてしまった陽はあたたかに地を照らしている

自分を救ってくれるような、残り火もまた、

おまえがわたしを裏切って消えた

時にうつろな淋しい気持ちになれば

やさしい微風が死の床ではたとなびくのを知る

あなたは何処から来たのだろう、そして何処へ帰るのだろう

そのまなざしと何処かで会った覚えがある

何処かで会った覚えがある 思い 透けた いま海からあがったような、鹽っぽさ

ふかく溺れて何かに潜んでいる かなしみ も 透けた

眼に見えず、ただもの憂げにとまれ、君

世の中で一ばん皮肉なもののように


【156】


明るい人は 映画館が 好き/切符を 買えるから 好き/何処でも 好きなところに 座って良


から 好き/僕は せんさく好きより 議論好きな人が 好き/暗くなった 街を歩くのが 好き


ビールを 飲みながら 歩くのが 好き/公園のベンチに すわって 夜空を眺めてるのが 好き



【157】


あどけない 君の笑顔
その時 ぼくは 19

やさしさ
いとおしさ

―はじめて恋をする
誰も眼に入らない
宇宙


【158】


街が沈む
が沈む
心が沈む
が沈む


沈むがことが
わかっている
船では
進めない

http://www.werofl.com/


【159】


NUDE
as of a photograph


・unposed photographs
・Let's get our photograph taken.

I love this picture.
I love this picture. I love this picture.

a beautiful flower

He's eighty.
He's fifty.
He's one.


【160】


ー雲ね
ー雲よね
ー雲すぎるかな
ー雲、・・雲
ー雲は天才
ー雲に虫がわく

http://www.dumpr.net/museumr.php


【161】


号外
謎の黒煙が東京上空を覆う

あなたの街に
泣声を
「かもめ新聞 100円から」

文:ぴえーる・ど・はと
写:ひろやす・どっと・はくしゃく

一行広告¥5兆円からうけたまわっております。


 東京に煙があがったのは、午前1時を回ってからだ。
わたしは大阪人なのでとりたてて関係ないのだが、
東京市民はみな怯えていた。理由は特にわからな
かった。(引きこもり系の著者に、そこまで期待する
のは無理というものだ。大体三文記事なので、そこ
らへんはアバウトだ。)わからないのだからしょうが
ない。しょうがないので、エロビデオを見ていた。
 東京にUFOが着陸した。火星人とよく似たフォル
ムだ。一体それがわたしとどのような関係があるの
だ。しかしお金欲しさに記事を書け、という。厭だ、
と大真面目に答えた。しかし、嘘でもいいから書け、
というのでお金欲しさに書いてる。嘘も嘘だけど、
何も知らないのに書いてる詩人は世界中で一人だけ
だろう。お金ちゃんと振り込んで下さいね。

うわあー、うわおおお、
その時、奴等の触手が
すごかった。

 それにしても他人事ながら、こんなものにお金を払
う人ってよっぽど暇人なんだろうな。ムーの読みすぎか
な・それともSK新聞なんて読んでる口なのかな。禅し
たり、ヨガしてるのかな。・・まあ、どうでもいいけど。

くわあああああ、
こけこけこー、
くろいやつがさけんだ。


【162 Elevator music】


瞳で なければ
・・・なんだ というのだ

廃墟で なければ
・・・化石 というのか

神は 歌わない わたし達の 瞳のそこでは
神は 歌わない わたし達の 瞳のそこでは

言葉 にならない 器 には
記憶 にならない 器 がある


【163】


mmm未来 m、、、、未来
、、、未来、、、、mmm未来的
シンドローム、、、、シンドローム

シンドローム mmmmmmmmmmmm]m,m
m.m.m.m.m.m.m.m.m....m..mm.,m.m
m...m.m.m..m..m......mmmm,..m..m..m.mm
m.............mmm..mmmmmmmmm.m.mmmm
mmmmmmmmmmmm..m.m.m.m.
,m.,.,.,..,..].,..,mmmm,,.m,m,m,
,.,.,mmmmmmmmmmmmmmm

m、、mm末期、、mm、、末期
m、m、m、マック、、、マッキ...

神は、    
神の名、、  
紙は、    
紙の名、、

「髪は、    
髪の名、、、」


【164】


ただいま、いつもより
多く回っております!!

・・・ここには空が
ないのに、室内なのに
風が・・風、か

槌のイメージの中に“土”がある
はたきのイメージの中に“風”がある

「商品」はイメージだけど
「イメージ」は商品を売れない


【165】


She seated herself on the bench
本当に君かい?


うまく話せないまま、時が過ぎて
僕は道化師になった。

瞳の底には、悲しみだけがある。
笑えそうな、未来って言葉が澱になる。
・・・放電する若さ
若さ、というのは、
素晴らしい過ち――

都市ビルが麒麟のように見え、
いつからか、
首が折れるようなことばかり

新聞が政治家をコマーシャルしている
コマーシャルは、
・・・都市の人びとのうちには
咲かないだろう

・・・咲かない花を
僕はピエロと言った

ピエロ、深海魚が夜あらわれる
サーカスをするために

ピエロ、冬の山が夜あらわれる
ピカソするように

さようなら目のない影
美しいぼくらの街

それは、この場所にある

――「本当に君かい?」


【166】



ポップ!カラフル!サバイバル!
自らが思い描く 一瞬一瞬に 一瞬一瞬に 一瞬一瞬に

容姿端麗な色遣い
ハイセンスなガールズ
どこか儚く
クールな雰囲気

DARKBLUE
レースペーパー
水溜まりにうつった都会の模様

不 思 議 な 雰 囲 気
 独 特 の 個 性


【167】


イメージが潰れてしまうほど
海草になっていった

海草は揺らいで、揺らいで、
揺らいで、揺らいで、

ぼく、赤ん坊の手を折る感じで溶けた
ぼく、生卵を握ってしまう夜に埋もれた

何色も何色も塗り重ねていって
ぼくはもう、見えなくて
あとには奇妙に混淆された色だけが残っている


【168】


雪と桜と枯れる草の色
――愛されるのです

そして
――愛されるのです

あの景色
――愛されるのです


【169】


幸せにしたい人がいます
優しく声をかけて
笑顔で接したいと思える人がいます

marude yume
yume no you ni

心からの祝福を
悲しみがあなたの世界を覆う前に
いま ぼくができる ことは 何?

sabisikatta yoru wo
koete sou kitto koete

空を見ながら 
想っていたのです
空を見ながら 愛のわざを 
感じていたのです
まるで 傷つくことを知らない
小さな 小さな 子供の手のように

matigaeta kimi no
namae wo sagasiteita

悲しみが少なくなるような
まるくて やわらかい 空に
ぼくの声 にじむほどに


【170 多彩】


水が退き
中庭は底なしの泥土となる
傷付いている あの場所まで
ふたりは泳ぎきれるだろうか
塀の上の暗がりに裸が見える
ブラウスの奥でたるんだ口元のように見える

 ○ 〇 〇

自然もとまどふ 屈託のなさで
七月の暑さは尿のにほひかと思ふ・・

 〇 〇 〇

月は冷たく小気味のいい音をひびかせながら
草、葉、水、ころおぎ、鈴虫をよく暖めておいた

 〇 ○ 〇

二本の手がもしそれに触れていなければ
ああそれに触れていたならば・・

苺の入っていた籠は目覚めよ! 
黒いゴムの塊ーふたつの未熟な魂
ーああ太陽に背を向ける犬たち・・・!


【171 hieroglyph】


 細い幹や、葉は、オルゴオルだ/水面で溺れ
ている蛾のように/本当に聞きとりにくい不協
和音がきこえる/原稿用紙のマスの中にも、こ
うした陰がある。/文字は絵文字がそのルーツ
としてあり、よく   よく考えると、干し草
のにおいでもし   てきそうな具合である/
フクロウの人形の   ような眼。/スカンク
の臭気。/われわ   れがオルゴオル、いわ
ばスタンダード     と思っているものは
、いつも焚きつ     けられようとし、も
っと乾かそうとし/     それはabcであら
わされる程度のもの    なんだろうか。/
ある創造性が常に自発的  な要素に支えら
れていることをわたしは知  っている。/知
っていることを知っている。/ 考えることを
知っている。/たとえば雀が  田圃にはいる
ことを悪戯だと見なす者はい ない。/あそこ
は彼らの餌場なのだ。/細い 幹や、葉は、
彼らにとって“腐った丸   太”といえるも
のであり、いかなる外  敵からも身を守るす
べなのである。/オ  ルゴオルだ。つがいに
なるために/ま   た明日も日の出とともに
おしゃ    べりをするために。


【172】


――むちゃくちゃ勇壮な戦士たちよ、星となれ――
棚の平和は俺達が守る
――あのお、敵混ざってるんですけど。
――細かいことは気にするな!
――はあ(と、ぼくは肯いた。)
――それで、ガード代として・・
――金とるんすか!金とるんですか!
――きみ! 金とは失礼なことを言う。
    気持ちだ!


【173】


戦争は記念碑を童謡のように変えてしまう力のことだ
受難は兵士の胸に早鐘を打たせ、
旗の色は海底からの混声合唱のようにとにかく、
また何となく、シンボリックな意味合いとして国だの、民だののために、
現在的な状況を理解している。
その頃、女房が乳繰り合っていたら、彼は死線へもっと赴きたくなる。
両親が病院から、おまえ五体満足で帰ってきてくれ、という手紙を書いたら、
スチーム装置みたいに煙草をふかすだろう。
しかし圧力計の針のような彼は舳先のうえで波を切り突き進んでいる。
政治家は、つまりボスは、「闘え!」と言っている。
うらやましいほどの都会の中心にいて、田舎出身の髭を生やした、
もうすでに、動物のように臭いまくる男の名など知らない。
彼らの中には、政治の駒という意識もあれば、防衛のため、
状況的なもののため――という、航海の姿を知っている者もいる。
もちろん、その中には、女房や子供がいる者もいる。
もちろん、その中には、戦闘機に乗りたかったから、ポスターを見て感動したとか、
映画のドンパチの主役たちに魅せられた結果、という者もいる。
もしかしたらその中には俳句の心得がある者もいるかも知れない。
だが、戦場では名詞はない、ただ、無数の動詞と接続詞があるだけだ。
擬音は純粋に心を乱すだろう。もちろん、だからといって、誰ひとりとして、
その音が嫌いというわけではないかも知れない。
毛深いネオンデルタール人のように、直感と無意識を使って、
なんとなく世界的な状況を理解しているかもしれないからだ。
また酒を飲まないわけではない、カクテルはないかも知れないが・・
/パンだって食べないわけではない、種類は少ないかも知れないが・・
/都会より田舎がいい、という現代的な嗜好をもってすれば、これだって、
立派な生活ではないか・・
/それにいちいち湿った落ち葉する人がいるなら、戦場を理解していない、
ということだろう。僕等もまた、いつ死ぬとも限らない。
イカロスだって蝋に耐熱スプレーとでもいう発明があれば落ちなかった。
最低もっと先へ!先へと進んでいただろう。
とにかく自分たちは可哀想なんだと憐れんでいる者は、あるいは、
男性の権利のように、うやうやしく熱心に、自慢話しがちの者はこれから、
刑務所にでも送り込むといいだろう。
これからは女性だって戦場に参加するようになるかも知れない。
そして僕等は神話の中の男性支配者と同じように、女性支配者がいたことに、
気付いている。
屈みこんでいる者にとっては、性差別であり、ある縄文時代的な妄想、
男性が狩りをし、女性が木の実や貝を、というそれのことだ。
ああ、戦争はしつこくてひんやりとしている。
窓を開けっぱなした光景のように、
ただぼんやりと時間だけが入ってゆく。
そしてそれは僕の生活の眼球ー虹彩というものを弓なりにしならせる。
そうだ、うすのろの神経の者たちが、キューピッドのように愛を強要する。
つくられた幻想で共同墓地を映し出す。
戦争をシミュレーション・ゲームと勘違いしている者でなければ、
かくべつその映像を映画に求めていないことがわかるだろう。
次第に根源的に、神秘的になって、戦場をさまよっている兵士たちよ、
それもまたある一つの段階にすぎず、いわば工場で働いている者のように、
ただ少し危険かそうではないか、あるいは死ぬ確率が多いか少ないかなのだ。
人間は所詮あるイメージを縫い合わせているにすぎず、
そのイメージの、意識のとどかない、壁の向こう側へとある瞬間、
前のめりになることがあったら、君は気づくだろう。
君は勇者ではない、また、可哀想でもない。ただ、君は立ってる、
これから人を殺すかも知れない。君は、銃を握ってる。ナイフかも知れない。
あるいは、格闘術で味方敵という概念のフィールドで、
無秩序なRPGをしているかも知れない
それでも君は一個の血の通った人間であり、ロボットではないので、
欲望に負けたり、打ち克ったりすることを繰り返しながら、そこで成長したり、
堕落したりするのだろう。ああ!無名の兵士よ、僕に銃を向けてくれ、
すごくこわいだろう、・・助けてくれと懇願するかも知れない。そうだ、
プロレスラーやボクサーに、僕は勝てない!ピストルや戦車に、勝てない!
――けれど、僕は君に勝つ・・勝ちたいと思う・・・
この世界の平和といえるものが君らによって乱されると思いたくないから、
力が血腥いものだと信じたくはないから、
――僕は君に勝つ、空の広がりのイメージの中で、君の良心に呼びかけることで、
武力行使以外の平和的解決策を模索する。たとえそれが叶わなくて、むざむざ、
殺されるとしても、・・僕は君に負けたりしなかったと誰もが証言するだろう。
世界は傷つけるものの前で、傷つけることに恐れている。
傷付くことなしに誰もが守ることのできない、と霊の声たちは、
守れない、守れるものか!・・と、いまだに、僕たちひとりひとりを試している。
――僕は勝ちたい!愛の力を信じたい・・君が許されることを信じたい・・・
どんなに甘っちょろくてもよかった!
それでも、世界が少しの間だけ、静止する、時に傷つけた者は懺悔する、
時に苦悩した者は慙愧の涙をこぼす、僕の愛の詩の前で――


【174】


ニャーニャー
ゴロゴロ
スッ込んでおいで 寛一


【175 黄色う】


 鉛筆の先端に・・・
 おしつけられているような、
 そんな尖った天気だった。
 人は皆、
 そのせいか、
 乞食の黒い掌のように思えた。
 ペンは力だ、
 と言った人は誰だったんだろう。
 わからないな、
 現実には鉛筆の需要量は減り、
 いまはシャープペンシルの方が多い。
 じゃあ、と僕は思った。
 じゃあ、いま、
 この鉛筆を握っている者は誰なんだ?
 ワープロ・パソコンの普及・・・
 鉛筆を両方削ってしまった僕も。
 ちびた鉛筆に補助軸を使っていた僕も。
 バトルえんぴつなるものに
 耽っていた時の僕も。
 合格鉛筆に
 一喜一憂していた神頼みの僕も。
 いま握っている者と同じなのか。
 徳川家康や伊達政宗の鉛筆・・・
 そうして、僕は見た。
 ぺろりと鉛筆の先端を、
 舐める商人の顔を・・。


【176 ナイフ】


闇。知らないのだ。背の高い少年、ひびわれた混凝土で、
魚の口元に突き刺さった釣り針のように曲がることを。
闇よ、足下には疲れた身体だ。だがゆるやかな零には何
の意味もない。信号が無人でありふれた孤独の赤黄青と
していようが、街燈が点いたり消えたりしていようが疑
いのない眼はガソリンのように匂う黒い悪魔


【177】


時計です Aさんは言った
しゃもじです Bさんは言った
夢の中に出てくる Cさんは言った
夢の中に出てくる Dさんは続いた
夢の中に・・ Eさんは胃が痛くなった
夢の―― Fさんは殴られた


【178 謎の台詞】


いよいよ驚いたでしょう。
御覧なさい。
私は十年前では・・・。


【179 白髪のダダ】


らiい!と!
凸凹のある
齟齬が運搬する
アナーキーコスモス
のいのち
アナーキーエコノミー
のトンネル


【180 犬催す、それだけの詩】


じつはおしこ
したいのだよね
したいのだなあ
どういみてい
あいまいもこ
もとめて、
ああどうするのだわし


【181】


トーチカトーチカトーチカ
ぽぽぽ
トチカトチカトチカトチカ
ぽぽ・ひゆううう・ザッ
歩 いているJは美しい
口笛吹くJ、ミュケナイ人の頃の
荷車の音を考える。ヌートカの薔薇
にテントウ虫がとまるように考えるJ。
Jという文字には、
ステッキや傘の意味がある。
歩 いて緑色のイグアナの顔になるJ。
どくとくの幻想に最高傑作が死んでゆく
芸術とはとJ
珈琲のむブラジリアンと刹那的
それでもJ!
君はやしの実のようなシゲキを
振りまいて
いい蛍のように
ガラス管を逆流してくる血管がいい


【182】


あっぱれ松




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