652175 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

ひろやすさん詩文控3

【183 red spider lily】


 きっとまた心配をかけるね、またすぐにお話の中で、揺らいで、濃い霧の中へと僕の詩は消えて
しまう。いつも、そのままにしておきたいんだ。眠って、眠りのなかにまでぼくの悲しみが浸蝕し
て、永遠の悲しみにはまだ遠いのに、耳を傾けている。その悲しみが僕のCITYを黒く塗りつぶ
していく。振り向けば・・

 ねぇ話し声がはっきり聞こえてくるだろうね、生命の波打ち際のように、想いは結晶しては飛沫
いて牡蠣のように醜くなる。包み隠さず、心のなかにある、言葉を語りたいね。でも知っているか
い、君を探すためにまわりにある音すべてが、消えていくって。たとえば・・キスをして抱きしめて
いる時、まるでスナップ写真のようになって忍び寄る陽光が僕を硬直させている。 

 た とえば・・・君の寝顔を見ていて、街の人の心が音楽のように、口元からこもれた。それがヴァイ
オリンで、その音が、あたたかい月の色に染まったオレンジの糸を想起させる。毒々しくぎらつく、
目障りなあの色じゃない。でも月の光を愛撫すると、ぼくらの身体はうまれた頃にまで戻って白くな
る。それだから赤く熟れてゆくために僕は君の髪を撫でる・・

 た とえば・・・凍てつく空気の中で、蛹のように眠っている君は、そこに黒い糸があることを知らな
い。それが死の汚れだと、愛のかなしみだと知らない。生き生きと昂奮してまた眼がさめて、ぼくら
の糸ははかない憐れな口づけに終始する。僕は夜、つめたい炎のように熱さを感じだすのを待って、

 ・・耳障りな愛の台詞を涙のように流したいと思っている。光をよけるように、こだまがよく響くぼ
くらの影はほとんど冷たくなっていて、それでも胸が強く締めつけられている。た とえば・・君がい
なくなることを想像して夜この気持ちはますます同じ弱みをもった君の肉体のように想われ、この世
の中を生きていくのが嫌になるのも他の男に渡すのも嫌な気持ちで、やっぱり惹かれて、このまま俯
いてるよ。やがて息を呑む、数秒、数分・・きみが目をあける、この部屋にいない僕の記憶に別れを告
げるように霊的な朝の訪れを待って、き みが何か優しい嘘をつくのを待っている。遠く離れても変
わらない、嘘だ、解きほぐされない、だからありふれた、確かな君の愛を美しいと言う――


【184】


あさがおには
目覚まし時計の
インクが
死んでいる


【185】


アイルランドの民謡を思い出す。
「はなびら・・浮ついた気持ち・・寒いでしょう?」

  スペイン語みたいなランプの光
  これまでずっと小鳥のような仮面をつけていた僕に、
   ――若い娘は、壊疽に触れている――

  闇の中で八月の午さがりの歯科医院のソファーで、
  ディズニー映画と文体の不合理性について
  ぼんやりと考えていたことを思い出す。
  あの頃もやっぱり髪が長くて、色んな人に、変な風に見られた。

   発育不全のギンガム地みたいなちゃらついた男が
    ・・・ほら星が見える、と言う。
    全部見えて、ほらきっと、色んなものが透けていく。

     永遠に、手に入らない自分自身というものに、
     ふいに・・近づいたような気がする。春の泥がイメージの中にあって、
     僕はひじょうに悲しい血の板で。板はそのまま桜のにおいがして。
      ――若い娘は、にやにやといやらしい笑いを浮かべる――

     誰も愛せるような気がしなくて、来る年も、来る年も、
     僕は尻や胸のことを考えながら、女って嫌だ、と思い続けていた。
      ・・・こんな空の方が、ずっと彼女だ。

       人生の中で、本当に一つだけ、信じたいことがある。
       それは黒いドレスに僕という手袋がそっと置かれていることじゃない。
        ――彼女が冷たい女であること―― 
        僕は人間だから、泣きたい。泣きたいかわりに、あくびをする。


【186】


  僕の可愛いルピナスが夜空と縫い合わされて混乱している
  無秩序な森の枝のように垂れる、そして最後は前のめりになって、
  単純で何の変哲もない格好で無意識の沈黙を破る“吐く息”

  ――flutter like a butterfly

 僕は両腕を
 拡げて、最愛の恋人にそうする

    ように、求める声をあげる・・

  ・・・水に映った、あの影が見えるかい?

  水はできうる限りやさしく、掻き混ぜるんだよ、針の先が心臓にあるみたいに
  空間がある、脚本のように完成しきれない絶望が夜を涙に変える。
  でも輝く、このクリスタルの世界に僕の最初の一頁をあげる・・

    ――無意味なレンズや、スポットライトを見ていたら、
    あなたが僕に“あげる”って言われたいことに気付いた。
    ぼくは叫んだ。「あげる・・!」

      ・・・見て 小鳥の鉤爪のようなものが 
      あなたの心の深いところまで降りる。

    見えたでしょう、あなたには・・

  ・・・目を細める、脱いだ服はかわいい彼や彼女にあげる

   ピンボールゲームをしているよりも、君は小川が好きだ。
   そして心にそっとある、小さな町の、小川が好きだ。
   ルピナスは、その都度、魔法の杖のように君の記憶の中を花粉だらけにする。

     ――「世界が美しいということ以外は、すべて・・」

    ・・そんな風に、僕は水滴になり、
    そっと静かに大気中に撒布される。
    
      見て 死ぬよりほかにトライアングルを鳴らす方法がある

        ――感じて トランペットが鳴る

        心の海にはてしなく落ちてゆく、
        説明できないぼくの感情の性質
        ・・・あたらしい世紀はもうそこまでやって来ていた


【187】


血は争えないものだ。お前のおふくろさんもお前と同じ
難産だったっテね、下の児を連れて病院の施療病室にいる。
俺ア厭だよ、と古い頭の叔父さんが言う。
どっかから貰い水したようなバケツ、
――腹をかっさばくなんざ男気は武士と同じく我が手でやるべし。
わたしはたまにこのゴマ頭の男に、医療の進歩とか、
本に書かれた武士の時代の医学の現実とかを語りたくなる。
・・・いったいこの時代錯誤な人の脳内で繰り広げられるNHKの電波は、
受信料を払っているのだろうか、もしもし?
さまざまな人がさまざまな話題をする、時に語り合う彼らの中に、
ひとりでも宗教や新聞の勧誘を撃退する方法さながら、
胎教によいというだけで、ビジネス化してしまうことを悪と見なす者は
いないのか? わたしは説明できない、 鼠か猫ならばともかく、
善悪の意識そのものの虚妄であることの証明は煩悶と、
深い祈りが家の垣根のように壊れている。わたしは、産休をとり、
育児休暇をとらねばならず、それに対する保証はあっても、
現実的にそれに対する何らかの同僚各位への冷たい眼、うしろめたい眼は、
いかんともしがたい。口が悪ければ、さっさと仕事を辞めろよ!だ・・
また子供を産み終われば、保育園か幼稚園が来るまでは、
ビジネス街の託児所を至急見つけなくてはいけない。
でなければ、両親に甘えるしかない。
そんな風に、わたしは妊娠という事実を文書化し、適切に、
説明することなしに、おめでとうと言った人々を憎みそうになる。
たえず、大地の形状が免れ得ない亀裂をうんでいる。
そして、たえずこの大地は折にも心に感じた疑問を過剰の意識にうつし出す、
わたし達は崖崩れが起きたぐらいでがたがたぬかすけれど、
この地下ではそれ以上のことが常に起こっている。これは外部と内部の違いで、
マイナスの力は、全体の方針の健全さの中に、
個人の一般的な常識の範囲内、新しいものの質の探求や
新しさの発生の根源を埋没させ、さらにマイナスなものの見方によって
消されてしまうことは多い、そう思うの。・・彼はよくわからない、
よっぽど妻の神経がわからない、
どうしてそんなことを病室で言わねばならぬのか、また、
育児休暇したいのは僕もそうじゃないか、でも僕の会社はまだ男性の、
育児休暇を認めてくれない。知ってるじゃないか。知ってるわ。・・
でも車の行列はいつか終わる、わたしは競争化社会の一人だわ、
もちろんヨガや禅に興味があるわけでも、
スローフードに興味があるわけでもありませんの。
――犬が尾を踏まれて噛み付く時のような調子である。
といって、アイロニカルなことを言いたいわけじゃない、
ただ、わたしまだ二十六だわ、
本当にわからないのよ、あなたはわたしのことをわからないと言う。
そうだと思う、わたしが女であなたが男だからじゃない、
わたしとあなたが違う人間であるというのに、まだ夫婦であるというのに、
それでもわからない、わかろうとしない、といって、
やっぱりわからなくてもわかろうという姿勢をしていればそれでよい、
我慢すればいいんだ、我慢しているというあなたの気持ちが悲しい。
・・・彼なりに二つの点が交差するところ、意見が折り合う平行線を探したが、
首を振って、それでも幸運なことなんだ、と言った。
知ってるわ。そう、知ってるだろう。
でも世の中には子供が産めない人もいるし、運悪く子供が産まれない夫婦もいる。
結婚できない人もいる。一人っ子政策をしている国なんかもある。
――謎ときゲームのようにいい気になって、
構成の複雑さを主要な条件としながらも、
なんとかアーチェリーのように真っ直ぐな矢を飛ばそうとした。
Simple is the best――会話はすべて、小道を、野原をよぎって歩みつつ、
陽炎の息を吐いた。人類はたえず生と死の中で、新たな生と死のケースについて、
考え続けている。それもまたそれぞれが、全知全能の者に見破られ、
木っ葉みじんにやられて、さまざまな都市の、さまざまな町の、
さまざまな人のある現実的視野によって覆い隠された。
子安貝に似たクレヴァス状の開口。それは出っ張った魚のえらのように、
内部は広くじつに深く、しかし世界にとっての視聴は、
影を多く含む亀裂にすぎない。
そしてカーテンが蜘蛛の巣のように揺れ、その時どうしてか、
自分たちがある断片を語り続けているような説明できない違和感に襲われた。
風がみんな一語ずつ切れ切れに持っていってしまう、
十字架の上に死んだ受難者でさえ、こんな時は、おお神よ!と嘆いたかも知れない。
・・・その中腹にくっきりと黒く、一本の肋骨のようなものが見えるだろう。
それは古代の木なのだが、わたし達はそれをフェニックスの尾と呼ぶ。
わたし達は絶えず記憶を認識し再構成し続け、絶えず死へと向かい、
絶えずその軌道修正をする。でなければ、まるで、
わたし達はその古代の木へと向かって縄梯子をおろす。
・・・降りるより外に、方法は無かった。
どんな世界の悲しみがそこにあるのか、そこに奇跡はあるのか、
地獄があるのか、人は知らねばならなかった。
はっきりと眼に残っているのは妻が出産し、家へ帰宅する時・・まるで、
何事もなかったように微笑んでいる妻の顔を見た時、
一体あの妻は誰だったのだろうと思う。
あの女はこれから何時間に及んで世間話をするのだろう?


【188】


満員電車のつり皮にすがっていると、地上のよそ者になったような気がする、
時刻を進める、時刻を戻す――時刻表。
※印刷が可能なPDF形式でご覧いただけます。
路線図や運賃、乗車券、定期券、お店、施設といった駅の情報
・・・押され突かれ、もまれ、踏まれ、一体自分たちは誰だ、
前に見たときより、幾分か自分の少年時代に抱いた師走が、
よみがえる。好きだ、最後に陽がさした瞬間から膨れ上がった
闇の孕み腹。多産系。そして一体何だ、夕暮れのうつろな風、
雨粒が。顔色の悪い彼らの目鼻の形状配置を狂わせる、
それで動きが鈍くなり、巨大でぼんやりとした海光のキラメキを放って、
益々無数の火花を放って分裂する、魚、鳥、
その上をかすめて時々何かしら小さな羽虫が銀色の光を放って、
流星のように飛んで行く。I got on the train.
そうだ、彼も乗っていた。何時間もの世間話や音楽のあとで、
おまえたちは赤くなっていて、表情が前に見た時より馬鹿らしく、
見えている。蜂を忘れ、その蜜を盗む者もいる。濁ったこの世に相等しい、
太陽は黒い。蛍光灯の通路は黴くさい。踏切で飛び出してくる、
人の意識の川は、溺れてもけして溢れなかった。I got on the train.
耳かきですくうような、ちっぽけな出来事でも、
難解なものの見方をせざるをえない絵でも、音楽でも、詩でも、
電車の中と同じ! とても混んでいれば、我々はだれ一人として座れない。
無事に残っているかも知れないものは、電車にはほとんど乗客がいないというだけ、
かつては席を見つけるのが簡単だった。夜我々はネコの眼になったものだ、
ロンドンの警察はいつも電車や地下鉄の爆弾を探し出すのに躍起となっている。
そうだ、どの電車も満員で、持ち物を手から放しても落ちない。
電車の中でチューインガムをかむなんてレディーにふさわしくない。
きまぐれに行ったり来たりする、思考。I got on the train.
まったく、男か女か、わからないような感じで、今日はだみ声、
すばらしい鴉声を運んでいる。そしてレディーどころかジェントルマンは、
おフランス料理のあとに吉野家に入る。げすな食欲、ぶりぶりの排泄欲、
ありえない種類の天使を装う動物的本能の命令。イエッサーの合図で、
家にはカレー。みんなそうである。ダジャレを言いたいげすになりたい、
そんな暗い記憶の劇場で、展開する思考。I got on the train.
今日運んでいるものは何だろう、眠る前の静けさの中で、
スカートは膨らんだりすぼんだりを繰り返し、帽子は突風によって、
目の上高くに飛ばされる。その時、蜥蜴は尻っ尾を切る。
I got on the train.I got on the train.
問答した。入るか出るか自分次第だ。煙も早くなる、光りかがやく、
この問答を彼は捲っていく――I got on the train.


【189 どうなつとまつたくかんけいないはなしをかきつづけあながあいちまつたことをしったはなし】


あらマー  フラフープできそうとんがり達
(ジョークをシリアスに考えてるだけかも知れないけど)
でもうらやましいことに こいつにはくさい足がない
ガムテープがゴキブリホイホイであるかどうかはともかくとして
だけど19世紀中頃あたりからあったとか言うじゃないか
何があったの?
(アナウンサーが喋ってる・・「テレビニュースです」)
そんで今日はいい日だから核実験できる、と塚元寛一が、
元気!元気!元気!
・・・・オオゥイー・・・オーイ・・・・
boyf riendたちは近頃占星術にのめりこみ
girl friendたちは「何言ってんだー」って元気
stand up!卓上電気アップ(haaaaaa)
1つ 早速だが 学生の冬休み
2つ ポンプのモーター音を想像してる
3つ 濁音符
ガムで、あるいはガムのようなものでカバーする、
詰める、固定する
(あなたは時折どうしようもない嘘をつく)
4つ どういうリメンバーと茶化す件について
5つ パラダイムの飲酒の問題
6つ 虫は哲学者のように苦悩しているかも知れない
規制が解けきらない渋滞で
ホラホラどきなよ、とパトカーが突っ走ってゆく
詳しく言えないが、カーヴが多い道ならみんな自殺する
「だから世界は崖なんだ!」
という発見はphantomと言われるわけだけど
夜の明けない道路を横断する動的コンテンツを生成し
光ネットワークの新しい利用法
・・・何かが薄められてもお前のいるところが世界のど真ん中で、
お星様は神様の多すぎる歯のように並んで
きれいにきらきら光ってる。
(見える人だけが、信じなくちゃいけない!とか言う・・
やめときな、火の錠剤はいらねえ)
ねえあんた狙われてるよ/まさかあのストライド走法が!
・・・流星ー流れ星
NEWSは今日もスターの死の合図、足の引っ張り合い、
ゲスナシモネタ、・・パンドラの匣が開いちゃった!
つまるところ タイムラインが流れる電子文字
ロケットがあったら立ち上がれ!
(どういうイミ? -どういうリメンバー)
7つ 夜が来る、石をひっくり返せばいいのに亀をひっくり返す
8つ 壁のコルクボードに、金色の団子虫がいる。
9つ 画鋲でとまる零ー画鋲でとまるゼツロ
そして
00000000000000000000000000000000
はガビョーン
下水道には無数の鼠が流れてる
ラナヨウサ!ラナハウヨウヨサ!ラナヨウサ!
ラ音は近頃らっぱ呑みするようにら・ら・らサ
(別に電話線のようなものさ、これから宇宙にも、
人間が電話線のようなものをたくさん作るんだろうな)
そしてやっぱり郵便箱に手紙を
(不幸の手紙を)
漏れる弱々しい光の下の太陽の風景のなかに
溶け込んでる気がする、時間指定や目的地が
イキにくさに人のように溺れてる気がする


【190 アフリカン・ロック】


どうして空は青いの
アフリカだからだよ
どうしてアフリカなの
なんとなくイメージに展示されてたからだよ
どうして展示されてることに気付いたの
素敵ないい匂いを見つけたからだよ
匂いってどういう感じのものなの
ジュークボックスにバルコニー
よくわからないね
そうだねよくわからないね
でもそうだと思うわけなの
そうだね一晩中喋り続けてもそう思う
天使たちみたいに
そうだね夜の渇きみたいに
酔っ払ったピアノみたいに
そうだね鏡の中へ吹き寄せられたみたいに
ねえどうして空は青いの
どうしてだろうね
もうアフリカのイメージは消えてしまったの?
消えてはいないけど雲に覆われた感じだね
その雲はどういう種類のものなの
いまは大宇宙の混沌みたいなものかな
静かにページをめくるような?
そうだね 朝からラジオを聴けたらすてきだね
ねえいまぼく、ジム・モリソンのことを考えてる
素敵な音楽だね
でもイーグルスが好きなんだ
うんまあそういうこともあるよね
ビートルズはもっと好き
まあそういうこともあるよね
でもカーペンターズもそれぐらい好き
うん
でも夜は外国の歌を聴いて眠りたくない
そうだね日本人だもんね
でも演歌じゃないよ
さみしくなるものなあ
ところでアフリカはどうなったの
どうなったんだろう
骨になったのかな
LSDそっくりだね
ダイエットしたくなっても手を出しちゃダメだよ
大丈夫そんなこと絶対にやらない
アフリカの人でもそういうことをするのかな
するかも知れないね
ああいうのって都会のせいだと思う?
ううん元々は悪いことじゃなかったから
ロックってそういうものが必要だと思う?
わからないな
わからないけどアフリカは想像する
わからないな
わからないなしか言ってないけど・・
わからないな
どうしてわからないの?
だってアフリカとロックは違う気がするから
でも先入観だってあるかも知れないよ
まあ別に構わないんだけどね
先入観なんだ
というよりイメージなんだ
でもまだアフリカのことを考えるでしょ?
考えてる、もちろん
へんてこりんな帽子まだかぶってるの
そうだね宇宙の開闢をそう形容するのなら
蜂の巣とも言えそうだね
そうだね言えると思う
きつくて脱げない靴かも知れない
そうだね
なんだか段々おかしい展開になってきたね
だって意識の流れだからね
どうして意識は流れてるって思うんだろう
というより時計を信じてる
じゃあ時計がなかったら意識は止まるんだね?
止まらないけど・・
止まるんだね!
止まらないよ
じゃあ、あなたは物質主義者なんだ
そうだね唯物論者かも知れない
でもアフリカが好きなんだ?
ちょっと待って!好きなんて言ってない
でもアフリカの空を想像するんでしょ
するけど
じゃあ好きなんだ!
違うよ好きなのと想像することは違う
じゃあどうして考えたの
どうしてだろう
それもわからないの
そうだねわからない
わからないね
うんわからないね
アフリカン・ロックだね
いや狭い日本のブルースだね


【191】


 deep woods 紅い森・・ねえ、俺達は紅い実をうかがってる。余波の異常な花野、風が染み
るような夜の景色、なやましい秋の瞼・・そうだね、花がときめいて美しくて暗いむなしさの
慰めだとして、感傷だの郷愁だのという、しみったれの日本的感覚なら、そうだね土着的な
蟻地獄。姥捨山とか、人塚とか・・昔古戦場だった、とかね、この写真を見たら、人はそう思
う。――でも違うよ、これはオリンポスの果実をペエスト状にして、凍らせて、ある日この
無限(夢幻)の境に、この森が出来上がった、という十二音階的断言をしたい。「ゆたかに
編んだ花輪の下にやさしい目のきらめきが見えた。」というヨハン・ヴォルフガング・フォ
ン・ゲーテの、宝掘りの一節を考えてる。煙たい廊下の、さらに煙たい暖炉のようにね・・
異国の夢よ・・しとやかに(どんよりと燃え上がって、)――俺達の暗欝な森は完成する。と
ころで、時に君よ、ひからびた額に刻まれた険悪な皺に、君はうじ虫を想うかい? 陰欝な
口の辺に生々しく這う線に、蚯蚓や蛇を思ったことは? ・・・そうだね不気味な凄惨さだ。ボ
ードレール的戦慄だ。でも背徳的な悦びを味わう、残忍なあの木馬の話のようにまた時には
罪悪感という歳月の痕跡を夜中に少しずつ漏らしたアルコール中毒者の、てんてんとつづい
ている黄色い液体のように(ウサギのフン、が正解かもしれないが、)うしろぐらいものに
蓋をしてる――そうさ、切ってはいけない神木、聖域・・果して古い香木のもえる煙のよう
に、渦巻く煙、砂煙――発火する、それは!発火するだろうか、切っても切っても切れな
い、この空気のように見えるかい? そのほそい無数の眼。でも信じちゃいけないよ、信じ
るべきじゃない。いま、その煙りの眼が、俺達を観察しているセラフィム、あるいは菩薩で
もいい!・・そういう奴がいるとして、どうだい、displayの神秘。・・そうさ、お前はきっと殺
される。イカれたことをした罪さ。そうさ、そういううしろぐらさで、オリンポスの林檎の
女神を匿したのさ。「コロコロと拍子を揃えて、近づいただけで音を高くする・・警戒音、破
裂音」――神々でさえ、呪った場所がある、地獄よりも、地獄らしいところさ。この森は眼
鏡蛇みたいだ。――鴉は世紀末的花粉症(俺達を、張ってる・・見下ろしてる・・・)でも俺達、
そこで新しい魔法を見つけたんだ。・・・わかるだろ、魔法ってけして空想的なものじゃない、
あたらしいビジネスさ、ライクじゃない、ディープ・ラヴ 女神はまだ死んじゃいなかっ
た。そうさ、女神は花にならずに団子になった。[食べられたー吸収されたーこの巨大な資本
という回収率、]そして、どうなったかって? 見出した! 言葉のなかに。ヒプノーシスの
世界。チューブから絵具を出して種になるという寓意的な画家の世界で、紅い森、紅い森・・・
アストラルの花摘み、イカロス的不協和音、地軸が狂っているような不思議な感覚だ・・コレ
ア・マジョール!明滅は災いだ、・・“どうしてなの?”――どうして、が災いだ。・・・でも、
続ける、お前はきっと殺される、この話がどれくらい危険なものか全然わかってないから。
でも俺は殺されない、蛇の口腔を想わせる、ひしゃげ帽をかぶった世紀末的美女は、奇妙な
病に陥としたから。「ダーリン・・」その瞬きの間に、蝶の羽根が飛ぶ間に、一体お前何万年
を生きてきたんだろう、ありえない非金属じゃないか、存在しない病名じゃないか、でもそ
うさ、愛されてる/呪われてる/そうやって不思議な生き方を演じてる。・・・どうして俺にそれ
が出来たかって? 簡単さ、たくさんの嘘っぱちを並べた、やれ美しい、やれ可愛い、小学
生にだって言える。でも・・一番重要なことは、言葉に魔法を持っているかどうかさ――つん
と鼻をつく煙霧・・悪意に満ちているのが地上なら、この森はちょうど、渾沌に充ちていて、
俺の眼を複眼にする・・俺の心を蝿にする・・・腐敗することをちょうど、黴びているというのな
ら、無果木が黴びている。そしてそのフォルムを、俺はフレームに、そしていまフィルムに
変えてる・・蚕みたいさ、・・巨大な糸巻き――この森の奥に、女神がけして・・・奪われてはいけ
ない、何人たりとも、見せてはいけない魂がある。どんなものかって? うつくしい水晶
さ、ダイヤモンドさ。俺もたくさん美しいものを見てきたが、こんな呪詛の器に、ねじれた
月光だとか、ゴシック小説みたいな、もうなんやかんやとかの森に・・・どうしてそんな美しい
ものがあるんだ、不思議だった・・そう、だから俺は女神を口説いた。――ありったけの嘘っ
ぱちを並べてる内に、本当に恋もした、たとえそれがマッチ的刹那でも、火の萼くらいには
なる。ほおずきの味がする・・くちびる。俺は女に「それを見せろ」と言ったさ。・・「駄目で
す、それだけは、見せられない」「俺がこんなに頼んでもか?」・・「ほかのことを・・頼むの
なら」――恋は女を狂わせる、破滅させる、「そうか、じゃあ俺はこの森を出る」――「そ
うしたら、あなたを閉じ込めなくてはいけない」「そうしたいなら、してみろ!」「する
わ!」「やってみろ! 俺はお前の顔を見るたびに・・呪いの言葉を吐きまくってやる! 殺
せ!殺せ!」・・・女の胸に、鬼火がある。そしてそれはきっと、お前の不幸の証なんだ。不幸
なんだ、可哀想に。お前をうまれさせた神はずっとお前の不幸を願っていたんだ、可哀想
に・・俺の唇が欲しいんだろう、俺から優しい言葉をかけられたくてたまらないんだろう、そ
して優しく、包まれたい、癒されたい、傷付いた魂にうつくしい声で触れられたい・・そして
この写真――森は美しく燃えちまった、俺に、イエスともノーとも言えずに。紅蓮の森にオ
リンポスの女神棲む。・・・戯れと呼ぶにはあまりにも美しくて、冷え冷えとして、この一枚の
写真が、俺を狂わせてる。俺をこの人生の不幸へと導いている。・・やっぱり太宰治は屑だと
思う。


【192 宝石】


 SPARKする僕は一体どこの誰で何者を模し何事かの存在感を
発揮しながら僕は不意に竪琴の糸のように美しい音を鳴らす僕は
言葉の固い壁を感じ、無力な、喪失の都会と、有り余る僕自身へ
の不甲斐なさにあの「自然のなかに」――あの「意味のなかに」

 剃刀の刃のような金網で再生していない小枝から蝿が鳥という金鍍金、
存在は不眠の蟻。見当もつかない昼顔の死体のような鏡。(眼を閉じて)
眼瞼は完成した。――恍惚となって、駆け寄ったヒマワリが一切の嘘を暴く
ためにあるという真理はあの「自然のなかに」――あの「意味のなかに」

 くたびれた僕に機関車の煤とブルックリン橋の皮膚のヴェールを下さい。飢餓と
畏怖を所有する僕は奇妙なイントネーションでこぼれてしま 。こぼれてしま 。そ
して僕は日ごとに、こぼれてしま 。

 ビキハノ・シティのしまうまよ、こんにちは。――こぼれてしま 。インクの色も
ピカソがパジャマを着ている。輪郭や色彩に透けてゆくきみの魂――こぼれて
しま 。――死者たちの弱さの中で、永遠に弱く、こぼれてしま 。


【193 Kimi】


胸躍るようなジャズさ
迷宮のなかで真珠貝のような耳から垂れるearring
エロテイィクなemotionに煽情的な手練手管のポゥズ
君はひとりの踊り子で、ヴオォカルで、そして美女で、
舞台にいる娼婦の仮面をかぶった猫で、
酔いが回る午後十一時好、
色、的な上目遣いはアトラクティブな夜の暗、
号、文――ささやいて縫目のない肉体にマリイィの毛皮
あたたかなマリイィ、
クラクサクソンションが鳴(る、)
マリー アヴェ・
マ・リ ア・・「くるくる」
ふふ――踊っているわ、踊っ
ているのよわたしはいつでも
胸躍るようなJAZZ


【194】


                        dark eyes
        dark shadows
             妖しい蠱惑のなかに、色欲を愛撫
              するエェナメェルの空、
君は七色の弾丸、四方鏡面のプウゥル
              after dark
銀色の呼吸(に、)白薔薇のような無垢(に、)
     夜明けの光 、
          階段 、、
               ランプが揺らめいている
                君はフィエェスタア!
         夢の中の 凍土・ 公園の 鞦韆
          と 猫は 儀式的な猫なで声・・


【195】



遠い町、
遠い豊かさ、
遠い距離

Haiku is to be anima.
     kamome 


【196】


誘拐する腹部
光行差
卑屈な興奮について

Haiku is to be anima.


【197】


「題:The position gives a panoramic view.」
バケツ一杯の水、あふれ

Haiku is to be anima.


【198】


(「VIOLENCEな街並みで俺は加速する」)
Haiku is to be anima.

剃りこんでゆく日本よりも二歩


【199】


ぱちゃぱちゃ動かす軽く塗る指紋 寛一
Haiku is to be anima.


【200】


死んで埋められて牛酪製造工場クアランプール
Haiku is to be anima.

《説明》

クアラルンプールはマレー語で
「泥が合流する場所」という意味
がありあす。市中心部にある。代
表的なモスク「ジャメ・モスク」
の付近で、ゴンバック川とクラン
川が合流していることが基にな
っています。マレーシアには僕の
数少ない友達が住んでいます。


【201】


abcdefg
あいうえお
柿喰えば

Haiku is to be anima.


【202】


永遠に 
手放せないものが 
見つかつた

Haiku is to be anima.


【203】


句も雲も蜘蛛もパンダ 寛一
Haiku is to be anima


【204】


少女の祈り
洋画的訳文
Haiku is to be anima


【205】


ただ。かぼちゃ
Haiku is to be anima


【206】


胡桃もどき、栗鼠の不遇をこほらせて
Haiku is to be anima


【207】


平和、処刑さるゝが如き曇天

・・・戦争が過酷な生の条件を突きつけている、
と仮定するのなら、平和はその真逆だろうか。人
間らしく生きるということを試練と捉えるのならば、
支配階級さえも、生となろう。では死とは何だ?
死とは、われわれに何を突きつけているのか。安楽
なもの、常に囲繞している空気のようなもの、と言
えるだろうか。それでも確かなことはいくつもある。
平和とはあなたの生の条件であるということだ。あな
たが生きている限り、いかなる条件でさえも、あなた
が死という、うんざりする、絶え間ないものから、目を
そむけている、という証だ。何故なら、死は、それで
もやはり生の条件においてしか機能しないからだ。

Haiku is to be anima


【208】


哲学者の
信じる
花の名前は夕暮れ

・・・詩人は哲学者ではない。
けれど、哲学者はむしろ詩人になりたがる。
彼等のそれはポエムよりも妖精的な音楽だ。
なにしろ、言葉を数学のように信じている。
信じていない者は哲学者ではない。詩人だ。
ただどちらとも、人間生活に疎外され、
非人間化し、それゆえ自己否定を繰返す、
という意味では根源的に権力に反抗している、
と言えるのかも知れない。

Haiku is to be anima


【209 裏切り】


すべては遠いスローモーションフィルムのように
ひとつの風景の中を僕はコミュニケーションチャンネルを
動かし続けているがやはりすべては遠い
僕は遠い異国の地で階段を一歩昇っては下がって退いて
こんなにも現実感から遠のいているのだがやはりまだ遠い
僕はきっと煙草をくわえて煙を吐きだしているに違いなく
時にコーヒーを飲み
おそらく感傷に耽っているに違いないのだが
遠い遠い雲や星の遠さが僕に何か与えたわけではない
光がやって来る隕石が落ちてくる研究者たちが
実験データをそろえるように新しい発見のたびに写真が載る
でもそれは眼の中にある網のように一匹の魚をつかまえるだけだ
でも僕は一匹の魚を捕まえたくはない
むしろ一匹の魚を食べる生態系の中へ
できうるなら生命の群れの中で自由に生き続けていて欲しい
でも遠い遠い僕の生命感覚は儚いので
ただ波音に癒され、汐のにほいの向こうに
血のにおいや裏切りという感覚を思い出している


【210 日本語と闘え】


そもそもサイとイノシシがどう違うのかとか
ゾウとサイがどう違うのかとか
カバとサイがどう違うのかとか
サイがサイコロとどう違うのかとか

・・・ナンセンスだ!



ハリセンとセンスが違うのはわかるでしょ
ナンセンスとセンスが違うのはわかるでしょ
ザンスとサンスーが違うのはわかるでしょ
カンスーとパンツ―が違うのはわかるでしょ


サイはクサイだって言える」
でしょ。
ヤサイはクサだって言える」
でしょ。


【211 戦争と燐寸】


団栗に硝煙の香りがする
時々水を奔る音がする
百相にまさる藍色と銀の焔
紫陽花と瑠璃と記憶のオルガンが鳴る
しかしその牙は丸くなる
てのひらで握ればことさらに淡くなる


【212 ビルディングの掟】


ビルディングの上に掟がある
象の膚のことだ
そして屋上から見る
灰色の雲のことだ
ただ僅かな弾みで
それらの均衡が崩れ
影が窓硝子から入ると
人はそれを巨人と呼ぶ
時に巨人はわたし達を踏むので
絶望の逃走に気付かせ
人は逃げる影である
自分のさみしさに
溜息をつくことがある
そしてあなたは
座り心地の悪い椅子に座って
この世界の終わりについて
ひとしきり真面目に考える
すべてがまるで昨日と
変わってはいないというのに


【213 ゆめ】


夢を見る
よい夢を
夢は夢である
しかし夢は儚い
夢を見る人が儚い
と書くと人は言うが
儚いものは
やはり人の夢である
人の夢は
夢判断や悪夢の原因
という精神的な問題
時に霊的な学問に
置き換えられる夢
ではなく
人が見る夢
かなう夢
かなわない夢
残された人
残されない人
単純な比較
複雑な計算
夢は
その都度
形を変えてゆく
あなたが
夢から醒めた夢
夢のなかの夢
あるいはもう
夢ではない
しかしまだ
夢を見ている
という
儚い人の
暗い朝
明るい朝
夢はもう何処にもない
あなたの夢は
あなたが
夢から醒めた夢
夢のなかの夢
あるいはもう
夢ではない
しかしまだ
夢を見ている
という
儚い人の
暗い朝
明るい朝
夢はもう何処にもない
あなたの夢は
金の泥
砂金
金鳳花
そして
夢は
故郷の夢を見る
夢は
悪夢と変わる
心が
夢のように
わからなくなってゆく


【214 午前時に重く続いたカウント】


帽子、靴、が版画のように供給され
断続的な発熱、悪寒のように宗教的な戒律を鼓吹する
、断層と呼ばれる地下の岩盤のずれ地下数km~数十kmの深さ
北海道のアイヌ民族には、「地下には巨大なアメマスが住んでいる。
これが暴れて地震が起きる」という、
エッケウエッケウ!・・鎮めの咒文
建物が崩れ、煙が上がっている。
水浸しの土地はどうなったのだろう。
こうして全体を見渡したところで、あんまり雲が多くて、
大地がほとんど見えないので、
何だか夢のような感じがする
大手を振って過剰にコミットするのが癖
武装ー武装解除・・。
はるかに一刻の猶予もなく彼らに選択肢を、
僕の部屋には朝食べるコンビニで買ったサンドウィッチが置かれ、
エッケウエッケウ・・鎮めの咒文
線路への土砂の流入や鉄橋の橋桁の損傷
冷気のなかで最後のメールは来年まで残るかも知れない、
スティーヴィーワンダァが聴きたいんだ、
太陽の当たる場所 - A Place in the Sunが
聴きたいんだ・・エッケウエッケウ!
魂を・・・しずめてくれポーの大鴉よ

Tribute to Uncle Ray
A Place in the Sun


【215】


晴れのち曇り
雲に近づきました Kamome


目をつぶっていただけよ。
・・・ぼんやりしてたのよ。セカイヘイワってやつ
シアワセってやつ、
「どうしておまえはそうガサツかな・・」               
あ、うるさいなあ、ところで何?
あたし、いそがしいのよ、見たとおり。
「うん、見たとおり、忙しそうだ」
しらーっとした目をして?
「うん、忙しそうな妹の姿を激写!」
・・・にいさんのお話は、
夜聞いてもいいわ。
てくてく。妹、デルモ的白鳥の湖、わたしカッコいい大人だけど何か?
背を向けて・・・「あ、そこ、段差あるよ」
コケッ・・・つるりドテン。
それにうしろ指をさしたり、口を曲げたり、
目くばせをしたり、
また思いきって出せるだけの声で笑ったり。
というようなことは、ないのだが、学校生活にはある。
「・・・馬鹿だなあ。
しかし世の中にはこういうのを、天然とか言って、
ふふ、とほくそえむ連中がいるのだ激写!」
最低だわ、お兄様。
「なにをいう、妹君!」
くすくす、気味悪いからよしてよ。
「想像するのも困難なくらいです」
何よ、それ。
「実は、俺達・・血がつながってないんだ」
えーっ!ちょっと待って、なんでこのタイミングで。
「だって、この作者が」
ぼこん、う、いてえ。
どうしたの?・・・いやまあ、とりあえず、
急に本当のことを言いたくなったのでアール!
そ、そう?
「どうする。」
本当にちょっと待って、どうする、って何?
「いやこういう時、実はー、とかあるじゃん、
そういうのんで、そうだったな、でも、妹よ、
いけない俺達は血のつながりがあ、
とかあるじゃん。そういうの、あるじゃん」
・・・ナイデス。
「だよねー、ひろやすさんの口癖真似しちゃうもんね。
ちょっと、椎名誠入ってる気がするけど。」
でも、まー、AKBとかモーニング娘入れなかったら、
保険かけときたく。
「ずるいよ、おまえ!」
女って、ずるい生き物だわ。
「そうだね、ずるい生き物だ」
・・・なんで、急に肯定?
「だって、・・目をつむっているから」
いや、ナイデス。


【216】


prisoners in chains
鎖につながれた囚人


音楽が鳴ってる この街の中で
ねえ、聞こえるんだ・・誰か 泣いてるような壁の中に
触れる ふしぎな戸惑いが覗いている
心の中に 求めるものがひとつも映らないんだ

瞳の中に Heartを見せてよ 
めくるめく日の中で
あきらめてしまいそうだった愛の姿に
いまは心が濡れているんだ

「あなたが こぼしたその涙に。」
癒せないまま 立ちつくす 僕は
大事なことを忘れたような 気がするよ
いま! 醒めそうな夢に
Life is but an empty dream.
そして もう一度 時を止めて
夢を見なくちゃ

・・・返すような 波
聞こえるかい この声にならない
細い流動する音が
こわいような待ち遠しさで
向うの方から本当の名前呼ばれたように
うつくしい弦をぴんと弾く 自動車が時折フロントガラスを
かがやかせながら

僕等は把むものも何もなくて
やっぱり この砂漠の中をひとり身動きとれずに
何処かへゆこうと
自分のことを信じようとしているんだ
・・・それはきっと 砂ぼこりの舞うクラクション
吹き抜けの雑多ないろいろのがらくた
軽い湾曲によってイメージがへこむ
午後いま僕を取り巻いている音が
素裸な欲望のうちにすり抜けて

空っぽの心にふかくしみとおる
あの歳月の訳
いまこうして そのことを もう一度
ふかく ふかく 傷つくように考えている訳

音は、滴たらずにめぐりあわせた
濡れた 温度のままに・・どうして 頬に
つめたく校舎のチャイムのように
鳴るのだろう

「すべては同じ呼吸のなかで 時の静寂に
正確に同じリズムを刻む。」

誰もが孤独にすりきれていた夕焼けに遠ざかって
回転ドアのような自分におさない頃の姿を探してる
迷わないで たとえ君が夢に追い立てられる時も
忘れないで こころをひらく鍵が 笑顔を
語るはずだから・・内側に 染まってゆく プラネタリウム
誰もがひとりぼっちの感知し難い
表情の推移のなかで

あの人を見てるよ・・君だけを 見てるよ
覚えていてごらん どうして人が傷つけ合ったのか
その理由や意味の向こう側に今日も悲しい風が吹く
雨のしずくが心まで濡らしてゆく
He was involved in the puzzle.

でも音楽が鳴っているこの街の中で
絶え間なく 瞳にふれる かなしみの姿に
膝を抱えた自分を思い出す

・・・・・・泣いてる君の前を 僕等は まるで
きょだいな動物園のなかの めずらしい動物みたいに
君の悲しみを知らずに 通り過ぎていく

あの街角の ひたひた迫りくる遣る瀬無いさみしさに
自分のためにしか 泣けない自分が いる
いま考えている打算さえ 意味なく思えて 
とまどっている 本当の僕は

風が胸の中を吹き抜けて ゆく ような
愛がすれ違う 君の 夜に 溶け込むだろう
君のために 泣けそうな 僕は人を愛することの
むなしさを 信じている その あるがままのバランスと
緊張関係に もう一人の君自身になるように

「もう泣かないで その涙は・・
明日のために流す君の希望へとまだ変わらずに、
それでも通り過ぎる、通り過ぎる僕は呟く、」

・・・ねえ、音楽が鳴ってる、
さびしく心閉ざすように歩くことしかできない
渇いた愛の鈍い軋み音のなかで、こんなにも、
君を愛してる、君だけを強く思ってる
ねえ、ねえ 愛しい・・人の弱さ、人のくるおしく
間違いをふかめるリズムが。


【217】


分断
されてゆく
世界
内部
物理的世界
そうありたい



思う
やがて
そうなる

信じる
粗悪

ダイヤモンド

割れる
見せかけ
耳元できらきら輝いてる


【218】


白が好きだったっけ
ローラースケートの白が好きだったっけ
浮いたねじの頭の銀色が好きだったっけ
月光を浴びたアスファルトの銀色
静かさをあらわす貝の色
煤ぼけた電燈の下の安白粉のいろ
ねえ君が好きなんだったっけ
典型的な夜空の黒色が好きだったっけ
それとも増水した川が好きなんだっけ
すれ違いざま影をなくすヘッドライトの色
はじめはほんの赤、青、白
トラックは青が好きだと言ったっけ
疾風は青色だと白昼夢の後に言ったっけ
突如街の公園に黄色が現われたんだっけ
ひまわりって呟いたんだっけ
疳高く笑う黄色い声
お伽噺は夜でも蛍のように淡い色


【219】


怒りは横殴りに降る雨
a spray of bullets


怒りは
横殴りに
降る


《怒横降雨》

いくらか迂闊な奴が
信じたとしても
俺は
困らない
四文字熟語

しかし思い出す日が
違う大陸の
とある村で味わう
スコールであったら

これは尊い
頭の中に
外国語がとどまり
ヨマイ言が
毒のように犯したなら

《怒横降雨》

君は
弾丸のように
ぶつかる雨の中をゆけ!


【220】


わたくしは皆さんに訴えたいことが一つあるのです。
皆さん、数か月前わたくしの友達が銃で撃たれました。
皆さんは、驚いたかも知れません。
脛に傷がある男だったか、と思われるかも知れません。
いいえ、ふつうの社会人でした。
けれど日本もまた、銃社会ということなのです。
そして、銃を取り締まることがまだ出来ていないのが、
現状なのです。
そのことは、わたくしもよく知っています。
しかし、わたくしは銃を取り締まろうとか、
いま、あなた達に何が出来るかと啓蒙するつもりは、
これっぽっちもありません。
わたくしは、銃を怨みません。
憎むべきは罪で、人ではないというように。
憎むべきは銃でもなく、社会でもないといいたいのです。
それなら何故あなたは語るのかと思われるかも知れません。
わたくしは、ただ、不慮の事故で、罪の罪のせいで、
半身不随になってしまった彼の寄付金を募りたいのです。
わたくしはわたくしのことであったら、舌を噛みます。
車椅子なら崖から落ちて死にます。
ですが、わたくしの友だちには、そうは言えません。
わたくしは身を削るような想いで貯めたお金を、
彼に差し上げました。
人間というのは、途方もなく、愚かです。
わたくしは自分を呪うばかりです。
ですが、もっと呪うべきは彼の治療費が足りない、
ということです。
治療しても、治らないかも知れません。
それでも出来る限りのことをしてやりたいのです。
わたくしにはもう、尻の毛をむしられても、
差し上げるお金がありません。
皆さんの、慈悲、憐れ心を期待するばかりです。
皆さん、どうか、彼を助けて下さい。
彼は、わたくしに忘れ難い思い出をたくさんくれました。
そして、わたくしに人の情けの深いことを教えてくれました。
わたくしは、あなた達が平気で見はなした人のことを知っています。
誰かを救う代わりに、誰かを傷つけたということも知っています。
わたくしは、よく知っています。
わたくしもまた、この狭っくるしい檻のなかの、
不自由な自由を求めていたからです。
わたくしは、逃げだしたくありました。
ただ、この国のことも、この国の人のことも、
嫌で嫌でたまりませんでした。
けれど、いま、すがるべきはこの国の人の善意なのです。
透きとおった水のような愛情で、酒のように酔わせてください。
人の心をわたくしに、信じさせてください。
美しい神の資質をわたくしに、見させてください。
わたくしを、わたくしの友だちを、
喜ばせるようなことをしてください。
あなたの親や、兄弟や、子供のように、
わたくしを見て下さい。
あなたの優しさで張り裂けそうなわたくしの胸を、
わたくしの涙を湛えた瞳を、
あなたの、あなたの姿を、
いまも見失いたくないと思わせてください。
皆さん、お願いします、お願いします、
どうか、わたくしの友だちを助けてください。



【221】


レストラン 僕がまだ悲しみを持て余していた頃
レストラン ボリス・クストーディエフ:『モスクワのレストラン』(1916年)
レストラン 駅から徒歩10分 タクシーなんて使わない
レストラン ゆったりと席を配置した、水のように静かな空間。
レストラン ゆらゆらと陽射しが水になる、熱帯魚が優雅に過ごす、BGM
レストラン ウェディングドレスを着たマネキン
レストラン 所々に配置された、小人の置物たち
レストラン ソムリエ厳選のワインを飲む友達のかたわらでビールを飲む僕
レストラン スーツを着た男とあきらかにサンタクロースの格好をした僕
レストラン 夜が、煤を流し込む

すすきの風が穂に揺れるように
心の緒をくくる
いま人の心を誘いこむように
僕はレストランへと行きたいのだ

What time does this restaurant close?


【222】


この国はふぇらしている、
  素晴らしくおなにしている、
   やさしい夜にせくすしてい


ちきゅうにやさしい マイ箸 クールビズ

というのも流行りだから

車走らせて排気ガス出ています

これはもちろん本当に出ているわけではないのです(笑)

ダイオキシン

ハイブリッドカー

というのも紙一重な代理戦争

日本が一つになったエアコン28℃(笑)

ノーモア、ヒロシマ

ノーモア、ナガサキ

そしてそれを核兵器反対ではなく原発反対という

今現在を理解していない、すてきなものの言い方(笑)

いかがわしい雑誌のわれわれの科学力どーたらこーたら

いかがわしい異次元人のふーだらこーだら

傷付きやすい心 もどかしい心を理解しない愚か者たち

非暴力主義、無抵抗主義(笑)

企業の本音と建前

個人の本音と建前

勃て前の起て前のエコポイント

車をそろそろ射したり精したりするかエコカーに(笑)

  × × ×

あなたが愛した世界です
あなたの醜さを
教訓とする宣言
こころに沁み入る
愛です
愛です
愛です。




© Rakuten Group, Inc.