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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

wa!ひろさん詩文控4

【186】


時はいつのまにか過ぎて行った
You're only young once.


アナタハオオキナハナタバヲモッテキタ
アナタノイエハスグソコニアッタ
カメラ ヴィティーアール スタッフ
(ドアノ ウチガワヲ ロック シテクダサイ)
イエハソコニアル
スイヘイニ オオキク ハリダス
ミギメノ スグマエニ アキカン ノヨウナ 
ユウビンポストガアル

目が近すぎて照準が、あああ合わない。
 途端真っ暗になる・・トンネルがある。
        ・・・・・・車のエンジン音がある。

 わたしはいまでも、川に飛行機が映ったのを覚えている。石ひとつひとつ勘定する、知ら
ない人や、・・友人の友人、おのれではないものすべてに絨毯の上のようなごわつきを感じ
る。揺れる、残る、森のはずれ、影の交差、時には二重になっている世界の黒さと白さ。
わたしは恐い息吹が、呼吸になったことを知っている。そして呼吸が頭蓋で噴出する・・。

妄想ーみずからが灌木林ー時の泥をさらう

 わたしはためらう、ぼろを腰に巻き陰 部を隠す、逞しい身体で一撃を与える、絵の中の
男、ドラクロワだったか、それとも、・・いや、どうでもいい、鈍器で殴るだけの絵だから。
しかしこの記憶の引き出しが出てこない瞬間に、「ベックリンの死の島」「セガンティーニ
の嬰児殺し」「クノップフ『芸術(愛撫もしくはスフィンクス)』」「クリムトの死と
生」・・暗黙の強化・・・防衛規制・・・・とつじょ大繁殖して街がパニックになる「開高健のパニッ
ク」・・・わたしはいつも遠くから見ていた。・・遠くには何があるのだろう。ああ!・・何がある
のだろうと思っていた。そこには彼女の家があった。鉢植えのヒャシンス、突き出た屋根の
梁、朦朧として実体のない夢・・・夢には磨かれた角のような門がある。すごく悲しい盲いた夜
は裂けていた・・わたしはそもそも斧を持っているのだろうか。大勢の人がそのレンズを覗き
こむ。鏡の中にわたしを見ている。わたしは彼女の家にいる。渇ききっている。固唾を飲ん
で見守っている・・見た人が見たとおりの世界に坂道をころげてゆくようなどうしようもない
半永久的な記憶の運動がある。作用がある。労働に錆びた目をした未知の顔があらわれては
きえてゆく。耳をふさぐ箸にも棒にもかからない女の顔がある。それが彼女の両親ではな
く、彼女を取り囲んでいるイメージだと気付いたのはつい最近のことである。

characterized by repetition


【187】


Be sure to turn out the light when you go out.


風の向きでかすかに「知覚の恒常現象」が起こる
わたしは「映画」を見ている「トリックアート」です。
十二個の黒点からわたしは「星座の絵」を想像します。
わたしは「エビングハウス」を愛している。
重いものを軽く見せる「色の錯覚」
そしてわたしは見れば見るほど「黒い森」と言う・・
クリームを塗る、髭を剃る、
ひりひりする、痛い、
「でもそれは髭を剃ったからです」と言われる。
アイスは山から飛んでくる、山には信号がない、
くすぶりはじめる花粉のにおい、
そして山はいつのまにやら「遠近の反転図形」
そしてわたしは明かす、行き止まりから道は始まる、
あなたの頭上に降っていたものは、
雨ですか、雪ですか、それとも霙ですか?
・・・ここは、行き止まりではありません。
あなたの眼が、そう規定したのです。
そしてこれはすべて霙のための描写です。


【188 資料aとbによる、印象の6とqは何を意味するのか?】


 見え透いた心は曲がり、小さく、青ざめ、時に慄え、時に晒らされ、実現せぬ象牙の
気味の悪い塔のようにわたしは(わたしの、)夢の中で泣き悲しんでいた。見つめる時
の奇妙に鈍い光が、それ自身の内側から、縮小あるいは構成要素の純粋な成分と
して、眼と眼を結んでいる。この時、再構成されるのだが、実は分解し、・・たとえば静
謐たる寂寥のただ中へ、視線の外にあるものをも取り込んで、阻害した搭(凸凹の本能
的なモデル)をまったくの無言状態で認定し、それが大画面の中央の井戸のようにあり、
そしてそれはいわゆる氷山の溶けだすような無意識の合図であり、それから次第に、
うかがい知れない深い沈鬱状態に入り、眼はその時、芽のような役割となり、それは
マンドラゴラのあの叫びのように、あるいはムンクのように不可視なもの、もうろうたる映像
の垣間見せる蒸し暑い日の午後のように、わたしは時計を見ている。・・・強調して言え
ば、世界には情報が錯綜し、神秘的な事物や、ある法則が常に働いており、それをそ
のさまを『曼荼羅』・・触れ得ざる、幻想的・神秘的・退廃的な性格・・・影の意識は、
わたしのコスモロジー。ヴァーストゥ・シャーストラ。・・・そしてわたしは、ブロッケンの影。
ロケットの鎖。花模様。キリキリと音をたててまわる薔薇のような太陽。女性性と男性性
の完全な一致。そしてその時、私は象牙ではなく、水晶、金銀、琥珀、翡翠によって
彩られた塔・・バベルの塔よりもさらに言語破壊的な、「イリュージョン」・・イリュージョンが
旋回している。それは窮屈なカーヴを曲がる、吊革の微細な動き。まるで蝿を払う、ま
るで孤独をまぎらすような擬似的な手の動き。それは色濃く、重く、・・窓から差し込む。
この窓とは、早い表情の動きの中で、淡い光と薄暗い影を有しているサイコロジカルな
象徴だ。そして窓は、すでに折り重なっている。わたしは何故、倒れないのか、と思う。
何故、この不思議な塔は倒れてはいけないのか、と思う。そう、何故見え透いた心の
向う側にひろがっていた、あの謎めいた塔は何故濡れた雑巾のようにちっとも燃えあが
らないのだろう。


【189】


酸素マスク、静脈ルート確保

すげなく遠ざかる/ 走馬灯のように /
走り去る /

......消滅する

「水から這い上がる女は、
肩、瞼毛の先、から」

・・・嬰児を産む。

黄金虫が蛮刀をもっていた

なめらかな象牙のような肌
象牙細工の半ば霞んで見えるとき蟷螂の卵を想う
想像力
爆破・・・!
爆破・・・!
爆破・・・!

疼く歯茎、喘ぐ息、草履みたいにぺしゃんこに踏みつぶされている舌
平面な顔、二次元の顔、・・・強烈な香水の匂い、あるいは度数の強いアルコール
戦争が集団を残像にした。多面体の鉱石にした。刺すように鼻孔を突く。
うすくらい三角形の山に、四季を通して川が細く流れていた。
毛のように細い無数の白銀色の針が、金色の光と、くさぐさの影、森の影を浮かべて、
空を映し、澄み渡っていた。

《わたしがこの島で学んだこと》
・独身生活は死に値するが、隠れ家は無数にある。
・悪は多く下心であり、存在は地獄の沼地に拘禁状態にされている、と思われた。
 わたしは仮死状態にある正義が失題された世界にいたので、それはプロペラ機が
 天文台を目指すようなものだとわたしには強く思われた。

ああ 1月
爪とぎ道具
もやしみたいにそばだった

ドクターコールが」
 パトカーのサイレンが」

剃刀のような風が吹く山に、灯台があると信じられていました。

軍服 サトウキビ畑 戦闘機 スナイパー
赤 赤 赤い眼 白い兎の肉

首つり孤独、百日咳孤独、マラリヤ孤独、犯罪孤独、
児童ピアノ孤独、椅子とテーブル孤独、占領都市孤独、
おはじき孤独、カトリックパンを焼く孤独、腫れもの孤独、
傷痕孤独、ケースバイケース孤独、金色の矢孤独、
葦孤独、白紙孤独、恐竜草の先を踏む孤独、

白い泡を身体になすり付けると目玉が落ちる

スクラップの集積、鉄の残骸、虫の喰ったある果物のくびれ
うなり声、画像、雲の切れ目から骨が笑いながらおちてくる

暑さと蚊
暑さと魔

細かい黴が矩形の建物を覆いつくしていた。矩形とは何だ、
(相手の、)矩形には針があり、その一点にはいつも、
火山の爆発のようなものがあった。

窓、レースカーテン、エアコン、シーツ、ドア、椅子、卓子、
フローリング、毛糸の玉、猫、冷蔵庫、チルド室、
窓の外でスコップ、赤いスカーフ、黄色い屋根の家、
緑いろの兵士、青の書物、四つの絵、八つの眼、
十六つの脳、三十二の心臓、

作家はタイプライター的アコーディオン。脳髄蒼い眼科医。
林檎的狂風。激烈なる四肢轟音。

poetry is a sort of divine madness


多くの事柄が眼も鼻もない生き物のように思えた。おそらくそれは白い
灯台のはずなのだが、わたしはそれが「ロボット」になるのを見た。古代神殿
の遺産。神経が凝結したような冥さ。天秤と蓄音器とバナナが取り合わせ
る不思議な心地。激昂して!興奮の余り射 精して!
下腹から腸をひきずりだして!虚言者が檻にいれ
られた時、「自分は猿だ!」というような気持ちで、

「グロテスクな毛蟲だ!」

シ びれようか
コ ろげようか
ア ひあひ
あんあん
あんあん

頭の上にクエスチョンマークがあり、
それは茸のようなものなのだが、
この島ではアンテナであり、帽子のようなものだ。
そして彼は喫茶店の屋根の風見鶏を想起する。

・・・キイテイタイ
・・・キイテイタイ
・・・キ イ テ
・・・キキキキキキキ
・・・ウギギ
・・・ピピピピピピ
・・・イイイイ


【190 女性も男性も】


胸部ボタン付タンクトップとホットパンツで
眼鏡で砂浜に小道具のテーブルを持ち込み
ものうげな表情でジョジョ立ちをしている美人は
たぶん、なにか全体的に間違っていることを
僕に教えるのだけれど、妄想の世界では
ありえないことをいつもして欲しいと願っている
それはやっぱり僕というカメラマンがグラマラスを錯覚し
ラディカルに間違えているんだと思うんだな、
僕はやっぱりお臍にピアスがある写真が芸術だと思っていて
ふつうのサングラスでもいいから必要だと思っていて
いや必要なのかいやいや着物だナース服だそもそも全裸だ
やっぱりアートじゃなくて煽情的なポーズだよ
そもそも美女じゃなくてもっときわどい子使うんだよ
と言っている人を考えながらたぶん官能っていうのを
読者サービスに堕とすんだないろいろな視線集める方法が
あるよね見せ方があるよねでもそれが本当に
モデルにとって必要なことなのかまたそれが
どれくらい世の中の男性を慰めるのかということも
考えるんだよね深いよねこんな場所で考えるべきテーマが
そういう下らないことだってことも無謀きわまりないミッション


【191】


この植物はレタスです
twisted into monstrous shapes
the huge desert voids

この植物はレタスです。
信じられない人もいますね?
けれど、キャベツじゃない、
だからレタスじゃない!
そういう話ではないのです。
巨大な野菜を、
見たことがありますか?
あれと同じです、
チャップリンの映画の、
ミニチュアを巨大に見せる、
トリックではなく、
巨大なレタスなんです。
わたしは食用なら、大味、
おおきいものは基本的に
まずい、と思っております。
ところでつい先日、
アメリカの科学者に、
キク科アキノノゲシ属の変種
肥大したレタスは
自然と人間社会とのかかわり、
成長は常にある環境によって、
貫かれているに過ぎない、
という見方を聞きました。
適応的突然変異ですか?
・・・アメリカの科学者は、
そういう見方もある。
と言い、それがトリック写真
である場合に備えていました。


【192 fairies that are somewhat mischievous】


 いたずら好きな妖精を御存知ですか? 想像できない種類のありふれた
不思議ですかヨーロッパの民間伝承上の存在「fairy」・・彼らは大抵子供
たちが眠くなるように“目に砂を撒く”「大人の作りもの」です。ですが
小さな人間の形で、遊び好きで魔力をもつ生き物は本当にいるのですよ。
人間に悪さをするといえば語弊がありますが、小さく不気味な、でもちょ
っとおかしな超自然の生き物。彼等は大抵、夜中に歩き回ります。静かな
座敷が大好きで、たまに四足をついて、馬やウサギの真似をしています。
退屈すると、人間と呼ばれる生き物の生活道具をいじりはじめます。フフ、
その内、頭から離れなくなりますよ。いえいえこちらの話。どうして妖精
が悪戯好きかということに触れている人は意外と少ないですね。何故だと
思います?・・それは、妖精が冷淡ともいえるからです。だって、彼等は社
交的とはまず言い難い。そして保守的で、常に見つかることを恐れている。
このために、神秘的な感じを与えもします。不思議な話のお約束です。で
すが、そのために“死んでいるような感じ=存在していない”という見方
があまりにも多く出てしまうのです。それに比べ、意地の悪い悪霊や、魔
というものは人間社会によく出てきます。これはもう忙しく立ちまわって
いるビジネスマンのような輩です。悪印象ばかりです。でもいまこれを読
んでいる人はわかりますね、多くは子供たちの躾のために作られた四方山
話です。これもいわば、「fairy」なのです・・ですが、もちろん、この悪霊
というのも、確かにいるのですよ。なんだか親しみが増していたのに、と
ぼやく声も聞こえてきそうですが、皮肉でしたね、わたしは天使です。「
それでは・・」というあなた。はい、あなたはそれに気がついていますね。
その通りです、わたしも「fairy」です。ですが、わたしの別の名は、フフ、
死神、ともいうのですよ――


【193】


これは数千年の格闘だ。冬の言葉だ。
淡桃色の貝殻をした少女の手が、太陽から風の背中へとうつり、
華奢な花々を一瞬しろいあらわな肌にかえ、明るいエメラルド色にすると、
葉は揺れ動き、大気に誰も閉じ込めておくことのできない夜や昼の間に
ちりばめ、その生命の息は絶える。悲しみと安らぎが、
この夏から秋へかけて、この白い天空のけがれのない青を見つける。
でこぼこのある堅い果實、石に降り積もる雪のように、
沈鬱な眼をしてじっと見据える。
おやすみなさいの小さなノック、仕切られた窓越しに見る枝は、
枝に垂れてゆくはちみつのように、わたしはいつも期待した、
わたしは椅子に座るように審判した。無意識に片方の腕を振った。
樹よ、私の稚い秘密の愛よ、遠くからその後ろから、
暴風がこだまする。光、
ただ歳老いた世紀に向ける光によってうまれた陰よ。

門番たちは徘徊する、消化不良患者の胃拡張のように、
いまは空中にぶら下がり、船の帆のようにふくらみ、
それに目をきょろきょろさせ、片脚をふらつかせているわたしのように、
小鳥たちは巣をつくる。そしてわたしはこの樹を見あげる。
豐かな梢の背後には、黒曜石のナイフによって図案化された、
血が、歴史に署名する。赤いスタンプを押す。
脈がこだまする、うっそうと茂るこの林、あの白鳥達のいる湖へと、
甘美な、新月。暗い影はなく、夢を見ている。
天地が創造されたように、明るく照らしだされる、
鳥たちは鳴いている、宇宙の調和をおしひろげながら。

わたしはこの町を歩く、喧嘩にのぼせ、
すっかりおしゃべりになった人たちを横眼で見ながら、
うつむきながら落ち葉や木の実を拾う。いつかそれも薬となる。
意味深長な言葉も、よくよくわがままな言葉だと思えるように、
いまは、小さな建物、公園の真ん中に建っている野外劇場で、
泣きたい気持ちをおさえて、剣を神妙に鞘におさめて、
車がはまってしまった溝から引き揚げるように、
自分のもっている繊細さを、夜の忘却にこめて、
ああ町がカーテンに隠れてゆく・・・

しかしわたしの心は苦しい。完全な希望、果てしない歓喜
太陽が嘲笑った。唇は幻から始まると、ガラスの鏡面をひろげ、
野の草は、砂に苦しんでいる。
どこからかやってくる砂は、がらんとしたこの土地に降り積もる。
徐々に衰弱してゆく、眼をとじて、口をあけて、非常に高い熱がうたう、
そしてまた血が流れる。紅顔する、硬直する、このイメージの瀑布に、
濡れるがまま、白昼は身をかがめる。鳥もいつしか崩れる。世界は、
何も知らぬまま痛ましさを口にし、忍耐力を押し破り、また夜、
わたしは意識を失う。言葉はもう通じない、そのことに自分は烈しく憤る、
やがて泣く。振り子のように殺傷能力をもったブーメランが返ってくる。
手はその腕を撫でる。細い、泣き声を破るように、ぱっくりと開いた、
その傷口。痛みが、残酷な案願にとってかわる。
またわたしは、舌の苔になる。
皺のできた膚になる。まったく空と水になる。
雲になる。風になる。四肢はもつれあうことをやめる。

これからわたしは、遠くへとゆく。その奥底に、
バーゲンセールがある。町にデパートができた。駐車場ができた。
あたらしく楽しくおかしい想いをさせてくれる施設ができた。
でも今日が人生最後の日、わたしは、それを自ら悟り、
わたしはわたしだけのために後悔を口にする。
走馬灯ではなく、自己投影の世界で人わたしは生を振り返る。
自分自身に忠実に生きれば良かった・・
ベッドの向こうに、夜通し吹き続けた風の音、吠える犬、
皮膚の泥土に水銀のように犯す情報。
ぼんやりと生れて初めて海を見たように、この冬、
白い灯の礫石がつらなる。記念碑、歴史博物館、革命の陣痛、
いろいろな言葉もいまは、
もっと自分の気持ちを表す勇気、
ただその勇気を持てなかった悔しさに横たわる。
友よ、この粛けさ、浄らかさが反射光となって、
砂の町を産む。海底のように、降りつむ。
やがて何もない、わたしすらもいない、この海に
塩が生まれ、砂金がうまれる。
わたしは森の頂きを照らす、最後のあけぼのを見た。


【194】


ティルト・シフト撮影みたいに
絵画も浮かび上がる
言葉も拡大レンズのなかで
どんなイメージを産む
街は『Bizarre digital clock
   (不気味なデジタル時計)』
あたかも時計の中に人がいるように、
映し続けている。
まるでコンピューターパーツで
つくられたサンダルのように、
僕はいま、中国朦朧詩について
考えている。心の中にある疑問、
冗長なこだまの注釈、何も残らない
チョコレートの味覚。


【195 キュービズムの葡萄】


アメリカの漫画家
ルーブ・ゴールドバーグが、
機械化へひた走る世界を
揶揄して生み出した
マシンのように、
麻酔をかけて、
窒息に進行する。
生命は幸福な呼吸を、
医者の言葉を借りて
説明する。悪趣味な化粧も、
ダーウィンのように、
不意の魅惑に虚を突かれ、
昔食卓に並べられた、
ランプのように求める。


【196 レストランのトイレ 2012,2,27】


花嫁は死顔、
これから未知の罪。


【197 雲を見ながら、人生のむなしさについて考えるカーポート】


カーポートの施工みたいに雲が浮かんでる
もしかしたらテラスの屋根かも知れない
色やサイズや柱や希望金額(見積もりと予算)
たとえば期日とか
いろいろ考えていると人間っておかしくもあり馬鹿だ
家がなければ必要がない
かといってマンションやアパートならいらない
もしここが北海道だったら二重窓にしたい
沖縄だったら自然に風が入ってくるようにしたい
でも外国へ行くとふつうに電車がやって来なかったり
あまりにも暑すぎて昼間誰も出歩いていない町もある
ああ 商品名の数字や英語は何を意味しているのかわからない
暗号文みたいに理解にくるしむ
救急車を呼ぶ胃や腸というわけではないけど
人ってたくさん知らないことがある
オーロラなんかみたいかなあと思うけど人生は長い
セット割引とかクーポン券とかの意味もあんまりわからない
お得感ってこともわかるけど・・
それで人が動いて行くのもなんだか滑稽だ
そんなにいらないものがたくさん溢れている
玄関ドアやシャッター
そりゃあ高級住宅街なら必須かも知れないけど
こんな別に何とられても仕方ないような家を
ああ おもしろくもないけどそう思えてしまう家に
どんな玄関ドアやシャッターがいるのか
毎日ライオンやハイエナがうろつくのでお気をつけください
と見回りにやってくる警察官がかたわらに
ライフルとかマシンガンをかかえていたら必要だ
大袈裟だけれど
ウッドデッキが人生に必要だとは思えない
洗濯と洗濯かごはわかるけれど
物干しざおを売ろうとする気持ちはあまりわからない
でも商品を売る立場ならそれって普通なんだよなあ
嫌な客でも ありがとうございますとか言うんだろうなあ
素晴らしい 素晴らしいカーポート
筏にもならずにすぐ沈むカーポートよ


【198】


MOON
――月が降らせる 君は日
日は秒のように うるう。――

月だ。
この女が演じている。

月は。
ほのかな鼻孔や眼。

月よ。
好きなままの快楽を導き。

月と。
一人でいようともせず。


【199 種まき・草取り】


何だろう これは
倒れない 揺れない
でも笑わないで下さい

いち日は小窓から
味わったことのない不安な
左右に揺れるなら
魚らしきものを見る

ごみ箱のまわりに猫がいて
この猫 長い間すわったまま
不当に気の毒そうに
しかしたぶん寝ぼけながら
こいつを見ていやがるのです

魚らしきもの やわらかな煙か
池の蛇らしき嘘 救いの湯気をあげるか

 記憶の重さ 
子たちは見えない


【200】


たくさんの息がタイヤのようにあらわれることを、ああ、
もしも、たった一匹の犬が」
(が!)ぐあらごき
何かに捕えられて彫刻化


逃れようとしたのか
 歯向かおうとしたのか
クラクションベイビイ 
ジョゼフィーヌ、君はラブホテルの秘密の暗号
ジョゼフィーヌ、ここで!ここで!待ち合わせ
クラクションベイビイ オイタは困る
ゆっくりとジッパーを開いてゆく 何かの気配
  (が!)はない、蛾が飛ぶ あおいその目から
死はすまない形でとどまり続けた


【201 鴉達の神話】


不気味に 用心深く ロンドン塔が現れる夢の中
ユング 君は赤い色の意味を何て解釈するだろう
  ロンドン塔的横断歩道


おれのからだしらないか
おれのこころしらないか ムンク
ユング おれのいのちしらないか
おれのいかりしらないか
おれのかなしみしらないか
おれのたましいはきえる
おれはてごたえがないちんもく
おれはねつをもたないこおり
おれはそれでもよびさます
おれはおれをしらないか


【202】


KAMOME STUDIO作品
The great man had a miserable end.

行かないで
ヒーロー
そっちは崖


【203】


having a white border
having white streaks

雪のように白い。
・・・ほら
あおさの波が引いて
――乱れた

・・・去りゆく光
視線が壊れる

額にミルク
君はしずかに
飲む

ひとりいたむ心
いつわりが
ぼうぼうとあかるい昼に


【204 ヘブライの森】


心細い僧侶に変装して、慈悲は「山塊」かく書けば「谺」
 堅い、貪欲な増殖の計算、とげとげしい瞬きのアスファルトは
 いくつもの季節を過ぎてアルミホィイルと化した。
 (ヘブライ人であった頃の記憶がふと甦るほどに、)
 そこに大佐が、玄関前に放置されていた。
 アコォジョンを弾いているピェエロはラスク、それぞれ病気、
 雨合羽用ズボンを二枚穿く地層の不思議なズレ、
 しかしその苦情も黄色い目が利尿するにいたって、空は豹と化した。
 おかしい、おかしいぞ、ささやかな憎悪、
 その並木や家の安らぎごと無限に無数の塀は続く、四囲となる、
 執拗な被造物、蒼白い酸化物結晶に濡れるマスク浮浪人くじ売りは、
 告白を戦慄させた。テニスの壁打ちをしている音。
 遠い昔、大佐と呼ばれた者は「声」と「荒い息遣い」と
 食欲旺盛なチーターの大衆的認識の調理用天秤の写真。
 その向うには、やはり黝い筋肉に鎧われた豹が小さな平面の中で、
 みどりごの首折られた印象を握っていた。
 包帯巻きされた粘着上の貼付形式が血染めの気温と湿度と光線とを、
 まばゆく人間らしく石斧を想起するほどにポセイドンの雷霆は、
 「海」かく書けば「人の森」
 六弦琴の調、臆面もなく求婚に迫られるレディオたちの凍結は、
 剣の舞う国の、そのまた楯匿う国の相手を憐れむような微笑。
 おお、天も地も人も、神以外はすべて卑しむべき被造物であるなら、
 風はあの荒野で聴く、欲望に駆られた群衆にまざまざと聞く、
 祈りの内なる姿。賢明にシーツにしがみついた鈴生りの、霧のない樵たる、
 ゆきずりの者に、きりのない沐浴に透きとおるごとく、
 迷える魂を引摺ったその者すなわちヤハウェ、エホバは、
 生に根をおろす前から杭をうち、悔いをうみながらにして喜びを編んだ、
 大佐は孤独な砂漠を経て時間のでたらめな食卓で十字架の例の電気をつける、
 人は炎の赤い旗のめくれる小舟をすすめながら、
 溶け入りながら目のくもりで目が石膏像になるのを悔みながら、
 最初の火を起こしたことさえ見当もつかぬほど、
 非難がましい現実の嵩に包まれた。


【205】


a genetic code
情報アクセス手段, 情報利用手段


町を歩いているのはアルバイト/パート/ニートであり
将来に希望が持てぬのはアルコールで鈍った頭であるからだ
おらおら、と警察官が服をあらためれば奴等は薬を隠し持ち
しかし彼等も心得たもので、大抵は小麦粉である
警察を馬鹿にしよう横断歩道で諜報活動しよう
しかしかくいう国といえばマスコミ的状況をさらすばかりで
観衆の耳が痛くなるようなことがマイクの音量上できません
と!こう申す映画館で男が男とキスしていたって、
同性愛/ゲイ/ホモとは言わずに、草食性男子と言えばいい
女の同性愛/レズ/あらやだあなたそうだったの
は! 一時の気の迷いであり、喰いちらかされる前に清潔な
女性的条件であると某詩人はのたまう
どんどんやりなさい、どんどんやりなさい、とうわずりながら
社会って本当におかしいよね占い師のトランプみたいさ
某テレビ局は株主がホニャララであるのをいいことに、
ニュース番組で洗脳を始めている
おそらく妊娠を避けるにはもはや
ゲイかレズになるしかない


【206】


KAMOME STUDIO作品
「根 uncontrollable passions」


根強い偏見、屋根がないさ
根絶不可能な迷信

商人根性,泥棒根性 ・・・男 根主義者 psychics
女だっていまでは女根主義者 ・・・妊娠検査薬はありますか?
needy people collectively

phallic worship

kill en masse

・・・彼が困ったことや、痛みがあることに対して、いい加減な出まかせ
  を言う時にそれはあらわれる。


否定の根拠


【207 「心膜腔 psychological-psychical」】

俺は泥の菩薩内心夜叉の十二音符を放つ
パンの心はスタバックスコオヒイの味
音符を切り離す非調和な四分の一から離れた
一つの音符だけでも別の三つの音符の音程がなくとも
それなりにモスドナルドバアガアの味がする孤独の彼岸
ああ君や悲しき心膜腔


【208 もうひとりの僧】


たがいの眼が、
つめたい野原の掲示板
うっすらと形を成した
「よせやい」・・誰かが気付くと、
墓の中まで引っ張り込んでやりたいのだった
鳥が逃げる森
ハッとはずかしがって
やわらかな夜の刹那に
名乗りをあげる男たち
つまびらかな月や、劈く鳴き声を奪って
見違えるほど、ぼんやりした不安
・・・と、でも。
ほそひものごとく、女の胎内
水音の、ガラス器に盛られた水の湛えから
うしろあしが見える
妖しく横たわる内省と多彩・・
昔はここは戦場だった
うら若い滅び
黒い雲があの夏はたなびいて、出征のことを思ったが、
案外それは戦国時代のことだったのかも知れぬ!
  ・・本から出てきた一葉の写真が
  葉を舞いこませ、風のうすのろ
・・と、そこで。
ある日、経をとなえているわたし
わたしとはだれであるか?
を、ふと思い出したとき、
わたしは十九歳で
霊を供養すると、一杯の水を馳走にあずかる僧であったから
いまからそこへと赴き唱えてやりたかったが、何処にあるのか
いまそこへはどうやって行けばよいのか
まったく見当がつかなかった
ただ・・死の範疇に、白く老いたわたしがいた
「見違えるほど、町はきれいになっていて、驚いたぞ!」
茶がしに手をつけながら、
人の眼には三十には見えただろうか、
にわかならずとも底の水にうつった
この茶碗の中に、手が見えた
手は、ひとつの歴史の証だ
その歴史をビデオテープのようにセットしたなら
巻き戻す
おそるおそるわたしの背後に骨ばった手が迫っていた
あかあかとしたもの
火を噴く山の神を鎮めたか
レテ河の渡し賃
前世で渡し損ねたか
さまざまに思いやられ
地図は破れていた
よそうか・・もうここには誰も住んでいない
そしてあの話も夢か現かもわからない
帰りに、雑草をむしる女を見た
「精が出ますねえ」
女は笑った・・感銘!
しかし次の瞬間、後にスッと手がのびた
「まだ夢は終わっていませんよ、」と・・


【209 紅茶の海】


ふれる指は 意味もないほど あたたかい
棘があれば 性急に 流血
唇のはしに わずかな 涼しげな言葉
なまあたたかく 冷え冷えとかがやく 花
薔薇 つなぐイメージの糸が 見えなくとも
花びらが散ると エメラルドを 思い出す
迎えに出そうな 雨のダイヤモンドを 思い出す
手はバラ科 バラ科の花を扱う 少女の手
じゃれあっている 恋人の手 肉食の生臭い吐息
夏 泳いでいた てっぺんに近い表情で
見るに堪えない死骸 蝉の 赤は無口 
不自然な鋭意 人の想像 わたしの赤い紅茶


【210 ――唯冗談を言い放ったのさ」】


言葉に疲れたら、嘘つきになればいいさ
繋がりがないなら、窓にイスを置けばいいさ
鏡に無知がうつるなら、月に昇ればいいさ
夜が嫌いなら、花壇をつくればいいさ
考えすぎるなら、塔のてっぺんに昇ればいいさ
時計に目を伏せるなら、灯りを消せばいいさ
誰かを求めるなら、道の小石を拾えばいいさ
悲しいことがあったら、歌をうたえばいいさ
何も見たくなくなったら、眠ればいいさ
自分が嫌になったら、他人になればいいさ
町が嫌になったら、旅に出ればいいさ
人生が駄目になったら、死を恐れたらいいさ


【211】


幸せについてぼく、考えてみた
This is the only thing that was left.


幸せになりましょう!
ヤッタネ 
がやがやがやがや
突然やってきた!
フィーバータイム!
最高に素敵な人生の一日
あなたはまるで
地球が丸いように
人相までかわってしまわれ
 「・・・重力のせいなんだな、
 おしつぶされると角がたつ」
と、謎の名言を発し、
ギスギスをキスキスとダジャれ、
さらにもうわっはっは!
ああ! しあわせだなあ!
クスクスみんな笑います
裸の王様みたいなものです
でもいいのですよ
お嬢ちゃん坊やたち
お爺さんは
みんなの幸せが好きなのだよ
いえぇぇぇす!
 「たとえばこの国に、
  悪い人はいないんだ。」
うんうん、ってアンタ!
いつも糞とか、死ね、とか・・
言ってたじゃないっすか。
  「はい、言いました。
   だからなんですか?」
いえぇぇぇす!
人生いちどきりなんだもの
たまには、はしゃがないと
たまには、遊ばないと。
のうてんきな気持ちで
ワインを床にごろごろ転がして
酔っ払いながら夜を明かして
ああ! 明日って何曜日だっけ?
  「土用だっけ(?)」
俳句知らないと、わからないので、
ノリはいまひとつだけど、
まあ、この人楽しそうだからいっか。
シアワセって物忘れ?
そうだよ、人の裏側か本音の、
イリミダレ。
ああ なんでもいいけど、
ぐるぐるまわる。
不意に、吐きそうだけど、
日頃から荷物持ちまくってる、あなた
自分にプレッシャーかけまくってる、
そこのあなた、
踊りましょう!
きっと楽しいことが待ってるよ!
ああ 地球が
いま ぐるぐるまわる。
  「本当に、そうかはわからないけど、
  人の心が変われば、道は開ける!」
こんな日はおすそわけ。
よくわからないけど、元気だせよ!
疲れていても笑い飛ばせよ!
いいんだいいんだ!
人生めちゃくちゃだから、
どうせ明日も働きまくるんだ、
  「でも、笑ってた! 笑ってた!」
彼が笑うと、あなたは笑った。
あなたが笑うと、隣の人も笑った。
明日の朝、笑うと、道ゆく人が笑った。
心の中はずっとグルグルまわって、
一日として同じ日ないんだ!
そうなんだ、ゲラゲラ笑いながら、
ぼく、ああ、ぼく、考えてたぜ・・
本当の幸せが、
毎日きちんと生きた先に、
あるはずだって――


【212】


たとえばコカインのグラムを
買うように、ナポレオンは
アイススケートが好きだった

A small,
naked bulb gave
the only illumination.

75兆個の細胞があって、
60パーセントは水。
そして2元論が大好きな、
1985年に生まれたぼくは、
ヴェラツァーノ・ルームで、IQが
どうして1のQから始めたのかと、問い、
ああ天は2物をあたえた、荷物さ・・
考えるぼくは1895年?
それとも1598年?
あるいは5981年?


【213】


どこかで氷が割れるような音がする、
それが爆発音だということは知って
いたけれど、とても美しくて色んな
ことをその時に忘れてしまった。

   (小説「時間の中」より)

*時間の中は3000ページに及ぶ長編小説で、
 僕が高校生の時に書き上げた小説である。

どんな優しさに向かって、
僕は暗い眼をしているんだろう。
息切れするほど、疑い深くなる
 優しさが、忘れ物のように、
文字を鋭くする。
小さくちぢこまった言葉は、
最後の裁きににもやれない、
一本の杭にもならない

坂の上には夜景がある。
祈る言葉はすべてのものに明る 
 く見とれて、かすかな鉱石、
 ・・・あの流れ星を見た。
ひとつの楽器のように、
長い叫び、失われた夜、そして
 忍び寄る冥さをまといながら、
 何かを深く諦めることがある。
人は夢に目覚めた朝から、傷口
 は赤い。まるで燃え尽きて、
 落ちてゆくようだ。
影も消え、ただおぼろげに、幾度
 もあらわれ、
この世界の意志を超えた虹となる。

だがある日、涙脆くなった自分に、
君も気付いたはずだ。
かつてそれは本当に一瞬間のもの
 で、朝に胸が震えている、あの
 記憶と同じ幸せな恋だった。
しかしいまは、まるで自らに白い布
 をかけ、
ちょうど山の細い小路を抜けるよう
 に、
鈍く痛み始める胸のあたりの、
琴線が切れた。鴉の鳴き声――。
いま、僕は、
乗客もまばらな電車の中にいる。

切符を握りながら、駅の名前を、
通過してゆくのを、ぼんやりと見て
 いる。「どんな優しさに、」の後
 はもう忘れてしまった――。

流れ星はつうと地上へと落下する。
重く、そして日々の痛みのために、
 慈しまねばならない。
ただ・・手を伸ばすと声が聞こえた。
遠い過去・・記憶にない、ファインダー
 に、
無表情な夜が微笑む。


【214】


KAMOME STUDIO「創造」

絵は閃き
糸に会う
門の人

『あれはなんだ』『あれはインドの愛慾の神様です』
(注、カーマ。もちろんオカマのことではない。)
『アリストテレスとどちらが偉い?』『ロバート・ケネディの生ける伝説と・・?』
『マハーバーラタを読めばわかるんじゃないでしょうか?』
(注、十万の二行詩からなるヒンズー教の聖典・)
『たとえば金メダルを噛むことが古代ではスリリングな場面だった』
(注、言い廻し。金は昔、噛むと歯形が残り、不純物があると残らない。
それゆえ悪貨は良貨を駆逐するのを防げた。)
『ジョン・ロックが書いた盲人の譬え話みたいだ』
(注、ある盲人が、赤色がどんな色か知りたくて数十人に尋ね、ついに、
 赤色がわかる。それは「トランペットの音」に似ている。これはランボーの詩、
 とも共通する。草野心平が取り入れているのも見逃せない。)
『子供は赤い色に惹きつけられるんだってね』
『赤には不安を減少させる効果がある』
『でも、たったひとつだけ、わからないのは、
金が赤の一部であるという記述を、ぼくはただの一度も、
見たことはないということだ。』
(注、彼が話した、たった一つの個人的意見。
「絵は閃き、糸に会う門の人」
=色は知識、知識は経験をの意)



































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