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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

イラスト詩文控え1  by 塚元寛一

【1】



かぜかな
あめかな

あるけども
葉の上から

あるけども
水溜まり




【2】



ほたる村では、せみの鳴き声がきこえると、
そろそろわしらも、という合図だ。
ある日、ほたる村の若い者が、
せみは、どうしていのちが短いんだ、
(と、象徴を指摘しながら、)
どうして自分たちもいのちが短いんだ、と言った。
それははじめての創造的な発言だった。
「ぼくらはもしかしたら、蟻なのかも知れない。」
それに数十年生きるというまぼろしの蛍は、
泣いた。みんな死んでしまう。
どうして自分は死ねないんだろう?
彼は語り続けた、あたらしい蛍たちに、
「・・・永遠は蟻のように儚い。蝉のように幼ない」
誰も彼もが、その言葉を愛した。
ほたる村の、田んぼや、川辺は、夜でも本当にしずかだ。



【3】



もしこの橋がポン・デュ・ガールだったら
・・・ぼくは、おお偉大! あまりにも創造的! 
ティラミスのうえにハチミツをかけたらそれは甘い

  建物を見れば、なんだこの無用建築物は
  芸術的価値に反する! なんだこのゴミは
  なんだなんだ、あの蟻どもは

 ・・・本当によかった、と友が言う
 ポン・デュ・ガールでなくてよかった
 「約2000年後に倒壊するだけのことはある」

   いや、とぼくが言いなおす、ピサの斜塔だって傾いてる、
   そもそも、漱石なら、“ピザの斜塔”と言うはずだ
   そしてぼくらがポン・デュ・ボーイであったら



【4 ラーメンの食べ方】



ラーメンを食べる時には三つある。
一つ目はスープから飲む。
二つ目は具から。
三つ目はもちろん麺からだ。
ぼくはスープからいく。
まずかった時にこれ以上食べないためだ。
(と言いながら、残したことはないので、
これは批評家的だと許して下さい。)

ラーメンを食べながら中国人になったと思う。
ぼくは中国人が好きだ。
ぼくは近頃アルよ、を多く言ってしまう。
日本人であるか中国人であるかはともかく、
東洋的、アジア的、という言い方はしない。
ぼくはラーメンが好きなんだとおもう。
おそらく、中国人なんだとおもう。
キクラゲ・紅しょうが・チャーシュー、
は黄金の組み合わせだと思う(れっきとした、)
中国人の詩である。



【5 生活】



どうして笑わないの?
もしそう言われたら、
あなたの言うとおり、
きれいすぎる部屋なのかも・・

彼女ならどう言うか?

  誰もいない部屋

音のしない部屋
匂いのしない部屋

必要じゃないものが沢山あって、
物質的で、欲望まみれだと――、否定していた生活も



【6】



ボウリングのピンがたおれる(情報は定義され、)ヒットラーは演説
 奴はやがて偉い人になるぜ、と言ったかどうかはわからない(「が」)


  鐘が鳴る、アニムス、リンフン、ヨンホン、ドゥシャー
   鉄道のレールに、キーキーひびくバイオリンの相性がよかった。

ぴーひょろろ
ぴーひょろろ/ヒヨロ ヒーヨロ ピンヨロー


なぜ文字が印刷されるのを待つ[煙突は、煙をあげるもの、]
 山や星や花、すべて影と光のなかに溶け込んでいったはずだ


  鐘が鳴る、タンシー、ハンスム、タナッフド、ススピーリウム
   風が吹いたように、[蒔いた]そして死刑執行人は己のなかに潜んだ。


・・・ホーホケキョー


地質学が地上の楽園を見つけるか? [と、]問うのは、まずぼくだ
 いちじくも、りんごも、蓮の葉も蜘蛛の糸も、三図の河も


  鐘が鳴る、ジド、ハーリタ、カルト、ラントカルテ
   杭や柵のかこいもない、(空は、)それでもぼくらのアトランティス・・


くゎりくゎり
りんりんりりりん


ところでそうだ、天文学、電話番号、そしてこのブルジュで(ぼくは、)
 髪のように生きている。使い古した言葉づかいから離れ、まるで飽き性の、


  鐘が鳴る、、ある個バレーの、レーヘンボーホ、アルカンシエル、カウスクザハ
   それは虹ー地図ー溜息ーたましいの匂いのある物語(であった、)・・


そよ風がそよそよと濡れて、
ここはイズミルの港か? (と、)ずず、ずずず、ず、


【7】


huji舞う点といいます。
ジ・・あれ、おかしいな、富士ゴリラ
さふぁりぱあくみたいだな、おかしいな、
藤さん、って・・だ・れ? 富士!マウントフジ
標高3,776m
しかもまだ活火山です。すごいね
富士山の気候資料によると
1月の平均最高気温 は
「-15.4」
・・・と、とても過ごしやすい気候になっています。
皆さんお出かけの際は、タオルで乾布摩擦、
もしもの時にはチョコレート(遭難必須アイテム)
をばりぼり齧って生き延びて下さい。
風になびく富士の煙の空にきえてゆくへもしらぬ我が心かな 西行
「ー15,4」の心は、煙じゃなくて、焚火かな。
富士からの、レポートでした。


【8】


glowing embers
     emit light
plane-polarized light

対戦車ミサイルが欲しかった。核兵器が。・・
どうしてそれは産み落とされたのだ。
「導かれし者よ・・」
喪われた古代サンスクリット語、
忌避された呪詛を復活させよ。
黒い森のニーベルンゲンの町、
熟したもの、賢者ープリュンヒルトよ、
ひと言にして足るソロモンの子供よ、
錬金術に塾達し、不老不死の霊薬を、
作り出し、学問、芸術にも長けた。
He is a man of wisdom 時が来た
わたし達は冒険へと出掛ける。
この地上で、たった一人、
あのDragonを止められる男を。・・


【9】


もう一つの歴史の幕が開かれるのだから……
Do you believe in fairies?

A ポケットのなかに切符があります。
 ぜんまい仕掛けの人形は、焼いてしまいました。・・
B 雪の上に向日葵があります。
 あなたは小枝と雲のどちらが好きですか?
  ・・・誰も起きていない庭で、白い指程度の・・
 つらら、
C 月は道化のように綱渡りします。
 あらら、・・the enchanted realm of fairies
D (映って、見えています)
  (映っています、)
E しろい花揺れる
 今宵あなたは死ぬつもりだったのでしょう?
  ・・・出よう、と聞こえます。
それがなぜか変な声で、大根がすりおろされたような
 夜のことだったのです。・・


【10】


He's fourteen.
fell into a profound sleep
(She looked him in the face.)
2012-01-21 21:09:24

・・・ずいぶん
・・・むかしの
・・・ことだけど
・・・きれいな
・・・ちいさな
・・・ちょう
 ――エンドルフィン

・・・つやつやと
・・・なまめいて
・・・はらりと
・・・とんで
・・・あのひとを
・・・まっていたのよ

  ――だれ?
  ――どうして

  ――ほほえむの

・・・てんにょ
・・・ようせい
・・・いろつきの
・・・せろふぁん
・・・ねえ ずっと
・・・ずっと

「かんがえていたのよ。」


【11】


はとの豆まき週間
LOVE LOVE LOVE レポート

灯台のイメージキャラクターをつとめ、DJ、宅配業、宣伝、また詩誌AVENUEで、ねこや、
くまと一緒に働いている、給料豆と大福とハンバーガーのはとです(^◇^)

***はとから大切なおしらせがあります***

はとを愛して下さい(^◇^)
むしろはとに豆をください(^◇^)
はとに大福をください(^◇^)
はとにハンバーガーをくだあい(^◇^)

  ・・・言えてないよ、「ください」だろ

くだあい(^◇^)
あ(-"-)

  (きれいな心で青空を
  浮かべてください。
  ・・・いまたいへんにオ見苦しい
  暴力的な、シーンが、
  ながれています。)


【12】


She gave it to him.
It's her.
She is pigeon-toed.
Who is she?

わらわは魔女ですじゃ。
わらわの仕事は箒をもって庭を掃くことですにょ。
  (飛ばないの? うう、・・うう、飛べません)
わらわの男遊びは壮絶ですじゃ。
魔女だから? うう・・不思議な魔法をかけるから。
 (魔女っ子デビュー!ミュウジックカムオオオン!)

ずんちゃかずんちゃか
ずんちゃかずんちゃか

「フ、あたしも中島みゆきなのさ」
  ・・・たぶん、違うと思います。
「フ、あたしのことをミユキ様と呼ぶがいい!」
  ・・・あ、あのお。
「グフフフ、ぐははは、ふははあ、
 ・・ふが? 
 ふが、ふがった(しまった、)
 ふが、ふがた(顎、顎はずれた)」

ずんちゃかずんちゃか
ずんちゃかずんちゃか

  × × ×

魔女っ子デビュー
作詩 カモメ教授 作曲ピエール・ド・くわとろ

マジョカマジョリカマジョリンヌ
マジョカマジョリヌマザリンヌ
マホリカマクワリママレドボオ

アンダアスタン(HEY!)
あたしが誰が知ってるの
アンダアスタン(HEY!HEY!)
そうよあたしは魔女子なの

腐女子じゃないわ魔女子なの
跳ぶわ跳ぶわ (きれいな女の子)
満月に重なるオーヴァードライヴ
ああ あたし眠たくなる~

マジョカマジョリカマジョリンヌ
マジョカマジョリヌマザリンヌ
マホリカマクワリママレドボオ

魔女っ子デビュー!
―――(魔女っ子的ナレーション)

八百屋のおじさん:どうしたんだい、お嬢ちゃん?
魔女っ子:(こほこほ、)もう長くないわ。
八百屋のおじさん:(すこし、心配そうに)結核かい?
魔女っ子:野菜の値段が高いわ、こほこほ。

魔女っ子デビュー!


【13】


He glanced at her.
He fixed his eyes on her.

気に入らないの・・・?
違うわ、彼を見た瞬間から。―
こわいわ、わたしにはわかっているの、
 ・・・奪われずにはいられない
   ―くちびるが渇く、咽喉が渇くー
愛されるというイメージに
体の芯が熱くなる、
求めずにはいられない、
気がつくと、目で彼の姿を追ってる。
魅了されている、
恋におちている・・

「人を愛し始めることを、
人はどんな風に認めるんだろう・・・?」
 

          ・・・わたしは、卑怯者だ。
  ・・・彼が何か言うまで、ずっと黙っていた。


恋すると、一夜だけでは物足りなくなる。
恋すると、一人の男が・・・

  複数の女に恋することを許せなくなる。
  「生理、」だとある男は言った。
  「ゲームだよ、」とある男は言った。
    ・・・恋に振り回されて、わたしは、
    泣いた。ほんとうに、傷ついた。

        でも惹かれている・・・
        恋に振り回されると、
           知りながら。-
      あなたの腕に飛び込みたい。
      思い切り抱きしめられたい。
       そして今度こそ、あなたに、
        「永遠に愛する、」と・・
          誓って欲しい。―


【14】


She calls him by first name

殴るー蹴る
女を絶望させる・・
彼女は彼を疑い深く見る
(その一瞬、)微笑む
彼女は悟る、
小指ではなく薬指を、
截って差し上げたい、
(女の糸引く夜、)
が終わる三日月
she looked at him inexpressively
He gave her his word
He doffed his hat

煙草を覚えた
地球
イマジナシオン
変装が解かれた演技
「・・・さっきまで視野を区切る、
鯨がいた、」と君は言う、
神性。(そうだ、
梳いていたんだった・・
女の髪、)
女「もうこれ以上、
なまあたたかく、
揺れたくない。」
ナチュラルハイタイムー
でも、「・・君の絶頂は、
まだかも知れないぜ」
ずるい男って、
(何?)ずるい男、
が消えてゆく
 -0が1個消えるー
 ・・・いいじゃないか、
計量器、「効き目よりも、
その重さ、わからない方がいい」
(女も男も、)

寄る辺ない心臓との距離
閃光ー俺の花を刺激する
蓮のように甘くて白いその向こう側・・
今日「・・取るに足らぬ気持ちで、
泥を掻いた、」(ハートとスペード、)
女。「鑑賞される、ヌード、いやらしい
あなたの目。・・眼は何を語るの?」
瞳は、動いている哲学的自省の翼さ。
男「指は植物だ、都合のいい、
退屈な仮面」と嘯く、たぶん、
裁判官がいるんだろう、
主任判事は「イエス、ノオ」
’(これ以上なく、いい加減な、
サジ具合の言葉、)
そして俺の棹は、
嫉妬深いアリバイを求めてる。
女。「電話をかけすぎて、
誰も出ない、」
(居留守を使ってる、浮世。
けしてまざらないゼラチンと氷)
  -1が0に見えてくるー
  ・・・女の弱さが好きだ。
後遺症みたいになったら、
(あとは、)小指截るしかない。

小指が痩せてゆく
 -萎んでゆくー
 ・・・「腐る」
たくさんの女の息だ、
(手淫常習犯、)
忙しない別れだ、
切れない女の縁より
小指の御馳走だ・・
「小指の爪という美しい眼が、
・・俺を酔わせる。」
(藍してる、鹽してる、
の間違いだろ)
俺達は自転車競技の
体感速度ー熱が
ほとばしるレースの中で、
緑、「みずいろのイメージ」
みずいろ、「みどり、」
(混ざり合う、)男も女も、
こうなりたい。
裏側を見つめたい、
人生の真実を知りたい、
嘘、「・・知りたいのは、
あなたの味、」
ギターは自殺記事する。

He slapped her.
He called her bad names.
(女にいちいち、真面目になるな)
男の価値が下がる、
女「小指をあげたら雨が降る、
狐の嫁入りってそういう意味よ」
くだらないレトリック
女の浅知恵のトリック
でも、「焔と灰、」
(束の間の影でもいい、)
後ろから犯されたい女と、
小指をファイナルコンディション
という、Eternal
「めちゃくちゃだが、旬だ」
俺は彼女の手をつかまえた。
どうして薬指をくれなかった、
俺が一生後悔する
指輪の場所を俺にくれなかった、
純愛? 
違う、呪いだ、
愛では遠い、恋すら遠い悲願、
賭けごとをした身長と、
仲直りしたい。
 -1でも0でもない 沈黙ー


【15】


ゆるやかな歩調で歩く時刻はいつでも午後の2時
switch on the light


自分は、いま何ができるんだろうと考えていた。
進行性憂鬱症。Switch on the light. I can't see anything.
自慢話や昔取った杵柄。
コンプレックスや嫉妬、妬みや見栄・・
まるで病弱な犬。パリ近郊に住んでます・・
いちおう、絵描きです。The town is brightly lit up.
たまに変な相談を持ちかけられて、
亭主や子供の様子をさぐってます。・・
縞模様のマットレス。カーキー色の毛布。
紅茶専門店でテーブルの無感覚な木材にふれながら、
読書をしている喫茶スペース。
観光にやってきている友達に、パリじゃないの、
ブルゴーニュなんて聞かれながら、
愛と嫉妬。憧れと幻想。友情と裏切り――
コントラスト わたしは古い玄関の前に三角座りして、
汽笛を鳴らしているこの町が好きです。
おとなしくしていると、switch on the light
髪がほどけてきてしまうくらい、
無数の偶然や眠気にみちみちて、
世界の中のわたしがいなくなるまで、
この旅は続きます。ええ――


【16】


「は は」
「ソウヨ・・」
「は は」
「ソウヨ・・」

flexibility and expandability
a canvas shoe with a pliable rubber sole
rest

やわらかいミルク缶が
あった。僕はそれを彼
等のように思った。固
く肥った、自分。打撃
、衝撃の中で、その黄
色いブラシはやわらか
く見え、ぬくったそう
に思えた。

やわらかい草 やわらかい毛

新鮮なそよ風で目が覚める
深くて緑
やわらかいシダの根が
てのひらに深く迫る
僕は民族衣裳に身をつつみ、
彼等に近づく――


【17】


アイルランドの固着性色素
教育はドミノ

耳慣れぬ命令
服従する オレの良識
寝てな、おぼろげな記憶

    あいつらの瞳は黒いんだ
   あいつらの瞳は白い
  あいつらの瞳は碧いろ
 あいつらの瞳は赤
オレだって欲しいもんくらいあるさ
    「・・・オレの瞳は圧縮された青」
    「・・・反射望遠鏡、螺旋、コルク」
何不自由なく育ったろう
   ・・・あいつらはけだるいって言う
   ・・・ミネラル・ウォーターのプール
      泳いだこともないくせに
動的な気質が解放される瞳孔が開く
    「・・・ペンナイフくれ」
    「・・・もの足りない幸福」
「a hydric habitat」
  

【18】


僕は家が好きだ 引っ越す前の 家も好きだが 誰も住んでいない 家が
たくさんの人が この家を目指して こっちを見てほしくて 向かってくる 
大事なのは 高く高くあがっている凧の糸じゃない 生活だ 空の陽が
やわらぐ その家に鯉のぼりが泳ぎ 七夕には ちいさな子供の願い事が 
乱れて飛び立とうとする 泳ぐ 日々が ここから 飾られている
もちろん酔いは短い 星のように ゆっくりと 時間をかけて 爆発する
でも若い頃の僕は 曲がりくねっていきついた 家 ときには 真っ直ぐに
あかるい心を うしなわぬため 何かを信じるため 喧騒とほど遠い 静かな
その家 誰かが暮らす 家のことを 僕は 夕陽が落ちて 柿の実が落ちるように
逃げられずにいる 生活に 考えていた 僕の歌 僕の歌は 死なない
かげろうは 雲になったから 雲から 雨が 僕の頬にこぼれたから
太陽ばかりは続かない 日々よ 君が暮らしている 小さな悩み事の 家よ


【19】


なぐさめ
「You made me glad When I was blue.」
2012・2・20「なぐさめ」
but there were tears in the man's eyes,

しゃんしゃんしゃん 
らんらんらん
うつくしい樹が 
ブルーサファイアいろに
染まったら
しゃんしゃんしゃん 
さららんらん
錆びた自転車で 
ゆるやかな坂を
ゆっくりゆくり
降りましょう

しゃんしゃんしゃん 
らんらんらん
なつかしむ昔に
パッと卵の溜息
こもれたら
しゃんしゃんしゃん 
さららんらん
さみしい絵本の
あの人浮き出るの
ゆっくりゆくり
降りましょう

しゃんしゃんしゃん 
らんらんらん
あの道この道どんな道
おとさんおかさん
ぽっぽっぽっ
しゃんしゃんしゃん 
さららんらん
まるいあたま まるいからだ
ちいさないのちのすべりだい
ゆっくりゆくり
降りましょう


【20】


咽喉が痛い。
泣く時の癖だ。
それをこらえるために、いつも――
         いつも――
咽喉を
締めるような
仕草(を、)する。
「なあ、おい・・」
「何よ・・」
「黄昏、きれいだな――」
「うん、まあ・・」
キラリと 射しこむ 陽の中に
「ねぇ・・これからどうするの・・・?」
どうしよっかなあ・・ホント・・
「働く。」
「声・・小さいね・・・」
自分たち以外いない街燈・・
「しょうがないだろ、・・こわいんだから」
「あたしも・・こわい・・・よ――」
     「でも子供のころさ、」
「・・・うん」これからどうなるかわからなかった
 これから・・・     「自由だったよな、」
14歳のガキに何ができんのか――
    わかんないけど、生きてみるよ


【21】


 貼り紙もない MENUもない
音もない 話し声も 小さい
影がない 影

 貼り紙もない MENUもない
音もない 話し声も 小さい
影がない 影



ーあの時計 時間 合ってるの
 -合ってなかったら なんだってンだい

ーところで あの 青い小鳥は 何処へ行った
縛り続けていた 引力          ー死んだ
ハンドバッグから手鏡を取り出す
ハンドバッグから手鏡を取り出す
       ―殺した?
       ―殺した?・・・ニコチン
ーあんた いつか 言ったよねつま先立ちで立っている 
               ー何をサ ただ欲しい・・ 何かが欲しい・・
欲望に狂わされたワ――
 -心に深い井戸があンだ、音楽が入ってンだ
・・・覚ェはないネ
ちくたく ちくたく 振り子のように ぺろりと 舌を出す


【22】


「はい、承りました」
「・・・君、本当かい?」
「もちろんでございます」
「え、あの、仕事中にかけて
   悪かったけども」
   「はい、承知しております」
   「でも結婚だよ」
     「はい、業務上のプロセス
      として、ご満足いただける
      ように・・・はい」
     「そんなプロポーズの受諾・・
      はじめて聞くよ」
     「はい、後でゆっくり、はい」
      「・・後ろ、上司いるの?」
      「いえ、関連の者が、はい、
       待機しております」
       「ああ、なるほど」
       「では、またご連絡を」


【23】


不思議と気が合うふたり


――なあ、相棒。男って・・大概馬鹿だと思わないか?
――おい、呆れんな。カッコつけんなよ。
――うっせえな。
 (・・・でもふとっちょで、丸顔で、愛嬌のあるぼくには、
 色白で、ちょっとワルそうなキャロルが、ぼくにはすご
 く魅力的だった。胸に罪深くて甘い煙草のにおい。髪の
 毛一本まで、ぼくはキャロルに憧れていた。)
――バーでも行って、女引っ掛けっか。
――いいよ、どうせ、・・女なんてブラウスのしみなんだ。
――なんだよ、それ。
――おっぱいからミルクが出るってことさ。頭に養分がい
   かないってことさ。
 (・・・俺は、こいつ・・ドリスほど文学的じゃない。こいつ
 は将来、作家とか、弁護士とかになるんだろうと俺は思っ
 てた。仮にまかり間違っても、俺みたいな生き方をしない
 。そんなドリスといると、嫌な両親のことが忘れられた。
 喧嘩ばかりして、女を引っ掛けている自分のことをうまく
 忘れられそうな気がした。)
――なに、ヒョウキンなこと言ってんだよ。
――違えねえこって。


【24】


ブルー・ブラームの嘆息


赤い車に憧れていた時期がある
咽喉から手が出るほど欲しかった時期がある


車に乗れば、時計の針が夕暮れを射す。
赤い車が夕暮れと溶け合う高速道路。
・・・工場は消えたぜ、超高層ビルディンを忘れたぜ!
「空腹だ」「そして五時だ」
ブロンドの孔雀! セックスアピールをするモリーは・・
すばらしいお天気のグレイスさ!


【25】


Poem photo (Poem illustration)
by Kamome Studio
「She looks well in her sleep.」
a soulful or
amorous idealist


 人生にはそれなりに厄介なことがあって、ドライ・・。
 愛想よく腕を広げたら、ブレイゼズ・ボーイ!・・でも灰になる。灰になる、ドアの
ポスターみたいに、昨夜の銀のソプラノ・・俺の海を滑った。
 おぼろかに鳴り響く教会のピアノ!・・オルガンの音!
 「アメイジング・・」の後が続かない、・・さよなら。さよならの後の、ブルー。そし
て仄かに震える、憐れな電車のような心。
 ねえ、アヴェ・マリア――微笑みかけてよ。
 老いさらばう馬のように、君に手を出せないどころか!・・針!・・輝かしい君の煌め
きに、もう俺の人生、ただ消えゆく影が知る明るい高音部。
 笑われそうだけど・・君が好きさ。好きさ。
 恋人と別れて、俺はまた征服されない英雄になる。用心深い雄猫になる。でもロー
ズ、・・そんなの強がり!・・君がいなきゃ、明日君と逢えなけりゃ俺の人生は、封筒に
入っている映画のチケットよりさみしいさ。・・
 安心してる寝顔のお前、傾けた瓶のようにフロウする涎れも愛しい。
 暗い都会の真ん中で!・・地球で一番強い獣のような俺も、・・お前を待つさ。ゆるや
かにこぼれおちるシロップと、天に向かって跳ねあげた硬貨、・・そして一体俺は何故
にセザンヌ。何故にゴッホ――見られない。いや、・・死んでもまだ見たい、お前の生
きているという不思議。
 ・・・指一本触れられなくて、しかも眠れず、そのうえホテルから出そうな俺。
 いつから羊に?・・ねえいつから、スカイブルーの鑑賞家に?
 もうすぐ携帯の時計が鳴って、かっこつけの俺は、大いなる静寂のひろごりし上、
ラ・クロッシュを告げる。ソネ!・・打ち鳴らせ。
 「・・いつまで寝てやがんだ馬鹿野郎」
 俺は不機嫌な旋律を出す。ふわあ、とあくび混じりのコンサーテッド!
 あどけない目覚め・・ああ!ああ!・・・癒しがたい渇きだ、ドライ・・。
 (神経がおかしくなったか・・あるいは馬鹿になったか!・・と思うが)
 快い春のプレリュード、ブリリアントな気持ちの朝!


【26】


sickly sentimentality
Poem photo (Poem illustration)
by Kamome Studio
「with the coming of spring」
a soulful or
amorous idealist


揺れています、なめらかに物思わしげに。
野を越え、さぐり入る影の深みか春の風。

揺れる、糸切れむばかりに細き一つの噴水は。
わが汚れし魂を、ひと葉!ひと葉と弔るべく。

揺れよ!・・よそゆきの服、冷えてやわく、
音もなく!――ああ・・バラード――。

揺れています、渦巻きつつ湧きあがるタンカード。
そは何者?――そは、軽やかに泣き叫べるわが涙!・・


【27】


get seasick
Poem photo
(Poem illustration)
by Kamome Studio
「the summer vacation」
a soulful or
amorous idealist

おいでよ!って言う・・
待ってよ!が続く――
ピアノに向かう腰掛け方で、
ゴールドに蒸気する夏の光。
蝉の鳴き声のトロンボーン。
軽やかな、夢のようにやって来る
夏休み、緊張して冷たい僕の腕が、
伸びる・・痛いほど眩しい、
ためらい、・・歌うような声。
君にちびのピーク!
君の背を追い越したかった。
・・・君に憧れてた――。
祈るべき神も知らない、
青葉は夏枯れ・・
小川はせせらぐ、しら雲は妙、
・・夏休み、
黄金の船みたいだ――。


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