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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

pro2 coffee

 




「イエメン」




惑星のように傾き回る濾布に敷かれたマタ

 
リの眠りへ、万有引力の鳥かホーローの鶴口
 
を垂れる湯の一滴は托身の円さに満ち満ちて
 
いる。
 
羊歯に帰り花の落ちて結ばれた実が、つい
 
に渇き種を焦がすに至る記憶は多孔質のなす
 
層であり、琥珀のような記録は濾布の底に沁
 
み、やさしい遠心力に凝る。濁りなき蜜は恩
 
寵のように垂れる。
          
 ワイン   ジャスミン
それは鼻腔における葡萄酒と茉莉花の結婚。
 
檸檬水晶の風に吹かれて無限に伸展する衣裳
 
スカートの襞が頭蓋を越境する開花への恍惚。
 
それが波をたてて引いたあとには一人、ぽつ
 
ねんと取り残された湖畔の静けさがある。金
 
色の水面を飽かず眺めて佇めば、岸辺を歩い
 
てくる輝かしい御姿がある… … 。









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