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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2011年10月15日
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カテゴリ:ムーヴメント
  193


――おや、眼がさめたんですね。

――はい、・・・ああン、めまいが、めまいのせいで。

――二重めまいですね。よくあることです。ホームズにワトスンみたいなものです。

――ああ、めまいが・・。


  194 テレビ的構造


恋人から葉書が来た。

「愛しい人へ、・・こちらの高原はスーパーデリシャスです」

  ――三分間ください――

そうか、高原といっても、食べられる高原なのだな、

美味しいのだろうな、・・うむ、――キットソウダヨー

    ・・・恋人も変だけど、アンタもちょっと変、とナレーター


  195 三段論法


身の回りには電気を通す物とそうではない物があります。

磁石にはくっつく物とくっつかない物があります。

僕の口説き文句に引っ掛かる人と引っ掛からない人がいます。

わがままだなあ・・


  196


かげはどうやってできるか、とあるひ、SM氏はまじめに考えました。

そして、SM氏は、かげを、ひきはがしたい、とかんがえました。

SM氏はなまえににあわず、ちょうてんさいかがくしゃ、だったので、

たったじゅっぷんで、かげをかためてしまうスプレー、をつくりました。

そしてペイントのようりょうで、ぷしゅーっ、とふきました。

とかげです――とかげが、くさむらにむかってはしりさってゆきました・・


  197


・・・目もりの読めない体温計

・・・こどもがつくった、体温計

・・・1度からはじまって10度で終わる

・・・氷をくちにいれて、はかってみたりする


  198 


ぼくは、てんさいしじんだとおもったので、すごいのです。

なんというか、もう、すごいのです。

ぷろふぃーる・・ちょしゃきんえい、のところに、

すごいしじん、とかいたりしているのです。


  199


不幸を滅びさせるという最後の魔術をかけることができるのは科学です

細菌兵器さながら、アヘンを投下するのです

どんな悲しみも消え失せた。

――初めっから壊れていたのだ――

僕等は無駄にきれいだった、そして四方の壁を思うがまま閉じた。

・・・人は救われない、魔法によってしか。


  200


よう見える。カカカ、・・ほれ、善う見える。 

突破記述世界の王――偉大な創造主は

エメラルドとダイヤモンドが今年は豊作だった。

真珠は光沢がよく、・・サファイアは若干収穫量が少ない

HEY! 科学無神論教――もし国民をあやつりたいなら、

富裕層にせよ・・宝石を農家に収穫させよ――


  201


雨はじきに過ぎたが、隣町では浮世なうきふしを降らせていることだろう。

幾つにも幾つにも細かく引き裂きはじめた心からの手紙というものは、

灰にならず、・・燃えず――それでもまだ、濡れて、形がくずれて

道路の隅を汚している紙の花。それほど憎らしい顔ただまあ飾り同様の

この国の雨は絵巻物のようにいつまで経っても終わらない。電車に乗ると、

誰かが席に置き忘れて行った紙の束は、一言ささやいてくれる、・・「夜」と――。


  202


人通りも風も

わずか

マグネットのような雲が浮かんでいる

町角を強いヘッドライトの光芒が折れた

踏み出した爪先を、躊躇う


  203


   父母への思いが深まり

  オフィス街は
 うつろ
 虚にひびいた

堺のとある道路ー与謝野晶子じゃないけど、をとうとよ

・・・防音録音スタジオの受付前で拾って来た

ビジュアル系バンドの募集にせのきちがいみたく思う――


  204


せいぜい懐かしがって頂だい! 

という感じで作品がPRされてる

同じようにふと作者を思っているのかもしれない

凪の日の舟のように――きっと友人でもなく! 家族でもなく!

特別な人でもなく迷い犬、・・迷い犬を追って遊ぶ


  205


風のあまり吹かない地方へ行きたいなあ

水しぶきと川風の匂いなんかを感じながら

その生活の危うさ

いくつもの影を久しく忘れた旅のように

誰でもセンチメンタル・まぼろしのような人になりたく


  206


仄かに花の香り

のする

桜の莟は

まなうらに広がる

やわらかく終わる・・・

ほんのりとした余韻を湛えて


  207


ほっとゆるんだように

ブランコが揺れている

――未来を写した子ども――

恐怖に晒されきった沈黙はなく

うっとうしく霞がかり・・・靴が板の上に載せられ

水平か、あるいはすうとさざ波が立つのに怯え


  208


風が強く吹いている

沈まぬ太陽

牛の鈴音のする森

沈まぬ太陽 ( 扉をたたく人――。)


  209


きゃあ~ 

きゃあ~

――え? べつにーフツウですけど効果音

いれたくなっただけなんですけど


  210


やり手の怖い先輩は

一眼レフカメラみたいだ

カメレオンみたいだ

しかしそうだとは言い切れぬ不安が咳を出す


  211


ふわふわ



そふとくりいむが

すずしい


  212


椅子の下に

猫。

・・・毛糸の玉があって、

目を閉じればなお強く迫ってくる、ごむまり、もあり。


  213


平等な選挙についてぼくは仕事中に考えていたことがある。

自由、とか、基本的尊厳とかいったって、出馬費用や後ろ盾やあいさつ回りがいるよ

でも、そのこと、と、つゆともかかわりあいのない政治を求める声がぼくにはあって、

生きてゆくことで失ってゆく愛情の血が生んだ、歴史の内なる坩堝の中へ、

僕に諭すようしずかに語りかける、――政治家は気まぐれなチンドン屋じゃない・・。


  214


雪だるまのようになりながら

滝を見ていた

太陽がぎらぎら鉄を叩く音のように、在りし日の僕を透かしてみせた

風を孕んだ帆よりも早く、胸のふくらみよりもやわらかく、

長い間の答えよりもずっとやさしく眼を瞑ること


  215


――殉教者。教えて、人を滅ぼしてまで生きることの理由

神様・・・また少し、背が伸びたように擦れ違う視線、おぼつかない足取り、

「これでアイツは破滅だ!」って何のことだい――とうぜんのなりゆき・・

裏切れられた人達が支配したがるってこと! 自由のために闘った戦争なんて

たった一つもないこと、宗教の歴史がすべて紐解いてしまった

・・でもまだ少しだけ、何処かへ行きたいという人達の孤独――なのかなあ・・


  216


大声を上げて泣くほどの悲しみが

人生には何度かあるよ

それを硝子のように繊細な瞬間だと思って欲しくはない!

・・・だって、すれ違いに過ぎない――思うように生きられない人間同士よ

裁かれたまえ! ルールを作った誰でもない君の嘘の世界よ

惑わされたまえ悪魔のインスピレーションによって


  217


――誘惑に打ち勝つ唯一の方法は、

感情に蓋をすること

つまり瞑想をすること・・鉄よ! 汝は熱い

心よ――地下の通路に金がある


  218


洗面器に歯ブラシを浮かべていた

・・もちろん、蛇口から引いた水を湛えて

その光景を僕は船だと思った、たとえば夜明けの嵐の中の――

でも塩を入れようとは思わない、だって生物は、

その小さな世界に僕たった一人しかいないから・・


  219 詩人とは IS


恰も祈りでもするかのように椅子の中に身を沈め

僕でも泣いたりすることがある

何を考えているかって? ――ほとんど、何にも考えちゃいない、

ただ、それで人が僕のことをナルシストと呼んでくれたらいいな、

と本気で思ってる。だって、つまらないだろ神様に選ばれたっていう詩人が

読者に勘違いされないなんて犯罪に近い


  220


すこやかな

陶酔に踊り狂うダンスミュージック流れるクラブ
   ばいた
みんな売婦だ! 

・・・でもみんな夢の中では天使さ


  221


地球に聞いた

あらゆる時間の後で

僕等がどうなるかと・・

長い時間をかけて存在は答えた

――何一つ答えずに、何一つ教えずに


  222


「みんなに好かれている」という評判の女の子に、

とことこ、と近づいて行って、ニコッと笑って

死ねよ馬鹿と言ってみたい

・・・たぶん、言われたくてたまらないと思うんだ

可愛そうなサービス精神あふれた女の子よ

君はもうちょっと違う女なんじゃないかい


  223


歳月の痕を

一枚のシーツから感じた

月夜のそれがまだ変装の冒険を続けていた頃には

抗う暇もなく、云いようのない愁いの影に魅了された


  224 都会


いく度もスウィッチを消したり点けたりする

いわば微笑の兆しとでもいうべき部屋の姿を見つけるために

すこやかなめぐり合いであったなら

カメラのファインダーが切り取って永遠に台詞がめぐりつづける

映画のように部屋へと入ろう、彼女でも、彼でもいいから。・・


  225


四角の顔に

剃りあとが残っていて

蟹だと思った

――そして海底の蛸のように行くあてのない

あの・・黒い墨が――血管の浮きっぱなしの身体に

調和する


  226


性というものは澄んだ晩秋の光に消えるだろう

薄暗い店にアメリカのスラングを憶うだろう

まだだ! むく犬の毛を刈込もう

誰でもはつらつとし、真剣な怒りを覚えてもいい、精よ

・・・そもそも僕等は蝿のように執拗だ

しろい息を吐いたら月まで昇ってしまいそうな夜なのに――


  227


やさしく澄んでいる夜の鳥は

枝の上で美しい

まっしろなレースの襟をかぶせたら

花嫁になってしまう

美しく拵えた神様の嬰児よ、おまえは知らないが

女性の美点がその横顔に凝縮されている


  228


ヒラメのようなのっぺりとした顔立ちを見ていると

魚屋さんの水槽を思い出してしまう

そういうのってぼくは自然に幹からつるりと離れたかさぶただと思うのだ

・・・大抵ぼくがそう言うと、そんなものかあ、と言ってくれる優しい人がいて

しかし実はいい加減なことを言うことで有名でもある歩く名言辞典なぼくは

そうなのだなあ、そうなのだなあ、と肯いているのである、うん


  229 生唾を呑み込む


トンネルが終わりに近づくと

きらりと光る秋の陽差し

フォークやナイフに慣れた白い皿みたいに

蛇口をひねると水が流れ出す


  230


サラン・ラップはトランプの王様だ!

不思議な腕を突き出したような格好といい、

あの透明な絨毯といい! ・・それでもそれが蓋であり、

二重にしていく腐食作用であることに代わりはない。

――電磁レンジのオレンジいろのなかで、料理は、

歪んだような冷たい王政の末端を語る。


  231


なだらかな坂

犬のように並ぶ住宅

地雷には雨が似合う天気

傷付いた雄牛の歩行


  232


くらい家には斯螽が住んでいた

あてが外れて野垂れ死にしかけたあの有名な彼である

自分自身を追放することの愚かさを謳った物語のため

きわめて酸っぱいミノタウロスのラビリンスで――彼は証言する

「理想主義の生みだす幻影・・・無論、人は卑劣であり、日常はそれほど困難である。

ああそれゆえ、賞味期限があるというのは果てしなく比喩!」


  233


公園を

通り過ぎて行った女がいる

その近くに工事現場があった

――賢い男は、そこに余韻を感じる

賢い女はいやおうなしに熱が高まってくる手なら

一人で二役を兼ねる


  234


映画の中の死体があまりにも嘘っぽかったので

賢人ではないけれど、

「永遠に完成しない」

と言ってみた。








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最終更新日  2015年11月28日 09時42分34秒
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