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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2011年10月15日
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カテゴリ:ムーヴメント
  321


風もなく木の葉はすべて動かず
   あなぐら
   窖のなかに熊がいるでもなく

  ほら潜り込む――また 潜り込む・・

    ――疲労 と パフォーマンス の関係

 「休んでからやろう」・・いやいやもっと疲れてやろう
       、、、、、、、、、、
     ・・・ちょっとわかってきた、自ら労して自から食らうという道!


  322


...世界 とつぶやくと

雁木による護岸

消波ブロックの海岸を思う

 ...世界

  ...世界

    ...世界 よ


  323


クレーターレイクの湖が赦す

惜むなよ

去るなよ! 

下唇 強く噛みながら

闇の奥 空の青


  324 


ちょっと


    ・・・淋しい

  でも実はすごく

自然なこと
なのかも知れない



  325


初めて好きな子に

  好きって

  言えた



もう・・どこにも    誰にも――


       気持ちだけでは


   むずかしいこともあるけど・・



  326


森の囁きに そっと手を触れたなら
          
友よ! 丘に草を藉いて 呟やこう

赤い 一片の 花弁は 誰がむしりとったのか?

  ――太陽よ―― 

    ・・・ナイフが頁を剪ればうるほふ詩の世界


  327


   五秒、十秒、二十秒、一分、時間は息をつめているうちに・・・

 深い瞑想に耽ける (白魚のようだ (いや、幾筋もの水脈・・・!

     こちらへ向けて猛烈な勢いで寄せてくる一つの浪が countdown

   地を踏みしめてくるような跫音――ぴかり、光った。稲光・・・

     大した明るさだった。・・・気忙しい羽音にまじって、この夜を逃れる鳥たちよ!

        ・・・わたしの諦めが そこに とどまる 翼を忘れた 悲しみとして


  328


 家へ帰る。――帰る途中で、人恋しくなる、優しくなる・・壊れそうになる。予定どおりに

進行する時計のように何も珍らしいことがない。――家へ帰る、・・

      ・・・そんな時 ふと あざやかに色濃く 思い出される記憶があります。

   ――たまらなくなります・・! なつか しく て・・!


      スグ馴レルモノデス、明ルクテヨイモノデス・・!

        ・・・家へ帰る ストオブのような日 ソレモ アリマス


  329


   都会生活とは何だ、・・・罪悪の巣窟か。ならば永久の模範とは何だ、

    文明とは何だ・、・・自然の征服か。ならば凡俗!凡俗!・・

      危害をくわえぬような世の中は無理!

      何百回、何千回、くりかえしたことか! 問いは、問われるようにある、

     人は理想を拵えるたびに財力を失うなり、生命力を失うなりする!

        ――そしてどんな風に、じじと音立てて、蝋燭は消えるのか基督!


  330
 
        、、
 蛙の卵の、しんと、緊張しているのを見ていたら
 あたり
 四辺、やたらめっぽう静かで、

 黙りきりては後ろへ、ぐい、とのびをする・・

 影が消えるその色に対して、蛙は神様、と言う・・

 
  331


    「おれはまだどこへも・・」


          《何処へも、――何処へも》足をあげると、スピードをあげるから

                 少しずつ少しずつ短かくなって行くけれども、 

       
                        「何処・・」へ」)

                      (「へ」は余韻のまま・・



  332


 反スポーツ的行為を犯す 「イエローカード!」「イエローカード!」

   ――フリーキック、フリーキック、・・・決定!

     そら、芸術的飛び蹴り! ・・・ジャニス・ジョプリン

      [ 賛成 ] She is absorbed in rock music

       意味なんかわからなくていい・・・! (舌に染む前に、やることがあるぜ)

         ・・・意味なんかわかんなくていい!


  333


   ユーモア それは、ユーァモア!

     ・・うねうねと屋根が続いてる

        傷だらけ鼠どうする

        おまんま喰いあげ!

      
  334


 スコッチをロックで。 はい、ロックを開けて。施錠音。扉開扉音。セメントのブロック。

メモリーのロック。排他的ロック。竜の如きものかロックを解放します。ロック、閉じる子

供です。石灰質のもえそうな鍵です。家の中には豹の月夜。青布を切ると赤布。ロックをブ
                            
ロック。ヘッド・ロック。あるみにうむ色のたとえばしずかな銀河をのぞく望遠鏡にオン。


  335


 ナンセンス 包丁をもって白い衣装

  九十九折ある山に雪 ・・海の城に

   アンテナはなく 電線もなく――


    完全に明瞭である・・・ナンセンス は

     妊婦のように制約に息苦しい 例のあれ?


  336


 だから、わたしは怖くなったの・・・

     心臓張り裂けそうだった。

       ――こんな大勢の人たちがいる世界で、

          ・・・あなたの声きこえる

     ・・・こわくなっ て わからなくなっ て

          ――でも わたし それを 信じた


  337


 月おぼろなり。夜目が冴えて起きいづれば。

   夏は逝きて鈴虫鳴く。そはおぼろなり。

  おもへば夢か。またゝくひまに今ぞゆく

    扇のもみぢに淀の川。よき月の日よき月の影もあらんか。


  338


 水をじゃあじゃあと出して、トイレでひときばりする時の幸福感! ・・・ああ、廃墟ペルソ

ナのいささか順序をくるわしたマゾヒスチック・プライヴェート空間。・・排泄がゲーリグッ

ソーニ大佐でも戦闘機突入(する、)大事件発生、一分のゆとりもない死神の恐怖、鼠逃走

するタイターニック! ・・ああ、出る! 出ますよ、いま、出る、出ますよ超短波送受信機

、信号機は赤、世界はどどめ色ながら驚天地異の大報道。額血管怒脹のさま、メロンの如し

。常識を超越。最後の晩餐を超越。ゲルニカを超越。ムンクの叫びを超越。――ワープ航行


  339


 夏の日は

    つゞく浮雲、入道雲

   秋の日は

     ・・つゞく魚くず、鱗雲



  340


 『男のトルソ ドミニク・アングル』には、磁石に吸いよせられた釘のように、あらん限

りの観察と努力を尽くし・・愚昧な民衆を見下し軽侮するように、「それは裸だ、」と言っ

た・・・! ――満開の花盛りを示しながら、なにかおもう時、おもわるる時、この絵は重い扉

をうしろ手にあけるように逃れ難い不確実な点について語るだろう。どうして人は全体を欲

しがるのだろう。・・情報を。彼は一段と顔の色を暗くするように、音楽が聞こえる明るい部

屋へゆこうとする。それが月の光・・それが神話へと何ら把握もせず、――誘う。・・


  341


 私は友人と歩道を歩いていた。私は腕を組みながら、檻のような世界に囚われていた。太

陽は敗北を用意する。・・(すぐに、)アポロは沈むだろう。突然、空が思索の無力を謳うよ

うに、燐寸を吸った。見る者の眼を火傷させた。・・我々は(何かに、)押し戻されたように

立ち止った。よろよろと足もとがおぼつかなくなった。無抵抗な孤独のために、しろい椅子

を欲しがった。我々は青黒いまま、魚の鰭となった。空は赤く燃えていた。くろい河がいつ

までもやって来なかった。我々は、不安で、街燈が斷頭臺で転げ落ちた首のように思った。


  342


   教科書が蜜柑剥く

    そして汗のにほひがする

        宿題は青春と言った

     赤トンボはのびたゴムだった

       ・・・どこかでピストルの音がする

      熟れたのは、蜥蜴のいる日陰


  343


          ――夏が終わったーあ

            ・・・饒舌な君、が PUSH


          ――すぐに絡まったーあ

            ・・・蜘蛛の糸、が PUSH


  344


         ラブホテルは派手なネオン、特異な内装、回転ベッド

           雪掻く動作で・・オスロ証券取引所

      「金がばら撒くほどあったら・・・!」――奴等、逝くつもりだ

          ・・・ワクワクしない真夜中のアスレチックスに迷い込んで、

      「スペースシャトルが飛ぶぞお・・・!」


  345


      もうすこし ましなところで

      僕を 眠らせるが いい・・


         花は 蝋燭のように 吹き消されたと

         今宵 そう 思うが いい・・


  346


        橋がその門を閉じるように

        蠢ごめく

        メデューサに

        月は偽造真珠となる



  347



        あなたの声を 昇降機したい

                夜の果て

         ああ ひとりきりの夜もあると思うから

             アルコール溶液に 繰り言する



  348 休憩


 「このままめちゃくちゃにされてもいいっ・・・!」

 「てか、泣き顔ですでに、めちゃくちゃじゃん。パンダじゃん。・・」

 「もう、壊れてもいいッ・・・! 宮崎の大根が好きっ! 大阪の牛蒡が好きっ!」

 「俺っ・・・アウもうっ・・・洩れそう、折れそう、駄目じゃん・・って我慢できない!」

 「からかっていますね?

 「(あなたこそ、)からかっていますね?


  349


 夜のうちに印刷された明日余白には麺麭屑を与へよう

 鳩よ、おまへは一日中首をあつちこつちやつて首もまわらないじやないか

 光る弾にやられちまつて計算機をなくしちまつたようじやないか

 不能者たちが処刑されて禁制がなくなつたこの街でおまへをよく見掛ける

 石鹸の泡で隠すよりもその鋭い光線で見せつけちまつたおまへ達の肉体は

 舌を出す爪を研ぐように自分の値打ちをつけることにご執心のようだ








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最終更新日  2015年11月28日 09時23分21秒
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