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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2011年10月15日
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カテゴリ:ムーヴメント
  411


ましろの月は

   危うい幸福

  ふゆの日の 奇矯な振る舞いに及ぶ
    ほふ
   心葬り


  412


  眼を開けるのは・・そんなに・・・難しいことじゃない――

  わかるかい・・もっと・・もっと・・・難しいことは――

  たぶんに・・君なんかにはわからない・・そう知っていてなお――

  このおさまりのつかない・・夜を・・愛すること――



  413


 笑顔でとか・・感謝してますとか・・・嘘でも言えてしまう人をよく見るよ――

 心なんかなくてね・・他人を利用して・・・自分を褒めさせようとする――

 醜い動物の・・その奥に堪え切れない弱さがあって・・・世界は自分中心――

 そこにあなた一人すらいないというのに・・きれいな言葉だね・・綺麗だ――



  414


  気がつくと、・・ひとりきりになってしまう・・だろ?・・

  愛されたい・・違う、愛したい・・友を・・敵を!・・

  その内に・・生暖かい風のように・・孤独を・・飼い馴らす・・

  ―― 地下を掘り進む土龍の様なもの   

煙る、夕陽のような  愛の言葉  解/け/る


  415


 スーパーマーケットの陳列棚の奥に落ちていくものがある

  目を開くことはできない、疲れ、悲しみ、・・嫉妬、あるいは悲しみかも・・・

   たった一人の! ・・僕を守るために、・・・君が演じ続けねばならないもの

    長い夜が覆い隠すだろう・・でもその一瞬、確かに聖者のあがきを見たぜ!


      × × ×


     生れたままの顔

    隣室で話す未知の人の声



  416


ち ぎ れ そ う な の

こ と ば

コ ン デ ン ス ミ ル ク を

い ち ご に か け た

ち ん も く


  417


        ベビーローズ

    ベビーローズ



         /一匹の扁平な三角形又は扇状の頭した蛇が その花園を行く

   
        クローズ

    クローズ




  ・・・曲線や曲面を交錯させた不思議な美しさ


  418


  ――昔の空は青かった ・・気持ちよいくらい澄んでいた

  AーYAがある  AーRYA

  あ あああ ああああ ああ ああああああああ

  (綾は、絢かも知れぬ・・。)


     × × ×


   人の乗った舟が

  おそろしい勢いで斜面を滑ってくる



  419


 あなたの美しい囁きに触れるなら

わたしは瓦や硝子を踏みたい


   おずおずとしているもの

  ――こなごなにしてしまうがいい・・


    生き生きした印象を残している
 
      生き生きした印象を残している



  420


(ナレーション)白人とアメリカ・インディアンとの間に争闘が行われている

観客はマネキン・・人形の首がもげた――


  ユニバース 黙つてさびしく笑うより仕方ない

    ユニバース 齢のせいかオリーヴいろの空・・


  × × ×


  いろいろに動いて

 いろいろな角度の美しさ



  421


    仕事をして汗して働いている人がえらいとは思わない

    仕事をして汗を掻いている僕がえらくないようにだ

    仕事をして背中に冷や汗を掻いたらえらいというよりえげつない

    仕事をしている人は大抵ぼんやりとした顔で妄想している

    仕事をして汗を掻きかき歌を口ずさみながら僕かなりえろくなる


  422


  夜にだって棺桶がありゃあいい

  たとえば――墓場

  うらうらと柳だの葦だの蛇だのがうごめく


  片脚突っ込んでいる時に

  何かひどく粗野な気持ちで、朔太郎と呼ぶ

  そのために一種の滑稽感

   
  423


  涙ぐみもしないで 人の不幸を黙って見つめるすっとこどっこい

  こいつが本当に泣くのは自分のためだ!

  そんな風に一瞬じっくり考えてマイナスばかりの無一文を見た

  どうした 別に・・


  424


     しみとおるものは、楔

     契約する(不履行,.不利口.,


       × × ×


     どんな深淵で、その化け物のかたちが

     見えるの だろ・・



  425 


 「背中が熱いわ・・」

 と、彼女が言った時に、またか・・あの悪い病気が、と思わなかったらウソになる。

 「いま、わたし、育ち盛りだと思うの」

 どの口が言うとるんじゃろおのお、とか広島弁で、くちびるを、つまみたくなるが、

 よい彼氏は、そだね、胸いま、大きくなってるね、ついでに言うと、

 ――天使の翼はえてくるよね・・


  426 ナンセンス研究


       わたしのこころは、少女のようにきれいなので、

       みちゆくひとに、かわいいわ、といわれてしまうのです


         ・・・そ、それで?


       わたしは、いえ、そんなことないんですよ、とおばさまのふりをするの、

       おばさまだから、おしりを振ったりしないの

 
         ・・・へ、へ、へえっ


  427 ナンセンス研究 2


      ははははは――

      ええママや

      儘・・

      母継

      世継ぎみたいに言うなよなクソババア

      世はマッハ


  428


スムーズに美しく流れている才気天啓の如くに

トマトは苗床から畑に移植される

乙女達サクランボをぽい、と口に放り込む

           むなもと
  ・・・人参・蕪・苺・胸元


  429


  ストローでアイスコーヒーを飲んでいる君に

    ・・・早く飲めよと言ってはいけませんか?


 ――花びらが水溜まりに落ちて


 いつからか、照れ隠しが言えなくなったりするのだよ


       きっと 思い出した方がいい・・

     ――恋の   ・・恋する気持ちの


  430


フリーターが繁華街を歩いている。

 ・・・尋ねてみるがいい、僕はかなり正確に写したつもりである。

欲しくないポケットティッシュ、控え目な呼びこみ、飲食店のにほひ、

 犯罪予備軍たち、娘ざかりの絶頂たち、かけひの水のひゞき

   世界がこわくてごめんなさい! メトロノーム

  メトロノーム の 夜
 
   
  431

 
 この街は・・・大きな建物の! ・・・大時計みたいに――

 陀羅尼不可思議国・・十万億土のはるかなはるかな旅――
    しゅうしゅう
   (啾々と陰気に幽かな音・・鮫の鰭――手鈎で崖肋腹・・)

   ――この街は何かに喰われる、・・だって何かに怯えてる・・!


  432


 ゆう暮れのやはらかに腐れる気配
 すげ かさう
 菅の笠打ち
          いぎょう  そびらむ
 ハイ、一匹! 異形の者の背剥けるかも

   多寡を括って泡盛でも飲むか・・
          もり
   イイエ、自分は銛を持つ・・怪美人!

   名を名乗れ、――正体をさらせ!


  433


  .,.,.,.消滅.,.,.,

     .,.,.,.,傷が ない.,.,.,.,



   海から吹抜る風は、碧玉さしづめ碧瑪瑙の厭・・

 
      嫌、一条の滝から氾濫れる面が白いか、渚


  434


 眼を閉じていると・・沈んでゆく――そこに僕の海があるから・・・

 感じてる! ・・わかるかな――いま ゆっくりと 堕ちていくの・・

 まぶしくゆれている炎・・・陽射し――それは水の中の喘ぎ声・・

 僕は足掻いてる・・・どんな花なら――そこに浮かんでいられるの・・・

 で も 沈む・・縺れ ちらばる――最後のしずくが蒼くなるまで に・・



  435


「私」は「あなた」ではない

  ――凋れの甘き香か・・・幾千年の沈默ぞ!

   なたが誰であれ・・

  undulation...yeah...yeah...yeah...

    you! ・・・[一週間経っても/

   一年経っても ]――広くて深い海のうねり・・・が・・あった――。


  436


 ペッと唾を吐けば

  硫酸、穴が空く・・
    、、、、
    ポイズン この床に地獄の最下層まで続く

   おおきな、おおきな穴を掘ろう

     ――東西を失わす この道いかばかり続く・・


  437


        黴を投げるのさ! ・・いいかい、花は奴等に任せて
                 
        ・・・腐れる素を擲げてやるのさ


        それが苔 草と草の合間に おのずから静かに

        それが苔 草と草の合間に おのずから静かに


          ・・・そよとも動きやがらねえ 

            ・・・動かない。 それは忘れた道に 散った 光


  438 どういう人がそこにいるか――心情描写――


 だんごむしは石の下で・・ころっ、としてる・・「あ、まるまってるやつだ」――

 ぼくは・・屈んで「あー、眠いなあ」・・とかいいながら・・ころっ、としたやつを・・

 つんつこ、つんつこする・・まるまってる・・とかない・・逃げ出さない・・

 「丸薬みたいだな」・・とか、さらに言いながら・・じりじりする、夏の日差し・・

 昼休み・・手のひらにおいて・・眺める・・だんご虫だなあ、と思う・・


  439 強制労働勇者


 昨日、親父から剣を渡されて勇者になったとか言う・・ファンタジーなんだけど・・

 困ったことに――「金がない」・・なんだそんなことか、と親父は笑った

 前の世界でも一緒だったろう・・納得いかないながらも、城下町を歩き、王女様にご拝謁

 「あなたはこのポップスを守らねばなりません!」・・あ、ここ、ポップスって言うんだ・・

 ところで王女様とりあえず攫われて下さい、・・やる気が出ません・・じゃきーん・・!

 (と、)僕は立ち上がった、衛兵の槍凄し!・・・すでに強制労働必至金いつくれるの――


  440 GOMENNNASAAAAAAAI


 「チガウトイワレリャナンジャラホイ」

 「チガウトイワレリャホイホイホイ」

 「チガウワコシツキアシツキヨイノツキ」

 「ゴメンナサアアアアアアイ」

 「クダサーイアシクサクテゴメンナサーアアアイ」


  441


光量が少なすぎる

飛行機の格納庫

「ハイヒール(が、)落ちてる」

と、若い不審な若い男








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最終更新日  2015年11月28日 09時17分43秒
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