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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2011年10月15日
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カテゴリ:ムーヴメント
  630


 「国境の長いトンネルを抜けると熊がおった」

 ーホンマやで、まじ、腕くわれたもん。

 「あんたの腕あるやん! なに言うとん、ホンマに・・・」

 ーアホ。下腹部のそれのことやないか、あとで、見せたろか?


  631


 死んでいたいバンガロー風の郊外で、

 (あかるい

    ・・・君の名を呼べば

落葉にうずもれる

       ――甘い

    ・・・SWEET


  632


 大いなる闇あをざめて建つ柱見上げ居り
               しづ
 -曼珠沙華。 -太陽没む -ねがわくば烙印のごとき

 なめらかな肌にうて・・・、モールス信号打つ心もとなさ

 夜が明け行くとも -太陽没む -死者の魂さぶくあらふ


  633


 風のそよぐ音/夜風の涼しい感触/街燈の避妊

   ――「気まぐれな想いに載せて」・・PLEASE

  (・・・変わらないでくれ、・・笑うなよ――「笑うどころか・・」)

    胸に 迫る。 ――おいおい波の音・・原始林・・・楽園忘れていいかな?

     (・・・ふと思う、・・・流れる街の灯に――変わるよ・・)

     ――ジャズの楽譜みたい! ・・遊びに行こうよ!PLEASE


  634


 終りなき冬の靄

 ―花を閉ざしぬ ―ことばはあるのに今朝はひらかない

 やりきれない不安、怖れ、怒り、泣き声は・・・

 かくしておかねばならぬ心を明かす


  635


 心を奪われて

   ・・・飲み残したグラス・・昼にあふれるような気持ち

    だった

   ・・・言葉は 途切れて 消える

・・・飲み残したグラス・・昼にあふれる

     ――帰る車 走ることも 転ぶことも 出来ない


  636


 レストラン、こどもが王様になる

 旗は降参のときのため(二人の息子のため・・・、)

 三人分の席はありますか・・・?

 いえ、実は四人なのですが。


  637


   マッパ・ムンディ 揺れて・・・揺れて・・

      ――アンダーグラウンドのへヴィーなパーセプション!

    ソフィスティケイテッドな歌! ・・アートしたい、ロックしたい、

     ・・・カメラを回し続けているようなスリルとパッションでright away

      エクス・オペレ・オペラート 揺れて・・・揺れて・・

       ――言葉を忘れた詩人 夢を失くしたアーティスト・・


  638

      つけ
 「なんで尾行てるの・・・?」

   えにゅっ、と僕の魂が飛び出し掛けたが、なあに心配はいらない!

  「いやぁ久しぶりじゃないか? こんな所で何しているんだよ」

    ――僕等は、二年振りに出会った昔の恋人風の喋り方。――

   アクセント高めに、・・つかずはなれずの馴れ馴れしさを求む。
                     、、、、 、、、
     「実はここらへんに美味しいヒーコーとスイアが評判の・・・・・・」


  639 饅頭によろしく!


  「あのさ、・・・あまり聞きたくはないが誰と話してるんだね?」

    幽霊のおじさん、と彼女は言った。「昨日、容態が急変しちゃったんだって」

   ――前からキテたんだよ、あんたあいつのレシカだろ・・大変だね――

  ぽんぽん、と横手から骨折少年が僕を慰めてくれる。サンキュー、ボーヤ!

     「ところで、その肉体の方は何処に?」

   ――霊安室。一階にあるよ・・・ まるで彼女、――その戸棚に饅頭あるよという風・・


  640 4行×4連「犯人」


 ネクタイ・マカロニの葉の柄とてもとても気に入ってたんだけどねえ

 ところで、人間ってやつは 何を恐れているんですかな

 蛹のように、呪わしい・・・、妄想 チェック,プリーズ.『天使だけが、

 それはもう天使だけが、・・・やつを殺して、やつの金を奪う―――、


   Check,please.あなたの巧い表現を借りると、こうですかな、

   トランプやチェスに熱中する者と、その最中でさえ、創造的活動をやめぬ者。

   ・・・、ということになりますね』―――金髪碧眼 メイボウコウシ、

   われわれを憐れんでくださる。天使


 さて、あのマカロニの葉の柄のネクタイ・・・『まったく、いい井戸を・・・

 井戸端会議するための、けがらわしい賤しいものを掘りあてたものだ!』

 ・・・蛹のように、呪わしい―――チェック,プリーズ.天使みたいに踊る目で

 神の栄光を・・・、人類の絶望を、まるで気取ることもせず・・・、


   Check,please.『引き起こす、贈り物・・・、後をひく、咽喉の粘つき、

   豊かに広がる文脈―――どれほど環状が、この空の上にまでひろがっていこうと、

   ああ、この感情こそが、人間の名を指している。

   若者の魂を奥底から衝き動かす力―――CP / PC』


  641


  「つまり、あなたは人生をどうやって変えるかって聞いてるのね?」

     ――人生を変える、能力開発セミナー、スピリチュアルの常套句かも知れない。

    ・・・でも、僕は知りたかった。――どうしてあの時、井戸に落ちたのかを・・。

   「そうね、あなたは井戸に落ちた――そして誰かに助けられた・・」

     でも、こう考えてみて、あなたは助けられたんじゃない生かされた・・

      そしてあなたを助けたのは・・未来のあなた自身だった!と。――


  642 さようなら、最寄駅


  「おまえ! ふざけるな、・・いつ誰が恋人になったんだ!」

    ・・・パレードカーに乗って宣言したい。スピーカーでこいつは変態、と言いたい。

   「おほほほ、駅をご利用の皆様、お許しになってね、・・実は、この人、サドなの・・」

    サド【サバト】・・サバ? って何のこっちゃああああああ、

  「ふざけるなサドじゃない! ましてやじゃれ合ってなどいない!」

     そうです! ・・・わたし達、愛し合っているのです!!!!!!


  643 


  ・・・この人ね、ちょっと顔がいいと思って、手癖、足癖、腰癖、

    と、ンもう三拍子揃っている変態の極み、みたいな人なんです・・・!

   SMプレイだってお手の物、夜な夜な私のベッドに入ってくる、
    
    ド変態なんです。蝋燭責めだってやるんですよ、あなた、

     本当にそれでもいいんですかッ! あなた、人間を捨てられますかッ!

        ――激しく、そして果てしなく、俺・・凍り付く。


  644 KY戦隊グリーンのみ


  今なら変身ヒーローにでもなれたし、――とオうッ!

    ・・・くるくるくる、――すたん・・乾いた着地音。

  戦隊ヒーローの中のグリーンにまぎれ込める! 

   いざ行かん、ホルモンよ流れろ。迅く、そう迅く。血液を伝え、

    どくどくと波立たせろ! ・・・腰を振れ! いきおいよく、腰を振れ!
      、、、
      ぽかり・・・チイィィッ、・・冗談が通じない雰囲気だったか!


  645 4行×4連「風の透視」


 秋は来ねえとさわやかに敷きものを棄て

 風がテントをまくりあげる

 ざわめく海も - トウモロコシ畑に見えたなら -

 パラソル遊牧民! ・・・ふと耳に捉へし風の音


   ラピュターで タタールの六弦琴を想ひたい

   巴里の逢魔が時! ・・・百夜、遊魂になりたい

   そうさ、俺は見るべきだった、・・・トルー・ピュネーを

   夢見がちなる夕暮れの鮫を――――――。

 
 秋は来ねえ ・・・スフィンクスに弓を構える愚か者

 バラのつぼみを鳥の巣だと円い孔を開けてやるもの

 声を発するのだ「マリアよ、御栄あれ・・・!」

 そして現代のドンキーホーテ、――そよ風に運び去られ、

                              ふかみ
   とりわけ優しいそよかぜが死刑囚をなげこんだ深淵

   バラトロムを想起させる ――けして写実的ではないが、

   瞳 に 冷たい風は入ってこないの?

   夜 で も 語り明かすことを・・・?


  646


 「何を考えてたの・・・?」

 「しなちくの親戚」

 「かわいい?」

 「こわい、たべられるのこわい」


  647


 「ホエールウォッチング

面白味のない駄洒落で片付けさせてなるものか、と僕は続けざまに言った。

「ドルフィンウォッチング」

「公園で困った時はッ、バードウォッチング」

「水族館で困った時はッ、フィッシュウォッチング」

そうね僕等は根暗さ、ヒューマンウォッチング!


  648 ぼっ、ぼっ、僕らは少年窃盗団!


 僕は左手を差し出した。「ザッと、これくらい・・」

  「五千円?」

   僕はパチンと指を鳴らした。「惜しいよ、姉さん!」

 「もしかして五百円、欲のない子ね?」

   「ちょっと待ってよ、その逆だよ、ご、ごっ、ごっまぁ~んえん?」

     「ホワット?」と姉、似非外人になる。「ホワット?」


  649


 モールス信号をいびつ(な、)でも瞳がきれいな女の子のように感じた。

   「気障ね」・・星がきれいだね。

  できるならビデオのリモコンを使い、早送りにしたいのに・・

     ――早鐘を鳴らす心臓め、・・澄んだ瞳に全部見抜かれちゃいそうだ。

    ねえ! ・・・君といると心が弾む、でも会わなくなると心がその二倍は沈む・・

      で、も、好きだよ――この夜空、全部君にあげてしまいたいくらい!


  650 4行×4連「現代の結婚」


 ナイアガラ瀑布のようなわめき声

 絞り出しながら・・・、とめどもなく逆上しながら、

 この群衆 弱々しい抗議、あざむかれた青春

 この大衆 歌を忘れたカナリヤ、鎧のような威厳が大事


   やけくそな下町、おなぐさめの依然おなじ悲しみ、

   金儲け法を教えてやろうか・・・、地獄の沙汰も金次第―――!
  
   この群衆 媚びをふくんだ甲高い声、熱っぽく赤らむ知的既製品

   この大衆 幸福な勝利感に酔う、無益な百貨店陳列台


 手錠だらけの刑務所Life 手袋に隠した指輪もその類

 お嬢さん! いい売値がつきました・・・服を脱がして萎えるだけ

 この群衆 無智な田舎者のふり、さりげない喧嘩でストライキすぐに裁判

 この大衆 いかれた末路のブロードウェイ、いわく胸算用の西部劇


   嫌いな人ほど干し葡萄、萎えても泣いちゃいけないヨ

   滑稽感と哀感と―――たとえるなら二つ目のボタンをはずさない

   この群衆 余裕がないのに古い蔦の橋。もやせば骸骨、画板にSign

   この大衆 鉛づくりのモーゼ像すぴからはじめる変態ども









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最終更新日  2015年09月09日 10時54分50秒
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