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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2011年10月15日
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カテゴリ:ムーヴメント
  689 6×4「ミステリー」


 ホテルからのまっ暗な小径[空想とは―――]

  (とある夜・・一枚の絵から――脱け出した天狗が、

 罪もない少女を襲った・・証拠は、天狗が残していった高下駄。連続殺人・・猟奇・愉快。
      ルミノール
  「――血液反応が、天狗の絵にあったのかね。・・」/探偵は容疑者三人を瞬く間に、

    ・・・見つけ出し、学界から追放された天狗と綽名された異才の48歳を名指しする。

   「あの高下駄こそが証拠・・・! 彼はわざと疑いを持たせるために用意したのだ」


     夏の夜道・・ひとり歩き――ここは天狗を信じるに値する田舎である!

    (よほど土地勘があると見える・・第一発見者「道に人が倒れていたんです・・・」
                                                 アイテム
   「あなたは・・次々に人を殺した――殺人鬼です」/天狗や修験者を想起させる道具・・。

  超常現象というのは一種の抽象的な絵画にすぎない。――ひとたび、

   自己へと下ろせば、感受性の蜘蛛が住む。認識は範疇となり、繭のようにあたかも、

     ・・・隠されたように見える。しかし人間は無限ではなく、有限なのだ・・・!


  あなたはあの日のアリバイを・・聞いてくれ!と言いました――

    (そう、まるで、・・言い合わせたように、初めから知っていたかのように!

   そしてすかさず、カタログを取り出して、販売店まで教えて自らの安全を計った・・

    「鬼畜生にも劣る、非道! 冷酷!」/あなたに子供がいれば、ちょうど娘くらい、

  よくも殺せたものだ――み、見付けた・・よ、ようやく、見付けたよ・・・

   ・・火球の流星痕が狗に似ていることから、天の狗、すなわち天狗と呼ばれた。


    背後に忍び寄っていった時、・・その娘の父親への復讐は叶ったか――望み通り・・

     (傷を負わせようとしている。私もまた、一人の殺人鬼ではないか・・・?

  「天使みたいな女の子だった・・」/ねえ、・・ずっと会いたかったんだよ、――わかるか

    あの日は、君の見送りに行けなかった。事故に巻き込まれて、会いに行け・・・・・・。

   「首を絞めたんだな・・叫ぶ彼女の・・・本当に何の罪もない人を――」

      ・・・夜があって、高下駄が落ちてる――ああ、塔のように高くあれば・・


   690


 誰か  イル   (の・・)

 
    助けて 


        ・・・君が教えてくれるすべて

      /「風となれ」



  × × ×


  ――永遠に出てこられない箱の中だと思っていたの・・

   時間って、突き放されると思ってた、受け止めてくれないと思ってた


  691


 (自分を失っているように見える、)男かも知れない

 ・・・どれだけ深く謎に満ちていても、永遠に解き明かせないことが

   ただ! 誰が為に!  ・・・

     反響する電子音に、ぼくが、泳いでゆく――

   /ザーッ ズズズッ 自分のために歌うの

      ねえ それとも 僕は僕の理想ために歌うの


  692


    彷徨って・・・もがいて・・・そして・・・いつの日にかdead・・・

    預言者・・・救世主・・・神・・・もし僕が死んだらこの世界が終わる・・・

    そんなこと・・・忘れた・・・つもり(で、)・・・で いたのに・・・

    口を噤むことは・・・認めること・・・従うこと・・・弱いということ・・・

    いま 指を絡める・・・想いを 重ねる・・・どれほどの 月日が流れようと・・・

    いま ひとたびの春・・・春(を、)・・・を 想って いるよ・・・


  693


 僕の後ろで誰かがドラムスを叩いてる

 右手にはいなせなギター弾き

 左手には冷静沈着な髪の毛さらさらなベース

 他にも! ・・きっと楽器はあるけれど 想像していた

 いつも2テイクまでって決めてる

 歌と共に人生を学びたいから



  694


 むずかしい言葉が真実だと思わないで欲しい

 僕は卑しくも睦ましく抱く

 でもそれよりもずっと喜びの方が大きいから

 眼を瞑ってる

 そしてその瞬間だけ人生への恐れはないんだ

 ここでこれ以上はないって信じられるんだ



  695 超音波は本当に聞こえないのか?

 
 テーブルの上に落とした硝子玉がホイッスルの音に似て。/契約が知性を謳う。/賢いと

いうことは直接的なものじゃないように思える瞬間がある、たとえば――たとえば・・・どのよ
                  ホイッスル
うに絶望を定義するかだ。/あの笛。/それは彼に向って思想体系を促すものだ。その時、

彼は境界を知る。/意識されていないとかは、既に、もう問題じゃない・・・!/その音は統合

を促す。チョウチョとシャボン玉の符号。/人権と信仰の対比。/ああそれはけしておかし

な風に衣服をつかんだりしない。/彼の肩にはちゃんと手形が残る、痛いほどに・・・!


  696


 塔の中で軽蔑すべきことはすなわち手 淫だろう

 いやいや神と綱渡りするなら悪魔を恐れてはいけない

 人の心に棲む魔よ! むしろ とどまるが いい

 耳に 忍び寄ってくる 女の声は 良心を欠いてる

 しかし喜びとは渇きをいやましに強くするものであり

 かくして理性は不幸を語る破調ではないか・・・!


  697 砂時計


 誰といても きっと誰をこの腕に抱いていても

     君を思い出す

  ロマンチックなフレーズに載せて

    きっと 人って 恋に眠るんだろう・・

   月日なんて 思いもつかないほど 超えて

      ・・・本当に 腕に抱いていた瞬間が 砂のように思えても


  698


 解き放たなくてはいけない 氷山を

    ・・・噴火させなくてはいけない(火山のように、)

   その噴火口に野心を、通俗へのありもしない妄想を

     ・・・燃やそう。薪木を火の中へと放り込むように。

  それが声の延長として、怒脹の瞬間の特別な衝撃・・

      感じたことのない《痛み》が走るまで――


  699 


 もうすこしで お山の上が   /   汽車の音も

 てふてふになる         /   夕風になびいている

 大きいまつの木に       /   目にはいってるうちに

 ばらのつぼみが         /   さらさら
 
 しぼんでみえている      /   笹の葉 

                   /   鳴った 

 
  700



 ――鳴った鳴ったナツた鳴った鳴った啼った名った名名名鳴った鳴ったなつた鳴った鳴っ

た菜菜た鳴ったななな鳴ったツツツ鳴った茄った鳴った奈津た鳴った鳴った鳴った鳴った鳴

った無無し鳴ったなっT鳴った鳴TT鳴った鷸った鷺った鳩った鳴ったらったるったウンタ

鳴鳴鳴鳴った鷲った鳴った鐘った舐った鳴った哭ったなっタ鳴ッたウンタ(鳴)った鳴った

鳴った! 見乗った化った為ったtatata......鳴った...鳴った...鳴った...


  701


 椅子にもたれて、不人情なカタルシスあじわう  ・・・・・・・・・・・・・・・狂ひ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔やふな・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・不潔な・・・・・・・・・・・・・・・・・・埃及三角柱・・・・・

 ・・・床板。時計のようなくらい響きに PURPLE  Ooh,Ooh,Ooh,Ooh,Ooh,ナイル川とシナイ半島

 Ooh,Ooh,Ooh,Ooh,Ooh,イスラエル王国の誕生

   蛇の鎖(る、) キャアアアアアア ストッキング・ステレオ

  キャアアアアアア スツール・ステップ



  702


 「失われた時を求めて」の主人公がマドレーヌを紅茶に浸した

  プルースト効果

    ・・

[いみじくも芽ぐみきたる感情の昂進]

    ――世界は何らかの治療を必要としているとは思いません。

   平行棒と塀とベストセラーを接着する感じ―いざや野良犬のプール・・


  703


 雨の中を撮影するんだもの。くふふ、どんな障害物でも蹴飛ばすような勢いで、走りたい

じゃない。脳の中のハードディスク - 閾下刺激 - サブリミナル効果。音の色、形の味、

色の匂い。―― 共感覚。「何故か、ロズウェル事件について喋りたい・・でも走りたい」(そ

れは、)しいしいかちゃ/ヘンダネー/かちゃかちゃかちゃ/しいしいかちゃ/ヘンダネー


  704


 ***暗い日曜日***

は 精神崩壊の兆し

絶対 見てはいけない
・・・・・・・・・・・・からまわりしている

  ((とりっぷ))―――VENUS

 ・・・・・・と、と、と、と、と、と、“特別”


  705 


 何故扇風機を鴉が浴びねばならないのだろう。

 ――なんか文章変になっちゃってるけど、・・うう・・

 でも大きい寺院があって、その境内に大きい銀杏の樹があったんですけどね、

 鴉が人家の、いわゆる縁側にとまって、扇風機を浴びているんです。

 「のどかじゃないか」/「まあ、のどかですよね・・編集長」

 ・・・でも、ミヤコ様って、呼ばれて、肉を家の人が運んできてましたよ。


  706


 空間は 二つのAが一つのBを 三つのAが一つのCを

 (イロニー)、不安は幾何学の授業の時だ。

 抽象される/捨象される《覗き穴から中を覗く看守の眼》・・

 距てられていることは、隙間がある、自分と離れているということだ。

 /すくなくとも 鏡の前へ立たないと この世の中の 僕の顔は見えない


  707


 シガレット・ケースを引張りだした。シガレット・ケース(は、)

 分身ではなく、むしろ複眼と見るのが妥当だろう。

 「中間者」――問いは無限の中にあって、帰納的蓋然性に根ざすものだ・・

 あゝ、見よ、シガちゃん、わずらわしき空間

 あゝ、見よ、シガちゃん、歯先にふれる脱殻


  708


 こゝろは 鳴るでさふ ものうゐ花びらを散らして

 ちひさく 尖つて! 黄ばんで 紅く!

 ――盥です。

 神様の大脳皮質に おもひきり 運命が

 化石する・・おもひもしないね

 とほかつた かなしみ 傾むく







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最終更新日  2015年09月08日 08時07分50秒
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