詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

2015/08/07(金)09:42

芸術的破壊運動 自由律一行詩 9

ムーヴメント(60)

  6 初期短歌     その 1 人をかへさぬ波がありいざ心うばへ遥か遠きくに夢のしろ ふくいく 馥郁たる花の魅了たとへば夜のかをり誰もいないまち 加護なくあらん! 需要と供給もそれ神の視座グラフティー! ティッシュ受け取りながら会釈(えしゃく)たをれる屑箱さうさ資本の残骸!          はなびら ひとひらの蝶の花弁おちにけり衰えをしらぬ闇のかなたに 宵闇しろくあをいはな揺らぎ立つ宵闇あをく蛙こぼれた            ギリシア 廃れたる園や古代希臘の竪琴を凝視むがごと積乱雲きたる 大きな巣穴へぴょんと飛び込んだ兎にょろり蛇のわ・わっ・わあな!         きり       や 挙げ出したら際限がなくて嫌になるほど あんぽんたんで あんぱんまんで                  まじな  あへんくつオーケストラ 躓いて気圧され空虚しく戯れた咒い阿片窟管弦楽                    ひとしづく 横顔におさへがたきはやはらかに一滴のなみだをこそおもへ かけひ      カスタネット           かせ 筧は砂時計か二枚貝か我はこひしき枷はなつかし えきすとらモノローグあどりぶハスキィゆうれいロゴスしゃがれボイス                              つ か み も こ ん ど に マリソルのセルフポートレート我こそ七人の敵「月、火、水、木、金、土、日」        まつよいぐさ        こがね 露めきたる待宵草は迷いの草や黄金のゐろもあかく錆びなむ                          おちは 待宵ゆのろのろねむる声かやあ鳥のこゑはあ落葉のこゑ夢のきこゑ 誰にも聞こえないように蹲り泣い た 場所 あまや か な 楽園の 記 憶 そのはるけさかそけさをもってしても夜は明けなく夢は呆気なく            まち                             あい ぐつしよりと濡れた都会の廃品利用ウ神の大きやかなる感銘にて                         アルツハンマアァ さう思ふ解説建設連合会! 駭然愕然! 若年性痴呆症!                          いわやど 王様の耳はロバの耳うがたれたあなは天の岩屋戸なぞも でもやらかいし、ちのくびもあるし、つんとすましているぴんくの蓋だし。                              まぼろし 素肌と水のさかひ目めこうすゐが僕を酔わせる夢幻のやうなゐろ        でみず われわれは洪水を忘れざらしむ――橋桁に権威主義者のくらき俤・・                                    ハツタリ 箸にも棒にもかからぬ自分にひたすらにゐたづらに唱えし大言壮語 アッピールせよ! 地球征服も可能ウ釈迦に説法ウ自己暗示術 はんばいてん 中古車販売店は洋楽を好む狐に化かされ煙に巻けないクラプトン                                 よわいはたとせ オープンカーとコンバーチブルいまいち理解できない年齢二十歳 女性解放を訴えるフェミニストが盲目なら蛙崖飛ぶように信じる            くるま 池へダイブする自動車みたいにいざ金槌で割らる虫の音かな 審美眼ためすごとく並べられし新聞の短歌ひとつぶの梅干し グレープフルーツは葡萄なんだよって嘘でもいいから食べたい絵 アンタ死ぬよと占い師はいうけれど のろいものろい かめののろい かけてみたならわかるかな ありんころのきもち こどものめ むしめがね               おもひ ガンダーラの歌みたいに理想ある人がいるのなら夢を叶えよ                          たまき 砂浜は今スパンコール十字架あり心臓あり環あり わすられぬえいえんのこだまをむねにやどすことゆめにきざまれたばしょで! うしろからつきうごかされるようなめいふくをいのるばしょ「ともだち!」 スイミングスクールの宣伝「およげない、きみがみずをこわがるかぎり!」 スイミングスクールにんぎょひめ恋のおぼれめを見透かすいきつぎ 懸賞金その名を忍ばるゝ競輪そのスピードを携えド派手にぶつ転ぶ                        ホアジンガンラン ざる蕎麦の早食い選手のおおよそ鼻から 噴 出 と独りうなづく 不山戯た話が罷り通る風を見廻し!・・さてこ そ 山 へ の あゆ み・・・・・・ 病める子は旅をもとめて三千里 南船北馬レジデンス! 東奔西走 BREAD 日も暮れて電報を打てり「アシタハレ、アシタハレ、アシタコソハレ」と。                  おい いぐざ さでごそ水がぶがぶとやれる俺ら戦はごれがら手柄立でンぞ!       いばり                       ラボ 東の空、尿する、茜だつた。桃の実われる、研究室だった朝。 釣り具屋をめぐる冒険「どうしてあすこにお魚はゐないのでさうか?」        こなす メロデエ けふもまた弾き熟す旋律とXデイもののあはれ夢の浮橋 この水はきっとパステルブルー膨張らんでいく寄る辺ない創造 すゝろかにドードーという鳥が現はれドードーとなりにける それは玉葱か皮を捲りてこゝろ香水のごと滲みつ浸りつ                いはんしゃ 黄なる缶をじつくり飲める飲酒運転者アクセル踏むか夜のあとさき ななめ 斜線でもあるかのやうに老婆行くひかりとかげわかつ横断はづれの黄泉路 消印から探偵みたく場所を あまねくゆきわたる こいのかをり ふつさりと、もあもあする、にこにこげだ、わあい、くんくん、おはなさいたね。                  う こめつぶ あかゐ中華鍋あぶらひゐて卵の米粒かぐわしき葱を見初めて 幼稚園バス来て風変わるサッカーのじやりじやりとした足音 ましろきかぜをかんじをりひとのはなしのきこえくるかぜをかんじをり                           フェアリーアナスタシア きゝこゝきゝこゝ舟は行く櫂で行く漕いで行 く・・聖少女羽衣幻想―― 時間は君、白内障のたわむれさ、ニュースバリューは過ぎもゆきにし。 相撲った末にオレオレ詐欺のジャイアン! モンゴルで君は誰に電話を!               あらくさ マゾヒストは踏まれたい雑草のようにしぶとく逞しくエロティックに                          あだるとびでお  獅子は我が子を谷に落す千尋万尋のA V的被害妄想かりる 機関銃の応酬にはにかみてにはかにも見る凍り付いたまなこ上ぐれば パピルス文書ロールシャッハテスト起承転結ゲームデザイナー                                 そら こころのままおもいのままかんじるままそうおもうまま青空が見たい さみしいときはあなたのことをおもいだすからであるかないで夜 ねこがしにたぬきがしにいぬがしぬ交通事故に何故胸が傷む ふあふわあとなでればトトロなる「すてきなねむりたりていますか?」 駆け抜けるフルスロットル高速機 流し撮りする まぶた残像                             in a magical way 甲高にしろくうかべた溜息をそらへかえすよ! 魔法のよ  う に TIME さとゆれてかろやかなしょぱんおもわせるてんしのといき 魔法の音訪れ「むねがいたいよ! としをかさねていろのかわるゆうぐれ!」 おべんとばこをもっていこ、ぎゅつぎゅつとくりつめかえろピクニック。 蓮の葉よ甲羅を出しぬる亀の子よ花はとんぼか猫のくちづけ あわてんぼいそぎんぼうのなきむしこ君の名前はエマージェンシー 海開き我が決めれば明日ならむ何故かと言えば海へ行くから                                    しあわせ わすれられないものがたりをはなにしていけたらそれがぼくの幸福 毒吐きて糸を吐きぬる蜘蛛の如おごそかにしばし富士を眺む コック          ピエロ 料理人はいつでも道化師の帽子を冠むるものさ献立表のどれもが美味しいと! 九官鳥の声聴く通りにて五官のともすれば交官 ブールバール 並木道でエッフェル塔とティータイム恋人の予感ノートルダムの鐘          りゅうとうげきしゅ 屋形船ならぬ龍頭鷁首なんとはなしに宇宙戦艦ヤマト! オ・プランタン 百貨店屋上、劇寄集戦隊ゲキレンジャー驚きてふと勧善懲悪このゆびとまれ 水芸見たよな風呂芸 水くらげ ぷくり浮かびて禿げるは河童 臨機応変の映画館「ポスターがかわることをなぜうわきといわぬ!」 目にもの見せる目から火が出る尻尾出るやってきたなと掴まえる                                ふうぶつし くたくたに疲労れて顎落ちる漫画S級目ン玉びよ~んの向日葵                          タラップ       う  汽船がぽうと霧の中よりあらはれた! 乗降梯子おりる兎の死の鞄!              かばん 宅急便はポケットもて旅行鞄という名のあたたかき午後の陽射しへ                         アスパラガス ルソーの「蛇使いの女」に恋をしていつからか緑鼠に こういしつ ころもがえ 更衣室を更衣と読めたなら何か変わったろうか夏のプール ごらんぼくらのあさがよごされてるしんじていますか素敵な世界?

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