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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

2015年05月05日
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カテゴリ:象の椅子
有理数と無理数

 学ぶことは驚くことで、学んでいくにしたがって、驚くことが多くなることは周知のこ

 
とであろうけれど、やがて、ある時点から驚くことが少なくなっていく。ぼくのような、
 
驚くために学んでいくタイプの人間にとって、それは悲しいことで、つぎの段階は、学ぶ
 
こと自体を学ばなければならないことになる。そのうえで、これまでの驚きについても詳
 
細に分析し直さなければならない。なぜ驚かされたのかと。その方法の一つは、単純なこ
 
とだが意外に難しい。多面的にとらえるのだ。齢をとって、いいことの一つだ。思弁だけ
 
ではなく、経験を通しても多面的に見れる場面が多々ある。ぼくたちが、時間を所有して
 
いるのではない。ぼくたちのなかに、時間が存在するのではない。時間が、ぼくたちを所
 
有しているのだ。時間のなかに、ぼくたちが存在しているのだ。まるでぼくたちは、連続
 
する実数のなかに存在する有理数のようなものなのだろう。実数とは有理数と無理数から
 
なる、とする数概念だが、この比喩のなかでおもしろいのは、では、実数のなかで無理数
 
に相当するものはなにか、という点だ。それは、ぼくたちではないものだ。ぼくたちでは
 
ないものを時間は所有しているのだ。ぼくたちでないものが、時間のなかに存在している
 
のだ。しかし、もし、時間が実数どころではなくて複素数のような数概念のものなら、時
 
間はまったく異なる2つのものからなる。もしかすると、ぼくたちと、ぼくたちではない
 
ものとは、複素数概念のこのまったく異なる2つのもののようなものなのだろうか。しか
 
し、ここからさきに考えをすすめることは、いまのぼくには難しい。実数として比喩的に
 
時間をとらえ、その時間のなかで、ぼくたちが有理数のようなものとして存在すると考え
 
るだけで、無理数に相当するぼくたちではないものに思いを馳せることができる。しかし、
 
それにしたって、じつは、ぼくたちではないものというのも定義が難しい。なぜなら、ぼ
 
くたちの感覚器官がとらえたものも、ぼくたちが意識でとらえたものも、ぼくたちが触れ
 
たものも、ぼくたちに触れたものも、ぼくたちではないとは言い切れないからである。こ
 
の部分の弁別が精緻にできれば、この分析にも大いに意義があるだろう。
 



チュパチュパ


 阪急西院駅の改札を通るとすぐ左手にゴミ入れがあって、隅に残ったジュースをスト

 
ローでチュパチュパ吸ったあと、そのゴミ入れに直方体の野菜ジュースの紙パックを捨
 
てるときに気がついたのであった、着ていたシャツのボタンを掛け違えていたことに。
 
朝は西院のマクドナルドを利用することが多くて、たいていは、チキンフィレオのコン
 
ビで野菜ジュースを注文して、あと一つ、単品のなんとかマフィンを頼んで食べるんだ
 
けど、今朝もそうだったんだけど、友だちと待ち合わせをしていて、野菜ジュースだけ
 
がまだ残っていて、でも時間が、と思って、ジュースを持って、店を出て、駅まで歩き
 
ながらチュパチュパしていたのだった。いや、正確に言うと、横断歩道では信号が点滅
 
していたし、車のなかにいるひとたちの視線を集めるのが嫌で、チュパチュパしていな
 
かったんだけど、それに、小走りで横断歩道を渡らなければならなかったし、改札の機
 
械に回数券を滑り込ませなければならなかったので、そんなに歩きながらチュパチュパ
 
していなかったんだけど、というわけで、改札に入ってから最後のチュパチュパをして、
 
野菜ジュースの紙パックをゴミ入れに投げ入れるまで目を下に向けることがなかったの
 
で、自分の着ているシャツの前のところが長さが違うことに、ボタンを掛け違えて、シ
 
ャツの前の部分の右側と左側とでは長さが違うことに気がつくことができなかったので
 
あった。「西洋の庭園の多くは均整に造られるのにくらべて、日本の庭園はたいてい不
 
均整に造られますが、不均整は均整よりも、多くのもの、廣いものを象徴出來るからで
 
ありませう。」(川端康成『美しい日本の私』)「断片だけがわたしの信頼する唯一の
 
形式。」(ドナルド・バーセルミ『月が見えるだろう?』邦高忠二訳)「首尾一貫など、
 
偉大な魂にはまったくかかわりのないことだ。」(エマソン『自己信頼』酒本雅之訳)
 
「読書の楽しさは不確定性にある──まだ読んでいない部分でなにが起きるかわからない
 
ということだ。」(ジェイムズ・P・ホーガン『ミクロ・パーク』26、内田昌之訳)。






最終更新日  2015年05月06日 21時57分03秒
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