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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

2015年05月05日
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カテゴリ:象の椅子
新しい意味

 赤言葉、青言葉、黄言葉。赤言葉、青言葉、黄言葉。赤言葉、青言葉、黄言葉。「言

 
葉同士がぶつかり、くっつきあう。」(ルーディ・ラッカー『ホワイト・ライト』第四
 
部・22、黒丸 尚訳)よくぶつかるよい言葉だ。隣の言葉は、よくぶつかるよい言葉だ。
 
「解読するとは生みだすこと」(コルターサル『石蹴り遊び』その他もろもろの側から・
 
71、土岐恒二訳)「創造性とは、関係の存在しないところに関係を見出す能力にほかな
 
らない。」(トマス・M・ディッシュ『334』ソクラテスの死・4、増田まもる訳)
 
言葉のうえに言葉をのせて、その言葉のうえに言葉をのせて、その言葉のうえの言葉に
 
言葉をのせて、とつづけて言葉をのせていって、そこで、一番下の言葉をどけること。
 
ときどき、言葉に曲芸をさせること。ときどき、言葉に休憩をとらせること。言葉には、
 
いつもたっぷりと睡眠を与えて、つねにたらふく食べさせること。でもたまには、田舎
 
の空気でも吸いに辺鄙な土地に旅行させること。とは言っても、言葉の親戚たちはきわ
 
めて神経質で、うるさいので、ちゃんと手配はしておくこと。温度・湿度・気圧が大事
 
だ。ホテルではみだりに裸にならないこと。支配人に髪の毛をつかまれて引きずりまわ
 
されるからだ。階段から突き落とされる掃除婦のイメージ。まっさかさまだ。ホテルで
 
は、みだりに裸にはならないこと。とくにビジネスホテルでは、つねに盗聴されている
 
ので、気をつけること。言葉だからといって、むやみに、ほかの言葉に抱かれたりしな
 
いこと。朝になったら、ドアの下をかならずのぞくこと。差し込まれたカードには、新
 
しい意味が書かれている。
 



無意味の意味


「芸術において当然栄誉に値するものは、何はさておき勇気である。」(バルザック

 
『従妹ベット』二一、清水 亮訳)たくさんの手が出るおにぎり弁当がコンビニで新発
 
売されるらしい。こわくて、よう手ぇ出されへんわと思った。きゅうに頭が痛くなって、
 
どしたんやろうと思って手を額にあてたら熱が出てた。ノブユキも、ときどき熱が出る
 
って言ってた。20年以上もむかしの話だけど。むかし、ぼくの詩をよく読んで批評し
 
てくれた友だちの言葉を思い出した。ジミーちゃんの言葉だ。「あなたの詩はリズムに
 
よって理性が崩壊するところがよい。」ルーズリーフを眺めていると、ジミーちゃんの
 
この言葉に目がとまったのだ。すばらしい言葉だと思う。以前に書いた「無意味という
 
ものもまた意味なのだろうか。」といった言葉は、紫 式部の『源氏物語』の「竹河」
 
にあった「無情も情である」(与謝野晶子訳)という言葉から思いついたものであった。
 
ジミーちゃんちの庭で、ジミーちゃんのお母さまに、木と木のあいだ、日向と木陰のま
 
じった場所にテーブルを置いてもらって、二人で坐ってコーヒーを飲みながら、百人一
 
首を読み合ったことがあった。どの歌がいちばん音がきれいかと、選び合って。そのと
 
きに選んだ歌のいくつかを、むかし、國文學という雑誌の原稿に書き込んだ記憶がある。
 
「短歌と韻律」という特集の号だった。ぼくが北山に住んでいた十年近くもむかしの話
 
だ。
 



詩と人生


 きょうは、大宮公園に行って、もう一度、さいしょのページから、ジョン・ダンの詩

 
集を読んでいた。公園で詩集を読むのは、ひさしぶりだった。一時間ほど、ページを繰
 
っては、本を閉じ、またページを開いたりしていた。帰ろうと思って、詩集をリュック
 
にしまい、さて、立ちあがろうかなと思って腰を浮かせかけたら、2才か3才だろうか、
 
男の子が一人、小枝を手にもって一羽の鳩を追いかけている姿を目にしたのだった。ぼ
 
くは、浮かしかけた腰をもう一度、ベンチのうえに落として坐り直して、背中にしょっ
 
たリュックを横に置いた。男の子の後ろには、その男の子のお母さんらしきひとがいて、
 
その男の子が、段差のあるところに足を踏み入れかけたときに、そっと、その男の子の
 
手に握られた小枝を抜き取って、その男の子の目が見えないところに投げ捨てたのだけ
 
れど、するとその男の子が大声で泣き出したのだが、泣きながら、その男の子は道に落
 
ちていた一枚の枯れ葉に近づき、それを手に取り、まるでそれがさきほど取り上げられ
 
た小枝かどうか思案しているかのような表情を浮かべて泣きやんで眺めていたのだけれ
 
ど、一瞬か二瞬のことだった。その男の子はその枯れ葉を自分の目の前の道に捨てて、
 
ふたたび大声で泣き出したのであった。すると、あとからやってきた父親らしきひとが、
 
その男の子の身体を抱き上げて、母親らしきひとといっしょに立ち去っていったのであ
 
った。なんでもない光景だけれど、ぼくの目は、この光景を、一生、忘れることができ
 
ないと思った。






最終更新日  2015年05月06日 21時58分00秒
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