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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

2015年05月20日
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カテゴリ:百章物語
                  イラスト詩: 塚元寛一さん
                  ツイッター:びいふじゃあきい・かもめ @kamome7440
                               イラスト素材;イラストac
                  櫻皮詩集: sampleさん
                  ツイッター:sample @kaibutsu_head
                  詩小説: しぇりーいすちゃん
                  ツイッター:しぇりーいすちゃん @izchan1









スタート・ライン 2.クリップ




SL2-80.jpg


identity
to ask one a question



時々思う。
わたしは、
何者だったのだろうか、と。


―――わたしは一瞬、「心は?」と問いながら、
どうして星を見るのだろう。
星はどうして、あんなに多いのだろう。
「心は?」と考えた後では、もう、その熱度は、
うしなわれてしまっているというのに。





 「手作り餃子か、神田の弁当。」
 「おい、木村、物色すナっ?!」
 「えへ、替わりに高野豆腐やるな。ばあちゃんの煮物、うめえぞ。」

 ※廃藩置県1871年
 ・・・(木村、おまえは明治政府か。)

 「餃子、うっめー!もう1個な。」

 ※第1次府県統合1871年
 ・・・(そのゆでタマゴよこせ、木村。)

 しかし、木村の箸づかいは見事で、ワニさんクリップみたいで、つい見とれてしまうじ
ゃないか。やはり是非とも、未成年のうちに箸づかいはマスターしておきたいものだ。と、
しばし人生設計していたのは不覚で。
 「なんだ、神田、食わねえなら、これももらうぞ。」

 ※第2次府県統合1876年
 ・・・(木村、それは“遺恨”という名の、ひとくちだ。)

 「神田君、ね、詩集読んだ?」
 ゲっ、志野みずき、肩ポンなんてしちゃヤバイだろ。おい、木村、勘ぐるなよ。三日月
おめめみたいな目でウフフしやがって、木村、キモイだろ。
 「……。」
 「そっか。ね、少し読んだら、感想きかせて。じゃ。」
 日本史特別クラスの方に、ポニーテールを揺らして去ってく志野みずきの、うさぎさん
の大きなクリップが目に入る。小学生の妹がこの前あのチッコイのほしがってて、ヘア・
クリップっていってたな。女の子って、ああいうのするのか。ふと…、《みみうさ》看護
師の“もふもふ”を“ふもふも”したいとおててが悶々する。メルヘン衝動シンドローム!

 「Y字路って詩、いいんだ。桜の花びらが心に敷き詰められたようなシーンがあって。」
 「なんだ、読んでんじゃん。」
 「うん、始めのだけ。でも、なんで僕に詩集なんか…。」
 「それが、神田の書きかけの小説、文芸部の志野みずきに見せたらスゲー興奮してさ。」
 「木村、テメー!勝手にー!」
 「ワリィ、ワリィ、でもさ、勿体なくってな。」
 「……木村…あのさ。」
 「なんだよ、だから、ワリィっ。」
 「…電話ボックス…あるかなぁ。」





   『そらから』 櫻皮詩集より


   どこまで見つめることができるだろう
   雲ひとつない空からは何も落ちて来なかった
   目薬を点眼した、目を細めた、三日月のように
   そうしておもいだした、些細なうそ
   たまごの殻をかんだときの不快感

   目をひらいて、やはり雲ひとつない空
   風がふいて洗濯物を揺らしている
   時間をもどせるのなら
   あのYシャツが乾くまえに
   袖口が汚れているうちに
   沈黙を上手に叩き割って

   雲をつかむような話ばかり
   ひっつかんで、ひろげて見せた
   あなたは上手な箸の使い方で
   たまごの殻をつまんで見せた
   弁当箱のように小さな生活だった

   どこまで見つめることができるだろう
   空には雲ひとつ、うかんでいる
   やがて雲はふたつに割れてゆく
   それから、また、雲ひとつない空
   今夜は満月だろうか
   まだ、空を見つめている


 














最終更新日  2015年05月22日 06時30分40秒
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