テーマ:☆詩を書きましょう☆(8298)
カテゴリ:百章物語
写真詩: 塚元寛一さん
ツイッター:びいふじゃあきい・かもめ @kamome7440 写真素材;写真ac 櫻皮詩集: sampleさん ツイッター:sample @kaibutsu_head 詩小説: しぇりーいすちゃん ツイッター:しぇりーいすちゃん @izchan1 スタート・ライン 3.コーヒー 花火 火鉢ノ灰ヲ均ラシテ、 幻奏。 深層心海。 不条理ニ満チ満チタ、 不幸ヤ悲シミガ咽頭ヲ曝ス。 (臍の緒をきられた胎児、 暗がりの虫、爬行する虫。) 黒星ー図像・・・ 極限的なかたちで、 歪ンダ奇妙・・。 ブルーアイズだ。 古惚けて煤けた駅を探す。 世界形成的な濾過 << DOOR -Secret Blue >> 過ぎてきた町に花火、 過ぎてきた町に花火。 ――戻せない時の砂時計で、 時の螺旋にめぐりゆく、 アラビアンデザート・・、 ネオンテトラ泳ぐ。 レインボーフィッシュ泳ぐ。 歌姫アリスは、 プラスチックケージ・・。 -DEAD END- 緊急畜殺処分決定。 海ニハ求婚者ガヰル。 BANKノ偽装。 古風ナ手風琴ニ降リテクル、 無益ナ夢ラノ殘骸。 仰望乾月 俯瞰財布 演算明滅 凝視店灯 自動開閉 ムフフフ、塾帰り高校生の味方、自動販売機より22円も安いホット缶コーヒー!満員電車、間 もなく扉が開きまぁす、1本ゲット! 羨望漫画 菓子誘導 腹鳴弁当 耳兎焼肉 耳兎会計 ゲっ?な、なん《みみうさ》看護師?しかも焼肉弁当―っ?言語道断だろ、うさぎだぞ、 うさぎ!うさぎさんは、アレでしょ、キャロット、キャロットケーキ、キャロットジュース、 色々あるでしょ。キャベツという手もある、寒い晩にはお家で“はふはふ”ロールキャベツな んて最高じゃないか。いや、待てよ、内容物が問題だ。ひき肉はジューシーに“ふわふわ”が 加わる分、焼肉よりメルヘン度は高いものの肉食系女子カテゴリーの常備色的存在じゃない か。うん、やはりキャロットだ!キャロットキャ☆ロケット月まで飛んでうさぎさんはたのし そうにおもちをつきました・・・僕はかわいそうにバスに乗り遅れました。 雲が満月をおしだすような夜は、ふと自分の歩みを確めたくなる。バスに乗り遅れたのは 焼肉弁当のせいなんかじゃなく、《みみうさ》看護師が子どもの頃飼っていた“ボクのうさ ぎさん”に似ているからでもなく、唯々、しの先生のあの『櫻皮詩集』の美しさをこの満月 の風景を解くような光のなかで確めながら歩きたかったからなんだ。言葉に綴らずにはいら れない空しさがある、言葉を綴る虚しさがある。空虚さを実体に落とし込み詩として打ち上 げる。しの先生のロケットはどこまで飛んだのだろう。 夏の夜空の花火は、いまもその人の瞳を煌めかせるだろうか。 歩測風景 車道瞬閑 街灯燈囲 公園空響 公衆電話 四文字熟語に填め込まれた景色に、想い出が飛び石する。この公園の奥には児童館があっ て、『トムソーヤの冒険』の絵本を取り合ってケンカしたっけ。公衆電話、ここの電話ボッ クス、まだあったんだ。桜の樹が、ガラスの四角い壁をのぞきこむように枝を伸ばしている。 立ち止まって、温まったポケットの膨らみに手を突っ込む。手にすっぽり収まるアルミのま るい温もり。タブをひきぬくと、乳色がかったほろ苦い香りが鼻をくすぐる。 塾勉漢詩 詩仙酔詠 月下独酌 李白先生、月と僕と電話ボックスに、「ヒーコー!」だよ。 『花火』 櫻皮詩集より 夏の夜空に褪色してゆく肌を晒し 見上げる星へ声のない声を投げ入れる 僕らの無口な歩幅に呼吸を合わせながら 街灯と影に縫いつけた手と手に 蜜で濡れた月を均等に分け与える 背後から伸ばされる 素性の知らない子どもの手には すでになにかが包まれており ゆっくりとひろげられた手のひらは 甘く香り、野苺がすり潰されている 僕らの体温はいつだって うだるように熱くよそよそしい やっと分け与えられたときにはすでに冷たく さよならと手をふる指先の凍傷は 目のまえのあなたの人称の反復させる 火はたましいのように駆けあがり 月へと届かぬうちに離散する 僕らはまだどこかのだれかになれぬまま 手と手の触れえぬそれぞれ夜に 赤い器が割れるのを見る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年06月01日 06時50分18秒
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