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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

2017年10月12日
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AVE写真illus.詩N1457 1509 No.7



Skitterphoto×kamome Studio


わたしは晴れた天気の光の反射を嬉しく思う。
清冽な水のように胸にすがすがしい、
風が落ち、この古庭はよく磨き込まれた鏡となった。
松や熊笹の冷気の層が涼気を誘い、波の穂の音楽のように漂っては、
火照った人々の身体を媚びるように冷たくまといついて来る。
わたしは好きだ、草葺きの屋根を伝う雨の雫。
そしてもっとわたしは好きだ、時折柔らかな風が向こうの生け垣から、
どこをどうしたのやら、胸の中を吹き抜ける風となり、
ふわふわとした白い綿のように心が弾むのを。
わたしは蜜をとかしたような陽射しに、
澱んだものが消えて、すがすがしくなるのを感じる。
天鵞絨のように滑らかな感じを与えながら、
大地から立ちのぼる炎に似た陽炎に季節の旗がなびく。
古い木版画のような、夕焼け、わたしは好きだ、わたしは好きだ、
誰もが心迷いながら生きようとする時間。
光をもとめて呼吸をする花キャベツのようなときめき。
眼界はるか海と空が交わる壮観たる光景にも似て、
地上を走ってゆくあの青年は、ゆっくりと歩くあの老人は、
そしてまだ歩くとも走るとも言えない多くの人びとの肉眼に、
わたしはどう映っているだろう、
わたしは風が吹いて梢が揺らぐたびに、
おまえが生まれてきた日を思い出す、深く、削りたての、
燃えるようなかがやきが幾度もよぎって胸が痛くなる、
おまえはいま幸せだろうか、それとも不幸せだろうか、
何度も問いかけながら、何も言えぬまま、時がはや幾星霜も過ぎた、
そのうちに黴が生え、忘れ去られ、また思い出され、
ゆりかごの中で眠り、また目覚めながら、わたしは人の心を憶う。
その深く広く起伏に富んだ心に、金糸雀が迷い込む。
夜啼鶯が、お前のなやましい心の声に釣られて迷い込む。
そしておまえはその時、わたしのことを思い出すかも知れない、
救い難い我が身の不幸よりも痛いのは他人を本当に愛した時、
心を通わせようとした真心、あわれみを乞うように、
波をひたひたと打ち寄せるだろう、その悲しさ、身に覚えのない、
けれど、何故かいつまでも胸からはなれない、切ない、その悲しさ。










原画サイズ/特大サイズ

詩とArt_Works: 塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: Skitterphoto






最終更新日  2017年10月13日 17時17分10秒
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