マードック
10年に及ぶ研究の日々を経て、植物型ロボットであるマードックを発明。
その植物同様のフォルムと、さまざまな動物からサンプリングされた動きは、
アミル博士の血と涙の結晶であった。
マードックを自宅に連れてきて、アミル博士の娘ボヴァリーによる観察実験をはじめる。
最初は不気味に思ったボヴァリーだったが、次第に言葉を交わすにつれて、
その境遇に同情し、心を寄せ、あたたかく世話するようになった。
(マードックは青い沼に踊る錆びついた鉄の塊だと最初言ったが、
実験の終わりが近づいた時には、月の色の匂いのする植物といった。)
ロボットにおける巨大産業時代である2054年に、
なぜ、このようなものをとマスコミから聞かれた博士は、
まったく植物のようでありながら、なまめかしくリアルな動きをする植物を見せながら、
「われわれに必要なのは、こういうものではありませんか?」
――ホルストの『惑星』が流れて、踊る、マードック。
合理的でありながら思いやりを見せてくれるロボット、
機械や道具以上の存在に思える、ロボット・・。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: (Crow the Stone)