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女神たちの季節
―――数秒のためらいが、あった。
豪雨とおぼしき烈風に身を叩かれながら、
――目の前の空気が圧縮され硬化していく。
見えるか見えないかのスクリーンにレコードの針が浮かんだ。
パレットから練りだされた多彩な絵の具のように、
イルミネーションがちらほらした。
消えやらぬ星と星とのつぶやきが耳にきこえる。
(聞き取れない言語で、言葉以上に脳に訴える呪文)
それは次第に不明瞭にしかし確実に目の前にあらわれて、
――しかし呪文が口にできなければ、魔術師はその大部分の性能をカットされる。
白い遠い過去の残像がうつった。
さらに風が強く吹き、その鍵を地中海あたりまで吹き飛ばすまで。
黄白色の閃光に染まった。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
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