かもちゃん、暗い顔をすれば
すみれ色crystalミヅウミ。
君は路地裏で暴行されている。
災難は降りかかる、整形手術が、
ある日、どろりと崩れてくるみたいに――。
容赦ない汚れ、
肉体の許せない部分、
あなたは欄干を渡って来た、
手を、知らず知らず汚しながら。
第一の嘘は愚者の羽根。
左手の婚約指輪をはずせなかった。
婚約を解消すべきだった。
そしてすべてを打ち明けるべきだった。
古代から続く神々の系譜は、
フィクションでいいと思う。
だが、人間の行為とするフィクションだ。
暴力はにぎやかな雑踏のように無知にあふれている。
第二の嘘は矛盾の釣り舟。
あなたは心的外傷を小さく見た。
あなたは男性に触れられるのを嫌がった。
そして性的交渉は行われなくなった。
あなたは百年の愛の絆を持て余した。
永遠を誓うには時計につながれた鎖が重すぎた。
世の中は生きているようにと励ますが、
世の中ではそう言って何人も死んでいる。
あなたは何故もっと早く、と言った。
もっと早く、こうしなかったんだろう、と。
婚約解消――そして、ありとあらゆるものを、
捨離し、海へと飛び込んだ。
すみれ色crystalミヅウミ。
その水は、新しい君のガイドライン。
そう、錨のない君の新しい寄港地。
でも、夢か現実か、一瞬、大きな鳥がくちばしで――。
自殺・・。
かもめの化け物が話してくれたよ、
世の中には可哀想な女がいる、と。
いまごろ、鳥になってるといいなあ、と。
記憶喪失の女。
過去を一切取り出さないで。
人の秘密を暴かないで。
それが、パンドラの箱なら、死に至る病。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a