destination
酸っぱい匂いが立ち籠めている。
いつ切られたかわからないグレープフルーツが、
ウィスキーの最初の姿のように眺められる。
それは処女の無知のようなものだ。
僕等はなまこのように愚劣に誕生するものを見た。
しかしそれは海という柔らかな殻の中で、
世界の謎を育む一つの記号のように思えてくる。
僕等は実に、聖人の縮図のようなことを言っている。
その高みへ、明るみへ、常に迷いながら、
落ち葉の上に音もなく顔を出す秋の栗鼠を見つける。
ある種の欠点はパリのように、
十分に判然としない記憶の中で開く。
既に成熟を遂げているものは、
重力の影響を皮膚や骨や筋肉に受けているがゆえに、
真夜中の鳥の翼と思えるのだ。
ドンキーホーテと別れなければいけない。
そしてその為の時間は懐疑主義的な信仰の中にあった。
原画サイズ/特大サイズ
詩とArt_Works:
塚元寛一さん &KAMOME_STUDIO
画像素材: イラa。写a